一時保育とは? 何歳から預かってもらえる? 料金はいくらかかる?
目次
一時保育とは? どんな制度なの?
保育園や認定こども園に一時的に子供を預けられる制度です
保育園を利用しておらず、毎日自宅で子供と一緒に過ごしているパパママでも、どうしても子供を預けなくてはならない状況はありますよね。そんな時に活用されるのが「一時保育」です。保育園や認定こども園で行っている場合が多く、基本的にはお住まいの自治体が管轄する施設で利用することが可能です。
一時保育には、「専用室型」と「空き利用型」の2種類があります。「専用室型」とは、保育園や認定こども園内にある一時保育専用の保育室で子供を預かってもらうことができます。専用室型で対応している施設では、通常保育の定員とは別で、一時保育専用の定員数を設けています。一方「空き利用型」とは、通常保育の定員数に空きがあった場合に限り、それぞれの年齢別に空いている人数分を一時保育として利用できます。通常保育の園児たちと同じ教室で一緒に保育を受けられるのが特徴です。
一時保育は病児保育ではないので注意!
子供が発熱してしまった場合は利用できません。
利用の前提条件として、一時保育に預けられる子供は「健康な状態」とされています。ですので、当日預けようと思ったら発熱してしまった、という場合には残念ながら利用ができません。それぞれの施設で何℃以上の熱があると一時保育の利用はできない、と決まっていることが多いので、事前に確認のうえ、子供の体調は万全か? という点にも注意しましょう。
一時保育には預ける理由によって3種類に分けられます
では、パパママたちはどのような理由で一時保育を利用しているのでしょうか? 具体的な利用例を挙げながら、3つの保育スタイルをご紹介します。
非定型的保育
就職やパートが決まったり、2人目の妊娠で体調が良くなかったり、パパママが学校に通い始めたりなどを理由に、断続的に一時保育を利用したいときに活用する保育スタイルです。基本的にはパパママの就労状態に合わせて時間や日数を申請できることが多いですが、園によっては週3日以内、月120時間以内など、一時保育の利用に制限が設けられている場合もあります。一時保育利用可能な時間帯も園によりさまざまなため、詳しく知りたい場合には利用したい保育園に問い合わせてみましょう。ちなみに、非定型的保育の一時保育利用には就労証明書などの提出が必要になります。
緊急保育
パパママの事故や病気、出産による長期入院や冠婚葬祭などにより、急遽一時的に自宅での保育が困難になった場合に利用される保育スタイルです。状況に応じて最長1ヶ月まで預かってくれたり、緊急の場合には夜間・宿泊も含めて24時間365日一時保育に対応してくれる保育園もあります。
「日中は保育園に一時保育をお願いできるけれど、夜間や宿泊までは対応してくれない」という場合には、保育園では対応出来ない夜間の時間帯だけ、民間のサポートセンターが預かってくれるという場合もあります。具体的には、サポートセンターで宿泊をさせてくれたり、その期間の保育園への送り迎えを行ってくれるなど、非常時にはとてもありがたいサービスが揃っています。万が一に備えて、近くで利用できるサポートセンターを事前に調べておくと安心です。
リフレッシュ保育
育児に伴うパパママの身体的な負担や、心理的ストレスを解消するために、一時的に子供を預けられる保育スタイルです。一時保育の利用時間内であれば1日預かってもらえる場合がほとんどです。日々の育児疲れが解消出来ず育児ノイローゼになってしまう前に、パパママの息抜き方法としてリフレッシュ保育が活用されるケースもあります。美容室に行ったり、趣味の時間に当てたり、子供が2人いる場合は1人ずつ預けてそれぞれとゆっくり向き合う時間を作る、というママもいます。
「自分の趣味のために子供を一時保育に預けてもいいのだろうか…」と罪悪感を覚えるママもいますが、ママがリフレッシュして元気に育児ができるようにするための制度なので、気負わず活用してみましょう。「子供と離れる時間があることで、再会した時にいつも以上に愛情を注げた」というママの声はたくさんあります。
一時保育をお願いしたいけれど、どこで預かってもらえるの?
保育園や認定こども園で預かってもらえます
すべての園ではありませんが、保育園も認定こども園もどちらも一時保育の受け入れを行っています。保育園については、認可保育園も認可外保育園も、どちらも一時保育可能な施設として登録されていることがあります。対応可能な施設や利用時間は自治体によって異なっており、自治体のホームページ等に一時保育対応の保育園一覧などとして載っているケースもあるので、お住まいの地区で一度検索してみてください。
また、民間のサポートセンターなどでも一時保育をお願いできる施設があり、緊急時にも比較的柔軟に対応してくれます。ただし、民間のサポートセンターだと、基本的には講習を受けた一般の方が一時保育を対応することになります。現役で働くプロの保育士に見てもらった方が安心、というパパママの場合には保育園や認定こども園での一時保育を優先的に検討することをおすすめします。
短時間の一時保育なら子育て支援センターが受け付けていることも
最短30分という短い時間から、子供の一時保育をお願いすることが可能です。利用目的としては「リフレッシュ保育」のような内容が多く、ちょっとした用事や息抜きに利用するパパママが多くいます。利用可能時間やサポート内容などはそれぞれの支援センターにより異なるため、お近くの支援センターに一度確認を取ってみましょう。別記事で子育て支援センターについて詳しく紹介していますので、こちらもぜひチェックしてみてください。
一時保育は何歳から預かってもらえるの?
