産後の運動不足を解消しよう!赤ちゃんを抱っこして踊るベビーダンス
ベビーダンスってなに?
ベビーダンスとは赤ちゃんを抱っこしたまま踊る産後エクササイズです。「ベビー」が踊るのではなく、ママのダンスです。赤ちゃんを誰に預けることもなく、一緒に受けることができます。有酸素運動でありながら赤ちゃんの寝かしつけにも効果がある、赤ちゃんにもママにもいいことずくめのダンスなのです。
ベビーダンスってこんなダンス
ベビーダンスは英国式社交ダンスがベースになっています。難しそうに感じますが、実際のレッスンでは音楽に合わせて簡単なステップを踏みながらダンスを踊るので、初心者の方でも楽しめるプログラムです。ダンスだけではなく、赤ちゃんとの手遊びやストレッチの時間もあります。
ベビーダンスの歴史
ベビーダンスは2007年に日本で誕生しました。考案したのはプロラテンダンサーであり、一般社団法人日本ベビーダンス協会の田中由美子さんです。出産後に赤ちゃんを抱っこしながら何気なくステップを踏んでみたら、あっという間に眠ったという経験をもとにベビーダンスプログラムを考案。今や日本だけでなく世界中でレッスンが開催されています。
ベビーダンスの効果
赤ちゃんは抱っこをされるだけでも安心できるものです。抱っこをされながら音楽を聞き踊ることで、親子は楽しさを共有することができます。月齢の低い頃からベビーダンスに通っている赤ちゃんの中には、抱っこをされながらベビーダンスの音楽を聞くだけでウトウトし始めるお子さんもいるほど、赤ちゃんへのリラックス効果が高いダンスです。
産後の運動不足解消
女性は妊娠すると、ハードな運動を避けできるだけ安静に過ごす方が多いのではないでしょうか。産後は赤ちゃん中心の生活なので、出産前よりも筋肉が衰えてしまい、体重がなかなか戻らないということもありがちです。ベビーダンスは赤ちゃんを抱っこしたままで、下半身をしっかり動かすことができます。「体重を出産前に戻したいから」と食事制限するより、しっかり運動して筋肉を取り戻すことが体を引き締める近道なのかもしれません。汗をかくとストレスもスッキリ解消されますよ。
赤ちゃんとのコミュニケーションにベビーダンスが効果的
普段、当たり前に毎日毎回やっている「抱っこ」ですが、長い人生の中で赤ちゃんが抱っこされる期間はわずか2年間だけだと言われています。子供を抱っこできる期間がこれほど限られていると思うと、もっと赤ちゃんにくっ付いてあげたくなりますね。「抱っこ」は赤ちゃんのために行うものだと思われがちですが、赤ちゃんを抱っこすることでリラックスできるのは、実は親の方だったりするのかもしれません。親子が抱っこしあうことで、お互いを癒し合い、お互いの力になっていくのです。
ベビーダンスは赤ちゃんの寝かしつけに効果的
ベビーダンスはお母さんが運動不足を解消するだけの、産後エクササイズではありません。赤ちゃんを抱っこして踊っていると、あっという間に眠ってしまうんです。赤ちゃんがレッスン中に眠ってしまう確率はなんと92%。インストラクターと一緒に、ただ一定のリズムで揺れるだけで眠ってしまうので、やり方を覚えると寝かしつけが随分楽になります。ママもそのぶん一緒に眠ったり、自由な時間ができるので、少しでも体を休めることができますよね。特に月齢の低い赤ちゃんは踊り出して1分もしないうちに眠ってしまう子も多くいるので、ぜひマスターしたいですね。
ベビーダンスを通じてママ友を作る機会になる
ママ友とは、子育てという同じ使命を受け持っている同僚のようなものです。特に子供の月齢が近いママ同士だと共感できることも多く、良き相談相手となります。情報を共有できるだけでなく、いざという時に助け合ったりすることもあります。子育て中の女性は社会との関わりが減ってしまい孤独な気持ちになりがちですから、ただ何気ない話をして仲間と笑ったりするだけでもストレスを解消することもできます。
ベビーダンスの安全面は大丈夫?
