哺乳瓶の消毒方法は煮沸、レンジ、消毒液、どれがいい? 消毒はいつまで必要?

哺乳瓶の消毒はなぜ必要なの?


赤ちゃんの成長を助けるミルクには、栄養がたくさん含まれています。つまり「栄養がある=雑菌が繁殖しやすい」ことになります。哺乳瓶に飲み残しやミルクかすが残ったままだと、雑菌が繁殖し免疫力の低い赤ちゃんが菌に感染するリスクがあります。
また新生児の髄膜炎の原因となる「サカザキ菌」などの雑菌は、空気中にも存在しているため、調乳するパパママの手指に付着して持ち込まれる場合もあります。調乳前にパパママが手指もしっかり洗い調乳場所も清潔に保てば、粉ミルクが汚染されるリスクを減らせます

哺乳瓶の中や飲み口は雑菌が繁殖しやすい

哺乳瓶でも特に飲み口部分や哺乳瓶の端などはミルクの飲みかすが残りやすく、そのまま使い続けると哺乳瓶の中で菌が繁殖してしまいます。ミルクのかす汚れを放置しておくと、固まって洗っても取れにくくなります。哺乳瓶はすみずみまでしっかり洗ったあとに消毒し雑菌を取り除きましょう。

赤ちゃんを守るために(農林水産省)

哺乳瓶の消毒はいつまで必要?


赤ちゃんの月齢が低く頻回授乳が続いている場合、哺乳瓶の消毒はかなりの負担になることもあり、いつまで続ければいいのか気になっているパパママも多いでしょう。しかし、日本では哺乳瓶の消毒がいつまで必要かを明記した公式な指針はなく、専門家により意見が分かれます。

2007年にWHO(世界保健機関)は「乳児用調製粉乳の安全な調乳、保存及び取扱いに関するガイドライン」を発表しました。それによると、「1歳未満の乳児は、菌などの感染リスクが高く哺乳瓶をはじめとした調乳器具の消毒が必要」とし、日本の厚生労働省もこれに従っています。一方、アメリカでは「安全で清潔な水が手に入る国では、哺乳瓶の消毒は必要ない」とする消毒不要論が主流です。

乳児用調製粉乳の安全な調乳、保存及び取扱いに関するガイドライン 仮訳(厚生労働省)

哺乳瓶の消毒は生後4、5ヶ月頃にやめる家庭が多い

アメリカ疾病管理予防センター(CDC)では、「赤ちゃんが3ヶ月未満である、早産だった、免疫力が低下しているなどの場合は、少なくとも1日1回消毒が必要である」としています。一方で、食器洗い乾燥機など熱い温水を使ってしっかり洗える装置がある場合には、哺乳瓶の消毒は不要としています。

これまでの日本では一般的に、赤ちゃんが生後6ヶ月頃になり、ママからもらった免疫がなくなって赤ちゃん自身の免疫だけになるまでは、哺乳瓶を使うたびに消毒していました。しかしアメリカ疾病管理予防センター(CDC)の発表に従い、「生後3ヶ月頃には消毒をやめても構わない」とする日本の小児科医もいます。どちらにせよ、消毒の有無より哺乳瓶をよく洗いミルクかすなどが残らないようにすることが重要となります。

哺乳瓶の消毒をいつやめるのか、パパママが赤ちゃんの様子を見ながら決断することが多くあります。赤ちゃんがおもちゃを舐めたり、何でも口に入れるようになったりする4、5ヶ月頃には、消毒の意味を感じられなくなりやめるケースも多いようです。ただし、赤ちゃんの体調が悪い時は消毒を再開するなど、臨機応変に対応してあげましょう。

How to Clean, Sanitize, and Store Infant Feeding Items(英文・CDC)

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赤ちゃんの哺乳瓶の消毒方法

赤ちゃんの哺乳瓶の消毒方法
哺乳瓶の消毒方法はおもに「煮沸消毒」「電子レンジで消毒」「消毒液を使った消毒」の3つの方法があります。それぞれ、メリットやデメリットを含めて詳しく解説します。

哺乳瓶の消毒方法1:煮沸消毒

哺乳瓶の消毒方法1:煮沸消毒
煮沸消毒とは、沸騰したお湯を鍋に入れて熱湯で哺乳瓶を殺菌する方法です。鍋さえあればどの家庭でもできる消毒方法なので、簡単でおすすめです。デメリットとして、水が沸騰するまでに時間がかかること、鍋いっぱいの水が必要なため回数が多いと水道代かさむことが挙げられます。煮沸消毒は母乳育児がメインで哺乳瓶を使う回数が少ないパパママが取り入れていることが多いようです

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哺乳瓶の煮沸消毒の手順

まずは哺乳瓶のパーツがすべてしっかり浸かるよう鍋にたっぷりの水をはります。そこによく洗った哺乳瓶や乳首、ケースなど消毒したい物を全体が浸かるように入れてください。空洞部分に空気が入っていると哺乳瓶のパーツが浮いて水から出てしまうため、空気が入らないように注意しましょう。沸騰したお湯にいきなり哺乳瓶を入れると、急激な温度変化から哺乳瓶がひび割れてしまう可能性があるため、沸騰させる前から浸け始めてください。沸騰したら哺乳瓶を3~5分煮沸し、火傷に注意しながらトングなどで取り出します。

