6歳の子供の成長と発達の目安 身長・体重・ことば・社会性の目安も紹介
6歳の子供の成長目安は?
6歳は幼稚園や保育園を卒業し、小学校に入学する年齢ですね。言葉や知能がグンと発達し、生活面でのほとんどのことが自分でできるようになります。子供の成長を嬉しく思う反面、順調に発育しているのか心配になるパパやママもいるのではないでしょうか。そこで今回は、6歳児における発育の目安についてご紹介していきたいと思います!
6歳の身長・体重の目安
子供の身長の伸びや体重の増加には個人差があり、性別によっても身長が伸びやすい時期は異なります。また、子供が健やかに育っていくためにはバランスの良い食事、良質な睡眠、適度な運動が大切です。現在の身長や体重はあくまで参考にして、長い目で子供の発育環境を整えてあげてくださいね。
身長・体重を見るときのポイント【SDスコア・ローレル指数】
子供の平均的な身長や肥満度などを測る際、「SDスコア」「ローレル指数」というものを用います。それぞれどういったものなのか、まずは解説していきますね。
SDスコアとは?
複数の子供の身長を計測すると、平均値を中心に上下にばらつきが出ます。この平均値からどれくらい離れているか、その幅を標準偏差という数値で表します。SDスコアとは、一人の子供の身長が同年齢の子供と比べてどれくらい離れているかを、SD標準偏差の何倍離れているかによって表したものです。たとえば、平均身長より高い場合は+SD、低い場合は-SDと表します。−2SDより低い身長の子供は全体の2.3%であり、低身長と考えられています。そのため早めに小児科に相談するようにしましょう。
ローレル指数とは?
ローレル指数とは学童期(6歳〜11歳)の標準体重を求める方法の一つで、肥満度の目安にするものです。計算方法は、体重を身長の3乗で割り、10の7乗を掛けます。計算が複雑なので、子供のローレル指数を調べたい場合はネットなどの自動計算を利用するといいでしょう。
6歳男女の平均身長・平均体重は?
男の子 | 女の子 | |||||
6歳 | 平均身長 | -2SD | 平均体重 | 平均身長 | -2SD | 平均体重 |
---|---|---|---|---|---|---|
0ヶ月 | 113.3 | 103.8 | 20.3 | 112.7 | 103.4 | 19.6 |
1ヶ月 | 113.9 | 104.3 | 20.6 | 113.3 | 103.9 | 19.9 |
2ヶ月 | 114.5 | 104.8 | 20.8 | 113.8 | 104.4 | 20.2 |
3ヶ月 | 115.0 | 105.2 | 21.1 | 114.1 | 104.9 | 20.4 |
4ヶ月 | 115.6 | 105.8 | 21.3 | 114.6 | 105.2 | 20.7 |
5ヶ月 | 116.1 | 106.3 | 21.6 | 115.2 | 105.6 | 21.0 |
6ヶ月 | 116.7 | 106.7 | 21.8 | 115.8 | 106.0 | 21.3 |
7ヶ月 | 117.2 | 107.2 | 22.0 | 116.3 | 106.5 | 21.5 |
8ヶ月 | 117.7 | 107.7 | 22.2 | 116.8 | 107.0 | 21.7 |
9ヶ月 | 118.2 | 108.2 | 22.5 | 117.3 | 107.5 | 21.9 |
10ヶ月 | 118.6 | 108.6 | 22.7 | 117.8 | 107.8 | 22.1 |
11ヶ月 | 119.1 | 109.1 | 22.9 | 118.3 | 108.3 | 22.3 |
ローレル指数の評価
ローレル指数 | 判定 |
---|---|
100未満 | やせ過ぎ |
100〜115 | やせ気味 |
115〜145 | 普通 |
145〜160 | 肥満気味 |
160以上 | 肥満 |
6歳の子供の「運動面」の発達目安と目標
6歳は、無駄な動きが少なくなり身体をうまく使えるようになる年齢です。また、全速力で走ることや跳んだりすることに楽しさを感じるようにもなります。運動面の発達目安としては、「体のバランスが必要な動き」「体を移動させる動き」「用具を使う動き」ができるようになっているといいでしょう。そのため、幼児期よりも体をより複雑に使う遊びなどがおすすめです。
- ボールを投げたり、両手で受け取ったりできる。
- ドリブルや転がってきたボールを蹴ることができる。
- 補助なしの自転車に乗れる。
- 行進やスキップができる。
- 人を真似て体操やダンスができる。
6歳の子供の「知能面と社会性」の発達目安と目標
知能面や社会面の発達には個人差があります。下記に挙げている項目はあくまで目標であり目安です。できることはその子供の「興味があること」や「得意なこと」だと捉え、その能力を伸ばしていくためのヒントにしてくださいね。
6歳の子供のことばの発達
6歳になると語彙(ごい)が増え、表現力がついてきます。また自分の名前の読み書きや、しりとり遊びなどもできるようになります。
- 自分の名前や年齢、誕生日などが言える。
- 自分の名前が書ける。
- ひらがなを読んだり書いたりできる。
