ひょっとして私、育児ノイローゼ? 症状と原因、予防法や対処法について

初めての子供が生まれたときに特に注意したいのが育児ノイローゼです。子供が泣き止まない、ミルクを飲まない、ご飯を食べない、夜寝てくれない。子育ての不安や孤独、イライラから育児ノイローゼにかかる人は少なくありません。そんな育児ノイローゼについて、筆者の実体験も踏まえ、さまざまな情報を集めてみました。

目次

育児ノイローゼとは?

育児ノイローゼとは?

育児ストレスから精神が不安定になった状態です

テレビやネットのニュースでよく耳にする言葉ですが、実は「育児ノイローゼ」という言葉は正式な病名ではありません。育児によって生じた神経症の総称のことを指しており、症状によって、「うつ病」「自律神経失調症」「不安障害不安神経症」「心身症」などといった診断名がつくこともあります。

病名を挙げられると、単なる育児疲れだけでは済まされない、と思いますよね。軽く見られがちな育児ノイローゼですが、実は放っておくと大変なことになることもあります。自分自身も気づかないうちに重症化していることも多いこの育児ノイローゼ。「子供が産まれてから、なんだかイライラすることが多くなった気がする」そう言われると、子育て中のママなら思い当たる方も多いのではないでしょうか? 実はこんな些細な変化も症状のひとつに含まれるのです。

うつ病に似た症状で、産後うつとも呼ばれる

「育児ノイローゼ」と同様によく話題になるのが「産後うつ」です。名称のとおり、産後の女性がかかる不安定な精神状態のことを指す言葉です。症状としては育児ノイローゼと似ています。産後うつの原因には、出産後の女性の大幅なホルモンバランスの崩れが関係しています。そこに、初めての育児からくる身体的な疲労、精神的なストレスも加わり「うつ状態」となることがあるため、「産後うつ」と呼ばれています。

エスカレートすると児童虐待になることも

育児ノイローゼが深刻化した結果、子供の虐待に発展してしまったというケースも少なくありません。また、ママ自身が生きることがつらくなり、悲しい結果になってしまったというニュースも聞こえて来ます。

ささいなことで子供にイライラしてしまったり、マイナス思考や悲観的思考になることが多いと言われる育児ノイローゼですが、疲労と同じように解消されない状態が続くことで少しずつ蓄積されていくため、自分が育児ノイローゼだと自覚していないママも多いのではないでしょうか。

長期間自覚できず、追い込まれてしまった結果悲しい事態になってしまうことが多いため、育児ノイローゼは初期段階で対応を行うことが大切です。ご自身の状態を振り返ってみて、気になる場合は早めに対処していきましょう。

どんなママも育児ノイローゼになる危険性あり!

どんなママも育児ノイローゼになる危険性あり!
先にもお伝えしましたが、産後のママはみんなホルモンバランスが崩れています。そんな状態のまま生まれたばかりの赤ちゃんのお世話をし、細切れに授乳を行い、夜もまともに寝られない日々が続くのですから、育児疲労は相当なものです。そして疲労が溜まり睡眠不足が続くと、育児ストレスがどんどん蓄積されていきます。

少し古いデータにはなりますが、ママの約半数が「育児ノイローゼだと感じた事がある」という調査データもありました。このデータからもわかるように、育児ノイローゼは誰でもかかる可能性があります。そのため、一人で悩まずに周りを頼りながら、早めに対処、解決していくことをおすすめします。
MMD研究所 育児ノイローゼに関する実態調査(2010年4月発表)

以下より「育児ノイローゼの症状」「原因・なりやすい人の特徴」「予防や対処法」をまとめたので、育児中のママは自分に当てはまるものはないか、チェックしてみてください。

育児ノイローゼの症状は?

育児ノイローゼの症状は?

日に何度も子供にイライラする

  1. 子供の泣き声が気になる
  2. 夜寝てくれない
  3. 部屋を散らかされてイライラした
  4. 言うことを聞かない

など、筆者自身にも覚えのあるような日常の一幕です。一見、些細なことに見えますが、これが毎日積み重なっていくとどうしてもストレスは溜まってしまいますよね。ただ、症状が悪化するとこのイライラがいつも以上に過剰になってしまうんです。「つい子供に声を荒げてしまった」「いつもは何も感じないのに、今日はなんだかすごく子供にイライラしてしまう!」など自分でも違和感を感じたら、症状を疑ってみても良いかもしれません。