ガラスの哺乳瓶であれば問題なく煮沸消毒できますが、プラスチックの哺乳瓶には煮沸できないものもあります。事前に哺乳瓶のパッケージなどで確認しておきましょう。また、乳首などゴムでできているパーツは長時間煮沸しすぎると劣化してしまうため、ゴムパーツは早めにお湯から取り出しましょう。

哺乳瓶の消毒方法2:電子レンジでの加熱消毒

哺乳瓶の消毒方法:電子レンジ
電子レンジ消毒は、哺乳瓶と水を専用のケースに入れて加熱し、熱せられた水がスチームとなって殺菌する方法です。電子レンジ消毒は薬剤を使わないため、消毒薬のにおいが気になるパパママにおすすめです。電子レンジでの消毒には外出先でも使える除菌パックもあります。荷物がかさばらず電子レンジと水があればどこでも除菌ができるため、旅行などに持って出かけられるので便利です。

筆者も子供が新生児の頃、電子レンジ消毒をしていました。母乳育児がメインでミルクは夕方のみと、1日に使う哺乳瓶は1、2本だったため、電子レンジ消毒はその都度手軽に消毒できて便利でした。

哺乳瓶の消毒は電子レンジがおすすめ。メリットとデメリット、便利グッズを紹介
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哺乳瓶の消毒は大事な作業ですが、確実に消毒ができなおかつ時短ができる方法があるとしたら、試してみたいと思うものですよね。そこで、哺乳瓶の消毒に電子レンジを使うメリットとデメリット、消毒のための便利グッズをご紹介します。

哺乳瓶の加熱消毒の手順

消毒専用のケースやパックに、洗った哺乳瓶や乳首など消毒したいものと水を入れ、電子レンジで5分程度温めると加熱消毒できます。電子レンジで加熱したあとにそのまま保存できるタイプの専用ケースもあるため、保管場所に困りません。加熱直後は哺乳瓶自体がとても熱くなるため、哺乳瓶を冷ましてから利用しましょう。また、ケースを開けた時の蒸気でパパママが火傷する恐れがあるため、消毒後の哺乳瓶の取り扱いには十分注意してください。

コンビ 電子レンジ除菌&保管ケース 除菌じょ~ずα

コンビの哺乳瓶消毒ケースです。小物がケースの中でバラバラにならないように、専用のケースが付いています。哺乳瓶を消毒してそのまま保管ケースとしても利用できます。

メデラ 電子レンジ除菌バッグ(5パック)

240mlと160mlの哺乳瓶一式が余裕で入る大きさで、正しく使えば1枚で20回使えて経済的です。水を入れて電子レンジで約3分加熱すれば、一般的なバクテリアや細菌を99.9%除菌できます。旅行用だけでなく、万が一の非常用に持っていてもいいでしょう。

哺乳瓶の消毒方法3:消毒液を使った薬剤消毒

哺乳瓶の消毒方法:消毒液
専用の消毒液に哺乳瓶を漬けておくのが薬剤消毒です。消毒液は一度作ってしまえば、その日のうちは同じ消毒液で何本でも哺乳瓶を消毒できます。そのため毎日何回も哺乳瓶を使う、完全ミルク育児や混合育児をしているパパママにおすすめです。

消毒液はミルトンやピジョンなど大手メーカーからも販売されており、液体タイプ、錠剤タイプ、顆粒タイプがあります。自宅では液体タイプ、外出する場合には錠剤タイプなど使用する場面で使い分けるパパママもいます。消毒後は水ですすがなくてもそのまま使用できるというのも便利なポイントですね。

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哺乳瓶の薬剤消毒の手順

まずは消毒液を作ります。商品によって水と消毒液の比率が変わるため、作る場合には薬液の説明書を確認してください。洗った哺乳瓶やパーツなどを消毒液に1時間以上浸しておくだけで消毒が完了です。消毒液を水で流す必要はありませんが、薬液のにおいが気になるパパママは水洗いしてから哺乳瓶を使うといいでしょう。

ミルトン ママセット(容器+CP36錠)

哺乳瓶の薬液消毒に必要なタンク本体、フタ、落としブタ、トング、ミルトンCP 36錠がセットになっています。哺乳瓶6本が入る大きさなので、1日分の哺乳瓶を夜まとめて洗う人、双子を育てている人にもおすすめです。薬液消毒に必要な道具がセットになっているので、出産準備に購入しておくのもいいでしょう。

ピジョン ミルクポン1050mL

液体タイプの消毒液です。1050mLと容量が大きいので、コスパを重視したいパパママにもおすすめです。哺乳瓶やゴムパーツの消毒だけでなく、部屋や浴槽の消毒、排泄物の後処理などにも使えます。用途により希釈する濃度が異なるので、パッケージの表記を確認してください。別売りのミルクポン専用の消毒ケースを使えば、水を入れる目盛りが付いているので簡単に消毒を作れます。

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はいチーズ!クリップ編集部

はいチーズ!クリップ編集部員は子育て中のパパママばかり。子育て当事者として、不安なこと、知りたいことを当事者目線で記事にします。Instagram・LINEなどでも情報発信中ですので、ぜひフォローください!