離乳食の10倍がゆの作り方は? 炊飯器や電子レンジで簡単に作る方法を紹介
目次
10倍がゆとは?
生後5~6ヶ月を過ぎたら、いよいよ離乳食のスタート! まずは10倍がゆからはじめて、段階的に7倍がゆ、5倍がゆと進めていきます。この「~倍」とは、お米に対して使う水の分量のことです。
- 10倍がゆ=米1:水10
- 7倍がゆ=米1:水7
- 5倍がゆ=米1:水5
ずっと母乳やミルクで栄養をとってきた赤ちゃんにとって、いきなり固形物を食べるのは困難です。おかゆは消化の吸収が良く腸や胃に負担がかかりません。またアレルギーの心配が少ないため、離乳食デビューの赤ちゃんにぴったりなのです。水分を多く含んだ10倍がゆで、「食べること」に徐々に慣らしていきましょう。
いつまで10倍がゆをあげるの?
離乳初期の2ヶ月間は「ごっくん期」。まずは舌を使って10倍がゆを「ごっくん」と飲み込むことに慣れさせましょう。はじめは10倍がゆを裏ごしし、おもゆやお湯でポタージュ状になるまで伸ばしたものをあげてください。慣れてきたらヨーグルト状のかたさにします。離乳初期の一回量の目安は、大さじ1~2ですが、最初は小さじ1杯からはじめましょう。
パターンいろいろ 10倍がゆの作り方
10倍がゆは離乳初期の基本食。作り方は色々あります。時間があるときは生米から炊く、忙しいときはレンジで時短するなど、シーンによって使い分けるのもいいですね。
生米を使う場合
生米からつくるおかゆは時間がかかりますが、味が良いのが特徴です。余裕があるときは生米からつくってあげたいですね。
小鍋でつくる
生米…200g(1/2カップ)
水…1リットル(5カップ)
- 洗米したお米をざるにあげ、水分をきる。
- 分量の水を注ぐ。
- 20~30分おいて水分を吸収させたらふたをして強火にかける。
- 沸騰したら弱火にし、吹きこぼれないようにふたを少しづらして、約50分煮る。
- 火を止めたらふたをして、約10分蒸らす。
炊飯器でつくる
米… 50g(1/4カップ)
水…500cc
- 洗米したお米をざるにあげ、水分をきる。
- 分量の水を注ぎ、「お粥モード」にして炊く。
10倍がゆと通常のごはんを別々に炊くのが面倒なときは、いつも通りにお米をセットし、その上に湯飲みなどの耐熱容器に離乳食分のお米とお水を入れると、10倍がゆを同時に炊くこともできます。また、市販の炊飯器用クッカーもおすすめ。特にダイソーの「おかゆカップ」は「5倍」「7倍」「10倍」の目盛りがついているので、いちいちお米とお水の割合を量ることなく簡単につくれますよ。
圧力鍋でつくる
米… 50g(1/4カップ)
水…500cc
- 洗米したお米をざるにあげ、水分をきる。
- 圧力鍋に分量の米と水を入れ、火にかける。
- 圧がかかってから、弱火にする。
- 15分経ったら火を止めてしばらく置く。
- 圧力が抜けたら、ブレンダーなどですりつぶす。
※お米をもっちりさせたいときは、さらに10分置きましょう。
レンジでつくる
電子レンジを使って生米から10倍がゆをつくる方法もあります。
生米…小さじ2(10g)
水100ml
- お米をとぎ、1時間以上水につける。
- 大きめの耐熱容器にお米と水を入れる。
- ふんわりとラップをし、500Wで5分間加熱する。
- ラップをしたまま10分間加熱する。
※食べづらそうだったら鍋で柔らかく煮てください。
ごはんを使う場合
炊いたごはんを使えば、生米から炊く方法より短い時間で10倍がゆができますよ!