- 「り」で終わる単語など、ルールのあるしりとりができる。
- 絵本や紙芝居を集中して見られる。
6歳の子供の数字の理解
数字の理解は小学校に入学すれば自然に進むため、6歳の段階で足し算などができなくても心配いりません。一方で、子供は興味があるものはどんどん吸収します。いま数字が好きな子供は、おはじきなどを使って算数の楽しさをさらに教えてあげるのもいいですね。
- 1〜10までの数字の読み書きができる。
- 一桁の簡単な足し算や引き算ができる。
- おはじきを10個取ったり、半分や3等分に分けたりできる。
- ○時○分など、アナログ時計が読める。
- カレンダーを読める。
6歳の子供の手先の器用さ
6歳は、巧緻性(こうちせい)が身に付く時期でもあります。巧緻性とは、手先の器用さのこと。自分で思う通りにハサミを使えたり、リボンを結べたりできるようになるのもこの年齢です。
- ハサミを使って直線や曲線、斜めの線を切ることができる。
- ホチキスやのりなどを正しく使える。
- リボン結びや三つ編みができる。またそれをほどける。
- 輪ゴムで物を束ねることができる。
- 鶴や舟など、折り紙が何種類か折れる。
6歳の子供の社会性
6歳は友達と集団行動や役割分担ができるようにもなります。また、公共の場でのルールを学び、守れるようにもなります。小学校の入学に備えて、「交通ルール」をきちんと身に付けておくのもいいですね。
- 友だちと一緒に楽しく遊べる。
- 静かな場所では騒がないなど、公共の場でのマナーを意識できる。
- 相手をぶったり傷つけたりしない。
- あいさつができる。
- 交通ルールを理解し守れる。
6歳の子供の成長をサポートするために
マサチューセッツ工科大学とハーバード大学の研究結果によると、遺伝が子供の身長に及ぼす影響は約80%、残りの20%は環境によって決定すると言われています。「80%が遺伝」と聞くと、低身長を両親に持つ子供の身長を伸ばすのは難しいと思うかもしれません。ですが環境次第で10cm近く身長を伸ばせる可能性があるのです! 実際、「睡眠」「運動」「食事」「ストレス」などの環境因子によって男の子は+−9cm、女の子は+−8cmの差が出るという研究結果もあります。ただし、思春期を迎えると成長ホルモンよりも男性ホルモンや女性ホルモンが強くなり、身長の伸びはゆるやかになります。平均すると男の子は11歳6ヶ月、女の子は9歳9ヶ月に思春期を迎えますので、それまでに子供の身長が伸びるようにサポートしてあげたいですね。
1日3食しっかり食べる
身長を伸ばすためには、カルシウムはもちろん、良質なタンパク質、ビタミン、ミネラル、炭水化物、脂質をバランスよくとることが大切です。子供の平均的な食事の摂取量を見てみると、穀類や牛乳・乳製品は多いですが、野菜は一日に必要な量の6割、果物は4割に留まっています。そのため、あまり食卓に野菜や果物を出していない家庭は、意識的に子供にとらせてあげましょう。
10時間眠れるよう21時ごろまでには就寝
身長を伸ばすための生活環境の中で、最も大切なのが睡眠です。子供の身長を伸ばすのに欠かせない「成長ホルモン」は、睡眠中に一番多く分泌されます。6歳児であれば、10時間〜13時間の睡眠時間をとらせるようにしましょう。また、成長ホルモンの分泌には睡眠の「量」だけではなく「質」も大切です。脳が興奮して深い眠りが妨げられないように、就寝前のテレビやスマホ(スマートフォン)の利用は控えてくださいね。
たくさん遊ぶ
成長ホルモンは、運動をすることでも分泌されます。遊びや運動をすることで食欲が高まったり、疲労により就寝時間が早まったりすれば、規則正しい生活習慣を身につけることもできますね。さらに、遊びは子供の発育を促すのにも効果があります。6歳児における外遊びは、持久力を養える縄跳びやバランス感覚が養える自転車がおすすめです。屋内の遊びであれば、おままごとなどは観察力や表現力を、カードゲームは集中力や忍耐力を養うのにおすすめです。また、塗り絵やお絵描きは想像力を養うのにぴったりです。
たくさん愛情をかけてあげる
子供の成長をサポートするには、愛情面も不可欠です。ワシントン大学医学部の研究結果によると、愛情深く育てられた子供と冷たく育てられた子供では、前者の方が脳の成長スピードが2倍も速いことがわかりました。しかもこの差は6歳までにほぼ決定してしまい、大人になってから愛情を注いでも差を縮めるのは難しいとしています。また、愛情深い母親を持つ子供の脳は、記憶や学習を司る「海馬」の大きさが2倍大きいことも明らかになりました。「海馬」は、他人への思いやりや情緒面の発達にも関係する器官。現代では、共働きなどで忙しいママも多いことと思います。離れている時間が長い分、一緒にいる時はできるだけたくさんの愛情を子供に注いであげてくださいね。
まとめ
小学校の入学時期でもある6歳児。体格や学習面など、子供の発達具合が気になってしまうことが多いかもしれません。ですが、どれも個人差があるものばかり。身長が高い、ぽっちゃり、おしゃべりが上手、寡黙だけどお絵描きが得意など…どれも子供のチャームポイントや個性です。まずは子供の生活面を整え、たくさんの愛情を注いであげる。あとは子供の成長を温かく見守ってあげたいですね。