保育園の種類が知りたい! 認可、認可外、認証って何が違うの?
目次
認可保育園:国が定める保育所設置基準を見たした保育施設
国や自治体から運営費を支給されている保育施設が認可保育園です。認可保育園には公立と私立がありますが、保育士一人あたりが担当できる児童数や保育室や調理室などは公立も私立も同じ基準をクリアしています。
子供を認可保育園に入園させたい場合、希望する園を決め、自治体に申し込む必要があります。認可保育園は運営費のほぼ全額を自治体から支給されているため、どの子供を入園させるかの選考は自治体が行うのです。認可保育園の選考基準は子供がどれだけ保育を必要としているか、によって決まり、保育の必要度合いは保育指数という点数で計算されます。
子供の生まれた月によって、保育園に預けたい時期はさまざまですが、都心では待機児童問題からどの認可保育園も入園希望者が多く、途中入園は難しいのが現状です。そのため、認可保育園に子供を通わせるなら、4月からの入園申し込みを行った方がいいとでしょう。4月からの入園の申し込みは前年の10~11月頃に行われます。希望する保育園を決め、必要書類を自治体に提出します。その後、入園できるかどうかの選考が行われ、2~3月に入園できるかどうかの選考結果が保護者に知らされます。認可保育園に子供を入園させるために行ういろいろな活動のことを保活と呼び、都心に住むパパママの深刻な悩みになっています。
各家庭が支払う保育料は世帯収入(夫婦の収入を合算した額)や子供の年齢によって違い、認可保育園であっても支払う保育料は家庭によってさまざまです。0~2歳児の場合は保育士1人あたりが担当できる児童数が限られるため、3歳児以降より保育料は高くなります。
認可保育園は幼保無償化の対象?
認可保育園は2019年10月スタートの幼保無償化の対象になります。3~5歳児の場合は保育料については全額無償化の対象ですが、0~2歳児の場合は保育料の補助が受けられる条件が「住民税非課税世帯(世帯年収がおよそ200~300万円)」のみと制限されています。幼保無償化については下記記事に詳しくまとめましたので、よろしければご覧ください。
認可外(無認可)保育園:国から補助金を受けていない保育施設
国から運営費の支援を受けていない保育園は認可外や無認可保育園と呼ばれています。認可外保育園だから認可に劣るというわけではありません。国の基準に縛られずに、理想とする教育方針を貫くため認可外であり続ける園もあります。企業が従業員のために開設した企業主導型保育所も、従業員の子供を優先的に受け入れるためには認可外保育園であり続ける必要があります。
認可外保育園への入園は園が自由に選考することができます。申し込みを行った順に入園できることが多く、保活をおこなっているママは認可保育園の選考に落ちたときに備えて認可外も申し込んでおくのが一般的です。そのため、入園待ち児童が多い園であっても、認可保育園の選考結果が通知された後に入園辞退が続き、定員に空きが出る場合もあります。
認可外保育園も幼保無償化の対象です
認可外保育園は国の支援を受けずに運営されているため、保育料は認可に比べると割高になりますが、認可保育園に入れない子供の受け皿として年々重要性が増しています。そのため、自治体によっては保護者へ認可外保育園の保育料の一部を支援する動きもあり、2019年からの幼保無償化でも、認可外保育園の保育料も金額の上限(※)はありますが、補助の対象となっています。
※0歳~2歳は住民税非課税世帯のみ補助を受けられ42,000円/月が上限、3~5歳児の世帯は37000円/月までが補助されます
認証保育園:東京都が独自に支援する保育園
東京都は他県に比べ、待機児童問題が深刻です。都内の各自治体は待機児童解消のためさまざまな努力をしていますが、それでも認可保育園に入園できない子供のために、認可外保育園の中から基準を満たした園に独自に支援を行っています。それが認証保育園です。
認証保育園:A型
東京都が支援している認証保育園にはA型とB型の2種類があります。A型の認証保育園は保護者が子供を預けやすい駅の近くに施設が設置されています。駅近に保育園を設置するため、認可保育園の設置基準にある園庭の確保などは難しいのですが、保護者ニーズの高い園のため、認証保育園の形で都が支援をしています。また、認証保育園は保育ニーズの高い0~2歳児の保育定員を全体の1/2以上とするように定められています
認証保育園:B型
B型はA型より規模の小さい認証保育園です。B型は3歳未満の乳幼児を受け入れるために整備された「保育室」から移行した園が多く、そのため定員が少ない園がほとんどです。A型のように駅の近くにあることは少ないのですが、待機児童の多い地域では頼りになる保育施設です。
A型、B型とも認証保育園は保育時間は13時間以上
認可保育園では保育時間が11時間以上と定められていますが、認証保育園は13時以上開所すること、と定められています。延長保育の利用可能時間も認可以上に長く、残業が多い保護者だと認証保育園がもっとも利用しやすい園かもしれません。
認証保育園も幼保無償化の対象
認証保育園も幼保無償化の対象となります。ただし、認可外保育園と同様に補助を受けられる金額の上限があるため、認証保育園の費用が完全に無料になるとは限りません。
2019年から24時間365日運営の認証保育園が増える?
2019年1月10日のニュースで、東京都が夜間や休日も開所する認証保育園の人件費補助を行うと発表されました。認証保育園は都が管轄するため認可以上に柔軟でスピーディーな対応が可能ですが、これは嬉しいニュースですね。夜間や休日の保育については、これまで認可外保育園が担ってきましたが、都に認められた認証保育園での保育時間の選択肢が広がるとパパママは安心ですね。
まとめ:幼保無償化スタート後は認可以外の保育園人気が高まりそう
これまでのパパママの保活では最終的に認可保育園に預けるために、まず認可外に預けて保育の実績を作り…という流れが主流でした。しかし、2019年10月からの幼保無償化のスタートで、月に最大37000円までの保育料補助が受けられることになり、認可外保育園の人気が高まりそうです。
認可にはない独自の教育、サービスを提供する認可外保育園は多く、幼保無償化で保育料負担が減れば引き続き同じ認可外保育園に子供を通わせたいと考えるパパママは増えるでしょう。同様に認証保育園の人気も高まるでしょう。先日東京都から発表された、認証保育園の夜間や休日の開所の支援を行うニュースなど、パパママの保育ニーズを幅広く満たしてくれる認証保育園が今後増えそうな流れですね。