1歳児の食事、量や固さはどれくらい? 離乳食を食べない時の対策も紹介
目次
1歳児の食事の基本をチェック
まずは1歳児の食事について基本をチェックしてみましょう。
1歳の誕生日を迎えた生後12ヶ月〜生後18ヶ月頃は離乳食の完了期にあたります。味付けは違っても、ほとんど大人と同じものが食べられるころです。
手づかみ食べなど、自分で食べることに興味が出てくる時期なので、食材の形状を工夫したいところですね。
1歳児の食事の量
1歳児の食事は、炭水化物、ビタミン・ミネラル、タンパク質をバランス良く与えることが大切です。
具体的には、ご飯やパンなどの主食やいも類で炭水化物、野菜や果物でビタミンとミネラル、肉や魚、大豆類、卵、乳製品でタンパク質を摂取します。
それでは、それぞれの量の目安を見ていきましょう。
炭水化物:ご飯80g〜90g
1歳児が食べる1食の目安量は、ご飯80g〜90gです。食パンの場合は40g〜50gを目安にしましょう。
食パンのグラム数は、8枚切りで1枚45gほど、6枚切りだと60gほどです。食パンは意外と塩分が多く含まれているため、ご飯食を中心にするのをおすすめします。
パンの1日摂取量は8枚切りの食パン1枚程度に抑えておき、いも類をメニューに追加して炭水化物量を調整しましょう。うどんを取り入れるのもおすすめです。
ビタミン・ミネラル:40~50g
ビタミン・ミネラルは野菜と果物からとります。1回あたりの量の目安は40~50gです。ただし、果物よりも野菜を中心に食べさせるようにしましょう。
また、わかめや青のりなどの海藻類やきのこ類も、ビタミン・ミネラルが摂取できる食品グループです。「野菜が足りないかな?」と思う時には、みそ汁にわかめを足したりきのこ炒めを追加したりしてみてください。
タンパク質:肉か魚などを15~20g
タンパク質の1回あたりの目安量は以下のとおりです。
- 魚:15~20g
- 肉:15〜20g
- 豆腐:50~55g
- 卵:全卵2分の1〜3分の2
- 乳製品:100g
上記は、一品だけ使う場合の目安量です。肉と卵、魚と豆腐など、いくつか組み合わせて使う場合は、それぞれの量を調整してください。
大豆類は豆腐の目安量を紹介していますが、量を減らしてきな粉や納豆を取り入れるのもおすすめです。
乳製品はヨーグルトなら100g、牛乳なら100mlを目安にします。乳製品のなかでも、チーズは塩分が高めなので、1回あたりの量はスライスチーズ4分の3枚程度に抑えましょう。
1歳児の食事の固さ:やわらかい肉団子が目安
1歳になると歯も少しずつ生え揃ってきます。ただし、まだ奥歯まですべてが生えたわけではないので、歯ぐきでかめる固さを目安にしましょう。具体的には、やわらかい肉団子くらいです。
スプーンやフォークで押すとつぶれるやわらかさなら、子供が歯ぐきでしっかりかめますよ。食材の固さは、歯の生え具合や子供のかむ力に合わせて調整してください。
1歳になったばかりのころはまだ軟飯ですが、離乳食完了期の後半になると大人と同じ普通のご飯が食べられます。
1歳児の食事の味付け:風味付け程度
大人と同じものが食べられるようになる離乳食完了期ですが、味付けはまだまだ大人と同じとはいきません。
1歳児の食事の味付けは、しょうゆかみそをほんの少し足すだけです。味を付けるというよりも風味を足す程度で、しょうゆであれば1食に一滴程度を目安にしましょう。
大人と同じメニューの場合は、1歳児の離乳食を取り分けてから大人用の味付けをするといいですね。
1歳児の食事におやつは必要?
1歳児になると食べる量も増えてきます。ただし、まだ胃が発達していないため1回の食事でたくさん食べられません。そのため、食事と食事の間に、おやつで足りない栄養を補給します。
おやつは通常の食事にプラスする捕食ですね。甘いお菓子ではなく、エネルギー源になるおにぎりや、不足しがちな栄養を補う野菜スティック、フォローアップミルクがおすすめです。
あくまでも補食なので、食事に影響が出ないように注意しましょう。好きなタイミングで食べさせるのではなく、時間と量を決めて与えるようにしてくださいね。
1歳児の食事のスケジュール
1歳児の食事は何時頃にするのがいいのでしょうか。朝昼晩の3食に加え、午前と午後2回のおやつの時間も考えて食事スケジュールを立てるのがおすすめです。
食事スケジュール例
1歳児の基本的な食事スケジュールは以下を参考にしてみてください。
- 7:30 起床
- 8:00 朝食
- 10:00 おやつ1
- 12:00 昼食
- 15:00 おやつ2
- 18:00 夕食
- 21:00 就寝
規則正しく3食を食べさせ、様子を見て、おやつでエネルギーや栄養を補給しましょう。
おやつを2回食べると考えると、食事の時間や1日のスケジュールも自然と決まります。生活リズムを整えるため、早寝早起きを心がけて決まった時間に食事をとるようにしましょう。
保育園の延長保育に通う場合
パパママの出勤時間で朝食の時間は変わるかもしれませんが、保育園に通う場合も自宅保育と同じような食事スケジュールです。おやつの時間は、保育園でも10時と15時頃となることが多いため、お休みの日の食事スケジュールも合わせたいですね。保育園の延長保育を利用しない場合は、夕方17時頃に迎えに行き、帰ってすぐに夕食となるパターンが多いでしょう。
しかし、延長保育を利用する場合は、お迎えや食事、お風呂の準備でバタバタして夕食や就寝時間が遅くなってしまいがちです。20時頃に夕食をとり、眠るのが22時を過ぎてしまうこともあるでしょう。
乳幼児期は睡眠時間を9時間半ほどは確保したいところです。睡眠時間が短い日が続きそうなら、作り置きやベビーフードでささっと夕食を済ませる日を作ってもいいですね。パパママも食事の支度を楽できるように工夫してみてください。
1歳児はどうやってご飯を食べるの?
