粉ミルクは何を基準に選んだらいいの?注意点と選ぶポイント
目次
ママの50%は赤ちゃんに粉ミルクを飲ませて育児をしている
粉ミルクについてご紹介する前に、よく話題になる「粉ミルクで赤ちゃんの育児をしていいのか」について簡単に触れておきますね。赤ちゃんの育て方には母乳育児、混合育児、完全ミルク育児の3種類があり、母乳育児神話などで粉ミルクを赤ちゃんに飲ませるのに罪悪感を感じるママもいるかもしれません。しかし、下記記事で紹介しているように、今ではママの50%は赤ちゃんに粉ミルクを飲ませて育児をしています。筆者の子供も生まれて間もない頃から母乳だけではなく、粉ミルクも与えていて、生後3ヶ月を過ぎる頃には粉ミルクがメインの育児となっていました。完全ミルク育児に不安を感じているママがいたとしたら、心配しなくても大丈夫ですよ。
粉ミルクの種類
赤ちゃんに大事な栄養を届ける粉ミルクですが、実は種類があるのをご存知ですか? 粉ミルクの種類は大きく分けて3種類があります。
離乳食まで使える粉ミルク
一般的な粉ミルクとして知られているのが、離乳食まで使える粉ミルクです。「乳児用調製粉乳」や「育児用粉ミルク」とも呼ばれています。
フォローアップミルク
生後5ヶ月頃から離乳食がはじまり、ゴックン期→モグモグ期→カミカミ期→パクパク期と移行していきます。そして、生後9ヶ月頃のカミカミ期から離乳食プラス@の役割を担うのがフォローアップミルクです。フォローアップミルクは離乳食に不足しがちなカルシウムや鉄分が含まれているので、3歳位の乳幼児まで飲むことができます。
アレルギー対応ミルク
最後は、ミルクアレルギーを持つ赤ちゃん用に作られたアレルギー対応ミルクです。アレルギー対応ミルクには、ミルクアレルギーを持つ赤ちゃんのためのアレルギー疾患用の粉ミルクと、アレルギー予防用の粉ミルクの2種類があります。
粉ミルクのパッケージ
粉ミルクには種類がありますが、パッケージにも違いがあります。その種類はというと大きく分けて以下の4つ。缶とプラスチックケース、スティック型とキューブ型です。それぞれの特徴について見ていきましょう。
粉ミルクのパッケージ:缶
自宅で使う粉ミルクの中で一番使われているのが缶タイプになります。1缶800g入っていて、赤ちゃんに必要な栄養素がバランスよく配合されています。付属のスプーンで計って調乳しますが、価格はメーカーによって異なり2,500円~3,000円前後。丸い缶に赤ちゃんや動物のキャラクターが描かれているので見たことがある人も多いのではないでしょうか。コスパも良いことから多くの人がこの缶タイプを使用しています。
粉ミルクのパッケージ:プラスチックケース
プラスチックケースの粉ミルクは、詰め替え用の粉ミルクを入れるタイプでゴミを減らせるという特徴があります。粉ミルクの缶が800gなのに対して、プラスチックケースは400gの詰め替え用が2つ入り、鮮度を保てるというメリットも。ゴミが出ないのは家事や育児をする人にとって嬉しいですよね。
粉ミルクのパッケージ:スティック
スティックタイプは、個包になっているので外出する時に便利! マザーズバッグの中身が減らせますし、他のメーカーに変える時など、お試しで飲ませることができるのも嬉しい魅力です。
粉ミルクのパッケージ:キューブ
キューブタイプは、粉ミルクをキューブ状に固めたもので、1個で40mlのミルクが作れるので、個数で量の調整ができます。また、スティックタイプは抱っこしながら作るとこぼしてしまいますが、キューブタイプはこぼれる心配がありません。どこでも手軽に使えるのも大きな特徴です。
赤ちゃんの月齢別に必要な粉ミルクの量とは
赤ちゃんは粉ミルクを飲んですくすく成長していきますが、どのタイミングで量を増やしたらいいのか迷うものです。赤ちゃんが粉ミルクを飲む量は、月齢によって変える必要があるので、ここで改めて赤ちゃんに必要な粉ミルクの量を月齢ごとに確認していきましょう。
