赤ちゃんの1歳児健診は必要? 有料? 受診は義務? 検査内容は? 小児科でも受診できる?
目次
1歳児健診とは?
受診は義務ではないが、受けておきたい赤ちゃんのための健康診断
1歳児健診は、子供の発育を確認するよい機会になります。乳児期から幼児期へと移行する1歳前後は、グングンと大きくなる成長が著しい時期です。個人差もありますが、産まれたときと比べて身長は約1.5倍、体重は約3倍にもなります。
つかまり立ちやつたい歩きをしたり、ひとり歩きの兆しをみせたり、意味のある言葉を少しずつ話しだしたりする子供もいるでしょう。そういった成長期の赤ちゃんの健康を診断するための機会が1歳児健診です。
1歳児健診は3~4ヶ月児健診、1歳6ヶ月児健診、3歳児健診のように義務ではありませんが、パパママが希望すれば受けることができます。母子健康手帳にも「1歳児健康診査」のページがちゃんとありますし、小児科によっては予防接種と1歳児健診を同時に受けることもできます。
1歳児健診の案内が来ない場合は受診できないの?
お住まいの自治体が1歳児健診を実施していないのであれば案内は届きません。その場合は自費で受けることになります。お住まいの自治体が1歳児健診を実施しているかどうか、自治体のホームページなどであらかじめ確認しておくとよいでしょう。
自治体によっては実施している健診の種類が少なく、6~7ヶ月健診の次は1歳6ヶ月健診になるなど、期間が空いてしまう場合もあります。
1歳児健診を公費で実施する自治体は少ない
1歳児健診は1歳6ヶ月健診、3歳児健診のように母子保健法で定められた健診ではありません。公費による集団検診を実施している自治体もありますが、1歳児健診を自治体が案内しない自治体も多くあります。
厚生労働省雇用均等・児童家庭局母子保健課の調査によると、2015年度、全国1741の自治体の中で1歳児健診を実施した自治体は331と少数でした。そのうち公費負担がある自治体は314、集団健診を行っている自治体は288となっています。
自治体による健診がない期間でも、1歳児健診を自主的に受けておくと子供の成長を確認することができますよ。万が一なにか異常があったとしても、早期に発見できるので安心です。
個人で1歳児健診を受ける場合はどうすればいい?
1歳児健診を実施していない自治体にお住まいの場合は、自費で小児科で健診を受けることができます。
小児科によっては1歳児健診を実施していなかったり、予約が必要であったりする場合も。あらかじめ電話やインターネットなどで確認しておきましょう。
1歳児健診の料金はいくらかかるの?
平均で2000~5000円くらいかかる
自費負担で1歳児健診を受ける場合は、小児科によって料金が異なります。だいたい2,000~4,000円くらいで受けられるところが多いですが、なかには5,000円を超えるところもあります。料金についても小児科で予約をする前に確認しておきましょう。
1歳児健診の内容と持ち物は?
1歳児健診で行われる内容や必要な持ち物は、3ヶ月健診などそれまでの乳児検診とほぼ同じになります。
待ち時間が長いと子供が飽きてグズってしまうことも。飲み物やお気に入りのおもちゃを持っていくと、子供の気を紛らわせてあげられるのでおすすめです。
歯のチェックをすることもあるので飲み物の中身はジュースではなく、お茶や水がよいでしょう。実施する小児科にもよりますが、1歳児健診では一般的には以下のことが行われます。
1歳児健診の内容1:問診
問診表に記入した内容を確認します。気になることがあれば先に問診表に書いておくと、あとで健診や各種相談のときに忘れずに聞くことができます。
1歳児健診の内容2:赤ちゃんの身体測定
身長、体重、頭囲、胸囲の測定をして順調に発達しているかを確認します。母子健康手帳に載っている成長曲線から身長や体重が外れていても、成長曲線のカーブに沿って成長していれば心配いりません。
1歳児健診の内容3:診察
赤ちゃんの心身の発達や健康状態について医学的な面からチェックします。必要があれば治療や薬の処方、検査をします。
1歳児健診の内容3:赤ちゃんの発達具合の確認
運動機能や言語面、心理面が月齢に応じて発達しているかを確認します。
- つかまり立ちやつたい歩きをするか
- 「バイバイ」のような身ぶりをするか
- 「こっちにおいで」など大人が言う簡単な言葉を理解しているか
- 「ママ」のような簡単な単語をいくつか話すか
- いっしょに遊ぶと喜ぶか