子供がかわいいと思えなくなってきた

子供への興味関心が薄れてしまう、というのも育児ノイローゼの症状のひとつです。その症状から、子供のことが可愛いと思えなくなってきてしまう、ということもあります。大好きな子供のことを可愛いと思えなくなるのは誰よりもママ自身が一番つらいはず。「我が子が可愛いと思えない」とはママもなかなか口に出しづらいですよね。ただ、ママが一人でその悩みを抱え込むのは良くありません。早めに周囲に打ち明けて、症状を解消していきましょう。

よく眠れない、不眠症な気がする

新生児期は頻回授乳もありますし、夜泣きをすることも多く眠れないママも多いのではないでしょうか。ただ、育児ノイローゼになると、精神が不安定になるため「寝る時間があるのに眠れない」、いわゆる不眠症のようなという症状が出てきます。この症状が育児ノイローゼの特徴なので注意してください。

掃除などの家事が面倒になってきた

日々の疲労が溜まってきて、睡眠不足も続くと、思考力も低下してきます。そうすると、やることはあるはずなのに何もやる気が起こらない、などの無気力状態に陥ることも。その結果、家にいてもただボーっとしてしまい、何も手に付かないという状態になってしまうこともあります。

最近外に出かけていない、人と話す気になれない

外に出るためにはそれなりに準備が必要になってきますが、その気力が湧かない、ということ育児ノイローゼの特徴です。疲労により人と関わるエネルギーすらない、という状態になり、誰とも合うことなく部屋に閉じこもってしまうパターンもあるんです。ただ、子供とふたりだけの時間が続くと、またストレスを溜め込んでしまう原因になります。さらに育児ノイローゼの症状を悪化させる可能性もあるため悪循環に陥らないよう要注意です。

育児ノイローゼの原因、なりやすい人の特徴はワンオペ育児のママ?

育児ノイローゼの原因、なりやすい人の特徴は?
育児ノイローゼの多くは、ママがワンオペ育児になってしまい、ストレスをため込むことが原因になっていることが多いです。以下に、具体的な例を挙げますので、「ひょっとして私も…」という心あたりがある人は注意してください。

ずっと子供と2人で過ごしている

上でも少し触れましてが、子供とふたりだけの状態が続くことはストレスを溜め込んでしまう要因になります。子育てをしていると外で大人と会話をする機会が減ってしまいますよね。困ったことがあっても誰にも相談できず、愚痴を言える相手もいないという環境では、どうしても考え方が偏ってきてしまいます。

筆者も産後体が戻るまでの約1ヶ月間は検診以外ほとんど自宅で過ごしましたが、「子供が泣き止まない」、「夜寝てくれない」という問題に直面し、誰にも相談できず、ひたすらネットで子育て情報を検索する毎日でした。「どうして寝てくれないの!」と頭を抱えたこともありました。寝不足と疲れから日中はぼーっとしてしまい、なかなか寝てくれない子供にイライラしたこともありました。

パパの仕事が忙し過ぎる

子供のために、とパパも日々頑張って働いてくれているのですが、毎日帰りが遅く朝も早い、というご家庭だといわゆるワンオペ育児状態になります。ワンオペ育児が続くと、ママの身体的な負担はもちろん、それに加え「子供の相談ができない」、「子供の悩みを共有できない」精神的なストレスも重なってきます。ママの気持ちを共有できる相手が一人でもいると大きな心の支えとなりますよね。パパは一番の味方のはずなのですが、そのパパとすら話をする時間がない。この環境は精神的に不安定になりやすいと考えられます。

パパが子育てに協力してくれず、ワンオペ育児?

最近はイクメンという言葉も頻繁に聞くようになり、子育てに協力的なパパも増えてきました。それでも子育てはママにお願い!という家庭もまだまだあります。それに加え、家事がまったくできない、やらないというパパだとすると、ママの負担は倍増ですよね。

また、子供が生まれてママの生活は子供中心に一変したけれど、パパはいつもと変わらず自由に遊びに行く、という話も意外とよく聞きます。ママにとっては「パパの子供でもあるのになんで私だけ?」と思わずにはいられません。そんな気持ちも積み重なってストレスが溜まる原因となっていきます。

祖父母などの親族が近くにおらず、頼れない

子供が熱をだしたり、ママの体調が悪かったり。そんな時のお世話はいつも以上に大変です。体が弱ると心も弱ってしまうので、つらいな、と感じることもいつもより敏感に。そんな時に頼れる相手がいない、というのも原因のひとつにあります。

寝不足で疲れたな、という時にちょっとだけ祖父母にお願いして仮眠を取ったり、一緒に遊んであやしてくれる人がいるだけで心に余裕が生まれてきたりします。子供が泣いている時でも、イライラせず対応できることもありますよね。

