絵本の読み聞かせの教育効果とは? 年齢別の絵本の読み聞かせ方法も紹介!
目次
絵本の読み聞かせの教育効果とは?
絵本の読み聞かせの最大の教育効果は子供に感性と知識を与えてくれることです。0~2歳はまだ言葉をちゃんと理解できない時期ですが、絵を見ながらパパやママの声でお話を聞くことで、言葉を話す準備が整っていきます。2歳~5歳までの子供は、毎日新しい言葉を2〜4語覚えます。絵本で読み聞かせる言葉の一部には日常会話では使われず、文章でしか出会えないものもあります。子供は絵本の読み聞かせで言葉を知り、語彙を学んでいくのです。では、絵本の読み聞かせの効果について具体的に解説していきましょう。
1.絵本の読みきかせは親子のコミュニケーションにプラス
絵本の読み聞かせは忙しいパパママを子供が独占できる特別な時間です。パパママにとっても、絵本の読み聞かせは子供の心の成長に気づかされる貴重な時間になるでしょう。親子で絵本の世界観を共有し、絵本のお話で感じた気持ちを共有することは、子供の心を豊かにしてくれます。
上の写真のように抱っこしながら絵本を読み聞かせると、子供はパパママの体温を感じながら絵本のお話を聞き安心し、愛されていることを本能的に感じとります。絵本の読み聞かせは、親子のコミュニケーションにプラスの効果を与えてくれる特別な効果があるのです。
2.絵本の物語に触れ、想像力などの感性が育まれる
絵本には子供の想像力と感性を養ってくれる力があります。抽象的な絵の絵本を読み聞かせると、子供は頭の中で思い思いの物語を作り上げ、絵本の世界を頭の中で想像します。また、話がどんどん進んでいくテレビアニメと違い、絵本は自分のペースでじっくり読み進めることができます。絵本なら気になったところをじっくり読んで、もう一度読み返すこともできます。絵本のこの自由さは子供の想像力や感性を伸ばし、考える力を養ってくれるでしょう。
3.絵本の読み聞かせで子供はたくさんの語彙を吸収する
絵本には、普段の生活ではなかなか聞くことがない言葉が、たくさん散りばめられています。例えば、桃太郎の絵本に出てくる「きびだんご」や浦島太郎の絵本に出てくる「たまて箱」の言葉は日常生活で聞く機会がほとんどありません。子供は初めて聞く言葉でも絵を見て理解し、パパママが特別な説明をしなくても言葉の意味を理解し、語彙を吸収していきます。
絵本の読み聞かせは、読めば読むほど新しい言葉が登場します。語彙力を上げるには、小さい頃から楽しく理解できる絵本の読み聞かせがぴったりです。語彙力を養うことは、自分の意思を言葉にしやすくなり、コミュニケーション能力も上げてくれます。
4.絵本の読み聞かせでおぼえた言葉と絵が頭の中で自然に結びつく
どのママも経験したことがあると思いますが、動物が出てくる絵本を読み聞かせていると、実物を見たことがなくてもライオンやトラ、パンダを理解し、別の絵本で違う絵で登場しても「あ、ライオンさん!」と言い当てるようになります。絵本には語彙を吸収する教育効果もありますが、物や生き物の名前とその形を結びつける効果もあります。
5.絵本の読み聞かせで子供の集中力が育まれる
子供の集中力は短く、絵本の読み聞かせでもなかなか集中してくれないことがあります。しかし、集中力はトレーニング次第で高めることができます。絵本の読み聞かせでも、最初は数ページしかじっとしていられないかもしれません。あきらめず毎日少しずつでも読み聞かせの時間を作りましょう。子供の興味を引きやすい絵本で根気よく読み聞かせしてあげれば、徐々に落ち着いて聞く時間が増え集中力を鍛えていくことができます。集団生活で、じっとしていられないことがのお悩みのパパママは絵本の読み聞かせを、ぜひ試してみてください。
絵本読み聞かせはいつから始めればいい?
