【管理栄養士監修】離乳後期(カミカミ期)の進め方! 栄養バランスの良い離乳食メニューを心がけよう!
目次
監修者紹介
離乳後期はいつから?
生後9ヶ月〜10ヶ月頃が離乳後期の目安
離乳後期は生後9ヶ月〜10ヶ月頃からが目安です。モグモグ期を進めると、赤ちゃんは茹でた野菜や魚など舌でつぶせるくらいの固さの食材を食べられるようになっていきます。離乳後期へステップアップする基準としては、このモグモグ期で柔らかいかたまりの食材を口を動かしモグモグして食べる、離乳食を手づかみで食べようとするなどがあげられます。赤ちゃんがこのように食事をするようになれば離乳後期に進んでいきましょう。
離乳後期の進め方のポイント
離乳後期には少しずつ歯も生えてきている時期ですが、固すぎる食材は噛み切れません。食材はバナナくらいの固さが調度良いでしょう。ご飯は5倍がゆ~軟飯へと進めていきます。離乳食作りは手間がかかりますが、1回の食事で主食、主菜、副菜と栄養バランスの取れた献立が理想的です。
この時期の赤ちゃんは急激に成長するため、鉄分が不足しやすくなります。そのため鉄分補給が出来るようなメニューも大切です。栄養バランスを考慮しながら毎日すべてを手作りするのも大変なので、ベビーフードを活用しても良いでしょう。手づかみ食べも始まるため、野菜スティックやおにぎりなど赤ちゃんが握りやすいメニューも加えてください。食欲をそそるよう彩りも考慮してみると良いですね。
食材によっては大人と同じものを取り分けても構いませんが、味が濃すぎるものは控えましょう。食材そのものの味を覚える時期でもあるため味付けは風味付け程度でOKです。離乳後期では3回食が始まるため、朝、昼、夜という食事のリズムを覚えさせることも大切です。おやつはまだあげる必要はありません。おやつを食べすぎると離乳食が進まなくなることもあるため、ぐずった時の気分転換程度にしておきましょう。出来るだけ一緒に食事をして楽しい食卓作りをしていきましょうね。
離乳後期の1日のスケジュール例
時間 | 食事内容 |
---|---|
6:00 | フォローアップミルク |
10:00 | 離乳食+フォローアップミルク |
12:00 | おやつ |
14:00 | 離乳食+フォローアップミルク |
18:00 | 離乳食+フォローアップミルク |
22:00 | フォローアップミルク |
離乳後期は、1日3回食にステップアップし、離乳食をあげる間隔は3~4時間があくようにしましょう。1日3回食に慣れたら、パパママと同じ時間に離乳食を食べれるようにします。夜の離乳食は、遅くても19時までに食べ終えるようにしましょう。離乳食で栄養が足りていない分をフォローアップミルクで補う場合があります。おやつはあげなくても大丈夫ですが、気分転換程度にあげる場合は、甘みの少ない赤ちゃんせんべいやビスケットを1〜2枚程度あげても大丈夫です。おやつをあげる時は、離乳食に差し障りのない時間にあげるようにしましょう。
離乳後期の1回の食事量
離乳食はたくさん食べる赤ちゃんもいれば少量でも満足する赤ちゃんもいますので、あくまで目安として確認してください。まずはご飯やパンなどの炭水化物についてです。5倍がゆなら90g、軟飯なら80gが目安です。子供茶碗に軽く一杯くらいの分量ですね。サンドイッチ用の食パンなら1枚、ゆでうどんなら1/3玉が目安です。 ビタミンやミネラルを補給する野菜や果物はどちらも30~40gが目安です。ミニトマト一個が10g程なので、それを基準に考えるとわかりやすいですね。続いてタンパク質です。魚や肉は15g、豆腐なら45g、全卵だと1/2個、ヨーグルトやチーズなどの乳製品の場合は80gが目安です。
離乳後期から食べられる食材
種類 | 食材 |
---|---|
炭水化物 | 米(5倍がゆ~軟飯) |
タンパク質 | あじ、いわし、さんま、豚肉・牛肉(赤身)、ツナ缶 |
野菜・いも類 | ねぎ、にら、山芋 |
卵・乳製品 | 卵(全卵1/2) |
海藻 | わかめ |