小鍋でつくる
大人用のごはんを多めに炊いて、残りを10倍がゆ用にするのがおすすめです。
(約3~4食分)
ごはん…30g
お水…200cc(1カップ)
- お鍋にごはんと水を入れ、さい箸などでごはんをほぐす。
- 強火で火にかけ、煮立ったら弱火にしてふたをずらす。
- 蒸し煮にし、20分経ったら火を止める。
- ふたをして約10分蒸らす。
レンジでつくる
短時間で必要な分量をつくれるので、忙しいときにぴったりですよ。
(1食分)
ごはん…小さじ1と1/2
水…大さじ2
- 大きめの耐熱容器に炊いたごはんと水を入れる。
- 少し隙間ができるようにラップをする。
- 電子レンジ(500W)で2分加熱する。
- 電子レンジから取り出し、10分間蒸らす。
- 離乳食の進み具合に応じてなめらかにすりつぶす。
※食べづらそうだったら鍋で柔らかく煮てください。
※レンジで調理するときは耐熱ラップを使用しましょう。
※分量に対して耐熱容器が小さいと中身が飛び散る可能性があるので注意してください。
市販の離乳食用おかゆならそのまま食べられる
離乳食をはじめる時期は、まだまだ赤ちゃんの夜泣きが続いている時。パパママもぐっすり睡眠を取れず何かと大変ですよね。離乳食をつくる余裕がない時は、市販のおかゆに頼っちゃいましょう! ちょっとしたおでかけや旅行に持っていく時にも便利ですよ。
和光堂「手作り応援 国産コシヒカリの米がゆ」
国産のコシヒカリを使用。お湯で溶くだけで簡単になめらかなおかゆがつくれます。粉末タイプなので、離乳食が進んだら手作りした野菜のペーストなどと混ぜて使うこともできますよ。
まつやベビースタイル「まつやのおかゆ カルシウムプラス」
ホタテの貝殻のカルシウムが配合されたおかゆ。炊き上げたばかりのような香りがする点もポイントです。
GreenMind(グリーンマインド)「有機JAS認証 無添加仕上げの離乳食 赤ちゃんのためのお粥」
兵庫県三田産のコシヒカリを使用。初期・中期・後期・完了期と、離乳食の段階に合わせて4パターンの商品がそろえられています。
出来上がった10倍がゆは裏ごしする
お鍋や炊飯器でつくった10倍がゆは、お米のつぶつぶが残ったまま。赤ちゃんが食べやすいよう、なめらかにすりつぶしてあげましょう。10倍がゆをなめらかにするにはすりつぶし器を使ってもいいですが、ハンドブレンダーがあれば時間をかけず簡単に作れるので便利ですよ。
握りやすく操作しやすい形になっているので、離乳食づくりやスープ作りもラクラクできます。専用ブレンドカップ付きで、そのまま冷蔵庫保存も可能なのでとても便利ですね。
離乳初期の赤ちゃんへの10倍がゆのあげ方
赤ちゃんにあげるはじめての離乳食。ちゃんと食べてくれるかドキドキしてしまうママもいるかもしれませんね。でも焦らなくて大丈夫。最初は全く食べてくれなくても、母乳やミルクで栄養はきちんとれています。「ごっくん」の練習だと思って気楽にはじめてくださいね。
赤ちゃんが食べやすいかたさに調整する
離乳食をはじめたばかりの頃はおもゆやお湯でポタージュ状になるまで伸ばしたものをあげましょう。それに慣れてきたら、ヨーグルト状のかたさにしたものをあげてください。赤ちゃんによっては飲み込みやすいかたさは異なります。そのため、少しずつ様子を見ながら水分量を調節してくださいね。
小さじ1の量から始める
赤ちゃんが食べたそうにしていても、最初は小さじ1からあげてください。問題がなければ少しずつ量を増やし、1週間かけて大さじ1まで増やしましょう。
食べさせ方
赤ちゃんの下唇にスプーンを優しく当てて、自分から10倍がゆを食べるのを待ってあげましょう。無理やり口に入れると嫌がることが多いので注意してくださいね。ママやパパの膝の上に座らせてあげると安心して食べられることもありますよ。
余った10倍がゆは冷凍保存がおすすめ
多めに10倍がゆをつくって冷凍保存をすれば、必要なときすぐに解凍しておかゆが作れます。製氷皿へ1食分ずつ入れて冷凍しておくと便利ですよ。解凍するときはレンジがおすすめ。お湯を足して食べやすいかたさに調整し、冷ましてからあげましょう。保存の目安は約1週間です。
赤ちゃんが10倍がゆを食べないときは
一生懸命つくった10倍がゆを食べてもらえないと、とても悲しい気持ちになりますよね。でも赤ちゃんが嫌がるのには、いくつかの理由が考えられます。
焦らず少しずつ進める
