赤ちゃんの離乳食3回食の進め方は? フォローアップミルクは必要? 取り分けレシピ本も!
目次
離乳食の3回食を始める時期は?
1日2回の離乳食のリズムが順調になってきたら3回食へと進めましょう。
1日3回食の時期は厚労省が定める「授乳・離乳の支援ガイド」最新版では「離乳後期」、以前は「離乳後期」「カミカミ期」などともいいました。離乳食を始めて4~5ヶ月経った生後9~11ヶ月頃が始める目安となります。
しかし、赤ちゃんの発達には個人差があるので、月齢にとらわれず赤ちゃんの様子をみて始める時期を決めましょう。離乳食の3回食を始める目安となるサインには下記のようなものがあります。
- 食べている間、座った姿勢を保てるようになった
- 口を閉じてモグモグしてから飲み込んでいる
- 歯茎でカミカミするそぶりがある
- 食べ物に興味があり、手をのばすことがある
- バナナくらいの指でつぶせる硬さのものが食べられる
- 少し繊維のある野菜や鶏肉が食べられる
離乳後期(カミカミ期)の赤ちゃんの発達
赤ちゃんは、ママや周りの大人が食事をとる様子をお手本として、噛んで食べることを真似します。
離乳後期は口に入った食べ物を舌で左右の頬へ運んで歯茎ですり潰す咀嚼機能と、砕いた食べものを纏めて飲み込む嚥下機能を獲得する時期になります。
また、赤ちゃんが自分の手で食材を掴んで食べたがることがあります。食べ物の温度や感触を確かめることや指でつまんで自分の口へ運ぶことは、赤ちゃんが「自分で食べる」ための練習として必要なことです。
テーブルや服を汚されたり、せっかく作った離乳食を台無しにされたりと大変な時期ですが、危険のない範囲で見守ってあげましょう。
3回食は食事の楽しさを意識しよう
離乳食の3回食は食材を徐々に増やしていきたい時期です。食べムラや好き嫌いはあまり気にせず、赤ちゃんと楽しく食卓を囲むことを大切にしてください。
赤ちゃんが食べるものはもちろん、大人の食事も赤ちゃんからよく見えるようにテーブルと椅子の高さを調節しましょう。
赤ちゃんが興味を持って見ているものや指さしするものを「これは人参よ」「人参が食べたいの?」「ママのと同じだね」などと言葉にして、食事の楽しさを教えてあげましょう。
3回食の時間と母乳・ミルクとのバランス
3回食では1日のスケジュールを朝食・昼食・夕食と間食がわりの授乳(ミルク)というように、大人と同じような状態に近づけていきましょう。
ただし、赤ちゃんには赤ちゃんのリズムがあるので、厳密に考えなくても大丈夫です。大人が一緒に食事をとるのが難しいときには、ママはお茶を入れるなどして「一緒に食卓を囲んでいる」という雰囲気を作ってあげたいですね。
離乳食は消化のためにも、赤ちゃんが寝る時間の2時間前までには済ませておきましょう。
また、離乳食の回数が増え1回あたりの食事量も増えると、食後の授乳やミルクは自然と少なくなっていきます。赤ちゃんが離乳食だけでお腹いっぱいという様子が見られたら、食後の母乳またはミルクは与えなくてもよいでしょう。
■1日のスケジュール例 | |
---|---|
朝6:30 | 母乳またはミルク (200mlくらい) |
10:30 | 離乳食1回目 食後に母乳またはミルク (50~100mlくらい) |
14:30 | 離乳食2回目 食後に母乳またはミルク (50~100mlくらい) |
18:30 | 離乳食3回目 食後に母乳またはミルク (50~100mlくらい) |
22:00 | 母乳またはミルク (200mlくらい) |
赤ちゃんの水分補給には、湯冷ましや薄めた麦茶などをこまめにあげましょう。
また、食後は歯磨き代わりに湯冷ましを飲ませて、お口の中をスッキリさせてあげましょう。
離乳後期に不足しがちな栄養は?
