保育園には何歳から入れる? 入園させやすい、保活が厳しくない年齢は?
目次
他の家庭は何歳から子供を保育園に通わせているの?
年齢区分 | 人口 | 保育園に通う児童数 | 人口に占める割合 |
---|---|---|---|
0歳児 | 1,002,000人 | 146,972人 | 14.6% |
1・2歳児 | 1,934,000人 | 884,514人 | 45.7% |
3歳以上児 | 3,073,000人 | 1,515,183人 | 49.3% |
全年齢の合計 | 6,009,000人 | 2,546,669人 | 42.3% |
多くのパパママは1歳から子供を保育園に通わせる
上記は厚生労働省より2017年9月に発表された「保育所等関連状況取りまとめ」に記載された数値を抜粋したデータになります。このデータを見ると、0歳児のうちに子供を保育園に通わせる家庭は約15%となっていますが、1、2歳児では約46%と急に保育園に子供を通わせている割合が上がっています。3歳児以上で保育園に通っている子供は人口全体の49.3%ですから。多くの家庭では1、2歳児から子供を保育園に通わせていて、3歳以降に保育園に入園する子供はほとんどいないことがわかります。
3歳以降の入園希望者が少ないのは、3歳からは子供を幼稚園に入園させる選択肢もあることが理由でしょう。産休、育休明けに子供を保育園に入園させて仕事を復帰したいママは、子供が産まれて1~2年間取得できる育休が終わる前に保活をはじめ、子供を保育園に入園させているのが上の数字を見るとよくわかります。
何歳から保育園に通わせるか:全国の待機児童数からチェック
年齢区分 | 保育園に通う児童数 | 待機児童数 | 保育園に通う児童数に占める待機児童の割合 |
---|---|---|---|
0歳児 | 146,972人 | 4,402人 | 2.9% |
1・2歳児 | 884,514人 | 18,712人 | 2.1% |
3歳以上児 | 1,515,183人 | 2,967人 | 0.2% |
全年齢の合計 | 2,546,669人 | 26,081人 | 1% |
0~2歳児には待機児童が多い
1~2歳に子供を保育園に通わせたいパパママが多いことはご説明しました。次に年齢ごとの待機児童数についてご紹介しましょう。こちらも「保育所等関連状況取りまとめ」でのデータより抜粋した数値です。0歳児も1~2歳児も人口に対する待機児童の割合は大きく変わらず、2%台となっています。これが3歳児以降には0.2%まで下がっているのがおわかりでしょうか。この数値を見ると、これまでは「3歳以降に子供を保育園に預けるのなら、ほぼ確実に入園できた」のがわかります。ただ、最近では3歳児クラスの保活も激戦化しつつあるので、3歳児クラスだから保活は楽だろう…と考えるのは禁物です。
何歳から保育園に通わせるか:保育士1人あたりの担当児童数からチェック
年齢区分 | 保育士数の基準 |
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0歳児 | 児童3人につき保育士1人 |
1、2歳児 | 児童6人につき保育士1人 |
3歳児 | 児童20人につき保育士1人 |
4、5歳児 | 児童30人につき保育士1人 |
0~2歳児は保育士1人あたりの担当児童数が少ない
では、なぜ0~1、2歳児に待機児童が多いのでしょうか。その主な原因は保育士1人あたりが担当できる児童数が0~2歳児は厳しく制限されているからです。新生児の場合、おもちゃなどを誤飲したり、うつぶせ寝で窒息したりと日常生活でも注意し続けないといけない点がいろいろあります。そのため、0歳児保育では保育士1人あたり3人の児童に制限されています。1~2歳児もまだまだ注意が必要な年齢ですから保育士1人あたり6人と決まっています。このように担当できる児童数が限られているため、保育園での0~2歳児の受け入れ枠は非常に少なく、その結果、保活が激しくなり待機児童数問題も深刻というわけです。
最初に紹介した表のデータだと、保育園に通っている0歳児は約14万7000人と、1~2歳児の合計88万4000人に比べると入園を希望する児童数は非常に少ないのがわかります。しかし、2つめの表で紹介した通り、待機児童の割合は2.9%と1~2歳児の2.1%より高くなっています。これは0歳児保育では保育士1人あたり3人の児童しか保育できないことが主な理由です。一方、3歳以降は保育士1人あたり20名まで担当できるようになるため、3歳以降は地域の保育ニーズを満たせる受け入れ枠がこれまでは用意されていました。
何歳から保育園に通わせるか:保育料の違いからチェック
世帯年収 | 0~2歳 | 3歳児 | 4歳以上 |
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400万円 | 9,400円/月 | 9,300円/月 | 9,200円/月 |
500万円 | 15,400円/月 | 10,900円/月 | 10,800円/月 |
600万円 | 19,100円/月 | 12,700円/月 | 12,600円/月 |
700万円 | 23,600円/月 | 15,800円/月 | 15,700円/月 |
800万円 | 29,200円/月 | 19,500円/月 | 17,300円/月 |
900万円 | 35,700円/月 | 22,000円/月 | 18,100円/月 |
1000万円 | 43,400円/月 | 22,800円/月 | 18,500円/月 |
※月ごとの保育料算出条件:新宿区在住。夫のみが働いている。預ける子は第1子。保育時間は8~19時
保育園の保育料が高いのは0~2歳
認可保育園の保育料は年齢や世帯年収によって変わります。認可外保育園の保育料は園が独自に決めていますが、認可外でも0~2歳児の保育料がもっとも高いのは変わりません。0~2歳児の保育料が高いのは保育士あたりの担当できる児童数が少ないのが理由です。
世帯年収による保育料の違いについては別の記事で詳しくまとめていますので、下記リンクをご覧ください。みなさんの家庭の正確な保育料については、今お住まいの自治体とみなさんの家庭の世帯年収によって違いますが、上の表で東京都新宿区に在住の一人っ子家庭をサンプルに、年収による認可保育園の保育料の違いを調査してみました。
年収500万円以下の場合、自治体からの補助もあり、どの年齢でも保育料は大きくは変わりません。しかし、年収500万円を超えると0~2歳児の保育料がどんどん上がっていくのがわかるでしょう。認可保育園の保育料については、一概には言えませんが、認可保育園の2倍くらいはかかると考えましょう。
保育園に入園しやすいのは何歳児クラスなの?
