「だるまさんが」シリーズ絵本は優しいイラストで親子に人気! 対象年齢や作者は?
目次
「だるまさん」は3冊のシリーズ
赤ちゃんから大人まで一緒に笑顔になれる絵本として人気を集めている「だるまさん」シリーズ。なんとも愛らしいキャラクターの楽しい動きが目にする人の心をつかみます。2008年の発行以来、「赤ちゃんが泣いているときでもだるまさんを見せると泣きやむ!」「赤ちゃんとお兄ちゃんが一緒になって大笑いしている」「読み聞かせて子供の反応をみていると幸せな気持ちになる」との声が寄せられ、赤ちゃん向け絵本の定番となりました。だるまさんシリーズには「が・の・と」の3作があります。まずは簡単にご紹介しましょう。
「だるまさんが」
おなじみの「だ・る・ま・さ・ん・が」のフレーズにあわせ、ゆらゆらと左右に揺れながらあらわれただるまさん。ページをめくると…あ、ころんじゃった! 再びゆらゆらと「だ・る・ま・さ・ん・が」…え、だるまさんてそんなふうになっちゃうの!? 意外な動きの連続でおもわず大人も吹き出してしまいます。
「だるまさんの」
2作目のだるまさんは眼鏡をかけて登場しました。ページをめくるたびにだるまさんの体の秘密がひとつひとつあきらかに!? 大きな目、不思議な手、それからそれから…。裏表紙でしずかに佇むキャラクターの存在感もみのがせません。
「だるまさんと」
3作目にはだるまさんのおともだちがたくさん登場します。いちごさん、ばななさん、めろんさんと出会っただるまさんはみんなに楽しいご挨拶。最後には力を合わせて…満面の笑みでこちらをみつめるキャラクターたちにおもわず拍手!
「だるまさんが」の作者、絵本作家かがくいひろしさんとは
だれにも愛される「だるまさんが」シリーズを生み出した絵本作家、かがくいひろしさんとはどんな方なのでしょう。プロフィールをご紹介します。
かがくいひろしさん プロフィール
本名:加岳井 広
1955年 東京生まれ、東京学芸大学教育学部卒。特別支援学校教諭(美術教員)を経て、2005年に第27回講談社絵本新人賞を受賞、作家デビュー。
もともとは特別支援学校の先生
かがくいさんは特別支援学校で子供たちに美術を教えていました。学校の夏祭りやクリスマス会などでは、教師仲間とオリジナルの人形劇を上演。ハンディキャップを持った子供や小さな子供のことを考え、「音」と「動き」のおもしろさを追求した内容で評判を呼び、他校へも出張して上演するまでになります。教師仲間の移動など事情が重なり人形劇を解散したのち、常に新しいことに挑戦したいという思いで立体作品を制作していましたが、保管場所に困ってしまうことになりました。そこでたどり着いたのがひとりでもつくれて場所に困らない平面作品の絵本だったのです。
絵本作家デビューは50歳
人形劇をつくっていたころから描きためていたアイデアや絵コンテをもとに絵本をつくり、「おもちのきもち」で講談社絵本新人賞を受賞。絵本作家としてデビューしたのは50歳の時でした。かがくいさんは人形劇のときから変わらず、どんな子供たちにでもわかりやすくシンプルでおもしろいものを届けたい、笑顔になってほしいという思いで創作活動にあたられていました。
絵本作家として活動したのは4年間
デビュー後、2009年までに15冊の作品を発表し人気作家として活躍されますが、54歳ですい臓がんのため急逝されます。代表作「だるまさん」シリーズは2019年時点で累計発行部数600万部を超えるベストセラーとなりました。かがくいさんが生み出した絵本はどれもあたたかく子供の心をやさしく包んでくれます。きっと読者が大人になっても大切な絵本となり、またその子供へと手渡されて、何世代にもわたって読み継がれていくことでしょう。
「だるまさんが」の対象年齢は何歳から?