絵本の読み聞かせは赤ちゃんの頃から始めるのがおすすめ
絵本の読み聞かせは、新生児の頃から始めても教育効果があります。新生児のうちは絵本を読み聞かせしても、物語を理解することはできませんが、ママの声を聞いて安心できる効果があるのです。生まれて3ヶ月までは視力が弱い分、ママの声を聞く事がとても大切になります。お腹の中にいる時から聞きなれているママの声は、安心感を与えてくれるんですよ。絵本を読むときはママも自然に優しい声でゆっくりと読み聞かせるはず。そういう優しい、ゆっくりとしたママの声が子供の心を癒してくれるという効果もあります。
絵本の読み聞かせ、年齢ごとのポイント
年齢が上がるにつれて、子供の理解力が上がり興味を持つ絵本も変わっていきます。読み聞かせる絵本も、子供の成長に合わせて選ぶ必要があります。絵本に記載されている対象年齢はあくまで参考として考え、子供が興味を持つ絵本を選んで読み聞かせてあげるといいでしょう。興味を持つことや、面白いと感じることが、子供の成長につながるのです。
0~1歳:絵や色を楽しみながらパパママの声を聞かせてあげる
生後1~3ヶ月の赤ちゃんの絵本の読み聞かせは、パパママの声を聞くことで赤ちゃんが安心できることに意味があります。赤ちゃんは生後3ヶ月頃までは視力が安定せず、色も白黒くらいしかできません。視力が低い分、ママのお腹の中にいる時から聞き慣れたパパママの声で安心することができます。この時期の絵本の読み聞かせは、パパママの声を聴かせることが目的なので、読みたい絵本を自由に読んであげてください。
3~5ヶ月になると、色の違いがわかるようになるので、「しましまぐるぐる」など、シンプルな絵の絵本を読み聞かせすると泣き止んだりと、絵本に興味を持ち始めます。「0歳児の赤ちゃんは絵本を読んでも反応が少ないので、あまり意味がないのでは?」と思うパパママもいるでしょう。しかし、絵本を読むことで赤ちゃんはいろんな言葉を聞くことができます。まだ話すことはできませんが、繰り返し聞いた言葉は頭の中に蓄えられていき、蓄えられた言葉の一部をある日突然話すようになります。
0~1歳におすすめな絵本:しましまぐるぐる
1~2歳:子供のペースに合わせる
1歳を過ぎると、子供は体を自由に動かすことができるようになります。絵本の物語よりもページをめくることに興味をもってしまい、読み聞かせどころではないこともあるでしょう。そんな時は、読み聞かせを中断して、子供にペースに合わせて自由遊ばせてください。無理に絵本を最後まで読み聞かせたり、ページの順を追って読んだりする必要はありません。
まずは絵本に興味をもってくれることを優先して、子供のペースに合わせて読み聞かせをしましょう。この時期の子供は、絵本の物語よりも言葉のリズムや絵を楽しみます。「いないいないばあ」など子供が声に出したくなる言葉が入っていたり、同じ言葉や絵を繰り返す絵本を選びましょう。片言しか話せない子供のおしゃべりの練習にもなります。
1~2歳におすすめな絵本:いないいないばあ
2~3歳:子供の好奇心を大切にする
2歳頃からは、子供は絵本の簡単な物語を理解できるようになります。興味をもったことは何回も繰り返すのがこの時期の子供の特徴です。1、2回ならまだしも、何度も繰り返し絵本の読み聞かせをお願いされるとパパママは大変ですよね。パパママが疲れていたり眠かったりすると、繰り返しの絵本の読み聞かせが辛いこともありますが、とことん子供に付き合ってあげることが大切です。子供の好奇心を大切にして、物語が理解できるまで何度も繰り返して絵本の読み聞かせをしましょう。
また、2歳の子供といえば、ちょうどイヤイヤ期ですね。パパママも子供も思うようにいかず、お互いにイライラが募る時期でしょう。しかし、絵本の読み聞かせは、パパママの愛情を子供が感じることのできる時間です。絵本で穏やかな気持ちになって、良いこと悪いことを伝えてしつけにつなげてみてください。
3~5歳:興味の幅を広げてあげよう
3歳頃から、子供は幼稚園や保育園に通いはじめているはず。子供が幼稚園や保育園に通い始めると、言葉の理解力が急成長します。幼稚園や保育園での生活に刺激を受けていろいろなことへの興味が広がり、お気に入りの絵本も少し変わってくるかもしれません。パパママは子供の興味の幅を生かせるように、いろんな絵本を読み聞かせしてあげましょう。対象年齢は気にせず、子供が興味を持った絵本を読み聞かせてあげることが大切です。内容が理解できるかな、と思う物語性の強い絵本にも挑戦してみましょう。新しい言葉や新しい言葉や絵に出会うことができますよ。
対象年齢が上の絵本を読み聞かせるだけではなく、赤ちゃんの時に読んでいたシンプルな絵本を読み返すと新しい発見があるかもしれません。集団生活では、自分の感情を伝えることが大切になります。言葉が見つからず自分の気持ちを伝えられないことは、子供にとってストレスです。言葉の遅れが心配なパパママは、絵本を読み聞かせで子供の語彙を増やしてあげましょう。読み聞かせの語彙力を高める効果や、情操教育の要素が入った絵本の内容は、子供の成長を必ず助けてくれます。
絵本の読み聞かせの注意点
パパママがよかれと思って実践している絵本の読み聞かせ方法は、実は間違っているかもしれません。子供に効果的な絵本の読み聞かせをご紹介するので、ぜひ実践してみてください。
