子供の学童保育は月にいくらかかる? 学童にも待機児童問題があるの? 小1、小4の壁って?
目次
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- 学童保育ってどんな施設? いつから始まったの?
- どのくらいの子供が学童保育に通っているの?
- 学童保育の施設はどこに設置されているの?
- 学童保育は何歳から何歳までの児童が利用できるの?
- 学童保育では何時から何時まで子供を預かってくれるの?
- 学童保育ではの子供の過ごし方は? 子供の宿題は見てもらえる?
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- 学童保育にも待機児童問題があるの?
- 学童保育の小1の壁って何?
- 学童保育の小4の壁って何?
- 学童保育の料金は月にいくらくらいかかる?
- 学童保育はいつ、どこに申し込めばいいの?
- 学童保育の全国統一の基準が廃止されます
- 学童保育を兼ねた塾やスクールに通わせる選択肢
- まとめ:小学校入学前の早い段階で学童保育について家族で話し合いましょう
目次
学童保育ってどんな施設? いつから始まったの?
学童保育とは、共働きなどで日中にパパママがいない家庭の小学生の児童が、放課後や長期休みの期間中に通うことができる施設です。学童保育には学童指導員が常駐しており、単に勉強をするだけでなく、適切な遊びや集団行動などの生活の場を提供してくれます。
学童保育の正式名称は「放課後児童健全育成事業」といい、学童保育は通称になります。他にも「放課後児童クラブ」や「学童クラブ」と呼ばれることもありますね。
学童保育は1950年代に民間の施設として誕生
学童保育は1950年代頃に増え始めました。当初は共働きの親たちが小学校低学年の子供を放課後に預ける必要に迫られ、今の学童保育のような施設を自分たちで整備するところからスタート。その後、国によって正式に制度化され支援体制も作られ、同様の施設が全国に広がりました。
今の学童保育は児童福祉法で定められた子育て支援事業の1つ
民間からはじまった学童保育ですが、児童福祉法などで学童保育についての法整備が進み、現在は厚生労働省が管轄する施設となっています。小学校低学年の児童を学童指導員が預かってくれる施設としてスタートしましたが、最近の共働き世帯の増加にともない、学童保育は国が支援する子育て支援事業の1つとして重視されており、小学校高学年の児童も通えるようになるなど、子供だちの実情に合わせて制度も見直されています。
どのくらいの子供が学童保育に通っているの?
2018年は121万人の子供が学童保育を利用
それでは今の学童保育にどのくらいの子供が通っているのか、昔と比べて学童保育を利用する子供がどのくらい増えたのかを「全国学童保育連絡協議会」の調査データから集計してみました。
学年ごとの学童保育入所児童数
学年 | 2015年 | 2016年 | 2017年 | 2018年 |
---|---|---|---|---|
1年生 | 343,502人 | 351,666人 | 368,336人 | 381,184人 |
2年生 | 298,806人 | 312,310人 | 324,858人 | 340,377人 |
3年生 | 224,715人 | 237,975人 | 251,512人 | 263,498人 |
4年生 | 92,173人 | 106,057人 | 122,006人 | 133,983人 |
5年生 | 37,007人 | 45,433人 | 54,201人 | 61,389人 |
6年生 | 19,711人 | 21,933人 | 26,497人 | 30,500人 |
1~3年生合計 | 867,023人 | 901,951人 | 944,706人 | 985,059人 |
4~6年生合計 | 148,891人 | 173,423人 | 202,704人 | 225,872人 |
過去10年ごとの学童保育施設数、入所児童数比較
調査年 | 学童保育数 | 入所児童数 |
---|---|---|
1998年 | 9,627 | 333,100人 |
2008年 | 17,495 | 786,883人 |
2018年 | 23,315 | 1,211,522人 |
※全国学童保育連絡協議会「学童保育(放課後児童クラブ)の実施状況調査」データより
学童保育に通う小学校低学年の児童数は昔は今より少なかったのですが、女性の社会進出を後押しする動きが強まり、共働き世帯が増えたことから、学童保育に通う児童数は年々増加しています。全国学童保育連絡協議会による上記、学童保育の施設数と通う児童数の調査データによると、2018年には学童保育施設の数は全国で2万3,315ヶ所あり、登録児童数は121万1,522人となっています。
2018年の入所児童数は前年から6万3,204人も増えており、どの学年でも入所児童数が前年比で増加しています。特に小学校高学年の小学校4年~6年生の増加が目立ちます。上記表の2018年と1998年の数値を見比べてみると、学童保育の施設数が2倍以上、通う児童数は約4倍に増えているのがわかりますね。引き続きも学童保育のニーズは増えていくと考えられます。
学童保育の施設はどこに設置されているの?
