遊び食べは子供や赤ちゃんのアプローチ? イライラしない食育と対処方法
目次
子供や赤ちゃんの遊び食べって?
遊び食べとは、赤ちゃんや子供が食事の途中で遊び始めてしまうことです。具体的には次のような例があります。
- 食べ物を手でぐちゃぐちゃにつぶす、こね回す
- 食器をスプーンやフォークなどでカチカチ叩く
- 食べ物や食器を壁に向かって投げる
- 一度、口の中に入れた食べ物を口から出す
- 食事中にじっと座っていられず、歩き回ったり椅子に立ち上がったりする
「子供が遊び食べをするため食事にとても時間がかかってイライラする」「後片付けが大変」など、子供の食事に日々頭を抱えているパパママはとても多いです。
子供や赤ちゃんの遊び食べの原因は成長が関係している?
赤ちゃんや子供は、身体面、精神面で日々急激に成長しています。このことが遊び食べの原因と深く関わっていると考えられています。
遊び食べの原因①:食べ物に対する興味や好奇心
離乳食期の赤ちゃんにとっては、目に見えるものすべてが新鮮で興味深いもの。食べ物とおもちゃの区別もまだついていません。また、食べ物の「固い」「柔らかい」「熱い」「冷たい」などの感覚を手で触って確かめていることもあります。赤ちゃんにとって食べ物を触る行為は「遊び」ではなく「探索活動」のひとつだとも言えます。
遊び食べの原因②:周囲の反応
子供が食べ物を投げたり落としたりしたとき、普段と違う驚いた表情や焦った素振りを見せてしまうパパママも多いのではないでしょうか。子供はそんな周囲の反応を面白がって、食べることよりも遊ぶことに興味が向いてしまう場合もあります。
遊び食べの原因③:お腹が減っていない
日中の運動量が少ない、おやつを食べすぎたなどの理由でお腹が減っていないときも、遊び食べをすることがあります。また、食事の量が多すぎると、食べている途中でお腹がいっぱいになってしまい遊び始めるというケースも多いです。子供は胃袋が小さく満腹感を感じるのが早いということも覚えておきましょう。
遊び食べの原因④:集中力の短さ
幼い子供が集中できる時間は約15分程度だといわれています。食事の時間が長すぎると食べることに飽きてしまい、遊び食べを始めてしまう原因となります。
子供や赤ちゃんの遊び食べはいつからいつまで続くの?
遊び食べはおおよそ生後8ヶ月~2、3歳頃の子供に見られることが多いです。小児保健研究協会が行った研究によると、遊び食べをする子供の割合は男児では2歳、女児では3歳が最も多く、4歳以降は男女とも減少するという調査結果が出ています。遊び食べがいつまで続くのかについては個人差がありますが、いつか必ず終わるものだと考えて根気強く対処していきましょう。
年齢別で調査! 子供や赤ちゃんの遊び食べにどう対応した?
赤ちゃん・子供の遊び食べに、パパママは実際にどのように対応しているのでしょうか。遊び食べのエピソードや対応方法を年齢別にご紹介します。
赤ちゃんの遊び食べ:離乳食の対応
息子はとにかくおかずを手でぐちゃぐちゃにして大変でした。なので、あえて手づかみできるメニューを増やしたら喜んで食べてくれるように。見た目もニンジンやカボチャなどを使ってカラフルになるように工夫しました。(30代・主婦)
子供の遊び食べ:1歳の対応
- 食事はごく少量ずつお皿に盛って、食べきったらまた少し追加するという方法にしています。お皿が空になるたびに「すごい!えらいね!」と全力で褒めています。(20代・主婦)
- 食事のときに使っていた椅子はテーブル・ベルト付きで子供が固定されるタイプだったので、食事中に歩き回ることはなかったです。「食べるときは座る」ということが習慣づけられたので良かったです。(30代・主婦)
子供の遊び食べ:2歳の対応
- 時計を見せて「長い針がここまできたらご飯の時間は終わりだよ」と教えて、時間内に完食できたらデザートを出すというルールにしています。最初はあまり意味が分かっていなかったようですが、最近はデザート欲しさに食事の時間を守れるようになってきました。(30代・主婦)
- ピクニック気分で外で食べるとか、子育て支援センターに行って食べるとか。家の中で食べるときもお弁当箱におかずを詰めてみたり、テーブルを飾り付けたりして、食事の環境を少し変えてみると食べることに集中してくれます。(30代前半・主婦)
子供の遊び食べ:3歳の対応
- 我が家では手巻き寿司が大活躍です。自分でご飯やおかずを自由に組み合わせて、海苔で巻くのが楽しいみたい。大はしゃぎで食べてくれます。(30代・会社員)
- ご飯をいつもと違う形に盛り付けてふりかけをかける、おかずに可愛い形のピックを刺すなど、味や見た目が子供好みのものになるようにしています。(20代・パート)
子供の遊び食べ:4歳の対応
「今日の夜ご飯は何を食べようか?」「お肉はどんな味付けがいい?」など、子供の希望を聞くようにしています。また、ご飯は子供に盛り付けさせて、食べる量を自分で決めさせるようにしたのも遊び食べ防止に効果があったと思います。(40代・主婦)