まず第一に赤ちゃんとママの体の安全に配慮してベビーダンスのプログラムは作られています。参加者のママの中には運動が久しぶりという方も大勢いますので、ダンスの前には全身のストレッチから始めていきます。またダンスを踊る際には、ママの抱っこ紐が正しく装着されているかを確認し、赤ちゃんの頭部が揺れたりしないように腕でしっかりとサポートしながら進めていきます。
各分野の専門家がベビーダンスを監修
抱っこをしたままでエクササイズをして赤ちゃんは大丈夫?と思うかもしれませんが、ベビーダンスは社交ダンスを熟知した、小児科医・産婦人科医・理学療法士・心理学者・言語聴覚士・保育士・助産師・スポーツ科学・社会学などのさまざまなスペシャリストが助言監修をしています。
ベビーダンスのレッスンに参加するには
ベビーダンスレッスンを行う認定インストラクターは日本全国にいます。医療機関・児童館・保育園・幼稚園・公民館・スポーツ施設などが主な会場となりますので、近隣のレッスンを探してみてください。もしお住いの地域にインストラクターがいない場合でも、日本ベビーダンス協会にインストラクターの派遣を依頼することもできます。予約制のレッスンがほとんどですので事前のお申し込みをおすすめします。
ベビーダンスに参加できる月齢
ベビーダンスに参加できるのは生後4ヶ月からです。4ヶ月検診で首すわりが確認されれば参加可能です。平均的に赤ちゃんが1歳半くらいまで参加する方が多いですが、ママが抱っこをしていて辛くなければ2歳を過ぎても参加する方もいます。ただし、レッスンに参加するママが妊娠している場合は参加できません。
ベビーダンスレッスンへの持ち物
ベビーダンスに必要な道具は「抱っこ紐」のみです。体を動かすので、水分を補給できる飲み物・汗を拭くタオルがあれば参加できます。レッスン前後には赤ちゃんの体調確認の為に体温を測るので、使いなれた体温計を持参するとスムーズに検温できます。新たに道具を購入して用意する手間がかからないので、体験でも参加しやすいエクササイズです。
レッスンに使用できる抱っこ紐は「装着した状態で両手を離しても赤ちゃんが安全な抱っこ紐」です。おしりだけをサポートするタイプのものは適していません。布で包むスリングでも大丈夫です。ダンスをする前に、正しく安全に抱っこ紐が装着されているかインストラクターが確認をしますので、普段の抱っこ紐の使い方のチェックにもなります。
ベビーダンスレッスンでの服装
ベビーダンスをする場合には「動きやすい服装」をおすすめしています。ストレッチをする場合、スカートだと開脚ができない場合があるのでパンツスタイルが良いです。また、硬めのデニムなどの伸縮性のないものはパンツでもストレッチができない場合もあります。スポーツウェアのようなものが一番適していますが、赤ちゃんがいると着替えをするのも大変なのでややゆったりした普段着の方が多いです。動いて暑くなるので調整できる服装がおすすめです。
ベビーダンスレッスンへのパパの参加
ベビーダンスはパパのレッスン参加も大歓迎です。しかし、どうしてもママの参加率が圧倒的に高くなかなか参加しずらい…ということも。そんな時には「パパの為のベビーダンス 」というパパ限定のレッスンを探してみましょう。お仕事などで普段から赤ちゃんとコミュニケーション不足を感じるパパはぜひ参加してみましょう。レッスン数が少なく人気なので、募集を見かけたら早めのお申込みをおすすめします。
ベビーダンスレッスンはパパの寝かしつけの練習になる
現在はパパの育児参加率が高くなってきています。もし、ママが不在の場合にひとりで赤ちゃんを寝かしつけることができますか?「ママじゃなければ眠らない」ということはありません。実は練習次第で赤ちゃんは眠ります。ベビーダンスでは「赤ちゃんを寝かしつける方法」を教えています。お風呂に入れたり、オムツを変えたりする練習は産院などで練習すると思いますが、ママが一番大変なのは、やはり寝かしつけです。毎日、毎回、ひとりでやるよりもふたりでできる方が、ママの負担は大幅に軽くなりますよ。パパも寝かしつけができるようになれば、赤ちゃんのふたりだけの日を気軽に楽しめ、コミュニケーションもとれます。
ベビーダンスのインストラクターになるには
赤ちゃんがいるとお仕事をセーブするのが一般的ですが、ベビーダンスのインストラクターは「赤ちゃんと一緒に」お仕事ができます。他の受講者のママたちと一緒に、我が子を抱っこしながら指導します。近い月齢の子供を育てているからこそ、分かり合える部分が多く細やかなケアができるからです。
まずは、インストラクター養成のレッスンを受講して試験に合格すれば、認定インストラクターとなりレッスンを開講することができます。働き方としては、それぞれが個人事業主として活動している場合が多いです、また、協会からレッスン依頼が来ることもあります。現在で1歳未満の赤ちゃん連れのインストラクターも多く活躍しています。詳しくは日本ベビーダンス協会のHPをご覧ください。
まとめ
ベビーダンスを通じてたくさんのママたちと出会ってきましたが、現在のママに共通することは「がんばり屋さん」ばかりだということです。自分のことを後回しにして、みんな育児に全力。「がんばってね」という声かけより、「がんばりすぎちゃダメだよ」と言う方が、今のママたちにはピッタリです。
産後はみんな心も体も揺らぎやすくなりがちですから、元気に見えても疲れているママも大勢います。ベビーダンスはそんなママの心と体をケアできる場です。ママが笑えば赤ちゃんも笑う、そして家族もみんな笑顔になります。たくさん動いて、たくさん汗をかいて、仲間とたくさんおしゃべりして、楽しい自分自身の時間を赤ちゃんと一緒に過ごしましょう。まずはママが楽しむことが大切です。