設置場所 | 施設数 | 全体に占める割合 |
---|---|---|
学校の教室 | 7,362ヶ所 | 29.1% |
学校敷地内 | 6,226 | 24.6% |
児童館 | 2,564 | 10.1% |
公的施設 | 3,466 | 13.7% |
その他 | 5,710 | 22.5% |
※2018年発表「放課後児童健全育成事業(放課後児童クラブ)の実施状況」データより
学童保育を学校内に設置が54%、児童館が10%
学童保育全体の54%が学校の空き教室を利用したり、学校の敷地内に設置されています。他にも10%の学童保育が児童館に設置されるなど、公的施設に学童保育が設置されることが多いのがわかります。
その他の22%の学童保育は民間業者が運営する学童施設で、保育園や幼稚園などが放課後に学童保育を行うパターンもあれば、学校周辺のビルなどに学童保育が入居するパターンもあります。上で紹介しているのは認可された国から補助金が出る学童保育の調査データで、最近増えつつある学童保育も行う習い事や学習塾など、補助金を受けていない施設は上記表では集計されていません。
学童保育は何歳から何歳までの児童が利用できるの?
昔は小1~小3まで、今の学童保育は小1~小6までの児童が利用できます
学童保育は小学校1年生から6年生までの児童が利用できます。2015年に児童福祉法が改正され、それまでは10歳未満の児童(小学校3年生まで)が中心だった学童保育の対象が「小学校に就学している児童」となりました。その結果、小学校4年生~6年生でも学童保育へ通う児童が増えつつあります。しかし、現状は上の「学年ごとの学童保育入所児童数」を見てもわかるように、学童保育に通う児童の約80%は小学校1年生~3年生の児童となっています。小学校1年生~3年生の児童の受け入れが優先される学童保育が多いため、小学校4年生以降の児童が学童保育に申し込んでもなかなか入れないケースがあります。
学童保育では何時から何時まで子供を預かってくれるの?
公立の学童保育 | 私立の学童保育 | |
---|---|---|
利用時間 | 放課後~18時頃まで | 放課後~19時頃まで |
延長保育 | 長くても19時頃 | 21頃まで(施設によってさまざま) |
公立の学童保育は19時までにお迎えに行く必要がある
学童保育が児童を預かってくれる時間は、学童保育が公立か私立なのかで大きく変わってきます。公立の学童保育は通常の利用時間が18時頃までの施設が多く、パパママともにフルタイムだとお迎えに行くのが難しい場合もあるでしょう。そのため、延長保育を行っている学童保育も多いのですが、公立の学童保育だと長くても19時までにお迎えが必要なことがほとんどです。夫婦ともにフルタイムで働いている場合は、月々の費用は高くなりますが、公立ではなく、私立の学童保育を探した方がいいかもしれません。
学童保育ではの子供の過ごし方は? 子供の宿題は見てもらえる?
公立の学童保育は基本的に子供を預かってくれるだけ
学童保育の一番の目的は子供を安全な場所で預かることで、子供を教育する場所ではありません。そのため、学童保育に常駐している学童指導員は基本的に子供に勉強を教えたりすることはありません。学童保育で子供たちがどう過ごすのかは子供の自主性に任せ、怪我をしないように学童指導員は見守るだけというのがこれまでの学童保育の一般的なスタイルでした。そのため、学童保育で子供たちが遊ぶのか、本を読むのか、学校の宿題をするのかは子供次第というわけです。
しかし、最近では子供への教育を求めるパパママの声が多く、民間が運営する学童保育の中には勉強を教えたり、ダンスの時間を設けたりと教育プログラムを提供する学童保育も増えてきました。ただ、どのような教育プログラムを提供するのかは幼稚園や保育園のように制度で決められたものはなく、学童保育の運営団体が個々で提供する教育プログラムを決めています。
次のページでは小学校入学前の子供を持つママならみんな心配な「学童保育の待機児童問題」、「小1の壁」について、気になる学童保育の費用などをご紹介します。