生後6ヶ月以降から預かってくれる施設が多い
0歳児から一時保育で預かってくれる施設がほとんどです。中には生後1ヶ月検診後であれば預かってくれるという保育園もありました。ただし、小さい子供ほど人手や安全面での注意が必要となってくるため、施設の方針にもよりますが、多くの施設では首が座り、おすわりもできるようになり、少し体がしっかりとしてきた生後半年以降から一時保育で子供を預かるとなっているでしょう。
通常保育の場合でも0歳児は対応していないという園の場合は、一時保育も1歳児以降が対象となっていることが多く、離乳食完了後以降などと子供の成長度合いで設定されている場合もあります。こちらも施設によってさまざまなため、利用予定の施設があれば確認が必要です。
一時保育の料金、いくらかかるの?
8時間で2,000円~5,000円くらいが一般的
ほとんどの保育園や認定こども園では、1日単位(園で設定された利用時間内に限る)で利用料金が決められています。一時保育の料金設定は園によって異なりますが、2,000円~5,000円が相場でしょう。午前中だけの利用や、新宿区では4時間料金なども設定されていました。宿泊可能な保育園では、24時間を上限とした保育で10,000円、という場合もありますね。
また、子供の年齢によっても料金設定は変わってきます。設定されている一時保育の料金は基本利用料のみとなりますので、別途おやつ代などの経費が実費で掛かる場合もあるため、利用前には合わせて確認しましょう。一時保育の料金は、一回だけの利用であればなんとか支払える金額ではありますが、断続的な利用となると、思った以上に高額になってきます。利用場所を検討する際には、利用頻度を考えたうえで、いくら位の料金設定なら大丈夫だろうか、と月ごとに計算してみた方が安心ですね。
一時保育では何時間預かってもらえるの?
保育園や認定こども園での一時保育では8時間以内が多い
利用可能時間としては8時30分~17時までの間という場合が多く、その中で「8時間以内」と設定されていたり、「午前中だけ」や「2時間単位で」など部分的に利用できたりと、目的に応じて選択することが可能な施設もあります。また、緊急の場合に限り24時間体制でサポートしてくれる施設もあります。
一時保育の申し込みはどうすればいい?
事前登録や、事前予約、面談が必要なことが多い
多くの施設では一時保育を利用したい場合には事前登録が必要です。また、一時保育利用の登録にあたり面談が必須となっている場合もあります。基本的には予約が必要で、施設によっては予約を受け付ける日程や時間も予め決められています。
例えば「予約をしたい日の前月の1日~5日の期間」であったり、「希望日の1ヶ月前から受付開始」など各施設で設定されていますので、一時保育を希望する保育園や認定こども園がある場合はそれぞれのホームページ等で確認しましょう。このように、急用ができたからと当日お願いしようとしても急には受け入れてもらえません。一時保育をお願いしたい場合は、早めにスケジュールを立てておくことも大切です。
希望者が多い場合は抽選になることもあります
保育園の待機児童と同様、一時保育の利用希望者もたくさんいます。希望日程に申し込んだとしても、希望者が枠数を超えてしまった場合には抽選になることもあります。また、先着順で予約を受けており、枠が埋まると終了という場合もあります。先着の場合は、開始時間には電話が殺到してなかなか電話が繋がらない! という話も聞きます。このように、希望した日に必ず一時保育を利用できるとも限りません。予定を立てる場合には注意が必要です。
一時保育の利用時に必要なものは? 何を持っていけばいい?
保険証やおむつ、着替えなどが必要です
一時保育を利用する施設によって、必要なものはさまざまですが、まずは「健康保険証」、「乳幼児医療証」(コピーでもOKの場合もあります)は、持参を求められることがほとんどです。また、園で過ごすために必要な「おむつ」、「着替え」は必須と考えていても良いでしょう。その他、「外遊び用の帽子」、「おしりふき」、「食事用エプロン」、「ビニール袋」、「ループ付きタオル」など、保育園内で子供が使用するものについては準備が必要になります。施設によっては一時保育用に備品が用意されている場合もありますので、詳しくは一時保育の利用を希望する施設に問い合わせてみましょう。
まとめ:予定を立てて利用するのが一時保育で、急な予定には対応できません
一時保育と言われると、「いつでも気軽に利用できるの? 」と思ったたかもしれません。しかし、一時保育を利用するには予約や準備物など事前にしなければならないことがたくさんあります。ただし、さまざまな目的で利用することができるため、上手に活用すれば非常に頼りになる制度です。
筆者の住んでいる地区は待機児童のとても多い地区で、認可保育園に入れる可能性は限りなく低いエリアにありました。そんな中同じ地区のママ友は、認可保育園にも認可外保育園にも入れなかった時のことを想定し、保育園の見学と合わせて一時保育についても細かく調べていました。ひとつの保育園だけでは一時保育利用時間に制限があることもあるため、いくつかの保育園の一時保育を掛け持ちして、曜日で振り分けているという話を聞いたこともあります。
このように、パパママたちは一時保育などの子育て支援制度を有効活用することで、自分たちに合った子育てスタイルを作りあげています。万が一のためだけでなく、毎日の子育てを快適にするためにも、一時保育のようなサービスをぜひ活用してみてください!