子供の学童保育は月にいくらかかる? 学童にも待機児童問題があるの? 小1、小4の壁って?

学童保育ってどんな施設? いつから始まったの?

学童保育ってどんな施設? いつから始まったの?
学童保育とは、共働きなどで日中にパパママがいない家庭の小学生の児童が、放課後や長期休みの期間中に通うことができる施設です。学童保育には学童指導員が常駐しており、単に勉強をするだけでなく、適切な遊びや集団行動などの生活の場を提供してくれます。

学童保育の正式名称は「放課後児童健全育成事業」といい、学童保育は通称になります。他にも「放課後児童クラブ」や「学童クラブ」と呼ばれることもありますね。

学童保育は1950年代に民間の施設として誕生

学童保育は1950年代頃に増え始めました。当初は共働きの親たちが小学校低学年の子供を放課後に預ける必要に迫られ、今の学童保育のような施設を自分たちで整備するところからスタート。その後、国によって正式に制度化され支援体制も作られ、同様の施設が全国に広がりました。

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今の学童保育は児童福祉法で定められた子育て支援事業の1つ

民間からはじまった学童保育ですが、児童福祉法などで学童保育についての法整備が進み、現在は厚生労働省が管轄する施設となっています。小学校低学年の児童を学童指導員が預かってくれる施設としてスタートしましたが、最近の共働き世帯の増加にともない、学童保育は国が支援する子育て支援事業の1つとして重視されており、小学校高学年の児童も通えるようになるなど、子供だちの実情に合わせて制度も見直されています。

どのくらいの子供が学童保育に通っているの?

どのくらいの子供が学童保育に通っているの?

2018年は121万人の子供が学童保育を利用

それでは今の学童保育にどのくらいの子供が通っているのか、昔と比べて学童保育を利用する子供がどのくらい増えたのかを「全国学童保育連絡協議会」の調査データから集計してみました。

学年ごとの学童保育入所児童数

学年 2015年 2016年 2017年 2018年
1年生 343,502人 351,666人 368,336人 381,184人
2年生 298,806人 312,310人 324,858人 340,377人
3年生 224,715人 237,975人 251,512人 263,498人
4年生 92,173人 106,057人 122,006人 133,983人
5年生 37,007人 45,433人 54,201人 61,389人
6年生 19,711人 21,933人 26,497人 30,500人
1~3年生合計 867,023人 901,951人 944,706人 985,059人
4~6年生合計 148,891人 173,423人 202,704人 225,872人

過去10年ごとの学童保育施設数、入所児童数比較

調査年 学童保育数 入所児童数
1998年 9,627 333,100人
2008年 17,495 786,883人
2018年 23,315 1,211,522人

※全国学童保育連絡協議会「学童保育(放課後児童クラブ)の実施状況調査」データより
学童保育に通う小学校低学年の児童数は昔は今より少なかったのですが、女性の社会進出を後押しする動きが強まり、共働き世帯が増えたことから、学童保育に通う児童数は年々増加しています。全国学童保育連絡協議会による上記、学童保育の施設数と通う児童数の調査データによると、2018年には学童保育施設の数は全国で2万3,315ヶ所あり、登録児童数は121万1,522人となっています。

2018年の入所児童数は前年から6万3,204人も増えており、どの学年でも入所児童数が前年比で増加しています。特に小学校高学年の小学校4年~6年生の増加が目立ちます。上記表の2018年と1998年の数値を見比べてみると、学童保育の施設数が2倍以上、通う児童数は約4倍に増えているのがわかりますね。引き続きも学童保育のニーズは増えていくと考えられます。

学童保育の施設はどこに設置されているの?