赤ちゃんはママのお腹の中で鉄分を蓄え、生まれてからその鉄分を脳などの成長に使っています。
しかし生後6ヶ月頃にはママからもらった鉄分はほぼなくなってしまうので、脳と体が急激に成長する生後9ヶ月頃~2歳頃は赤ちゃんが鉄欠乏状態になりやすいといわれています。離乳後期には鉄分が含まれている食材を積極的に取り入れましょう。
鉄分が豊富で離乳食におすすめの食材
- 緑黄色野菜:小松菜・青のり・焼きのりなど
- 大豆製品:豆腐・納豆・きな粉など
- 赤身の肉・魚・鶏レバーなど
ビタミンCや動物性タンパク質と一緒にとると、鉄分の吸収率が高くなるのでおすすめです。
赤ちゃんにフォローアップミルクは必要?
離乳食が順調に進んでいるなら、栄養不足をそれほど心配する必要はなく、フォローアップは必要ありません。
しかし、体重増加が少なかったり発達の様子が心配だったりする場合には、かかりつけ医に相談して鉄分が強化されている「フォローアップミルク」を取り入れることを検討しましょう。
フォローアップミルクはミルクとして飲むだけでなく、調味料がわりにして離乳食に使うこともできます。
離乳食の3回食によくある悩みは?
赤ちゃんがぱくぱくと離乳食を食べてくれる姿は可愛いものですが、離乳食の回数が増える分、悩みや大変さも増えてきますね。
離乳食の3回食によくある悩みと対処法をご紹介します。
離乳食でテーブルや洋服が汚される
手掴み食べや遊び食べをすると、テーブルや床、赤ちゃんが着ている服が汚れて、ママは後片付けが大変になってきますね。
汚すことを叱るよりも、汚されるものだと割り切って、後片付けが楽になる方法を探していきましょう。
筆者は赤ちゃん用の食事椅子の下に洗えるテーブルクロスを敷き、スタイはシリコン製で食べこぼしを受け止めてくれるタイプのものを活用しました。
お椀などを持ち上げて食事をこぼしてしまう赤ちゃんには、1枚プレートの食器やテーブルに吸着して赤ちゃんの力では動かせないようにできる食器もおすすめです。
赤ちゃんの手づかみ食べ
手づかみ食べは赤ちゃんが食べ物に興味を持っていて、食事に積極的だということです。自分の手で確かめながら食事をすることは赤ちゃんの成長にも必要なことなので、なるべく自由にやらせてあげましょう。
手掴み食べが好きな赤ちゃんには1口サイズのサンドイッチやスティック状のおにぎり、刻み野菜のお好み焼きなど、手に持って食べやすいメニューがおすすめです。
赤ちゃんが遊び食べをする
赤ちゃんが遊び食べをしてしまうのは、いろいろなことに興味が出てきた時期には仕方のないことだとも言えます。
赤ちゃんがあまりにも食事に集中できない様子なら、30分を目安に食事を切り上げるのもひとつの手です。
食事の時間を区切ることで「あと10分見守ったらおしまいにしよう」と思えれば、食べてくれないことに対するママのイライラが少し収まるかもしれません。
赤ちゃんも次の食事までにお腹が空けば、離乳食をしっかりとるようになるでしょう。遊び食べが続くようなら、離乳食や母乳またはミルクの量が適切か、生活リズムは赤ちゃんに合っているかを見直してみてください。
離乳食の好き嫌い・偏食が出てきた
赤ちゃんの好き嫌いや偏食は、食材や味付けが好きではないという理由以外にも「初めて目にした物への食わず嫌い」「離乳食の硬さ・大きさが合っていない」「手にべたつくのが苦手」「お腹が空いていないだけ」とさまざまな原因が考えられます。
せっかく用意した離乳食を食べてくれないのはショックですが、一時的なことも多いので、ママはあまり気にしないようにしましょう。
赤ちゃんが離乳食を噛まない・丸飲みをしている
