白湯(さゆ)はいつから赤ちゃんに飲ませてもいいの? 白湯の作り方と飲ませ方のポイント
目次
白湯(さゆ)って何?
白湯とはお湯を沸騰させたもののことです。水を15~20分ほど沸騰させると、水に混ざった不純物や有害物質を除去できるため、赤ちゃんが飲む水は一度沸騰させた白湯を使うことが一般的です。沸騰させた白湯を35度~37度の人肌程度に冷ましたものを「湯冷まし」と言いますが、白湯も湯冷ましも同じ意味で使われることが多いです。
白湯は赤ちゃんが生後何ヶ月から飲んでいいの?
一般的に白湯を飲ませるのは、生後2ヶ月以降からといわれています。それまでは、栄養補給の面からも、母乳とミルクだけを与えるようにしましょう。つまり、生まれてから28日間の新生児と呼ばれる時期は、白湯を飲ませる必要はありません。離乳食が始まる生後5ヶ月から6ヶ月くらいには、母乳やミルク以外の味に慣れさせたり、水分補給のために白湯を飲ませてもいいでしょう。
赤ちゃんに白湯を与えた方がいいときって?
生まれたばかりの赤ちゃんは、体の80%が水分でできています。また、新陳代謝が活発で汗をかきやすいため、頻繁な水分補給が必要です。おじいちゃんおばあちゃん世代の育児では、お風呂上がりに白湯を飲ませる習慣があったため、赤ちゃんに飲ませるよう促されたことがある方もいるかもしれませんね。でも、赤ちゃんが口にするものは、基本的に母乳かミルクのみ。それらを必要な量、タイミングできちんと飲めているようであれば、白湯を与える必要はないといわれています。では、白湯を与えるタイミングとして考えられるのは、どういうときなのでしょうか?
赤ちゃんに白湯をあげるタイミング1:ミルクを飲み過ぎてしまったとき
ミルク育児で体重が増えすぎてしまい、これ以上ミルクの量を増やせない、ミルクの間隔をあけたいと思っている方もいるでしょう。でも、暑い日のお出かけ後やお風呂上がりなど、汗をたくさんかいた後は、水分不足になってしまうのではと心配になりますよね。ミルクをきちんと飲んでいるけれど、いつもより汗をかいたときや、おしっこの回数や量がいつもより少ないと感じるときは、白湯で水分補給するのも一案かもしれません。母乳育児の場合は、水分補給したいときも母乳をあげてくださいね。
赤ちゃんに白湯をあげるタイミング2:赤ちゃんが便秘気味のとき
水分不足になると、便秘になりやすくなります。便秘気味のときに白湯を与えると、便が水分を吸収して、排出しやすくなる効果が期待できます。白湯を与えても効果がなく、機嫌が悪かったり苦しそうにしているようであれば、病院を受診しましょう。
赤ちゃんの白湯に使う水の選び方と作り方
白湯とは、沸騰させたお湯をそのまま飲みやすい温度まで冷ましたもののことをいいます。使用する水は、ミルクに使う水と同様、少し注意が必要になります。種類ごとに説明していきますので、参考にしてみてくださいね。
白湯の作り方1:ミネラルウォーターを使う場合
ミネラルウォーターを使えば安心と思われる方もいらっしゃると思いますが、実は気をつけるべきポイントがあります。マグネシウムやカルシウムなどのミネラル成分が多く含まれた硬水は、赤ちゃんの胃腸に負担をかけてしまう可能性があるので避けましょう。赤ちゃんが飲むには、ミネラル成分が少ない軟水、または不純物やミネラル成分を含まない純水が適しています。やかんや鍋、電気ケトルなどで温めてから、適温になるまで冷ましましょう。電子レンジで温めるのも、手軽でおすすめです。
白湯の作り方2:ウォーターサーバーを使う場合
ウォーターサーバーは、水もお湯もボタンひとつで注ぐことができるので、とても便利ですよね。最近は衛生面での安全性も向上し、安心して使うことができるようになりました。ウォーターサーバーの水は軟水の天然水か、不純物を除いたRO水と呼ばれる水で、赤ちゃんが飲む水としても適しています。また、ウォーターサーバーのお湯の温度は沸騰させたものより低めなので、冷ます時間も短くてすみます。品質としても、かかる手間としても、白湯を作るのに最適です。
白湯の作り方3:水道水を使う場合
日本の水道水は赤ちゃんに適した軟水。しかも厳しい水質基準をクリアしているので、赤ちゃんに与えても基本的に問題ありません。ただ、水道水には殺菌時の残留塩素(カルキ)が含まれているので、きちんと沸騰させ、取り除く必要があります。また、水道水にはトリハロメタンという発がん性物質が含まれています。もちろん、含有量としてはごく微量で、健康に被害を及ぼすことはないといわれていますが、新生児の赤ちゃんに飲ませるとなると気になりますよね。
トリハロメタンは、短時間の煮沸だと逆に増えてしまいますが、10分以上しっかり沸騰させれば、ほぼ除去することができます。やかんや鍋に水を入れたら、有害物質を取り除きやすくするためにフタをしないで火にかけます。10分以上沸騰させたら火を消し、そのまま冷まして使用しましょう。
赤ちゃんに白湯を与えるときに気をつけること
白湯はどのようにして赤ちゃんに与えるとよいのでしょうか? 飲ませ方や飲ませる量など、気をつけるべきポイントをお伝えします。
白湯をあげるときのポイント1:哺乳瓶で約20mlを目安に与えてみる
赤ちゃんに白湯をあげるときは、様子を見るためにも、まずはスプーンひとさじから与えてみましょう。白湯の味に慣れ、問題なく飲んでくれるようであれば、約20mlを哺乳瓶に入れて飲ませてみます。
白湯をあげるときのポイント2:哺乳瓶で飲んでくれないときはスプーンで
母乳育児をしている場合、哺乳瓶の乳首を嫌がって飲んでくれないことがよくあります。その場合は、哺乳瓶であげるのではなく、スプーンやスポイトであげてみましょう。それでも飲んでくれないようであれば、無理して与える必要はありません。
白湯をあげるときのポイント3:白湯の飲ませ過ぎに注意
白湯は水分補給はできますが、栄養補給はできません。白湯を飲ませすぎると、お腹いっぱいになってきまい、母乳やミルクの飲みが悪くなってしまうことがあります。特に、母乳やミルクをあげる直前に白湯を与えると、母乳やミルクの飲みが悪くなり、栄養の摂取を妨げる原因となるので避けたほうがよいでしょう。また、白湯の飲ませ過ぎは消化器官に負担をかけ、下痢を引き起こす原因にもなります。母乳やミルクの摂取に影響しない範囲で、適量を与えるようにしてくださいね。
白湯をあげるときのポイント4:作った白湯はその日のうちに使い切る
白湯はあげる度に作るのが理想ですが、残ってしまった場合は清潔な容器に入れて冷蔵庫で保存することもできます。再度あげるときには、人肌程度に温めてください。ただし、その日のうちに使い切るようにしましょう。
まとめ:白湯はタイミングや量に注意して与えましょう
赤ちゃんに白湯を与えるのは、母乳やミルクでの栄養摂取に支障のない範囲内で、水分不足が心配なときや便秘気味のときにしましょう。基本的に、白湯を飲ませればいけないということはありませんので、ご自身の判断で必要だと思うときに与えるようにしてくださいね。