出産後のホルモンバランスの乱れ

出産後、ママの体ではさまざまな変化が起こっています。特に、妊娠中に増えていた女性ホルモンが出産と同時に大量に減少し、ホルモンバランスが大きく崩れるという現象は、ママの体にも精神にもたくさんの影響を及ぼします。

ホルモンバランスの乱れは自律神経の乱れにも繋がると言われ、心身的な不調をきたす原因のひとつです。また、抜け毛、肌荒れ、不眠の原因とも言われており、ホルモンバランスの乱れによる肉体的な不調も多く見られています。

完璧主義で手抜きができない

完璧主義で手抜きができない
理想の子育て像や、母親像、子供像を作っていたり、子育ても家事も完璧にこなさなければ!と、自らを追い込んでしまうママもストレスを溜めやすい傾向にあるようです。一日の家事や子育てのタイムスケジュールを組んでいたのに、予定通りに進まないとイライラしたり、完璧を求めすぎて、そこから少しでも外れると「こんなはずでは」と落ち込んでしまったり、お友達と比べて「できていない」ということが気になってしまったり。でも、子育ては思い通りにならないことが当たり前です。計画的でしっかりしたママほどストレスを溜めてしまう傾向にあるのかもしれません。

息抜きの時間がない

息抜きの時間がない
ずっと子供と一緒に過ごしていると、自分のペースで動ける時間はほとんどありません。小さいうちは特にお昼寝の時間も決まっておらず、いつ寝るか、いつ起きるかもわからない。やっと寝たと思って家事をやろうとしたら子供の泣き声が聞こえる…。椅子に座ってお茶を飲もうとしたら抱っこ抱っこと子供が泣きついてくる…。

やりたいと思ったことができず、満足に休憩することもできず、常に子供のペースで動かなくてはならないということは、想像以上にストレスを感じてしまいますよね。

また、「子供から目を離してはいけない」というプレッシャーから、常に緊張状態にあることもストレスの原因かもしれません。少しの時間でも、子供から解放されて息抜きをすることは大切です。

育児ノイローゼの予防法、対処法

育児ノイローゼの予防法、対処法

完璧を目指さず、たまには手抜きもする

子供は思い通りになならない。そう割り切ってしまった方が気持ちが楽になるのかもしれません。「●●をしなくてはならない」という考え方をいっそやめてみたり、口に出して「まいっか」と言ってみたりするのも良いでしょう。子供のことを思えば思うほど、ママは頑張ってしまうもの。でも、それでママが苦しくなってしまうのであれば手抜きは全然OKです! 育児に絶対はありません。

ママが楽しく思えるように、適度に手を抜きながら自分に合った育児を探してみてください。ちなみに、筆者は子供と休日を過ごす際は細かく予定を決めないことにしました。何時までに支度を終わらせて、何時の電車に乗って、と一人だと当たり前に組む予定ですが、子供と一緒だとそうはうまく行かないものです。なので、なるようになれ! という軽い気持ちで、その時々のハプニングもできるだけ楽しめるように構えています。

友人と話したり、会ったりする時間を作る

友人と話したり、会ったりする時間を作る
同じ子育て環境にある友人と話した際「うちもそうなの!」という言葉で思った以上にホッとした経験が筆者にもありました。日々子供と対峙しながら、試行錯誤を繰り返している状況で、自分の子育ては本当に正しいのだろうか? 子供はちゃんと育っているのだろうか?と心配ごとはつきませんよね。

育児をしていると大人と話す機会が驚くほど減ってしまうため、悩んだ時もなんとか自分で解決しようとするのですが、やはり一人では限界があります。自分の悩みを共有し、より良い解決策を見つけるために、また、気分転換という意味も含めて意識的に大人と話をする機会を作るのは大切だと感じます。

また、話をすることで自分のことを客観的に見つめられるということもあり、話してみたらもやもや悩んでいたことが意外とすっきりした、ということも。一人で抱え込まずに誰かと共有するということが大切です。

パパにもっと育児してもらう、ワンオペ育児をやめる

パパにもっと育児してもらう
1時間だけでもパパに子供をお願いしてみるなど、たまにはパパだけで子供を見る時間を作ってもらうのもおすすめです。そもそも育児はママだけのものではなく、ふたりの子供なのですから、パパにもしっかり育児してもらい、ワンオペ育児になる時間をできるだけ減らしてください。