設置場所 施設数 全体に占める割合
学校の教室 7,362ヶ所 29.1%
学校敷地内 6,226 24.6%
児童館 2,564 10.1%
公的施設 3,466 13.7%
その他 5,710 22.5%

※2018年発表「放課後児童健全育成事業(放課後児童クラブ)の実施状況」データより

学童保育を学校内に設置が54%、児童館が10%

学童保育全体の54%が学校の空き教室を利用したり、学校の敷地内に設置されています。他にも10%の学童保育が児童館に設置されるなど、公的施設に学童保育が設置されることが多いのがわかります。

その他の22%の学童保育は民間業者が運営する学童施設で、保育園や幼稚園などが放課後に学童保育を行うパターンもあれば、学校周辺のビルなどに学童保育が入居するパターンもあります。上で紹介しているのは認可された国から補助金が出る学童保育の調査データで、最近増えつつある学童保育も行う習い事や学習塾など、補助金を受けていない施設は上記表では集計されていません。

学童保育は何歳から何歳までの児童が利用できるの?

学童保育は何歳から何歳まで利用できる

昔は小1~小3まで、今の学童保育は小1~小6までの児童が利用できます

学童保育は小学校1年生から6年生までの児童が利用できます。2015年に児童福祉法が改正され、それまでは10歳未満の児童(小学校3年生まで)が中心だった学童保育の対象が「小学校に就学している児童」となりました。その結果、小学校4年生~6年生でも学童保育へ通う児童が増えつつあります。しかし、現状は上の「学年ごとの学童保育入所児童数」を見てもわかるように、学童保育に通う児童の約80%は小学校1年生~3年生の児童となっています。小学校1年生~3年生の児童の受け入れが優先される学童保育が多いため、小学校4年生以降の児童が学童保育に申し込んでもなかなか入れないケースがあります

学童保育では何時から何時まで子供を預かってくれるの?

公立の学童保育 私立の学童保育
利用時間 放課後~18時頃まで 放課後~19時頃まで
延長保育 長くても19時頃 21頃まで(施設によってさまざま)

公立の学童保育は19時までにお迎えに行く必要がある

学童保育が児童を預かってくれる時間は、学童保育が公立か私立なのかで大きく変わってきます。公立の学童保育は通常の利用時間が18時頃までの施設が多く、パパママともにフルタイムだとお迎えに行くのが難しい場合もあるでしょう。そのため、延長保育を行っている学童保育も多いのですが、公立の学童保育だと長くても19時までにお迎えが必要なことがほとんどです。夫婦ともにフルタイムで働いている場合は、月々の費用は高くなりますが、公立ではなく、私立の学童保育を探した方がいいかもしれません。

学童保育ではの子供の過ごし方は? 子供の宿題は見てもらえる?

学童保育では何をしてもらえる? 子供の宿題は見てもらえる?

公立の学童保育は基本的に子供を預かってくれるだけ

学童保育の一番の目的は子供を安全な場所で預かることで、子供を教育する場所ではありません。そのため、学童保育に常駐している学童指導員は基本的に子供に勉強を教えたりすることはありません。学童保育で子供たちがどう過ごすのかは子供の自主性に任せ、怪我をしないように学童指導員は見守るだけというのがこれまでの学童保育の一般的なスタイルでした。そのため、学童保育で子供たちが遊ぶのか、本を読むのか、学校の宿題をするのかは子供次第というわけです。

しかし、最近では子供への教育を求めるパパママの声が多く、民間が運営する学童保育の中には勉強を教えたり、ダンスの時間を設けたりと教育プログラムを提供する学童保育も増えてきました。ただ、どのような教育プログラムを提供するのかは幼稚園や保育園のように制度で決められたものはなく、学童保育の運営団体が個々で提供する教育プログラムを決めています。

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次のページでは小学校入学前の子供を持つママならみんな心配な「学童保育の待機児童問題」、「小1の壁」について、気になる学童保育の費用などをご紹介します。

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はいチーズ!クリップ編集部

はいチーズ!クリップ編集部員は子育て中のパパママばかり。子育て当事者として、不安なこと、知りたいことを当事者目線で記事にします。Instagram・LINEなどでも情報発信中ですので、ぜひフォローください!