赤ちゃんがハイハイするのはいつから? しない理由や練習方法5選も紹介
目次
赤ちゃんのハイハイって?
ハイハイは赤ちゃんが四つん這いになって移動する動きのことを指します。ハイハイの姿勢である四つん這いは、全身の筋肉がバランス良く鍛えられる効果も期待できます。赤ちゃんがハイハイをすることで体幹が鍛えられ、肩筋肉が発達し、バランス能力が育つのです。二足歩行では足腰が丈夫である必要があるため、ハイハイすることで赤ちゃんが歩くために必要な筋肉を鍛えることができます。
ハイハイができるようになると、欲しいおもちゃを取りに行ったり、パパママがいる場所に移動したり、部屋中を自由に動き回ることができるため、周囲への興味対象もどんどん広がっていくでしょう。
赤ちゃんのハイハイはいつからいつまで?
生後8ヶ月ごろからハイハイを始める
赤ちゃんがハイハイを始める時期は生後8ヶ月ごろが一般的です。生後9~10ヶ月ごろには、90%の赤ちゃんがハイハイできるようになると言われています。
ハイハイは1歳前後まで見られる
赤ちゃんのハイハイは1歳前後まで見られることが多いです。つかまり立ちや伝い歩きが始まると、徐々にハイハイをしなくなり、歩けるようになるとハイハイは見られなくなるでしょう。
赤ちゃんがハイハイをするまでのステップ
生まれたばかりのころは、ねんねで一生懸命に手足を動かすことが精いっぱいだった赤ちゃんですが、生後3ヶ月ごろに首が据わり、生後4ヶ月ごろに寝返りを始めます。その後、お座りをマスターし、体の筋力やバランス感覚が養われていきます。生後5~7ヶ月ごろの赤ちゃんは周囲に対して好奇心が強くなるに従い、腕を使いほふく前進のような動きの「ずりばい」で移動するようになります。そして、ずりばいを経て、生後8ヶ月ごろにハイハイへとステップアップしていきます。
赤ちゃんの成長には個人差があるので、この通りに成長しないからといって心配しすぎなくても大丈夫ですよ。
ハイハイをしない赤ちゃんもいる? 理由は?
ハイハイを始める時期も赤ちゃんによって個人差が大きく、生後6ヶ月の早い時期からハイハイし始める子もいますが、生後9ヶ月以降になってから始める子もいます。なかには、ハイハイをせずお座りの姿勢で移動するのを好む赤ちゃん(シャフリングベビー)がいたり、ハイハイせずにお座りからつかまり立ちをしたりする赤ちゃんもいます。ハイハイをするかしないかは、環境や季節、遺伝的要素、その子の性格などによって変わるといわれています。
シャフリングベビーとは?
「シャフリングベビー(シャッフリングベビー)」は、お座りのまま前に進む赤ちゃんのことです。シャフリングベビーは、あぐらの姿勢でお尻と足で飛ぶように進みます。パパママが赤ちゃんの両脇を支えて床に立たせようとしても、足を曲げたまま自分で足を伸ばそうとしないのも特徴です。シャフリングベビーにはうつぶせが苦手な赤ちゃんが多いとされていて、うつぶせの姿勢にしても寝返りをしておすわりの姿勢に戻ってしまうこともあると言います。
シャフリングベビーは夏生まれの子に多い、という調査結果があります。その理由として、寝返り~ハイハイの時期がちょうど冬にあたるため、厚着でハイハイがしにくいことが原因の1つになっているのではないか、と推測されています。また、赤ちゃんのきょうだい、もしくは両親のいずれかがシャフリングベビーであった場合、発生しやすいといわれていて、何らかの遺伝的要素も関係している可能性があります。シャフリングベビーのほとんどは、2歳になるころまでに一人歩きを始め、その後は普通に成長していくことが多いです。
ハイハイは、運動能力を高めるために有効な動きですが、無理にさせる必要はありません。シャフリングベビーも発達の正常な範囲であると考えられていますので、個性として受け止めてあげたいですね。発達の遅れが心配な場合は、検診の際に医師や保健師に確認してみるといいでしょう。
乳幼児健康診査身体診察マニュアル P33|国立研究開発法人国立成育医療研究センター
いざりっ子(シャフリングベビー)|一般社団法人大阪小児科医会
1歳6カ月児健診におけるshuffling babyの疫学的調査
ハイハイしない理由は動き回れる環境がないから?
