赤ちゃんの「ハゲ」は治る? 激しい首振りが原因? 赤ちゃんのハゲの予防や対処法
赤ちゃんの髪の毛がハゲても心配いらない
赤ちゃんの髪の毛が薄くなったり、ハゲてしまうことは実はよくあるお悩みです。「家系的な遺伝…?」と心配になってしまうパパママも多いよう。赤ちゃんの髪の毛がハゲるかどうかは個人差が大きく、まったくはげない子もいれば、後頭部に大きくハゲができてしまう子までさまざまです。でも、赤ちゃんのハゲはほとんどの場合は心配する必要はなく、数ヶ月すれば治ってしまうものです。ごくまれに皮膚の病気が隠れていることがありますが、髪の毛が薄くなったり、抜け落ちること以外に皮膚炎や体調不良の症状がなければ、基本的に赤ちゃんのハゲは、年齢とともに解消するものと考えていいでしょう。
赤ちゃんがハゲる原因1:新生児生理的脱毛
実は、赤ちゃんは生後3ヶ月頃から、一旦ほとんどの髪が抜けて生え変わります。これは「新生児生理的脱毛」と呼ばれ、遅くとも生後6ヶ月ごろまでに起きると言われています。物理的な刺激が少ないのに、髪の毛が抜け落ちてしまったり、生えてこないと感じるのは、この「新生児生理的脱毛」のことが多いでしょう。新生児生理的脱毛は赤ちゃんの成長に伴うものですから、まったく心配はいらず、この時期に髪の毛が薄かったらからといって将来的な毛量が決まるものではありません。
赤ちゃんの髪の毛がハゲる原因2:乳児期後頭部脱毛(寝ハゲ)
赤ちゃんの脱毛は、外的な要因でも起こります。月齢の低い赤ちゃんは、1日の大半を寝転んだ状態で過ごします。赤ちゃんの髪の毛は細くて柔らかく、摩擦に弱いもの。寝ている時間が長ければ、布団や枕に触れる時間も長いため、どうしても頭部に摩擦が起き続けてしまいます。まだ頭が動かせない時期でも、同じ部分へ圧が集中するので髪の毛が摩擦で抜けたり切れたりして、はげてしまうことも。とくに生後2~3ヶ月ごろに頭を動かせるようになると、頭がすれる摩擦で髪の毛がはげることがあります。生後6ヶ月ごろから寝返りができて、うつぶせや頭を持ち上げる時間が増えると自然と解消されていくので安心しましょう。ほとんどの子が1歳ごろにはハゲが解消しています。
赤ちゃんの髪の毛がハゲる原因3:脂漏性湿疹による脱毛
上記2つの原因に比べれば頻度は多くありませんが、生後すぐから4ヶ月ごろに起きる乳児脂漏性湿疹(にゅうじしろうせいしっしん)でも、脱毛が起こることがあります。乳児脂漏性湿疹では、皮脂腺が多いところに分泌された皮脂がたまって、黄色いかさぶた状になります。これが頭皮にできると、かさぶたがはがれるのとともに髪の毛も抜けてしまうことがあります。乳児脂漏性湿疹は肌を清潔にするケアを続けていれば自然に治りますが、症状の改善が見られない場合には受診しましょう。
激しく首を振る赤ちゃんは多い
生後6ヶ月を過ぎて、寝返りやはいはいができるようになった赤ちゃんでも、夜眠りにつこうとするときに激しく首を振りながら後頭部を布団にこすりつけることはよくあります。これは、安定した睡眠に入る前の体の動きのくせや、寝付くための不安定な体の動きです。あまりに激しく首を振ると、パパママはびっくりしてしまいますが基本的に心配はいりません。首振りのくせがある赤ちゃんは、後頭部のハゲが長引くこともありますが、これも一時的なもので徐々におさまっていきます。
赤ちゃんのハゲの予防と対処法
赤ちゃんのハゲは基本的に成長とともに治るものですから、予防をする必要も治そうとする必要もありません。でも「心配はいらない」と思っても、気になってしまうのが親心ですよね。赤ちゃんのハゲの原因である「新生児生理的脱毛」は、赤ちゃんが育っていく上での成長過程ですから防ぐことはできません。一方、物理的な摩擦によって起こる「乳児期後頭部脱毛(寝ハゲ)」は、ちょっとした工夫で防ぐことができます。
赤ちゃんの寝ハゲを防ぐ方法1:ドーナツ枕
赤ちゃんが首を動かすようになると、後頭部がこすれてはげてしまうことがあります。赤ちゃんの寝はげはこの時期にしか見られない愛おしい姿ではありますが、気になるママも多いですよね。赤ちゃんの頭が絶壁になるのを防ぐドーナツ枕は、赤ちゃんの頭にかかる圧力を分散してくれるので、寝はげ防止にも効果的です。ただし、ドーナツ枕は嫌がる赤ちゃんも多かったり、赤ちゃんの顔に乗ってしまうと窒息の恐れがあります。
赤ちゃんの寝ハゲを防ぐ方法2:体を起こす時間をつくる
首がすわっていない赤ちゃんは、どうしても仰向けに寝かされる時間が多くなります。首がすわっていなくても、頭を左右に動かしたりして、後頭部を布団こすりつけている赤ちゃんは多いもの。ハゲが気になるようなら、赤ちゃんをバウンサーに乗せてあげたり、うつぶせの練習をして、後頭部がこすられる時間を減らすのも手です。ただし、寝返りがスムーズでないうちのうつぶせ寝は窒息やSIDS(乳幼児突然死症候群)の危険を高めます。必ずパパママをはじめ、大人が目を離さないようにしましょう。
赤ちゃんのハゲは今しかない「成長の証」
赤ちゃんのハゲはできてしまうとギョッとしますが、実は数ヶ月限定の赤ちゃん時期にしかみられないものです。気に病むよりも、赤ちゃんが元気な証拠としてたくさん写真を撮っておいてください。きっと、半年後には「かわいい思い出」として楽しめますよ。