市販の粉ミルクには、月齢と飲む量の目安が記載されていますが、なかなかじっくり見る機会はないものです。粉ミルクを販売する大手食料品メーカー明治によると、月齢ごとに飲むミルクの量は下記のようになります。
月齢 | 1回の調乳量 | 1日あたりの回数 |
---|---|---|
新生児から生後半月 | 80ml | 7回 |
生後半月~1ヶ月 | 80~120ml | 7回 |
生後1ヶ月~2ヶ月 | 120~160ml | 6回 |
生後2ヶ月~3ヶ月 | 200ml | 6回 |
生後3ヶ月~5ヶ月 | 200ml | 5回 |
生後5ヶ月~7ヶ月 | 200ml | 5回+離乳食1回 |
生後7ヶ月~9ヶ月 | 200ml | 5回+離乳食2回 |
生後9ヶ月~12ヶ月 | 200ml | 5回+離乳食3回 |
参考:明治「ほほえみクラブ」
メーカーごとに月齢ごとに飲むミルクの量の指標は少しずつ違いますが、月齢ごとに飲む量や回数の違いがあることが分かりますね。
粉ミルクを選ぶ時の注意点
粉ミルクの種類、パッケージ、そして飲む量の目安が分かったところで、次は粉ミルクを選ぶ時の注意点についてです。粉ミルクといっても、それぞれ違いがあるのでどんな点に注意して選んだらいいのか具体的なポイントについてご紹介したいと思います。
粉ミルクの成分
パッケージやデザイン、価格で粉ミルクを選ぶ人も多いかもしれませんが、どんなものが入っているのかも合わせて確認するようにしましょう。ただし、粉ミルクの成分は、厚生労働省の「母乳及び乳児用調製粉乳の成分組成と表示の許可基準」により定められています。そのため、メーカーの違いで成分に大きな違いはありません。
参考:厚生労働省 母乳及び乳児用調製粉乳の成分組成と表示の許可基準
アレルギーの有無
赤ちゃんが粉ミルクをおいしそうに飲んでくれる姿は、嬉しいものですが、すぐ吐いてしまうことや、飲んでくれないという時は心配になるものですよね。そんな時に頭をよぎるのが、アレルギーについてです。パパやママ、兄弟姉妹にアレルギーを持つ子がいるなら、赤ちゃん用の粉ミルクはアレルギー疾患用もしくは、アレルギー予防用のミルクを検討しましょう。不安な場合には健康診断で医師に相談して指示を仰ぎます。
粉ミルクの値段
粉ミルクは赤ちゃんの栄養補給になくてはならないものです。毎日飲むものだからこそこだわりたいものですが、値段も気になるものですよね。高いミルクが赤ちゃんにとって良いかとは一概に言えません。量と値段を考えつつ、粉ミルクの平均価格や特売も利用しながら、家計を圧迫しない程度の粉ミルクを選ぶようにしましょう。
産院で使っていた粉ミルクを選ぶ
出産した病院で母乳が出ない場合は、助産師さんから粉ミルクをすすめられることもあります。上手に飲めているようなら違う種類に変えず、同じ粉ミルクを使うのもおすすめです。
粉ミルクを選ぶポイント
粉ミルクは種類が多いので、慎重に選ばなければいけません。アレルギーの有無や値段などは大人が判断するポイントですが、次は赤ちゃんの視点に立って選ぶポイントについて見ていきたいと思います。
粉ミルクには味の違いがある
誰もが母乳や粉ミルクを飲んで育っていますが、当時の味は覚えていないものです。日本の粉ミルクの歴史はというと、1917年に和光堂が「キノミール」という育児ミルクを製造したことがはじまりとされています。これは今からさかのぼること100年以上も前のこと。そこから、味や成分の改良が行われ母乳に近い成分や、溶けやすさ、そして飲みやすさなどが研究され今に至っています。