子供の遊び食べ:5歳の対応
子供と一緒に料理しています。材料をかき混ぜる、お皿に盛りつけるなど、子供に任せる作業は簡単なものが多いですが、それでも自分で作ったという達成感があるみたいです。夜ご飯を食べるときは「私が作ったおかず美味しい?」とパパに自慢げに聞いて楽しそうです。(40代・パート)
子供や赤ちゃんの遊び食べの栄養面は間食でカバー
子供がなかなかご飯を食べてくれず栄養不足が心配なときは、間食やおやつで栄養面をカバーしましょう。ミネラルを含む果物や、カルシウムが豊富な乳製品はおやつにおすすめの食材です。エネルギーを補うことができるおにぎりやさつまいもなどもいいですね。市販のスナック菓子類は、塩分や食品添加物が過剰に含まれている商品が多いのでなるべく控えましょう。また、おやつの与えすぎはご飯を食べなくなったり遊び食べを始めたりする原因になります。おやつは食事に響かない量に抑えることも忘れないでくださいね。
イライラしない子供や赤ちゃんの遊び食べの対処法
子供の遊び食べがおさまらず食事のたびにイライラするという悩みを持つパパママはたくさんいます。ストレスを減らすために効果的な遊び食べの対処法をご紹介します。
子供や赤ちゃんの遊び食べ対策①:汚れてもいいように床など対策
テーブルや床の汚れ防止にはテーブル用のマットや新聞紙、レジャーシートなどがとても便利です。あらかじめ敷いておけば子供が食べ物を落としてもさっと後片付けできるので、パパママのストレスも軽減されますよ。
子供や赤ちゃんの遊び食べ対策②:食事や間食の時間を決める
毎日同じ時間に食事や間食をとるように生活リズムを整えましょう。食事の前までに外遊びなどで体を動かして、お腹を空かせておくこともポイント。生活にメリハリをつけることで食事に集中しやすくなります。
子供や赤ちゃんの遊び食べ対策③:口頭で注意する
「食べ物はおもちゃじゃないよ」「せっかく作ったのにママ悲しいな」など、口頭で注意することも忘れないようにしましょう。このとき「ダメでしょ!」と頭ごなしに怒鳴りつけてしまうのはNG。子供にはなにがダメなのかの判断ができません。どうしていけないのか、子供が納得するように理由を伝えてあげることが大切です。
子供や赤ちゃんの遊び食べ対策④:危険がないように気が済むまで様子を見る
気が済むまで自由に遊ばせるというのもひとつの手。食べ物で遊ぶことに満足したら、その後は遊ばなくなるというケースもあります。特に離乳食期の赤ちゃんがいる家庭では「毎日気が済むまで遊ばせていたら、いつの間にか遊び食べをしなくなった」という声も多数聞かれます。ただしスプーンや食器を投げるなど、子供や周囲に危険が及ぶような行動はとらないようにしっかり見守ってくださいね。
子供や赤ちゃんの遊び食べ対策⑤:食事を片付ける
遊び始めたら食事を片付けてしまうのもいいでしょう。「お腹いっぱいみたいだから片付けるね」と一声かけると、遊ぶのをやめて食べ始めることもあります。食事中に遊んだら片付けられてしまうんだということを子供に覚えさせましょう。
子供や赤ちゃんの遊び食べ対策⑥:子供が喜ぶ食事にする
お子様ランチのような盛り付けや、バイキング形式の食事などは食卓が楽しい雰囲気になり、子供も喜んでくれます。また、手づかみで食べられるおかずやおにぎりなども子供に人気のメニューです。食べることに興味を持ってもらえるように、食事の内容を工夫してみましょう。
子供や赤ちゃんの遊び食べ対策⑦:15分程度で食べ切れる食事
子供が15分程度で食べ切れる食事内容にすることも重要です。食事の量だけでなく、子供が食べにくい食材が入っていないかどうかも要チェック。例えばレタスなどの葉物野菜やブロッコリーなどのまとまりにくい食材は子供にとって飲み込みにくく、食べるのに時間がかかってしまいます。食べにくい食材は細かく刻んだりとろみをつけたりして飲み込みやすくなるように調理しましょう。
子供や赤ちゃんの遊び食べ対策⑧:食べたことに褒める
一口食べるたびに、「えらい!」「野菜もちゃんと食べられたね!」など、たくさん褒めてあげましょう。また、「美味しいね」「パパも同じものを食べてるね」など、食事に飽きさせないための声掛けも忘れずに。食卓が楽しい雰囲気になるように心がけてくださいね。
子供や赤ちゃんの遊び食べ対策⑨:食事中は誰も席を立たない
子供は周囲の人の行動を見て真似をするものです。食事中に家族が席を立つ姿を見たら「歩いても大丈夫なんだ」と思ってしまうこともあります。食事中は家族全員席に座って、席を立つのは「ごちそうさま」をした後で、という姿を日頃から見せておくことも大切です。
まとめ
遊び食べの原因は子供によってさまざま。すぐには解決できないことが多く、食事のたびに対応しなければならないパパママは毎日本当に大変です。パパママがあまりストレスを感じすぎないように程よく肩の力を抜くことも忘れずに、子供の成長を見守りましょう。