【助産師監修】おっぱいマッサージの効果とは? いつから、どんな方法で始めればいい? 母乳にいい食べ物や生活習慣も紹介!
目次
おっぱいマッサージの注意点
乳房のマッサージは、力任せにもみほぐしては乳管を傷めてしまうことがあります。基底部から揺らしてほぐしてあげるように意識しましょう。乳頭部分は初めのうち痛みを感じることがあるかもしれませんので、無理はせず徐々に慣らすようにします。摩擦で皮膚が傷つかないように、慣れないうちはオイルなどで滑りをよくするのもよいでしょう。いずれも苦痛を感じるほどに力を入れる必要はありません。
また、妊娠中からマッサージを行う場合、適切に行わないと子宮収縮に繋がる場合があります。お腹が張りやすい、切迫気味など心配がある場合は避け、マッサージ中にもしお腹が張ったらすぐに中止しましょう。授乳期には、おっぱいの張りやしこりをほぐそうと自己流でむやみにマッサージすると、血流がよくなりすぎて余計に悪化してしまうこともありますから注意してください。
母乳が出やすくなる生活習慣
母乳を作るホルモンが十分に分泌されるためには、ママの身体が元気でなくてはいけません。新生児期は特に赤ちゃんのお世話で忙しいときですが、ママも細切れでもいいのでできるだけ睡眠をとり、体力を回復させていきましょう。後述しますが、3食バランス良い食事をとり、こまめに十分な水分を摂ることも大切です。そして、母乳は赤ちゃんに吸ってもらうことで脳が刺激を受けてさらに作られるようになります。初めのうちは赤ちゃんも一回に飲める量が少ないこともありますので、頻回授乳を心がけるといいでしょう。
母乳に良い食べ物
厚生労働省が策定した「妊産婦のための食生活指針」によると、授乳中のママの食事は、
- 脂肪の過剰摂取を避けつつ母乳中の必須脂肪酸を確保するために、EPAやDHAなど、魚由来のn-3系脂肪酸を摂取すること
- エネルギー量、タンパク質、カルシウム、鉄などの必要量を確保したバランスのよい食事
が推奨されています。母子健康手帳にも、食品群ごとの摂取量の目安が記載されていますので参考にしてみてください。なお、同じく厚生労働省の「授乳・離乳の支援ガイド(2019年改定版)」では、子供のアレルギー発症予防のために母親が特定の食物を避けたり過剰に摂取する必要はないとされています。バランスのよい食事を心がけましょう。
上記を踏まえると、授乳期には和食が望ましいとされるのは、脂肪分に偏りにくく栄養のバランスが取りやすいこと、汁物や煮物で食事から水分も摂れるという点が優れているためと言えるでしょう。赤ちゃんとの生活は忙しく自身の食事に時間をかけにくいものですが、ごく簡単なメニューでもバランスを少し意識してママ自身の身体を整えてあげることがよい母乳につながります。もちろん、時には好きな食べ物も楽しんでくださいね。過剰摂取でなければ心配する必要はありません。
考えすぎは禁物
ストレスによっても母乳の出は悪くなると言われます。気にしないというのは難しいでしょうが、授乳に負担感を覚えてしまったり必要に応じてミルクを使っても、罪悪感をもつ必要は全くないことを心に留めておいてください。思い詰めずに、ママが少しでもリラックスできる授乳のスタイルを整えていきましょう。パートナーや先輩ママなど、相談できる相手と気持ちを共有することも気持ちの助けになるかもしれません。
母乳外来も活用しよう
授乳に関して悩みがある、セルフケアに限界を感じるなどの場合、母乳外来に相談することを考えてもいいでしょう。授乳方法や乳房のトラブルに関する相談を基本として、マッサージなどのケア、赤ちゃんの体重チェックを行ってくれるところもあります。具体的な対処でママの身体が楽になれば何よりですし、専門家に話を聞いてもらえるだけでも気持ちの面で支えになるかもしれません。
母乳育児がはじめから軌道にのる方は、むしろ少なく生後3,4ヶ月ころに混合から母乳のみになるママも多いです。一人で抱え込まず、はじめのうちだけでもサポートを頼んでくださいね。産科や助産院で産後ケアの一貫として母乳外来を設けているところも多く、各保健センターで地域の助産師や訪問助産師を紹介してくれますよ。