卒乳のタイミングはいつ? 方法やコツ、ママのおっぱいケアも紹介
目次
卒乳とは? 断乳との違いは?
「卒乳」は赤ちゃんが自然と母乳を飲まなくなり、授乳が終わることです。大好きなママのおっぱいを急にやさせるのではなく、赤ちゃんが自然と「もう飲まなくても大丈夫」と思えるようになるため、赤ちゃんに負担をかけずに授乳を終われるのが特徴です。
一方「断乳」は、親のタイミングで授乳をやめることです。薬の服用や保育園の入園、夜泣きがひどい…などの理由で授乳を親のタイミングで終わらせることもあります。夜間の授乳だけをやめる「夜間断乳」を選ぶママもいます。
卒乳はいつするのがいい? タイミングは?
卒乳は赤ちゃんが自然と母乳を必要としなくなることを指すため、いつまでに卒乳をしなければいけない、という決まりはありません。では、卒乳するタイミングはどのような時でしょうか? 事項で見ていきましょう。
1歳~1歳半頃
子供が1歳の誕生日を迎える頃、卒乳を考え始めるママも多いでしょう。赤ちゃんの離乳食は1歳~1歳半頃までに完了するため、離乳食がしっかり食べられるようになったら卒乳できます。1歳を過ぎて歩き始めると体力も使うため、ご飯をたくさん食べてくれて母乳をあげなくても大丈夫だったり、たくさん遊んで夜は疲れて添い乳なしでも寝てくれたり…など、1歳~1歳半頃は卒乳がしやすい時期でもありますよ。
しかし、栄養面では母乳は必要なくなっても、ママのおっぱいが赤ちゃんの精神安定剤になっていることもあります。赤ちゃんの様子を見て、卒乳の時期を考えてあげてくださいね。
離乳食を3食しっかり食べれるようになっている
離乳食を3食しっかり食べれるようになっている、水やお茶からしっかり水分が取れるようになっているようであれば、卒乳をすることができます。離乳食の進み具合や食べる量には個人差があります。離乳食を食べる量が少なく、食事で栄養を摂れていない時期はまだ卒乳のタイミングではありません。
ママの仕事復帰と保育園の入園のタイミング
ママが仕事を復帰するタイミングで卒乳をする場合もあります。仕事に復帰後も授乳をしていると、仕事中におっぱいが張ったり、乳腺炎になったりする可能性もあります。仕事中は母乳をあげることができないので、おっぱいトラブルを回避し仕事に集中するためにも、ママが職場復帰するタイミングで卒乳をしてもいいでしょう。
夜泣きでママが寝不足になっている
赤ちゃんの寝かしつけで添い乳をしていたり、寝る前に母乳を飲ませていたりすると、夜中に赤ちゃんが目を覚ました時にママのおっぱいを吸わないと寝れないというケースも多いです。赤ちゃんが夜中に泣いて起きる度にママが授乳をしなければいけないと、ママも寝不足になってしまいます。食事からしっかり栄養が摂れるようになっているのであれば、卒乳をしてもいいでしょう。
妊娠したいと思っている
授乳中はホルモンの関係で排卵が抑制されるため、授乳中は妊娠しにくいと言われています。また赤ちゃんを妊娠したいと思っているタイミングであれば、卒乳をしてもいいでしょう。
卒乳の方法は?
卒乳の方法をご紹介します。
卒乳する日を子供に伝える
卒乳を赤ちゃんのタイミングに任せっきりにするのではなく、ママがある程度おっぱいをやめることを意識させてあげることも大切です。いつまでに卒乳したいと希望がある場合は、卒乳する1ヶ月前~2週間前から赤ちゃんに伝えます。「もうすぐおっぱいとバイバイだよ」「この日になったらおっぱいとバイバイしようね」などと伝えてあげましょう。カレンダーに印をつけて「あと〇日だね」と伝えてあげてもいいですね。絵本などで卒乳をイメージさせてあげる方法もおすすめです。
卒乳におすすめの絵本:おっぱい(たんぽぽシリーズ)
授乳する回数や量を減らしていく
卒乳前は赤ちゃんが欲しがるだけ母乳をあげているママもいるでしょう。授乳の回数や量を少し減らすことで、ある程度ママがコントロールして自然に卒乳することができます。この方法を行う時のコツは、日中に頻繁におっぱいを欲しがらないように、赤ちゃんの気をおっぱいから逸らしてあげることです。食事や水分をしっかり与えて満足させてあげること、日中は外出して目いっぱい遊ばせてあげるて、自然に授乳する回数や量を減らしてみてくださいね。
卒乳をする時のコツ
卒乳するときのコツを紹介します。
日中は外出し公園などでたくさん遊ばせる
卒乳を始めたら、外出して公園などでたくさん遊ばせてあげ、ママのおっぱいから気をそらせてあげるといいですよ。近所の公園でもいいですし、ちょっと遠出をしていつも行かない公園に遊びに行ってもいいでしょう。遊びに夢中でママのおっぱいを忘れさせるのが狙いです。卒乳する日をある程度決めたら、毎日のスケジュールを立ててみるといいですよ。
スキンシップをする
