赤ちゃんにミネラルウォーターを飲ませてもいい? 粉ミルクの調乳は? 赤ちゃん用ピュアウォーターも紹介!
目次
粉ミルクをミネラルウォーターで調乳してもいい?
水道水を使って赤ちゃんのミルクを作る場合、水道水に含まれる残留塩素などの成分が気になる人もいるかもしれません。
赤ちゃんの水分補給のために、毎回湯冷ましを用意するのが手間に感じることもあるでしょう。
赤ちゃんのミルクは市販の軟水のミネラルウォーターを使って作っても問題ありません。ミネラルウォーターはコンビニなどでも気軽に買うことができるので、外出先で必要になったときにも重宝しますよ。
赤ちゃんにミネラルウォーターをそのまま飲ませてもいい?
赤ちゃんに飲ませるミネラルウォーターを選ぶときは、パッケージに記載してある「硬度」をよく確認しましょう。
硬度の高い「硬水」はミネラル分が多く内臓に負担がかかるため赤ちゃんに飲ませるのは避け、硬度の低い「軟水」を必ず選んでください。
ミネラルウォーターの硬度については、後ほど詳しく解説します。
また、赤ちゃんの水分補給にミネラルウォーターをたくさん飲ませると、赤ちゃんがお腹いっぱいになって授乳ができずに栄養が不足する可能性があります。離乳していない赤ちゃんの水分補給は母乳やミルクを中心にして、ミネラルウォーターはあくまで補助的に、授乳に差し支えない程度にしましょう。
煮沸したミネラルウォーターの湯冷ましは?
煮沸したミネラルウォーターの湯冷ましも、赤ちゃんに飲ませることができます。
電気ポットや電気ケトルを使う場合は、ミネラルウォーターに含まれるミネラルが内側に結晶として白く残ることがあります。そのままお手入れをせずに放っておくと、ミネラルの結晶が内部のポンプに詰まり故障する可能性があります。
ミネラルウォーターを沸かすときは、電気ケトルや電気ポットのお手入れをこまめに行うか、手軽に洗えるヤカンを使いましょう。
ミネラルウォーターを選ぶポイントは「硬度」
水の硬度とは「水1リットル中に溶けているカルシウムとマグネシウムの量」を示したもので、ミネラル含有量が少なく硬度の低いものを「軟水」、ミネラル含有量が多く硬度の高いものを「硬水」と呼びます。
軟水と硬水を分類する基準は国によって異なり、世界共通ではありません。日本では硬度100以下の水を軟水、硬度100以上の水を硬水と分類しています。とくに硬度60以下の軟水であれば、赤ちゃんに飲ませても問題がないとされています。
水の硬度の違いによって、石鹸の泡立ちやすさなど水の性質や、料理に使った際の味わいや風味、体への健康効果や内臓にかかる負担の度合いも変わります。ミネラルウォーターを選ぶときにはこの「硬度」が大きなポイントになるのです。
国産ミネラルウォーターは「軟水」
国内で採取したミネラルウォーターは、ミネラルをほとんど含まない軟水です。
水の硬度を決める要因は、「雨水がどのような土壌に降って、どのような流れてきたか」ということ。
火山が多い日本の場合、土壌の多くはマグマが冷えて固まった火成岩でできています。さらに日本には山と海が近い地形が多く、そのような場所では山の傾斜が急になっています。山に降った雨はどんどん海に流れていき、地中にはほとんど留まりません。
地下水に溶け込むミネラルの量が少ないため、日本のミネラルウォーターは軟水が多いのです。
海外のミネラルウォーターは「硬水」が多い
日本で普及している海外のミネラルウォーターには、ヨーロッパや北アメリカ原産のものがあります。
ヨーロッパ原産のミネラルウォーターは、ミネラルを多く含む硬水です。
ヨーロッパの土壌は炭酸カルシウムを主成分とする石灰岩が多く、地形もなだらかであるため、山に降った雨水は地層の中をゆっくりと流れていきます。そのため地下水に地層のミネラル分が多く溶け出ていき、ヨーロッパ原産のミネラルウォーターは硬水になるのです。
また、日本のミネラルウォーターは製造過程において原水を加熱殺菌するか、同等以上の殺菌効果がある方法で殺菌・除菌をしていますが、海外産のミネラルウォーターの中には加熱殺菌処理をしていないものもあります。
赤ちゃんはミネラルウォーターで下痢をする?