生まれてからずっと母乳やミルクだけを飲んできた赤ちゃんにとって、離乳食ははじめての「食べる」という経験です。急に他の味を受け入れられない赤ちゃんがいて当たり前ですよね。食事が楽しいと思ってもらえるように、焦らずにリラックスした雰囲気をつくってあげましょう。初日は口にしなくても大丈夫。2日目、3日目と10倍がゆをなめさせるだけで、徐々に味に慣れていきますよ。
トッピングしてみる
離乳初期は10倍がゆだけをあげますが、毎日続くと赤ちゃんが味に飽きてしまうこともあります。そのときは10倍がゆに他の食材をトッピングしてあげましょう。アレルギーの心配が少ない野菜がおすすめです。万が一アレルギー反応が出たとき、原因が何かを見極めるために食材は1種類ずつ増やしていってくださいね。
かぼちゃ
10倍がゆ…10〜15g(小さじ2〜大さじ1)
かぼちゃ…10g
- かぼちゃの皮と種、ワタを取り除く。
- かぼちゃを水から煮て、裏ごしする
- 10倍がゆにトッピングする。
ほうれん草とじゃがいも
10倍がゆ…10〜15g(小さじ2〜大さじ1)
ほうれん草(葉先)…5g
じゃがいも…10g
- ほうれん草をゆでて水にさらした後、水気を切ってすりつぶす。
- 皮をむき水にさらしたじゃがいもをやわらかくなるまでゆで、すりつぶす。
- ほうれん草とじゃがいもを混ぜ、10倍がゆにトッピングする。
しらすとにんじん
10倍がゆ…10〜15g(小さじ2〜大さじ1)
しらす…5g
にんじん…5g
- しらすはお湯で湯がき、塩抜きをする
- 皮をむいたにんじんを、やわらかくなるまで茹でる。
- しらすとにんじんを裏ごしし、10倍がゆにトッピングする。
※お魚は離乳食開始後、1ヶ月を過ぎてからあげるようにしましょう。
先に母乳やミルクをあげてみる
基本は離乳食をあげた後に母乳やミルクを飲ませます。ですが、お腹が空きすぎていると母乳やミルクを欲しがり、離乳食を口にしてくれません。そのため母乳やミルクとの間隔が空きすぎて赤ちゃんが空腹のときは、先に母乳やミルクをあげてみてください。
おかゆの温かさを確認する
大人と違って赤ちゃんは熱いものを口にできません。10倍がゆもミルクと同様に人肌くらいの温度に下げてあげましょう。また、冷たい場合は電子レンジで適温に温めてからあげるようにしてください。
おかゆの状態を工夫する
レシピ通りにつくっても、おかゆのかたさや舌触りが赤ちゃんの口や舌の発達に合っていない場合があります。また、きちんと裏ごしをしていても水分量が足りないとうまく飲み込めないことも。そのためおかゆのなめらかさだけではなく、水分量も調整してみましょう。
赤ちゃんの機嫌が良いときにあげる
体調が悪いときやおむつがぬれたままのときなど、赤ちゃんの機嫌が悪いと離乳食を中々口にしてくれません。一度リセットし、機嫌が良い日に改めてあげてみましょう。
スプーンを正しく使う
離乳食をあげるとき、赤ちゃんが飲み込みやすいように口の奥まで入れてしまいたくなりますが、これはNG。正しいあげ方は、赤ちゃんの下くちびるの上にそっとスプーンを当てます。そして赤ちゃんがくちびるを動かして自分でおかゆを口の中に入れるのを待ちましょう。おかゆが口の中に入ったらそっとスプーンを水平に抜いてください。口を開けたままの場合は、下あごを優しく押して閉じましょう。はじめはうまくおかゆを飲み込めずに口から出てくるかもしれませんが、徐々にうまく飲み込めるようになりますよ。
離乳食をはじめるタイミングをずらす
離乳食をはじめる目安は生後5~6ヶ月とされています。それはこの月齢の発達段階が、離乳食をスタートさせる条件に合っているから。
- 生活のリズムが安定し、授乳間隔が3~4時間になる。
- 首がすわっている。
- 家族の食事に興味を示すようになった。
- 支えがあれば椅子に座ることができる。
これらの状態になっていない場合は、離乳食をはじめるのに少し早いかもしれません。
まとめ
10倍がゆは赤ちゃんにとってもパパママにとってもはじめての体験です。テーブルをおかゆでぐちゃぐちゃにされたり、せっかくつくったのに食べてもらえなかったりすることもあるでしょう。でも赤ちゃんが最初から上手に食べられないように、パパママだって上手にあげられないのは当たり前。はじめは全く食べてもらえなくても、母乳やミルクで栄養は足りていますので、焦らずにゆっくり進めていってくださいね。