赤ちゃんの「クーイング」はいつから? しない場合や反応の仕方は?
目次
赤ちゃんのクーイングとは? 意味はあるの?
生後間もない赤ちゃんは、無意識に生理的要因で泣いたり笑ったりとさまざまな表情を見せます。しばらくすると、今度は「あー」「うー」「くー」と母音1音を発するようになるのですが、これを「クーイング」といいます。クーイングは英語の「coo(クー)」がルーツで、ハトがクークー鳴く声や優しく語りかける(ささやく)などの意味があります。クーイングは赤ちゃんの口や喉が発達することで一緒に声も出るのですが、口や唇をまだ上手に使えないため言葉に意味はありません。
クーイングはご機嫌がいいサイン
赤ちゃんのクーイングは機嫌がいい証拠! クーイングは、赤ちゃん自らの意思を伝えようとするのではなく、音を出すことを楽しんでいる状態です。赤ちゃんが心地良い時やくつろいでいる時などによく見られます。クーイングは別名「プレジャーサイン」とも呼ばれており、パパママがクーイングに答えてあげると赤ちゃんが反応して繰り返す子もいます。
クーイングと喃語は違うの?
クーイング | 喃語 | |
---|---|---|
意味 | 無意識 | 言葉習得の前段階 |
声の出し方 | 喉から | 唇や舌を使う |
話す言葉 | 1つの音 あー、うー、くーなど |
2つ以上のつながった音 あう、んま、だだなど |
表情 | 無表情 | 表情豊か |
クーイングと喃語は同じように見えますが、大きな違いがあります。クーイングは唇や舌を使わず1つの音を発するため、「だだだ」や「ぶぶぶ」といった濁音を話せません。喃語も始めは「なむ」「まあ」など2つのつながった静音のみですが、少しずつ唇や舌を使って濁音が話せるようになります。
クーイングはいつからいつまで見られる?
赤ちゃんの発達には個人差があるのでクーイングも一概にいつから始まるとはいえません! まったくしない子もいれば、生後1~2か月から始める赤ちゃんとさまざまです。クーイングのピークは生後3か月ごろといわれ、生後4~5ヶ月くらいになると母音以外の音を発する様子が見られます。初めて赤ちゃんが発する「あー」や「うー」という言葉に、パパママも笑みが溢れることでしょう。クーイングを聞けるのはほんのわずかな期間なので、パパママはこの時期だけの言葉のやりとりをたっぷり楽しんでください。
赤ちゃんがクーイングをしない! 対策が必要?
赤ちゃんが生後3か月を過ぎてもクーイングをしないと不安でいっぱいになりますが、とくに大きな心配はありません! 赤ちゃんによって泣き声の大きさや授乳スピードが違うように、成長も赤ちゃんによって個人差があります。そのため、あやしたときに、反応(応答性)があればあまり心配をしなくても大丈夫です。もし気になるようであれば、マッサージなどのスキンシップをしながら、たくさん話しかけてあげるようにしてみてもいいでしょう。
また、クーイングにとらわれずに様々な音を聞かせてあげて、赤ちゃんが自分なりの声の出し方を見つけられるように手助けしてあげるのもおすすめです。応答性があっても聴覚が気になる場合は、まず出産時の病院で「聴覚スクリーニング検査」を受けていたか確認してください。スクリーニング検査では「疑わしきは再検査」としているので、検査に問題がなければ聴覚は問題ありません。未検査でママの声にまったく反応がなかったり、赤ちゃんの近くで手をたたいても振り向かない場合などは、3-4カ月健診で相談したり小児科医に相談してみましょう。
生後3か月。クーイングがなく声を出す気配もありません(母子衛生研究会)
赤ちゃんのクーイングはしっかり反応しよう!
いざ、クーイングの声を聴いたけどどのようにしたらよいかわからないパパママも多いでしょう。そんなときは、まず赤ちゃんの目を見て、クーイングが聞こえていることを伝えてあげるのがおすすめ! 赤ちゃんは自分の発した声に反応があると、クーイングを繰り返したり、声をだして笑う姿も見られます。クーイングの繰り返しや笑うことで感情表現が豊かになり、五感が刺激されて脳の発達にも良い影響を与えます。
赤ちゃんのクーイングにはオウム返し!