1~2歳児クラスは激戦なので0歳からの保活がおすすめ 3歳以降の保活は今後激戦に?
もっとも保育園に入園を希望する子供が多いのは1歳~2歳児で、これは1~2年取得できる育児休暇が終わってから保育園に子供を預ける家庭が多いためです。0歳児でも待機児童は2.9%の割合で発生するのを前の章でご紹介したので0歳児での保活が楽なわけではないのもイメージできるでしょう。
しかし、0歳児で保活を初めていると、万が一、4月入園で認可保育園に落ちて待機児童になったとしても保育指数の点数が加点され、翌年の認可保育園入園がしやすくなります。認可保育園に落ちて、認可外保育園に預けた実績なども加点対象になるため、0歳で保活をすることには大きなメリットがあるのです。
3歳以降の保活も激戦に? 新たに言われはじめた3歳の壁
上で紹介した「全国の待機児童数」データでは、3歳以降は保育園の児童受け入れ枠が増えるため、待機児童問題は深刻ではないという結果が出ていました。しかし、2019年4月の東京での認可保育園への入園申し込みでは0~2歳児より3~5歳児の落選率が高く、約30%の子供が3歳児クラスの入園申し込みに落選している結果となっています。0~2歳までしか子供を預かってもらえない小規模保育や企業主導型保育から転園する子供が3歳児クラスの入園希望に殺到しているのが理由と想定されますが、今後は3歳児クラスの保活も激戦化するのは間違いないでしょう。
2019年10月から保育料が無料になる?
幼保無償化という制度が実施され、保育料の一部が補助されます
2019年10月より保育園無償化(正式には幼保無償化)という制度がスタートし、保育料の一部が補助されるようになります。保育園無償化は0~2歳児については住民税非課税世帯(世帯年収が約200~300万円)だけが保育園無償化の対象となります。しかし、3歳児以降については世帯年収などでの所得制限はなく、月額3万7000円を上限とした保育料の補助が保育園無償化で受けられます。
子供に対する似たような補助では児童手当がありますが、児童手当は年収約960万円以上の所得制限がありました。保育園無償化にはそういった所得制限がないのが特徴です。その他、お住まいの自治体によっては2人目以降の子供の保育料が無料など独自の支援も行われていることもあるでしょう。
何歳から保育園に通わせるかの不安点:0歳から保育園に預けるのはかわいそう?
小さなうちから外で保育士や子供と触れ合うメリットもあります
保育園に子供を通わせる人が少なかった時代の名残から、今でも「小さなうちから保育園に子供を通わせるなんてかわいそう」と言われることがあるでしょう。祖父母世代は特にそういったイメージがあるかもしれません。しかし、今の保育園は幼稚園の同等の教育を行っていますし、認可外保育園ではモンテッソーリ教育など、独自の教育プログラムを実施していて、家庭ではできない教育を受けられることもあります。
また、小さなうちから保育園で保育士さんや、いろいろな年齢の子供と触れ合うことで、子供の成長にもプラスになります。小さな子供を保育園に通わせているパパママなら必ず経験があると思いますが、家庭では使ったことがない言葉を保育園で覚えてきたり、いつのまにか〇△□などの形の区別ができるようになっていたり、子供は保育園で多くのことを楽しみながら学んでいます。
まとめ:何歳から通っても、保育園は子供にとってプラスな環境が揃っている
ママの職場復帰に合わせて0歳や1歳で子供を保育園に預けることに後ろめたさを感じることがあるかもしれませんが、今の保育園は充実した教育と楽しい環境を子供に提供してくれます。保育園に通いはじめたばかりの慣らし保育の時期は罪悪感を感じることがあるかもしれませんが、すぐに慣れて保育園に行くのを楽しみにするようになるでしょう。