児童手当って? 月にいくら、子供が何歳になるまでもらえる? 所得制限に関する最新情報も
目次
目次
【2020年11月】高所得世帯の児童手当廃止や所得制限見直しの検討へ
以前から、所得制限を超える場合に支給されている一律5,000円の特例給付について廃止する案が政府で出ていましたが、2020年11月に政府が「来年度の児童手当の見直しについて検討に入った」と報道がありました。
所得制限を超える世帯の特例給付は廃止へ
現状では、夫婦どちらかの所得の高い方の年収が所得制限を超えるいわゆる高所得世帯は、子供1人あたり5,000円、年額にして6万円の特例給付を受け取っています。特例給付は、少子化の解消などを目的に2012(平成24)年から実施されている制度でした。しかしこの特例給付を、2021年度中に廃止する方向で検討に入ったとのことです。
所得制限の基準を夫婦合算の収入(世帯収入)へ切り替え
また、所得制限の年収の判定基準をこれまでの「夫婦どちらかの所得の高い方の年収」から「夫婦の合計年収(世帯年収)」に切り替えて、所得制限の対象世帯を広げて児童手当給付の対象を絞り込む方針であることも判明しました。所得制限の年収の判定基準見直しの理由として、政府は「夫婦どちらかの所得の高い方の年収で決めるという今の制度は不公平だという声が出ている」とあげています。こうなると、新たな基準の所得制限に引っかかり手当が減る共働き世帯が増えることが予想され、約60万人分の子供の支給に影響が出ると試算されています。
見直しは待機児童の解消が狙い
今回の児童手当の見直しよって、約500億円のお金が浮くとされています。政府はそのお金を待機児童解消のために使いたい考えで、2021年度から4年間で14万人分の保育施設を整備するとの計画が出されています。待機児童問題に政府が働きかけてくれるのは確かにありがたいことですが、その代わりに児童手当がなくなってしまっては、子供を2人目、3人目と生み育てること自体に後ろ向きになってしまうこともあるでしょう。今回の見直しは特に共働き家庭にとっては大打撃です。今回の見直しにより児童手当の対象から外れてしまう共働き家庭からは、早速とまどいや不満、怒りの声があがっています。
この見直しに関して、2020年11月現在、「児童手当の見直しはまだ検討中で未定であること」、「年収の基準を引き上げ支給額ができるだけ0にならないようにすること」、「子供数が多い世帯へは児童手当を増額すること」なども検討していくとの追加報道がなされています。児童手当が改正されれば子育て世帯には大きな影響が出る可能性があります。制度の行方をしっかりと確認しておきましょう。
児童手当はいつもらえる? 毎月支給?
児童手当を受け取るには自治体への申請が必要です。児童手当の申請方法や申し込み期限については子供が産まれる前に事前に調べておくことをおすすめします。
申請翌月から児童手当は支給開始
児童手当の支給の対象は、申請した翌月分からとなります。例えば、1月1日に出産し1月中に申請をすると、2月分から支給されます。
ただ、1月31日に出産した場合は1月中の申請が難しいですよね。出産が月末になったり、災害や引っ越しなどやむを得ない事情で手続きが出来なかった場合は、出産翌日~15日以内に児童手当を申請、承認を受けると、手続きした月も支給対象にすることができます。これを「15日特例」と言います。
出産日は直前までどうなるか分かりません。出産後、いつまでに児童手当を申請したら良いのか不安…という方は「児童手当は出産してから15日以内に申請! 」と覚えておきましょう。
児童手当は2月、6月、10月に4ヶ月分ずつ支給
児童手当の支給は毎月ではありません。4ヶ月分がまとめて支払われます。支給月も決まっており、「2月、6月、10月」となっています。10月~1月分が2月に、2月~5月分が6月に、6月~9月分が10月に支給され、振り込み日は自治体によって違います。申請時に自治体の職員に事前に確認しておくと良いでしょう。
児童手当の申請方法について
児童手当の申請方法について詳しくご説明しましょう。 出産後は入院期間もありますし、ママの身体も回復まで時間がかかるため自分で申請することができない場合もあるでしょう。児童手当は代理人や郵送での申請も可能だなので、パパやご両親などにも児童手当の申請方法を伝えておくといいでしょう。
一般的には市区町村の窓口で受け付け
一般的には、今住んでいる地域の市区町村の窓口で児童手当の申請を行います。ただし、世帯主が公務員の場合は共済窓口(職場)での児童手当の申請となります。
出生届と同時に児童手当の申請を行うのがベスト
子供を出産すると出生届の提出が必要です。実は児童手当は出生届が受理されるまでは申請できません。そのため、各市町村へ出生届を提出するタイミングで、同時に児童手当の申請も行うことをおすすめします。出生届と児童手当を同時に申請すれば自治体の窓口に2度行く必要もなくなりますし、申請し忘れも防ぐことができます。
里帰り出産の方は児童手当の申請し忘れに注意!