赤ちゃんのクーイングに、パパママはオウム返しで答えてあげるのもいいでしょう。赤ちゃんはパパママから聞こえた声と口の動きを覚えていき、少しずつ発声できる音が増えてきます。赤ちゃんはいろいろな音を出すことで、言葉を発する練習になり、クーイングがさらにたくさん出てくるようになってきます。また、パパママのオウム返しに赤ちゃんの反応があれば聴覚の発達の確認にもなりますよ。
パパママは優しい言葉で話しかけよう
クーイングを始めた赤ちゃんは、少しずつコミュニケーションが楽しくなってきます。また、さまざまな音を聴いて声を出す練習をしています。この時期に覚えたたくさんの言葉は、赤ちゃんにとって良い刺激になり、口やのどが発達してきたときにインプットされた言葉を話すようになります。声のトーンをあげてゆっくり話しかけてあげるママのやさしい言葉かけ(マザリーズ)は、精神面でもいい影響を与えることができます。
また、ママが赤ちゃんのクーイングに対して「じょうずだね~」「きょうもたくさん話せてすごいね~」といっぱい褒めてあげると、赤ちゃんもうれしくなってたくさんのクーイングが見られ、コミュニケーションが活発になります。
クーイングの反応がわからなくなった時におすすめ!
クーイングの反応に困った時は、パパママが今やっていることを伝えてあげましょう。例えば、本を読んでいる時はどんな内容かを伝えたり、家事をしている時は「今日は洗濯日和だよ~」など行動を伝えたり、心に思っていることを言葉に出して反応するのもおすすめです。赤ちゃんは少しずつ聴力と視力が発達し、パパママや家族の声や顔を認識します。クーイングをした時は、「ここに居るよ~」という気持ちで接してあげると、赤ちゃんも心地よく過ごせます。
赤ちゃんのクーイングに注意!
まだ生後間もない赤ちゃんの初めての発声に、一喜一憂するパパママも多いでしょう。しかし、中にはクーイングをしない赤ちゃんもいます。言葉の発達や聴覚が気になりますが、どんな点に注意して赤ちゃんを見守ればいいのでしょうか?
クーイングの無理強いはしない
赤ちゃんがクーイングをはじめると成長がうれしくなり、周りの多くの人に教えたくなってしまうのが親心です。しかし、クーイングは赤ちゃんがリラックスしている時に発せられる声なので、いつでも発するわけではありません! クーイングをするのはパパだけ、あるいはママの前でしかしない赤ちゃんもいるでしょう。理由はさまざまですが、家族の中でも限定した人のみしかクーイングが見られないのは、安心できる人だと思っているからでしょう。赤ちゃんを安心させてあげるためにも、決してクーイングの無理強いをしないようにしましょう。
赤ちゃんの近くで乱暴な言葉は使わない!
クーイングをはじめた赤ちゃんは、さまざまな音をインプットして声を出す練習をしています。そのため、赤ちゃんのそばで乱暴な言葉を使うと、赤ちゃんが大きくなったときに同じような言葉遣いになる可能性があります。産後のママは、慣れない育児に睡眠不足とイライラする日が増えるでしょう。パパのちょっとした行動にキツい言葉や反応をし、夫婦喧嘩が増える可能性もあります。どんなにイライラしていても、赤ちゃんのそばでは穏やかな口調でリラックスした雰囲気をつくってあげるように心がけてください。
まとめ|赤ちゃんのクーイングは期間限定! 動画に残そう
かわいい赤ちゃんとのコミュニケーションの中で、一番はじめに出会えるのが「クーイング」です。できる限りクーイングしている赤ちゃんと目を合わせて、たくさん声をかけてパパママの愛情をたっぷりあげましょう。赤ちゃんのクーイングが見られる期間は、長い子育ての中でほんの一瞬です。ビデオカメラやスマホ、携帯電話で動画撮影をして、一生色あせない思い出として残しておいてください。将来、赤ちゃんが大きくなった時に見返すことで、「かわいい~!!」と当時の思い出が鮮明に蘇るでしょう。