子供が1歳になるころには「自分で食べたい」という気持ちが芽生え、食事に対して積極的になります。
パパママに口に運んで食べさせてもらうのを待つだけではなく、子供が自分から食べようとし始めるでしょう。
手づかみが基本
1歳児の食事は手づかみが基本です。ご飯にも汁物にも手を突っ込み、食べ物をぼろぼろこぼしてしまうこともあるでしょう。洋服や食卓、加えて床まで汚れてしまって大変な時期です。
しかし、手づかみ食べは、1歳児にとって食べる練習にあたります。食べ物をお皿から自分の口に運ぶことが、これから先にスプーンや箸を使う練習にもなるのです。
手づかみ食べは自分で食べる最初の一歩だと思い、子供が食事をする度に汚れても、温かく見守ってあげましょう。
汚れが気になる場合は、椅子の下にビニールシートを敷いておくと、食後に掃除しやすいですよ。こぼさないようにするのではなく、こぼれても掃除をしやすくなるように工夫しましょう。
スプーンやフォークは練習中
1歳半になるころは、少しずつスプーンやフォークが使えるようになります。スプーンをうまく使うためには、手づかみ食べをしっかり経験することが大切です。
いきなりスプーンやフォークを練習させるのではなく、手づかみで食べる練習から始めてください。そのうえで、子供がスプーンに興味を示すなら、スプーンで食べるように誘導します。
スプーンも最初はうまく使えないので、少しずつ何度も繰り返してスプーンの使い方を練習しましょう。
1歳児におすすめの献立
1歳児の食事はどんな献立がいいのでしょうか。栄養がバランス良くとれそうな3食分のメニューを紹介します。「今日のご飯は何にしよう…」と迷った時の参考にしてみてください。
朝ご飯メニュー
保育園に通っていてもいなくても、朝は何かとバタバタしますよね。
出勤するパパママの支度や朝食の片付け、朝の家事に追われて時間がない時は、1歳児の食事も品数を減らした時短メニューがおすすめです。
トマトチーズトースト+カリフラワーのスープ
手づかみで食べてくれるトーストは、忙しい朝の強い味方です。トーストにトマトとチーズをプラスすれば、炭水化物やビタミン・ミネラル、タンパク質をまとめて摂取できます。
少し時間に余裕がある時は、同じく栄養たっぷりのスープをプラスしましょう。
炊き込みご飯+和風ポトフ
肉や魚などのタンパク質や野菜が入った炊き込みご飯なら、一品で効率良く食材を食べさせられます。朝が早い日の前日に作っておくといいですね。
具だくさんの汁物を合わせて、バランス良く栄養をとりましょう。
昼ご飯メニュー
子供と2人で食事する時は、一緒に食べられるメニューがおすすめです。パパママと子供だけでゆっくり食事ができるなら、手づかみ食べをしやすいメニューで食べる練習をするのもいいですね。
栄養バランスを考えて汁物や副菜をプラスしましょう。
チャーハン+ブロッコリー+野菜スープ
余った野菜を何でも入れられるチャーハンは、子供に野菜を食べさせたい時にも冷蔵庫を片付けたい時にも便利なメニューです。
手軽に一品プラスしたい時は、手づかみ食べしやすいブロッコリーがおすすめですよ。
お好み焼き+きんぴら+おみそ汁
お好み焼きは、手づかみ食べやフォークの練習にぴったりのメニューです。
「キャベツだけだと少ないかな?」と思う時は、みそ汁にいろんな野菜を足して調整するのをおすすめします。きんぴら炒めを足して、また違った野菜の食感を楽しみましょう。
夕ご飯メニュー
夕ご飯のメニューは大人と同じメニューから取り分けるのがおすすめです。
味付けする前に子供の分を取り分ければ、パパママ用も子供用も効率良く調理できますよ。
ご飯+ハンバーグ+みそ汁+納豆和え
まとめて作りやすいハンバーグなら、子供用を取り分けるのも簡単ですね。ハンバーグやみそ汁に入れる野菜は、冷蔵庫の中身を見て決めましょう。
野菜の納豆和えで、栄養価の高い納豆もメニューに取り入れてみてください。
炊き込みご飯+カジキマグロの唐揚げ+ごまサラダ
カジキマグロの唐揚げは、油で揚げずに焼いて作ります。手づかみ食べもしやすく、大人も同じメニューを食べられるので、1歳児の食事メニューにぴったりです。
具材を煮込んで作るサラダは、いろいろな野菜の組み合わせを試してみてください。
次のページでは、1歳児がご飯を食べてくれない時の対処法を紹介します。