先ほど出生届と同時の児童手当の申請をおすすめしましたが、里帰り出産をする方は少し事情が変わります。出生届は届出人の所在地(住所)、父または母の本籍地、子供の出生地のいずれかで届け出ができるため、里帰り出産をした際は実家のある地域の区役所でも出生届を提出できます。しかし、児童手当は住民登録のある市町村でしか行えません。
里帰り出産をしてすぐに住民票登録のある自宅へ帰ることができない場合、出生届と児童手当を別々に申請することになります。実は筆者も里帰り出産だったため、出産後1週間入院している際に、出生届は実家の母に頼み地元で、児童手当は夫に頼んで区役所へ提出してもらいました。児童手当は郵送でも申請が可能なので、出産後15日以内に早めに手続きするようにしましょう。
児童手当の申請に必要な書類
児童手当の申請に必要な書類は以下のものとなります。
- 児童手当認定請求書
- 申請者名義の預金通帳やカード等口座が確認できるもの
- 申請者の健康保険証のコピー
- 申請者の印鑑
- 個人番号(マイナンバー)
自治体によっては、上記に加えて所得証明書や住民票の提出が必要になる場合があります。また、パパなどの代理人が申請をする場合は、戸籍抄本や委任状が必要となるケースもあります。今、お住まいの自治体にあらかじめ必要書類を確認しておきましょう。
児童手当の申請を忘れた場合、さかのぼって申請可能?
出産後、児童手当の申請が遅れてしまったり忘れてしまったりした場合、さかのぼって申請することができません。また、里帰り出産によって申請が遅れてしまった場合も、さかのぼっての児童手当の申請は認められません。
「現状届け」の提出忘れに注意しよう
児童手当の支給が始まると、毎年自治体から「現況届け」という書類が送られてきます。この現況届けの提出を忘れてしまうと、児童手当の支給が止まります。通常は6月頃に現況届けが送られてきて、返信期限は6月末~7月中旬が多いでしょう。現況届けが自宅に届いたら、すぐに返信するようにしましょう。
もし、現況届けを出し忘れてしまっても、現況届け提出が遅れてしまった期間の児童手当はさかのぼって受給することができます。ただし、2年間現況届けを提出しなかった場合は受給資格が消えてしまうため、少し遅れてでも現況届けは必ず提出するようにしてください。
まとめ:児童手当の申請手続きは出生届と同時、遅くても15日以内に
児童手当は子供がいる家庭にはとてもありがたい制度です。ただし、パパママが申請して初めて給付されるため、制度のことを知らなかったり申請が遅れてしまうと児童手当を受け取ることができません。出産前後はパパもママもバタバタしますので、余裕を持って書類などの準備をしておきましょう。「児童手当の申請は出生届と同時、遅くても15日以内に!」と覚えておくといいですよ。また、2021年度からの児童手当は、特例給付や所得制限などについて変更される可能性があります。制度の行方をしっかりと確認しておきましょう。