- 好きな遊びはあるか
など普段の行動についてチェックしていきます。
とくに赤ちゃんの言葉の発達は個人差が大きく、なかには2歳を過ぎたのにほとんど何も話さないという子供も。ほかの子と比べて言葉が出ないと心配になりますが、神経質になりすぎないようにしてくださいね。
1歳児健診の内容4:赤ちゃんの眼科健診
目に異常がないかを確認します。とくに弱視は子供の2~3%に起こり、治療を開始する時期が早ければ早いほど効果が大きいとされます。
子供の視力に不安があるなら健診を待たずに早めに相談してみるとよいでしょう。小児科によってはスクリーニング検査を実施しているところもあります。
※眼科スクリーニング検査とは
専用の機械を使って客観的に行う視力検査で、生後6ヶ月の赤ちゃんから受けることができます。
検査は数秒間カメラのような機械を見つめているだけで終わり、小さな子供でも負担に感じることはありません。弱視や近視などの早期発見にとても有効な検査です。
1歳児健診の内容5:赤ちゃんの歯科健診
乳歯の生え具合やかみ合わせ、虫歯の有無をチェックします。必要に応じて歯磨き指導も行います。
ガーゼで歯をぬぐったり赤ちゃん用の歯ブラシで磨いたりするなどして、普段から口の中を触られることに慣らしておくとよいですよ。
生えたばかりの乳歯はとくに虫歯になりやすいため、1日1回でもよいので歯磨きの習慣をつけられるといいですね。
歯のかみ合わせや言葉の発達に影響する可能性があるため、おしゃぶりをしているなら卒業を促されることもあります。
1歳児健診の内容6:赤ちゃんの栄養相談
赤ちゃんの授乳の有無や回数、離乳食の進み具合、間食の内容などを確認しアドバイスをします。
授乳回数が減らない、離乳食をなかなか食べてくれない、遊び食べが激しいなど食事に関する悩みがあれば相談してみましょう。
1歳児健診の内容7:育児相談
普段育児をしている中で気になることや不安なことがあれば相談できます。赤ちゃんの成長についてはもちろん、パパママの精神的な不安についても聞いてもらえますよ。
1歳ともなると意思が出てくる子供もいます。ときには言うことを聞かずにかんしゃくを起こすなど、早くもイヤイヤ期の片鱗を見せ始める子も! また夜の授乳が減らずに辛い、夜泣きばかりするなどの悩みを抱えたパパママもいるかもしれません。
低月齢の頃とはまた違った悩みが出てくるこの時期、ひとりで抱え込まずにぜひ相談してみてください。
1歳児健診の内容8:予防接種相談
1歳までに必要な予防接種が終わっているかのチェックや、これから受ける予防接種の流れについて説明を受けます。
体調を崩してなかなか予定通りに予防接種が進められないなど、心配なことがあれば相談しましょう。
1歳児健診の持ち物
1歳児健診に必要な持ち物やあると便利なものをまとめました。
- 問診表
- 母子健康手帳
- 子供の保険証
- 小児科の診察券
- 小児医療費受給資格者証
- 予備のオムツや着替え
- タオル
- 飲み物(お茶や水)
- 好きなおもちゃや絵本
内科健診のときはオムツ1枚になるので着替えやすい服装にしましょう。
1歳では上下の服がつながったロンパースタイプの服を着ている子もいるかと思います。しかし健診のときは上下がわかれたセパレートタイプのほうが、着替えさせやすいのでおすすめです。この機会にセパレートタイプの服を着せる練習をしてみてもいいですね。
1歳児健診と予防接種を同時に受けられる?
小児科で1歳児健診を受ける場合、予防接種も同時に実施してくれるところもあります。
1歳の誕生日がすぎたタイミングで受ける予防接種は多く、まずはMR(麻しん・風しん混合)や水痘、おたふくかぜの初回接種。さらに4週間あけてヒブや小児肺炎球菌、4種混合の4回目接種など、予防接種のスケジュールをどんどんこなさなければなりません。
1歳児健診を希望する小児科に、予防接種も同時に受けられるか確認してみましょう。1歳児健診と予防接種を同時に実施できるとその後のスケジュールがスムーズになりますよ。
まとめ
1歳児健診は義務ではありませんが、ひとり立ちやひとり歩きを始める時期と重なり、赤ちゃんの発達が気になるパパママもいるでしょう。赤ちゃんが1歳をむかえるタイミングで予防接種と同時に1歳児健診を受けてみてもいいのではないでしょうか。成長や発達の具合による個人差が大きくなる時期でもあるので、不安に感じることがあれば抱えこまずにどんどん1歳児健診で相談してみてください。