赤ちゃんのお口の発達に対して、離乳食が柔らかすぎたり硬すぎたりすると、赤ちゃんは離乳食を丸飲みしてしまうことがあります。
丸飲みは早食いや食べ過ぎにつながり、赤ちゃんが消化不良を起こしてしまうことが心配です。
咀嚼するためには食材にある程度の硬さが必要なので、ママは赤ちゃんの様子をみて食材の硬さを調節しましょう。
また、赤ちゃんがカミカミするためには口の中にスペースがあることも大切なので、ママは赤ちゃんの口の中が空になっているのを確かめてから、次の一口をあげるようにしましょう。
大人のご飯から取り分けしたい
1日3回の離乳食を赤ちゃんのためだけに毎食作るのは大変な作業ですね。離乳後期(カミカミ期)の離乳食は、大人のおかずから取り分けて用意することもできます。
主な方法は2つあります。
- 調理中の味付け前に赤ちゃん用に取り分ける
- 大人用のおかずをお湯で洗ったり、他の食材を足したりして味を薄める
離乳食の完了期にも役立つテクニックなので、レシピサイトや本などを参考にして、取り分けのコツを知っておきましょう。
また、便利な食材宅配サービスにも離乳食を取り分けることを前提としたセットがあるので、併せてご紹介します。
離乳食の取り分けレシピ本|赤ちゃんもママもうれしいとりわけごはん
札幌で人気の子連れカフェ「Pop Spoon Cafe」を主宰する栄養士でマタニティフードアドバイザーの著者が、ママと赤ちゃんが一緒にごはんを楽しめるアイデアを紹介しています。
「とりわけ」「作り置きアレンジ」「特急レシピ」のほか、赤ちゃんの食欲がないときに役立つ「お助けレシピ」も掲載されているので、ママの予定や赤ちゃんの体調に合わせて献立を選ぶことができますよ。
離乳食の取り分けレシピ本|いっぺんに作る赤ちゃんと大人のごはん
出汁を大切にしたシンプルな和食メニューから、赤ちゃん用の離乳食を取り分ける方法が紹介されています。大人にも赤ちゃんにもやさしい味付けで、普段の食事を見直すきっかけになりそうですね。
出汁の取り方や調理テクニックを写真付きで詳しく解説しているので、和食が得意ではないというママにもおすすめです。
離乳食の取り分けレシピ本|みきママのおやこ離乳食
おうち料理研究家としてブログが大人気の「みきママ」による、親子で取り分けできるメニューが満載のレシピ本です。身近な食材と電子レンジやフライパンなどを使った簡単な手順で、見栄えよくボリュームたっぷりな食事が仕上がります。
赤ちゃんの離乳食と食べ盛りのきょうだい用の献立に、毎日頭を悩ませているというママにもぜひ読んでほしい1冊です。
取り分けできるミールキット|ヨシケイ「すまいるごはん(プチママ)」
「ヨシケイ」は、その日の夕食に必要な分の食材を届けてくれるミールキットが人気の食材宅配サービスです。
「すまいるごはん(プチママ)」には赤ちゃん用のレシピがついていて、大人用のおかずと離乳食を一緒に作ることができます。注文する日数や人数を細かく設定できるので、「週に〇日だけ」「忙しい日だけ」頼むという使い方もおすすめですよ。
ヨシケイ公式サイト
まとめ
離乳食の3回食を始めると、食事の準備と後片付けに追われて、あっという間に1日が過ぎてしまうと感じるママも多いでしょう。ママには大変な時期ですが、食べこぼしや食べムラなどは成長とともに収まっていくものです。
また、赤ちゃんのための離乳食に「手抜き」は気がひけるという気持ちもわかりますが、取り分けレシピや食材宅配サービスは手抜きではなく赤ちゃんと笑顔で過ごす時間を作る「工夫」と考えて、ぜひ活用してみてくださいね。