人気シリーズ「だるまさんが・の・と」は何歳の子供に読んであげれば楽しめるのでしょう。赤ちゃんでも笑顔になれるって本当でしょうか。
「だるまさんが」の対象年齢は0歳から
「だるまさんが」「だるまさんの」「だるまさんと」はすべて、0歳からのファーストブックとして赤ちゃんに読んであげられる絵本です。生まれたばかりの赤ちゃんはまだ視力が弱く、色もそれほど区別できていません。そこで白い背景にはっきりとした黒い線、赤くてまあるいだるまさんは赤ちゃんの見ている世界でもしっかりと捉えられるのです。
「だるまさんが」を赤ちゃんの読み聞かせデビューに
赤ちゃんの反応がなくても「楽しくないのかしら」なんて心配はいりません。赤ちゃんが自分の意志で笑顔をつくれるようになるのは生後2~3ヶ月ころからといわれています。まずは笑顔に笑顔を返すコミュニケーションとしての表情がみられ、やがて感情を伴った笑い顔になっていきます。満面の笑みで赤ちゃんをみつめてくれる「だるまさん」はこのころの赤ちゃんにもぴったりです。ぽってりとしたフォルム、変幻自在な動きは読んであげているパパママも一緒に笑顔にしてくれることでしょう。ファーストブックの名の通り、ぜひ「だるまさんが」シリーズで読み聞かせデビューをしてみてくださいね。
「だるまさんが」シリーズそれぞれの魅力とは
シリーズ3冊にはそれぞれ違った魅力があります。さらに詳しくご紹介します。
「だるまさんが」の魅力
まあるくって手足がちょこんとついているだるまさんがじっとこちらをみているだけでもなんだかほっこりしますね。ページをめくるたびに意外な動きが待っていますが、この繰り返しの展開は赤ちゃんが大好きなパターンです。「くるぞくるぞ…」と期待して「やっぱりきた!」と笑いがはじけることでしょう。これは記憶力が発達してくる5~6ヶ月ころから感じることができるおもしろさです。もちろん個人差はありますが、赤ちゃんの成長が感じられるうれしい反応ですね。
「だるまさんの」の魅力
だるまさんの体のパーツがクローズアップされる2作目。目、手、歯、そしてもうひとつ…。それぞれを赤ちゃんやパパママのものと見比べながら読めば、言葉の発達にも良い影響がありそうです。ひらがな1文字だけの文章とその文字を的確に表現したイラストのインパクトは、日本語のおもしろさに気づくきっかけとなるかもしれません。
「だるまさんと」の魅力
音のおもしろさ、もっといえば擬態語・擬音語のおもしろさがつまった3作目です。だるまさんのおともだちとのポーズは思わず真似したくなるものばかりで、音とともに体を動かしたくてたまらなくなってくることでしょう。自然とふれあい遊びに発展でき、親子のスキンシップタイムにぴったりです。
まとめ:「だるまさんが」シリーズは新たな定番子供向け絵本。成長しても楽しめる
赤ちゃんの読み聞かせデビューにぴったりの絵本として「だるまさんが」「だるまさんの」「だるまさんと」をご紹介しました。子供の成長にあわせておもしろさが広がることもだるまさんの魅力です。ページごとの文字数が少なく、はっきり大きくかいてあるので、ひらがなに興味を持ち始める2~3歳の子供もくぎづけになることでしょう。
拾い読みができるようになれば子供1人でも読み通せるので、1冊を読み切ったという自信につながりますね。小学校でも読み聞かせに使われていることもあるほどなので、絵本を選ぶ大人をも魅了しているのでしょう。だるまさんは世代を超えて愛されています。まるで良質なコントのような「音」と「動き」のおもしろさは、どの世代にもわかりやすく伝わっているのですね。かがくいひろしさんの代表作、「だるまさん」シリーズをご紹介しました。ぜひ本屋さんや図書館で手にとって、大人も子供もだるまさんと一緒に楽しい時間をすごしてくださいね。