子供(赤ちゃん)も虫歯になる? 乳歯が虫歯になる原因や予防方法を紹介
目次
乳歯の特徴や役割って?
赤ちゃんの頃に生えてくる乳歯には、どんな特徴や役割があるのでしょうか? まずは乳歯についての基礎的情報を知る事から始めましょう。
乳歯の特徴は?
生後6ヶ月頃から生え始め2歳頃には上下20本そろいます。生まれて初めて出てくる歯で、大きさは永久歯より小さく虫歯になりやすいという特徴があります。そしていったん虫歯になると進行が早いため、ママが気が付いた時には歯が欠け始めている事も!
乳歯の役割は?
前歯は食べ物をかみ切る、奥歯は食べ物をすりつぶすといった役割があります。食べ物を噛む事で食欲を増進させ、唾液の分泌を促して口内を清潔に保ち、消化を助ける役割もあります。また、言葉や音を出しやすくしたり、物を食べる事であごの発達を促したりもします。
6歳頃から乳歯が抜け永久歯が生えてくる「生え変わりの時期」に入りますが、永久歯のスペースの確保と生える道しるべという重要な役目も担っているのが乳歯です。そして、同時期に初めての永久歯である奥歯の「6歳臼歯」が生えてきますが、この歯が正しい場所に生えてくるためにも健康な乳歯が必要とされます。
乳歯は虫歯になるの? 乳歯が虫歯になる原因は?
乳歯が虫歯になりやすく進行が早く進む要因として、外側のエナメル質が薄く弱い事があげられます。虫歯になるには虫歯菌(特に最も悪影響のあるミュータンス菌)の影響が大きいのですが、主に離乳後期のいろいろな食材を食べられるようになる頃に母親から感染し、増殖する傾向にあります。食べかすが固まった歯垢を栄養に繁殖して酸を出し、この酸で歯の硬いエナメル質を溶かして穴をあけ、虫歯が進行します。
乳歯が虫歯になる原因:ダラダラ食べをしている
このミュータンス菌の増殖の原因は、口の中に糖分を含む甘い食べ物や飲み物がずっとある事です。メリハリ無くおやつやジュースをいつも口にしていると虫歯になる可能性がぐっと高まります。三食の食事とおやつの時間、遊ぶ時間、寝る時間の区別をしっかりつけ、何か食べた後は必ず水や麦茶などを含ませると良いでしょう。
乳歯が虫歯になる原因:歯磨きをしていない
ミュータンス菌の根絶はできなくても、歯磨きは虫歯予防や進行を防ぐ大きな効果があります。食後の歯磨きはすぐではなくても1時間以内に行うようにし、外出などで歯磨きができない状況の場合はうがい、または水やお茶を飲むようにしてください。食べかすが口の中に残らない状態を作ります。乳児用歯ブラシを乳歯の生え始め頃からくわえさせるなど、歯磨きを嫌がらなくなる習慣を身に付けさせましょう。
乳歯が虫歯になる原因:磨き残しがある
子供によっては歯磨きが楽しく自分で磨く子もいます。また5歳前後で一人磨きが始まる事でしょう。一人でできる事は何でもやらせるべきですが、どんなに上手にできてもまだまだ磨き残しはあります。小学校低学年くらいまでは親の仕上げ磨きと歯磨きチェックをする事がすすめられています。
乳歯の虫歯を見分ける方法は?
子供の虫歯チェックをする時のポイントを確認しましょう。
乳歯の虫歯を見分ける方法:乳歯の虫歯は白
乳歯の表面、特に根元や歯と歯の間にある白い斑点が確認できたら、それは初期の虫歯と見てよいでしょう。歯の表面のエナメル質が溶け出している事を示しています。また奥歯の溝は白っぽい黄色になります。これも虫歯の始まりなのでしっかり確認してください。
乳歯の虫歯を見分ける方法:乳歯の虫歯ができやすい場所をチェック
飲み物や食べ物が残りやすく虫歯菌が付きやすい場所があります。乳歯なら「上の前歯」と「上下前歯の間」が気を付けてあげたい場所。特に上の前歯の裏側は神経に近く痛みを感じやすい場所なので仕上げ磨きでは必ずチェックしてくださいね。また奥歯の溝は、子供の歯磨きでは磨き残しが多いのでこちらも親の仕上げ磨きが必要になります。小学生が虫歯になりやすい場所が奥歯です。
乳歯に白い虫歯を見つけたら?
