【管理栄養士監修】離乳食のしらすはいつからOK? 注意点・保存方法・レシピも紹介
目次
監修者紹介
離乳食のしらすはいつからOK?
しらすは、生後6ヶ月ごろの離乳初期から使用できる食材です。離乳食開始後1ヶ月程度経って、赤ちゃんが食べ物を飲み込むのが上手になってきたら食べさせることができます。ただし、初めてのタンパク質の食材には植物性の豆腐がいいとされています。そのため、赤ちゃんが豆腐を食べるのに慣れた後に、次の動物性タンパク質食材としてしらすをあげてみましょう。初めてしらすを赤ちゃんに与える場合は、しっかりとしらすの塩抜きをして、なめらかにすり潰し、お湯で伸ばしてスプーン1杯分から与えます。
しらすに含まれる栄養素は? 離乳食におすすめ理由
成長に欠かせないタンパク質やカルシウムが豊富
しらすには、栄養素として主に筋肉や内臓など体を作るタンパク質、丈夫な骨や歯を作るために欠かせないカルシウム、血液を作るために必要となる鉄分、カルシウムの吸収を促進するビタミンDが含まれています。記憶力や集中力を向上させ学習能力を高めるDHAも含まれており、しらすは赤ちゃんの成長のためにぜひ食べさせたい食材の一つです。
しらすは調理も簡単で離乳食におすすめ
しらすを離乳食として使う場合、基本的にはしらすをお湯に浸して塩抜きをしすり潰すだけで調理完了なので、さほど手間がかかりません。手早く離乳食の準備ができて、ママにも嬉しい食材です。栄養が豊富で調理も簡単なしらすは、積極的に離乳食に取り入れていくといいですね。
しらすを食べさせる時の注意点
栄養価が高く調理も簡単なしらすですが、赤ちゃんの体はまだ未熟です。離乳食としてしらすを食べさせる場合には、いくつかの注意点があります。
しらすは塩分が多いので塩抜きが必要
しらすは製造過程で塩茹でされていて、塩分が多く含まれます。赤ちゃんに離乳食として与える場合には、必ず塩抜きをしましょう。塩分が多いまましらすを与えると、赤ちゃんの内臓に負担をかけてしまうので注意してください。
また、濃い味に慣れてしまうと、赤ちゃんが薄味の食べ物を嫌がる場合もあります。特に離乳初期は味つけをせずに、素材の味をそのまま赤ちゃんに味わってもらうことが基本です。そのため、しっかりとしらすの塩抜きを行いましょう。しらすの塩抜きは、離乳食が完了する1歳~1歳半ごろまで行ってください。
しらすはおかゆや野菜に混ぜて食べさせるのがおすすめ
しらすは、鮮度によってすり潰すと苦味が出る場合があります。この苦みはお湯やだしで伸ばして薄めても、あまり消えません。赤ちゃんがしらすを嫌いにならないように、調理後にパパママが味見をして、しらすに苦味が出ているかどうか確認してください。苦みがある場合は、おかゆや野菜のペーストと混ぜたり、すり潰した豆腐と混ぜたりして、ほかの食材と合わせてから赤ちゃんに与えましょう。ほかの食材の味で、苦みが感じにくくなるのでおすすめです。
しらすの食べ過ぎは胃に負担がかかる
栄養価の高いしらすですが赤ちゃんは内臓が未熟なため、食べ過ぎると胃腸に負担がかかり消化不良につながるおそれがあります。しらすを離乳食として与える場合は、初期はスプーン1杯程度の少量にとどめ、離乳食の段階に応じて少しずつ量を増やしていきましょう。
アレルギーの発症に注意(魚卵・えび・かになど)
しらすを赤ちゃんに初めて与える場合は、小さじ1くらい(離乳食スプーン4~5杯程度)の量だけ与え、アレルギー症状が出ないかどうか24時間程度注意深く観察しましょう。販売されているしらすには、捕獲された時に入った小さなえびやかにが混ざっている場合があります。そのため、意図せず甲殻類アレルギーの原因となるえびやかにを赤ちゃんに与えてしまうおそれがあるので、注意してください。
また、しらすには卵巣があり、魚卵アレルギーの原因となる可能性もあります。万が一アレルギーを発症してもすぐに病院に連れていけるように、初めてしらすを赤ちゃんに与える場合は、かかりつけの病院が開いている午前中に食べさせると安心です。
どんなしらすを買うべき? ちりめんじゃこでもいいの?
しらす干しや釜揚げしらすを選ぼう
赤ちゃんにしらすを与える場合、水分量が多くて柔らかい釜揚げしらすか、しらす干しを選びましょう。しらすには種類があり、水分量が80%程度のしらすが「釜揚げしらす」、70%程度のしらすが「しらす干し」、50%程度のしらすが「ちりめんじゃこ」です。ちりめんじゃこは赤ちゃんには固く、離乳食には向いていないので避けましょう。水分量が多い種類のしらすは傷みやすいので、賞味期限にかかわらず購入後はなるべく早めに使い切ってください。
しらすの調理方法
離乳食としてしらすを赤ちゃんに与える場合の調理方法をご説明します。
しらすを塩抜きする
まずは、しらすを塩抜きします。塩抜きには3つの方法があり、中でもしっかりと塩抜きができる熱湯で茹でる方法がおすすめです。鍋で茹でるのは少し手間がかかるので、時間がない時は茶こしを使って熱湯に浸す方法や、レンジで加熱する方法で手早く塩抜きしてもいいでしょう。しらすを塩抜きすると風味が損なわれないかと心配になりますが、むしろ塩気が抜けて魚本来の味が生き、美味しく食べられますよ。次は、それぞれの塩抜き方法を見てみましょう。
熱湯で茹でる
鍋でお湯を沸かし沸騰したらしらすを入れて、1分ほど茹でて、その後ざるや茶こしにあげて水気を切ります。
レンジで加熱する
耐熱容器にしらすと、しらすがかぶるくらいの水を入れ、ラップをしてレンジにかけます。加熱時間の目安は、しらす小さじ1程度で1分くらいです。その後ざるにあげて水を切りましょう。
茶こしを使って熱湯に浸す
器に持ち手つきの茶こしをセットして、しらすを入れ熱湯を注ぎます。しらすをお湯に浸した状態で数分置き、水気を切ります。しらすに熱湯を回しかけるだけでは十分に塩抜きできないので、注意してくださいね。
しらすの塩抜きをする場合に、持ち手のついた茶こしが便利で役に立ちます。ざるよりも網目が細かく、しらすが目に詰まったり流れ出てしまったりすることもありません。茶こしは、しらすを入れお湯にひたして塩抜きするのに使えるほか、しらすの水切りにざる代わりに使ったり、しらすを裏ごしたりするのにも使えます。茶こしは100均でも手に入りますよ。
離乳初期:すり潰す・裏ごしする
離乳初期は、しらすをすり潰すか裏ごしをした後に、お湯を加えて滑らかなペースト状にして使用します。すり鉢とすりこぎ棒がない場合や裏ごし器がない場合には、茶こしを使って裏ごしすることもできますよ。
離乳中期:刻む
離乳中期は、塩抜きしたしらすをみじん切りにして食べやすい大きさに刻んで使用します。
離乳後期以降:塩抜きだけ! そのままの形でOK
離乳後期以は、塩抜きしたしらすをそのまま与えられます。大きいしらすがあった場合だけ、食べやすい大きさに切ってあげましょう。
次のページではしらすの保存方法やおすすめレシピを紹介します!