ママだって、最初から上手に育児ができたわけではありません。どうしたら良いか毎日手探り状態の中、なんとか自分なりの解決策を見つけて過ごしているんです。パパだって最初はできなくて当たり前。でも「自分しかいない」という状況を体験すれば、ママの苦労も少しはわかってもらえるでしょう。子供の行動をいつもよりじっくり見られる機会にもなるため、我が子の成長を敏感に感じてもらえるかもしれません。

育児ストレスの軽減に役立つ工夫、サービス

育児ストレスの軽減に役立つ工夫、サービス

子育て支援センターに相談する

子育て支援センターとは、主に乳幼児の子供とその保護者が利用できる施設です。保育士や保健師、栄養士に育児についての不安や悩みの相談ができます。同じくらいの子供を持つ親同士が交流できる施設となっているため、近くに祖父母や親族がいない、友人となかなか会えないママにとっては力強い味方になってくれます。自治体によって子育て支援センターのサービスはさまざまなので、お住まいの自治体にぜひ問い合わせてみましょう。また、別記事で子育て支援センターについて紹介していますので、そちらもぜひご覧ください。

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子育て支援センターとは? どんなときに頼りになる施設なの?

ワンオペ育児のママは祖父母に頼る

ママになったのだから子供のことは自分で解決しなくては、と抱え込まず、周囲に頼ることができる人がいるのであればどんどん頼りましょう。祖父母は親としての大先輩です。自分と同じ経験をして、自分をここまで育ててくれた先輩パパママなので、この機会に自分を育てた経験談など今だから聞ける話を聞いてみてもいいかもしれません。

可愛い孫に会えるのであれば祖父母もきっと喜んでくれるはず。少しの間でも自分の手を離れて遊んでくれる時間があるだけで、ママはちょっと息抜きができますよ。

ベビーシッターをお願いする

ベビーシッターとは、専門の人に自宅に来てもらい、パパママに代わり子供のお世話をしてくれるサービスのことです。一度は耳にしたことがあるかもしれませんね。ただ、今のベビーシッターは子供のお世話以外にもさまざまなサポートをしてくれます。家の掃除をしてくれたり、洗濯をしてくれたり、日用品や食材の買い物もお願いできたりします。

また、料理も作ってくれるので、子供のご飯をお願いできる人もいるでしょう。保育園のお迎えに行ってくれるベビーシッターさんもいます。会社によりサービス内容はさまざまですが、利用時間も1時間だけ、など短時間利用も可能。ちょっと子育ての息抜きしたいからお願いしたい、だったり、美容室に行く間だけお願いする、などいろいろな用途で活用できます。近くに頼れる人がいなくて、パパも毎日忙しいというご家庭には、このようなサービスもぜひ活用してみてください。

筆者の子育てイライラ体験

筆者の子育てイライラ体験
私自身も、重症化こそしませんでしたが、上記の症状に該当するようなイライラややる気の低下などは覚えがあります。そして、出産前にはなかったような自分の状態に、正直戸惑いも感じました。

子育ての孤独さを感じ、何とかしなければ、と思い私が始めたのはSNSへの投稿でした。自ら発信することは得意ではありませんでしたが、子供の些細な日常をSNS上で書くようになりました。

子供を産んでからあまりにも社会との繋がりがなくなってしまったため、ただただ誰かと繋がりがほしかったんだと思います。でも、それによって「わかる!」「わたしもそう!」という言葉にたくさん救われて来ました。

まとめ:子育てがつらいと感じたら、まずは誰かに話をしてみましょう

子育てがつらいと感じたら、まずは誰かに話をしてみましょう
「育児ノイローゼ」は病名ではなく、あくまで総称であり、原因や症状は人によってさまざまです。上記の他にもたくさんの症状があると思うので、いつもと違うな、という自身の違和感を見逃さないようにしましょう。そして、「つらい」「苦しい」と感じたら迷わず誰かに相談してください。愚痴を話すだけでも良いので、自分以外の誰かと共有してみましょう。

それでもつらい状態が解消されず、長く続くようであれば心療内科を受診することも必要です。育児ノイローゼは恥ずかしいことでも、ママが未熟なわけでもなく、誰にでも起こることなのです。重症化すると虐待や生きることがつらくなってしまったり、と悲しい事態に発展する可能性もあるため、もしかして?と思ったら早めに対処するとこがとても大切です。

ママが笑顔でいることが子供にとって一番大事なことです。一人で抱え込まずに、日々少しずつ息抜きしながら、周りに頼りながら、自分と子供にとってベストな子育てのスタイルを探してみてください。