赤ちゃんに硬水のミネラルウォーターを飲ませると下痢をすることがあります。
硬水のミネラルウォーターが赤ちゃんの体内に入ると、多量のミネラルが血液中に溶けて血液の成分のバランスが崩れます。赤ちゃんは体内の調節機能が未熟なため、成分のバランスが崩れた血液が体内に入ると、内臓に負担がかかりうまく消化できません。
国内メーカーの粉ミルクには、ミネラルの少ない日本の水道水の成分に合わせて、赤ちゃんの成長に必要なミネラルを配合している製品もあります。硬水のミネラルウォーターを使ってミルクを作ると、ミネラルを過剰に摂取することになるのです。
そのため国内の粉ミルク製造メーカーは、ミルク作りに硬水のミネラルウォーターを使わないように注意を呼びかけています。
赤ちゃんに使える!軟水ミネラルウォーターのおすすめ
硬度が60以下の軟水で、赤ちゃんにも安心して使えるミネラルウォーターをご紹介します。コンビニや通販サイトで簡単に購入できますよ。
ペットボトルのサイズを数種類販売している商品なら、家庭用や持ち歩き用など用途によってサイズを使い分けられますね。
シリーズが同じでも、複数の産地で採水している場合があります。産地によってミネラルウォーターの硬度が若干異なりますので、購入する際はパッケージの表記をよく確認してください。
軟水ミネラルウォーター1|いろはす
北海道など国内6~7ヶ所の産地で採水しており、どの産地の水も硬度が低く安心して赤ちゃんにも使えます。環境に配慮したペットボトルや梱包材を使用するなど、積極的にリサイクル活動に取り組んでいるブランドです。硬度30~40(採水地による)
軟水ミネラルウォーター2|アサヒ おいしい水 天然水
地下深くから汲み上げた天然水を、外気に触れさせない独自の「フレッシュ無菌パック製法」でろ過、ボトル詰めしています。国内3ヶ所で採水しており、どの産地のものも硬度が低いため赤ちゃんにも安心です。硬度30~40(採水地による)
軟水ミネラルウォーター3|サントリー天然水
国内3ヶ所を採水地とした天然水です。阿蘇産(硬度80)のミネラルウォーターは赤ちゃんに使うにはやや硬度が高めなので、できれば硬度の低い奥大山産(硬度20)もしくは南アルプス産(硬度30)のミネラルウォーターを選ぶと、さらに安心できるでしょう。
製造過程で成分を加工したりミネラルを添加したりしていないため、ミネラルウォーター本来の自然の味を楽しめます。硬度20~80(採水地による)
軟水ミネラルウォーター4|クリスタルガイザー
アメリカのカリフォルニア北部が原産のミネラルウォーターで、まろやかでクセがなく日本人にも飲みやすい味わいです。
正規輸入品はシャスタという地域で採水した硬度38のものになります。クリスタルガイザーには安く販売している並行輸入品もあるので、注意してください。並行輸入品にはオランチャという地域で採水した硬度67のものが多く、正規輸入品のシャスタ産のものとは成分や味わいも異なります。
軟水ミネラルウォーター5|森の水だより
国内6ヶ所を産地としており、産地でそのままボトル詰めしているので新鮮なおいしさを味わえます。
販売しているのは2リットルのペットボトルのみで、小分けサイズは製造していません。一度開封したものを再び使う場合は、念のため煮沸して湯冷ましにするとより安心です。硬度26~38(採水地による)
粉ミルクの調乳ならピュアウォーターもおすすめ
ピュアウォーターとは、ミネラルや不純物をほとんど含まず純度がほぼ100%の純水のことをさします。
ミネラルを含まず硬度がほぼ0であるため「超軟水」とも呼ばれます。赤ちゃんや胃腸の弱い大人にも安心して使えるとても便利な水なんです。
ここでは赤ちゃんの調乳向けに作られた、ベビー用品メーカーのピュアウォーターをご紹介します。
赤ちゃん向けピュアウォーター1|ピジョン ピュアウォーター
ピジョンが販売している調乳用に作られた、加熱殺菌済みの純水です。ミネラルをほとんど含まないため、粉ミルクの栄養バランスを崩しません。果汁を薄めたり離乳食を作ったりするときにも使えますよ。容量が500ミリリットルと2リットルの2種類あるので、用途によって使い分けられます。
赤ちゃん向けピュアウォーター2|和光堂 ベビーのじかん 赤ちゃんの純水
和光堂「ベビーのじかん」シリーズの純水です。安曇野を水源とする水を加熱殺菌処理しており、ミルク作りや日常の水分補給にピッタリ。500ミリリットルと2リットルの2種類を販売しています。
赤ちゃん向けピュアウォーター3|森永やさしい赤ちゃんの水
乳製品やお菓子でおなじみの森永も、赤ちゃん向けの純水を扱っています。北アルプスの自然水を加熱殺菌し精製しました。2リットルタイプのみの販売なので、外出するときには清潔な水筒などに移し替えるとよいでしょう。
まとめ
赤ちゃんに与える飲み物にとても気を使っているパパママもいるかと思います。市販のミネラルウォーターも、硬度の低い軟水であれば赤ちゃんにそのまま飲ませても大丈夫ですよ。
赤ちゃん用にミネラルウォーターを買うときは、パッケージに記載してある硬度をしっかりと確認し、硬度60以下のミネラルウォーターを選んでください。赤ちゃん向けのピュアウォーターならさらに安心です。
冷たいミネラルウォーターをそのまま与えると赤ちゃんの負担になるので、常温~人肌くらいに温めてから飲ませてあげてくださいね。
ミネラルウォーターをご家庭で備蓄しておくと、災害時などいざというときにも役立ちますよ。