ママのおっぱいが安心材料になっている子供も多くいます。卒乳すると安心材料だったママのおっぱいがなくなってしまうので、その代わりとなるくらいのスキンシップや愛情を子供に与えてあげましょう。子供と一緒に手遊び歌をしたり、ハグや抱っこ、「大好きだよ」など言葉で伝えてあげるのもいいですね。卒乳が完了するまでは、家事より子供との時間を優先させてあげられるプランを立てるといいでしょう。
食事や水分をしっかりとらせる
卒乳は食事から栄養が摂れていることが前提です。食事でしっかり栄養を摂らせてあげることを意識して、栄養バランスのとれたメニューや子供がお腹いっぱいになる量を食べさせてあげるよう心掛けましょう。また普段母乳を飲んでいる場合、家でも水やお茶で水分補給をする機会も少ないかもしれません。卒乳したら、こまめに水分補給をして脱水症状や便秘にならないように気を付けてあげましょう。
また、お腹が空いたり、喉が渇いていると、ママのおっぱいを欲しがる可能性が高くなりますよ。食事や水分をしっかりとらせてあげることで、お腹も膨れ満足させてあげることも大切です。
泣いた時の対処法を考えておく
赤ちゃんが泣いてしまった時の対処法を決めておくと、パパママも赤ちゃんに余裕をもって接することができます。卒乳を始めても日中や寝る前にどうしてもおっぱいを欲しがって泣いてしまうことがあるでしょう。一般的に、卒乳開始から3日目までは激しく泣くことはあっても、4日目からおっぱいを欲しがって泣くことがなくなる場合が多いです。赤ちゃんが卒乳を完了できるまでの間、どんな方法であやすかを考えておけるといいですね。
パートナーに協力してもらう
卒乳にはパパの協力が不可欠です。卒乳する日や卒乳を始めてからの過ごし方などをパパと一緒に話し合っておくといいですよ。パパの仕事が休みの日であれば、日中おでかけをしたり、夜泣きをした時に赤ちゃんをドライブに連れて行ってくれ寝かしつけてくれたり。ママが寝かしつけるとどうしてもおっぱいを欲しがって泣いてしまう場合でも、パパが寝かしつけると比較的すぐにおっぱいを欲しがるのを諦めてくれた…という経験談もありますよ。卒乳を始める場合は、パパにも理解してもらえると赤ちゃんやママの負担を減らすことができます。
どうしても卒乳を嫌がったら日を改めてもOK!
卒乳したけれど3日以上泣いてぐずっているなど、どうしても母乳を欲しがるようなら卒乳する時期を改めましょう。一般的には卒乳のタイミングは1歳〜2歳位と言われていても、赤ちゃんの成長や性格は一人ひとり違うため、卒乳のタイミングもそれぞれです。「絶対にこの日に卒乳する」と固執しすぎず、赤ちゃんに無理なく進めていってください。
2歳以降も授乳していい? 虫歯になりやすくなるって本当?
2歳以降の授乳について「虫歯になりやすい」「乳がんになりにくい」「薬の服薬に制限がある」など耳にすることもありますが、科学的に証明されているものではありません。母乳には糖が含まれるので、飲みながら寝てしまうとしっかり歯磨きが出来てないため、虫歯の原因になることもあります。虫歯を予防するためには、寝る前に歯磨きをするように心がけると良いですね。
また、授乳期間が長い方が乳がん発症のリスクが減少するというデータは出ているものの、乳がんになる原因は授乳期間以外にもあるため授乳を続けたからといって乳がんにならないとも言えません。授乳中ママは薬を飲めないため大変だ、とも言いますが、国立医療研究センターによると2歳を過ぎれば母乳を飲む量が減るため、ママへの薬の制限は少なくなるようです。このように、さまざまな情報が交錯しており2歳以降の授乳に悩むママも多いですが、卒乳を焦る必要はありません。
卒乳でのママのおっぱいケアも大切
卒乳したら急に母乳が出なくなるわけではありません。卒乳後の母乳は、搾乳器や手絞りで搾乳しましょう。卒乳が完了し赤ちゃんが母乳を飲まなくなってもしばらく母乳は作られます。おっぱいが張った状態が続くと乳腺炎になる可能性もあるので注意が必要です。
卒乳後3日目くらいまでは、母乳を完全になくなるまで絞らないことがポイントです。母乳を完全に絞ってしまうと母乳の分泌は収まらず、母乳を作り続けてしまいます。母乳の分泌も収まってきたと感じる5日目以降は、完全に母乳を絞りましょう。だんだん母乳が作られる量が減ってきますが、完全に作られなくなるのは半年~1年以上かかると言われています。
まとめ
赤ちゃんの栄養面や精神面を考慮すると卒乳のタイミングは悩ましいものですよね。ママにとっても赤ちゃんとの貴重な授乳時間がなくなってしまいうため、寂しいと感じることもあるでしょう。赤ちゃんが1歳を過ぎてくれば徐々に言葉もわかってくるので、絵本などを使って言葉でも卒乳を意識させながら、赤ちゃんにストレスの少ない卒乳を考えてみても良いですね。