絵本の読み聞かせでは物語を脚色しない
絵本の読み聞かせで気分が乗って声優さんのようにやりすぎてしまうパパママも多いのではないでしょうか。しかし、絵本の読み聞かせでは声を変えたり、おおげさな表現は控えましょう。また、絵本の読み聞かせで脚色のしすぎると子供の絵本への興味が中断されてしまうかもしれません。淡々と読んだほうが、子供は物語の世界に入りやすく、想像力が育ちます。また、絵本に載っていないセリフは入れないようにしましょう。絵本の絵と文章は場面ごとに一番いい状態を考えて作られています。子供は絵本の言葉のリズムも楽しむので、物語を作り変えることなく読み聞かせしましょう。
膝にだっこして絵本を読み聞かせる
絵本の読み聞かせでは、膝の上でだっこしながら読むことをおすすめします。だっこしながら絵本を読み聞かせることで、子供は全身でパパママの愛情を感じることができます。兄弟ができたり幼稚園に入園したりと環境に変化がある時や、子供が怒りやすいなと感じた時、パパママのぬくもりは大切です。絵本の読み聞かせで安らげる時間を作って子供を安心させてあげましょう。
同じ絵本を繰り返して読み聞かせる
子供は同じ絵本を何度も読み聞かせてもらううちに、言葉を吸収して語彙力を養っています。絵本の読み聞かせの回数が増える度に、子供は文章を覚えて簡単な絵本であれば暗記するようになります。子供と違って大人は飽きやすいのでうんざりしてしまうこともあるでしょう。そんな時は、子供の笑顔と語彙力が増えることを思い出してとことん付き合いましょう。
絵本の感想を聞く、質問する
絵本の読み聞かせは子供が自由に想像力を働かせ、楽しむことが重要です。さらに、絵本を読み聞かせた後に子供に絵本の感想を聞き、自分の言葉で話してもらうことで考える力も高まるでしょう。ただし、知育としての効果を期待しすぎる余り、質問攻めになってしまってはいけません。絵本の読み聞かせを勉強の一部のように感じてしまうと絵本を敬遠してしまう結果になります。絵本の物語が伝えたいことは子供自身で気づき、考えさせることが重要です。
絵本の読み聞かせ動画との付き合い方
最近はYouTubeなどで動画で絵本を見る子供も増えています。YouTubeやデジタル絵本は、スマホやタブレットから音が鳴ったり、絵が動いたりと、子供には新鮮で楽しく感じるのです。親としては、動画の見せすぎが心配だったり、動画での絵本の読み聞かせに効果があるのかも気になるところですよね。動画での絵本の読み聞かせ効果を知り、子供とスマホやタブレットとの付き合い方を考えましょう。
絵本の読み聞かせ動画のいいところ
YouTubeでは、声優が絵本の読み聞かせをしてくれる動画があります。子供にとっても聞きやすく、こういった動画に助けられたパパママも多いのではないでしょうか。例えば、子供の眠りを誘うことで有名な絵本「おやすみ、ロジャー」は声のスピードや声量を変えて読み聞かせをしなげればいけません。おやすみ、ロジャーは読み方が重要な絵本ですが、プロの声優が読み聞かせる絵本動画は声の強弱や話すスピードを完璧にこなしてくれるのです。ついつい眠くなってしまうプロの声は、子供も大人もいつの間にか眠くなってしまいます。寝かしつけに困っているパパママは1度試してみてもいいですね。
デジタル絵本は、自分の意思で登場人物を動かしたり音がでたり、紙の絵本にはない魅力がいっぱいです。デジタル絵本と紙の絵本を読み聞かせて比較した実験では、デジタル絵本を見せた子供の方が、読めるひらがなが増えたという結果も報告されています。色鮮やかでゲーム感覚で読み進めることができるデジタル絵本は、子供の楽しい気持ちと好奇心を刺激して、やる気を引き出してくれることもあるのでしょう。
寝かしつけにおすすめな絵本:おやすみロジャー
絵本読み聞かせ動画は時間を決めて見ましょう
動画での読み聞かせは、良い部分がいっぱいありますが、スマホやタブレットの画面を見続けることは、視力の低下やコミュニケーション不足の原因になります。動画での絵本の読み聞かせは、パパママが絵本の読み聞かせをする時に本来得られる、親子のコミュニケーションとはなりません。動画での絵本の読み聞かせと、パパママが読んであげる絵本の読み聞かせは全く別物として考えて付き合うことが必要です。
一般的に子供にテレビやスマホを含めた映像や動画を見せる時間は、1日2時間以内と言われています。長時間でなければ、動画で絵本を見せても良いでしょう。ばたばたするお出かけの前や、パパママが疲れたな、と思った時は頼っていいと思います。しかし、パパママの声に敵うものはないので、動画での絵本の読み聞かせは良い部分を取り入れながら、上手に付き合っていきたいですね。
まとめ:絵本の読み聞かせは子供が楽しむことが大切
絵本の読み聞かせは、育ち盛りの子供に新しい知識をたくさん与えてくれます。絵本の読み聞かせでは、子供が集中してくれないことや、パパママのペースで読めないこともきっとあるでしょう。そんな時は、子供のペースに合わせて絵本を読み聞かせることを心がけましょう。絵本の読み聞かせは、親子にとって楽しい時間であり、子供がまた読みたいと思い絵本が好きになってくれることが大切です。この記事を参考に、親子で楽しい読み聞かせの時間を過ごしてください。