離乳後期では食べられる食材が増えますが、噛み切りにくい貝類やお刺身などの生魚は消化に悪いのであげないようにしましょう。離乳後期から山芋をあげることができますが、生のものをあげると口まわりがかゆくなるので、加熱したものをあげるようにしましょう。加熱してもアレルギー反応がでる場合もあるので、初めて食べさせる時は午前中のかかりつけ医に受診できるタイミングであげましょう。
離乳後期におすすめな鉄分が含まれる食材
「肉」「魚」「大豆」「野菜」の中でも鉄分補給におすすめの食材をご紹介します。肉類ではレバーや赤身肉、魚であればかつおやマグロがおすすめです。大豆製品では、納豆やきな粉、高野豆腐も良いでしょう。野菜では小松菜やほうれん草、海藻ならひじきや青のりを食べるように意識してください。鉄分が不足して鉄欠乏性貧血になると、「身長が伸びない」「言葉が理解できない」「爪が皮膚に食い込む」など成長にも影響を及ぼすこともあります。そのため鉄分が含まれる食材を離乳食の献立に積極的に取り入れていきましょう。
離乳後期は鉄分が豊富な鶏レバーがおすすめ
レバーの中でも臭みが少なく柔らかいため、離乳後期の食材として鶏レバーは最適です。鶏レバーは鮮度が重要な食材なので購入したらすぐに下処理をするようにしましょう。下処理したレバーはそのまま冷凍保存が出来るため、小分けにして保存しておけば少しずつ離乳食に加えられるため便利です。冷凍レバーは1週間を目安に使い切るようにしてください。
冷凍レバーはおろし金ですりおろすと簡単になめらかにすることができます。鶏レバーは臭みが少ないとはいえ、食感や味にクセがあるためそのままでは食べてくれないということも多いようです。そのためすりおろしたり細かく刻んで他の料理に混ぜたりしながら取り入れていきましょう。レバーの活用メニューとしては、ひき肉と混ぜてハンバーグにする、野菜と一緒に煮込んでスープにする、トマトソースに混ぜて料理にかけるなどがおすすめです。市販のベビーフードにも、レバーを使った料理やレバーペーストがあるため、ぜひ活用してみてください。
離乳後期のおすすめメニュー
離乳後期には、手づかみ食べが出来るメニューや多種類の食材を混ぜて作れるメニューがおすすめです。例えば、軟飯に野菜や魚などを混ぜて一口大に丸めたおにぎりです。ホットケーキやサンドイッチも手で食べられるためおすすめです。食材単体では赤ちゃんが食べてくれないという場合には、肉や魚、野菜などを混ぜて作れるおやきやお好み焼きもおすすめです。
また、野菜や肉を煮込んで作るミートソースもいつもの料理に加えるだけで味の変化が楽しめ栄養バランスも取れるため人気です。野菜をたくさん使えるスープや煮物なども離乳後期には最適です。スープは離乳初期からも食べさせられて、月齢に合わせて食材の大きさや固さをステップアップさせていけるため離乳食の定番メニューとなっています。調味料は離乳中期から使えるバターや砂糖に加え、塩やしょうゆ、みそなども少量使用出来るようになります。
遊び食べによる服や床などの汚れ対策がおすすめ
赤ちゃんにとって食べ物は初めて見る不思議なものばかりです。おもちゃと食べ物の区別はまだつかないため、興味を持つと手で触って潰して投げて…と、食卓はぐちゃぐちゃになってしまいます。パパママを悩ませる遊び食べですが、これも立派な成長の証です。遊び食べを通じて赤ちゃんは指先で食材の感覚を確かめたり、自分で食べ物を上手に口に運ぶ練習をしていくのです。そのため出来るだけ見守ってあげましょう。離乳食が床に落ちても掃除しやすいようテーブルの下に食べこぼしマットを引く、カーペットの上では食べさせないなどの汚れ対策をすることで、お掃除のイライラを防ぐことができます。
まとめ:離乳食トレーニングも後半戦、赤ちゃんと一緒に食事を楽しみましょう
離乳後期になると、食べられる食材や調味料が増え、手づかみ食べも始まるためメニューの幅も広がっていきますね。離乳食を考えるのは一苦労ですが、ベビーフードも活用しながら赤ちゃんにたくさんの味や食感を覚えさせてあげてくださいね!