認証保育園とは? 認可保育園との基準はどう違う? 東京都以外にもあるの?
認証保育所は東京都独自の基準を満たした保育園
認証保育園は他の県に比べて待機児童問題が深刻な、東京都独自の基準を満たした保育園です。正しくは「東京都認証保育所」といい、東京都が認証した保育園で認可外保育施設のひとつです。認証保育園には駅前基本型のA型と、小規模・家庭的保育所のB型の2種類があり、基本的に13時間以上の開所が義務付けられています。11時間の開所を基本とする認可保育園よりも長く預けられるのが特徴です。大都市ならではの特性に視線を向けた基準が設けられており、産休明けから預けたい人や退社が遅い人にも対応してほしいなどといったさまざまな育児ニーズに応えられるような新しいスタイルの保育園の役割があります。
認証保育園のA型とB型の違い
認証保育園には駅前基本型のA型と、小規模・家庭的保育所のB型があります。A型の認証保育園は月160時間以上利用する必要がある5歳までの子供が対象です。駅前に設置することを基本としているので、子供の送り迎えをするパパママの負担を軽くしてくれる保育所です。ただし、駅前なので園庭のない認証保育園もあります。B型の認証保育園は市区町村から必要と認められた2歳までの子供が対象です。小規模で定員が少なく設定されているので、アットホームな雰囲気の保育所が多いです。
認可保育園と認証保育園の基準の違い
認可保育園は国が定める基準を満たした保育園であるのに対し、認証保育園は東京都独自の基準を満たしている保育園です。子供を預けるパパママにとって、国基準の保育所と東京都基準の保育所の違いがどの程度のものなのか気になる人も多いでしょう。認可保育園と認証保育園にはどのような違いがあるのか比較してみましょう。
認可保育園 | 認証保育園 | |
---|---|---|
定員・対象年齢 | ・60人以上(ただし小規模保育園の場合20人以上)・0歳~小学校就学前まで | ・A型…定員は20~120人で0~5歳・B型…定員は6~29人で0~2歳 |
0歳児保育 | 0歳児保育のない保育園もある | 全施設0歳児保育あり |
基準面積 | 0・1歳児一人当たりの基準面積が3.3㎡必要 | 0・1歳児一人当たりの基準面積を2.5㎡まで緩和 |
保育料 | 市区町村が徴収 | 認証保育園が徴収認証保育園で自由に料金設定ができる |
職員の配置 | ・0歳児おおむね3人につき1人以上・1歳児・2歳児おおむね6人につき1人以上・3歳児おおむね20人につき1人以上・4歳児おおむね30人につき1人以上 | 認可保育園と同様の配置基準 ただし常勤職員は6割以上 |
屋外遊技場(園庭)や調理室の設置 | ・園庭…2歳児以上1人当たり3.3㎡以上(保育園外の公園などを含む)・理室…園での調理または委託 | ・園庭(A型)…設置 (B型)…特に規定されていない・調理室…必置 |
気になる認証保育園の料金は?
認証保育園の保育料は、認証保育園によって自由に料金設定ができるため各施設で違いがあります。ただし原則として月220時間以下を利用した場合の3歳未満の場合は80,000円、3歳以上の場合は77,000円以内という上限が設けられています。保育料には1食目の給食費やおやつ代、保育材料費、光熱費などが含まれます。各認証保育園によってサービス内容が異なるため、料金設定もさまざまです。気になる認証保育園があった場合は、どのような内容でどのくらいの料金なのか確認することが大切です。
認証保育園は保育料無償化の対象になる?
保育料無償化は2019年10月にスタートした、保育園などの利用料の一部を国が補助してくれる制度です。認証保育園に通わせたいと考えているパパママの中には、認証保育園でも保育料無償化の対象になるのか気になる人もいるでしょう。
結論から言うと認証保育園でも保育料無償化の対象となります。ただし無償化の対象になるために「保育の必要性の認定」を住所のある市区町村から認められる必要があります。保育料無償化で国から補助される金額は、3~5歳の子供の場合は月37,000円、0~2歳までの住民税非課税世帯の子供の場合は月42,000円という上限が設けられてます。保育園によっては費用が完全に無料になるわけではありません。
横浜市保育室や川崎市認定保育園も同様の施設
横浜市や川崎市にも東京都の認証保育園と同じようなが保育園があります。横浜市の横浜市保育室や川崎市の川崎市認定保育園がそれに当たるのですが、それぞれどのような施設なのでしょうか。
横浜市の横浜市保育室
横浜市保育室は東京都認証保育園のように横浜市独自の基準によって、横浜市から認可を受けた認可外保育園です。0~3歳未満の子供が対象で、平日はもちろん、土曜日も基本的に開所されています。横浜市保育室では全ての施設で施設内で調理された給食が提供されるほか、幼稚園に併設された保育室もあります。横浜市保育室の保育料は施設が独自に設定していますが、58,100円の上限が設けられており、所得に応じて保護者負担軽減制度やきょうだい免除制度があります。
川崎市の川崎市認定保育園
川崎市認定保育園は東京都の認証保育園や横浜市の横浜市保育室と同様に、川崎市が定めた基準によって認定された保育園です。待機児童の解消や利用者のさまざまな保育ニーズに応える目的があります。基本的には平日の日中に開所していますが、保育園によっては土曜日保育を実施している保育園もあります。保育料は保育園によって異なるので確認が必要です。
認証保育園は入りやすい?
認証保育園は0~2歳児までを預かる小規模な保育所も多いため、保活では認可保育園に比べれば入りやすいとされています。保活では認可保育園に入れなかったときに認証保育園を選ぶ人もいます。認証保育園では基本的に先着順で入園が決定されるところが多いため、申し込みを希望するのであれば早めに情報集めを行うことが望ましいです。
まとめ 認証保育園には独自のカラーがある園も
認証保育園は設置基準だけを見ると認可保育園よりも劣っているように見えるかもしれませんが、それが保育サービスに比例しているとは限りません。認証保育園は小規模な保育所も多くあり、アットホームな環境で園生活を送らせることができます。アットホームなのびのびとした環境の保育園の方が合っている子供もいるでしょう。
また、東京都では駅近くなど十分な土地がない場所に認証保育園がある場合も多いです。利便性が高く送り迎えがしやすいというメリットもあります。独自のカラーを持つ認証保育園がたくさんあるので、認証保育園ならではのメリットをふまえて家族の生活スタイルや子供にぴったりの認定保育所を探してあげましょう。