ハイハイをしない赤ちゃんはなぜ、ハイハイをしないのでしょう? その理由として、赤ちゃんが自由にハイハイをして動き回れる環境がないというのがあげられます。赤ちゃんがハイハイをして進んでも、ソファーなど固定家具に当たってしまうと、そこでつかまり立ちをすることになります。
部屋に物が多すぎるとハイハイする気持ちが湧きませんから、ハイハイをする十分なスペースを作ってあげることが大切です。また、赤ちゃんにとってハイハイをしたくなる状況も必要です。興味が持てるおもちゃを用意してあげる、遊び方を工夫してあげる、そういった環境作りもハイハイを促す要因になります。
子供のリハビリテーション 子どものリハビリって? 5)四つ這い|公益社団法人秋田理学療法士会
ハイハイのおすすめ練習方法5選!
赤ちゃんに無理にハイハイさせる必要はありません。しかし、ハイハイをする練習は親子のコミュニケーションとして楽しいものです。無理のない範囲でハイハイを練習してみましょう。赤ちゃんがハイハイしたくなるような練習の方法を見ていきましょう。
ハイハイの練習方法1:パパママの両手を壁キックして足の運動
ずりばいでもそうですが、前に進むには足を上手に使う必要があります。そのため、パパママがうつぶせの赤ちゃんの後ろに回って、足の裏を両手で押してみましょう。赤ちゃんは、曲がった膝を伸ばそうとして、パパママの両手を足で蹴ります。ちょうど、水泳の時に平泳ぎで壁を蹴ってスタートする感覚に似ていますね。この動きが足の力をつける練習になります。
ハイハイの練習方法2:家族で赤ちゃんに呼びかけてみる、一緒にハイハイしてみる
うつぶせになっている赤ちゃんから少し距離をとって「⚪︎⚪︎ちゃんおいで!」と楽しく呼びかけてみましょう。きょうだいに手伝ってもらうのもいいですね。赤ちゃんは楽しそうな雰囲気に「前に進みたい!」という気持ちになります。また、パパママが一緒にハイハイをしてあげるというのも楽しい方法です。赤ちゃんは真似っこが好きですから、パパママやきょうだいがハイハイをしている姿を見て「自分もやってみたい!」と真似を始めることもあります。
ハイハイの練習方法3:プレイマットを利用して練習する
うつぶせ寝が苦手な赤ちゃんには、いわゆる知育玩具の「プレイマット」というマットにおもちゃがたくさんついている商品を利用してみましょう。あおむけに寝た時に遊べる、天井部分のおもちゃは取り外し、全てうつぶせになった時に遊べる位置に移動させてみましょう。こうすることで、自然とうつぶせで遊ぶことを促すことができます。うつぶせ寝用のプレイマットも販売されています。
ハイハイの練習方法4:好きなおもちゃを遠くに移動させる
赤ちゃんのお気に入りのおもちゃを、うつぶせの状態の時に手が届かない位置に置いてみましょう。「取りたい!」という気持ちが芽生え、前に進むきっかけになります。しかし、手足をうまく使えず前に進めず、おもちゃを取れないことが続くと意欲を喪失してしまうことになります。少しでも移動できたら、そこの場所におもちゃを持っていてあげて、成功させてあげましょう。おもちゃよりもパパママが好き! という子には、移動してきたら抱っこしてあげる、膝に乗せてあげるといった工夫も赤ちゃんの意欲を高めます。
ハイハイの練習方法5:同じような月齢の赤ちゃんと遊ばせてみよう
「児童館の子育てクラスに参加したところ、同じ月齢の赤ちゃんがハイハイしているのを見て、うちの子もうつぶせになって真似していました」といった話があります。同じような月齢の赤ちゃんがハイハイしている様子を見て、興味を持つことも多いようです。地域の子育て支援センターなどの施設を利用して、他の赤ちゃんと遊ばせてみると刺激を受けて、赤ちゃんのハイハイしたい気持ちが育つかもしれませんね。
次のページでは、赤ちゃんのハイハイ開始後の注意点をご紹介します!