先ほど粉ミルクはメーカーごとに成分に大きな違いはないとご紹介しましたが、メーカーごとに味の違いはあるのです。味の違いがあるということは、赤ちゃんの好みも分かれるので、飲んだ様子を見ながらおいしいものを選んであげましょう。その選び方のポイントになるのが、飲んだ時の反応や表情です。粉ミルクには味の違いがあることを頭に入れ、スティックタイプや試供品を活用しながら、赤ちゃんが好きな味を見つけていきましょう。
赤ちゃんが喜ぶ粉ミルクを選ぶ
粉ミルクには味の違いもありますが、飲みやすさや甘みの強いものなどの違いもあります。さらに、溶けやすさなど赤ちゃんにしか分からない触感もあります。赤ちゃんの好みは、一番近くにいるパパやママでないと分かりません。美味しそうに飲む姿などを見て、赤ちゃんが喜ぶものを選んであげましょう。特売を利用してミルク缶を買ったけれど、飲んでくれないという場合は、赤ちゃんの好みに合っていないのかも。外出用に回すなどして、違うものを探す決断も必要です。
赤ちゃんの様子もチェックしよう
日々成長している赤ちゃんは、上記のように月齢によって粉ミルクを飲む量や回数の調整が必要です。しかし、月齢はあくまで平均的な目安なので、個々に応じた適切な育児が大事になってきます。月齢に達していなくても、食欲がある場合や、逆に月齢に達していても小食のケースも。子育てに正解はないので、量ではなくおしっこやうんちの量、体重や機嫌の良さなど、赤ちゃんの様子をチェックして量を調節してあげます。粉ミルクをあげることに意識が向きすぎてしまうと、量や回数にこだわってしまうので、赤ちゃんが元気かどうか、いつもと変りないかを確認するようにしましょう。
大容量や定期便を賢く活用
粉ミルクはたくさん消費するので、できれば安く済ませたいものですが、育児には必要不可欠。上手に節約する方法について考えてみませんか。それは、粉ミルクの定期購入や特売を利用するという方法です。粉ミルクの定期購入なら割引が適用になりますし、赤ちゃんの好みが見つかってから定期購入を申し込み、容量が大きい粉ミルクを定期購入すれば少し節約になります。
自宅用と外出用を使い分け
大きな粉ミルクを買えばコストが抑えられますが、外出時には小分けの袋に入れる手間がかかり、粉ミルクをこぼしてしまった場合無駄になってしまいます。そんな無駄を省くためにも、自宅では大容量の缶タイプ or プラスチックケースを使用し、外出時にはスティック or キューブタイプと使い分けてみましょう。あれこれ考えてみると、いろんな発想が生まれてきて子育ても楽しくなってくるものです。ママ友と情報交換しながら、育児を楽しんでみませんか。
粉ミルクには賞味期限、消費期限はあるの?
開封してから1ヶ月以内に使い切るようにしてください
粉ミルクは赤ちゃんの成長に必要な栄養素がすべて含まれている完全栄養食品です。そのため、カビや細菌が繁殖しやすい環境になります。特に湿気の多い時期や暑い時期は開封した粉ミルクでの雑菌の繁殖に注意が必要です。まだまだ体の免疫力が低い赤ちゃんが口にする粉ミルクですから、賞味期限は守ってあげるようにしたいですね。
調乳した粉ミルクはいつまでに飲み切ればいい?
赤ちゃんがミルクを飲んでくれないときに「後で飲ませればいいや」と少しの時間取っておいた経験はありませんか? 上で紹介したように、調乳したミルクも雑菌にとってはご馳走です。ほどよい温度のお湯で調乳された粉ミルクは、調乳される前の状態より雑菌が繁殖しやすい環境となっています。そのため、一度調乳したミルクは2時間以内に飲み切るようにしてください。
まとめ:まずは赤ちゃんの好みの粉ミルク探しからスタートしましょう
粉ミルク選びは、ママになってから最初に選ぶ大事な作業です。種類も多く迷ってしまうかもしれませんが、最初だからこそじっくり選んで赤ちゃんに合うものを探してあげましょう。これらの積み重ねが、ママとしての階段を上る一歩につながります。粉ミルクを手に取りチェックしてみてくださいね。