子供の歯の仕上げ磨きをしている時に白い斑点がある歯を見つけてしまったら、まずいつもより丁寧に仕上げ磨きをします。歯の表面のエナメル質にできたばかりの初期虫歯なので丁寧な歯磨きで悪化を防ぐ事ができます。また初期虫歯の時に歯医者に行けば、削るなど特別な治療をしなくてもいい場合がほとんどなので、これを機会にかかりつけの歯医者を見つけ、定期的な歯の検査を行うようにするのもいいでしょう。乳歯は柔らかいのであっという間に神経まで達してしまいます。初期の虫歯には十分気を付けてください。
乳歯の虫歯の治療方法は?
歯医者では、虫歯の進行状況によって2段階の治療方法があります。
乳歯の虫歯の治療方法:初期の虫歯の場合
虫歯の初期治療で子供に負荷がかからないのが「定期的なフッ素の塗布」です。歯の再石灰化とエナメル質の強化、虫歯の進行を遅らせるのが目的です。
乳歯の虫歯の治療方法:虫歯が進行している場合
実は乳歯の虫歯はほぼ白いまま進行していきます。エナメル質が溶け出し、穴が開き神経まで達しても色は変わりません。穴が開いて始めて気付くパパママも多いのです。神経まで達していなければ専用プラスチック素材で詰め物をし、神経まで到達していれば、神経除去の根管治療を行います。乳歯の有無は永久歯の歯並びに影響が出るため、基本的に抜歯はしない治療が取られます。
虫歯にならないために! 日々の生活で予防しよう
家庭でできる簡単な予防で、歯医者知らずの歯にしてあげましょう。
虫歯を予防する方法:規則正しい食生活をする
乳児の離乳食が始まったら、決まった時間に食べ物を口にし、おやつの時間でも甘い物は避けるようにします。睡眠時間をしっかりとり太陽の光を浴びながら活動し、体を健康に保てば歯の健康状態も良好になりますよ。
虫歯を予防する方法:歯科健診を定期的に受ける
お住まいの自治体で3歳まで無料歯科健診が行われている場合がありますので、ぜひ利用しましょう。3歳以降はかかりつけの歯医者を決め、3~4ヶ月に1度のペースで歯科健診を受けるのが理想です。
虫歯を予防する方法:フッ素を塗る
フッ素配合の歯磨き粉や歯磨きジェル、デンタルリンスが市販されているので利用してみましょう。購入する時のポイントはフッ素濃度数値。虫歯予防には500ppm以上が効果的とされています。
ライオン チェックアップジェル バナナ
歯磨きが嫌いな子供がパパママの仕上げ磨きに協力的になったと、感動の声が上がっています。特にバナナ味が子供の味覚にピッタリ! フッ素濃度もあわせて幼い子供におすすめの商品です。
ハモリン コートジェルハミガキ いちご味
フッ素濃度は950ppm。子供には安定した人気のあるいちご味で、乳歯が生え始めた時から小学校低学年まで使用している子供は多いですよ。少量をパパママの仕上げ磨きで使用してくださいね。
サンスター バトラー デンタルケアペースト こども
歯科医院でも購入できるフッ素濃度500ppmの歯磨き粉です。泡立ちが少ないので仕上げ磨きに向いています。3~4歳までの子供向きで、口コミでも評価の高い商品です。
虫歯を予防する方法:正しく歯を磨く
パパママは正座し、子供を仰向けに寝かせ頭をひざの上にのせます。子供の頭頂部と親のお腹がくっつく向きにします。子供のあごや口周りを片方の手で押さえ、もう片方の手に歯ブラシを持ち、歯ぐきが痛まないように軽く軽快に磨いていきます。歯の根元や歯間、裏側を特に丁寧に磨きましょう。力を入れすぎたり長く磨きすぎたりすると子供の歯磨き嫌いの原因になりますので気を付けてくださいね。
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ヘッドが歯科医院で使用する器具と同じ斜めの形状で、子供の歯の細かな部分まで磨きやすくなっています。奥歯をあらゆる角度から磨けるのがポイント!
子供の医療費助成は歯科治療でも受けられるの?
歯医者での矯正治療や美容診療治療は適応外ですが、医療保険適用の治療を受ければ助成が受けられます。具体的な治療では、虫歯予防のためのシーラント処置(奥歯の溝をプラスチック樹脂で埋める処置)、磨き残しの有無を判定するための染めだし液を用いた歯磨き指導、治療済みの歯のフッ素塗布、定期的な歯科健診、そして通常の虫歯治療が医療費助成の対象になります。しかし、歯科医院、歯科医によって助成対象に幅がありますので、治療を受ける前に対象かどうか確認してください。
まとめ
子供の虫歯予防は初めての歯が生えてきた時から始まります。食生活、歯ブラシ、虫歯予防、かかりつけの歯医者、これらの言葉をキーワードに事前に調べて、子供に虫歯知らずの生活を送らせてあげましょう。