お食い初めはいつ行う? やり方や場所は? 準備するものなどを紹介
目次
お食い初めとは?
赤ちゃんが生まれて100日が過ぎたお祝いとして行われるのが「お食い初め」です。無事に生後100日目を迎えることができたことを感謝し、我が子の成長をお祝いするとともに、「一生食べ物に困らないように」という願いを込めてごちそうを食べさせる儀式です。早い子だと下の前歯が生え始めている頃ですが、まだ赤ちゃんなのでご馳走を食べることはできません。そのため、お食い初めではあくまでご馳走を食べる真似をするだけです。
お食い初めは生後100日前後に行われるため、「百日祝い(ひゃくにちいわい)」や「百日祝い(ももかいわい)」と呼ばれることもあります。他にも、鎌倉時代に魚を食べさせるようになったことから名づけられた「真魚初め(まなはじめ)」や、初めてお箸を使うことから「箸揃え(はしそろえ)」「箸初め(はしはじめ)」「箸立て」という呼び方もあります。また、ちょうど乳歯が生え始める時期のため「歯固め(はがため)」と呼ばれることもあります。
お食い初めの起源は?
お食い初めは約1200年前の平安時代から始まったとされています。その頃は、赤ちゃんにお餅を食べさせる行事でした。その後、鎌倉時代には食べさせるものがお餅から魚に代わり、「真魚初め(まなはじめ)」とも呼ばれるようになりました。お食い初めはこんなに古くから伝わる日本の伝統行事なんですね。
お食い初めはいつやる?
お食い初めは生後100日目に行うのが一般的ですが、地域によっては110日目や120日目に行うこともあります。絶対に100日目に行わなければいけないということはありません。ママや赤ちゃんの体調のいい時や、パパママのお仕事がお休みの日などに合わせてお祝いするといいでしょう。天気のいい日や吉日を選んでもいいですね。生後100日前後の週末に行われることも多いようです。
お食い初めに招待するのは? 家族だけ?
かつてお食い初めは親戚も大勢招待して行うものでしたが、現在は家族のみで行うことが多いです。パパママ赤ちゃんの3人でお祝いすることもできますが、おじいちゃんおばあちゃんを招待してお祝いする家庭もあります。
おじいちゃんおばあちゃんが遠方に住んでいる場合は食い初めに参加するのが大変ですが、遠くからでも参加したいと思っているかもしれません。パパママが無理のない範囲で、おじいちゃんおばあちゃんに声をかけてみてもいいでしょう。おじいちゃんおばあちゃんを招待しない場合は、写真などを撮って送ってあげると喜んでもらえますね。
お食い初めで事前に準備するものは?
お食い初めで用意すべきものは決まっていて、それぞれに意味や細かいルールがあります。1つずつ確認していきましょう。
お食い初め食器
お食い初めには、「脚付き膳、器6種類(飯椀、汁椀、高坏、平椀、つぼ椀、二の膳)」の食器が必要です。お食い初め専用の食器を購入する場合は、男の子は朱色、女の子は外側が黒・内側が朱色に塗られている漆塗りの食器を選ぶのが正式です。最近では、伝統的な食器にこだわらず、新品のベビー用食器で代用する方も増えています。離乳食まで長く使えるよう、ベビー食器で代用する家庭もあります。お食い初めの食器については、関連記事でも詳しくご紹介しています。
アイプラス お食い初めお祝膳 総朱 松竹梅 男の子
飯椀、汁椀、つぼ椀、平椀、蓋、お箸が揃ったお食い初め用の食器セットです。お手頃な値段も嬉しいですね。他に女の子用のセットもあります。
祝い箸
お箸は柳の白木で両端が細くなっているものを使います。祝い箸はインターネットや百貨店、100均でも簡単に手に入ります。
小柳産業 祝箸
天然木でできた祝箸です。水引付きの箸袋も豪華ですね。
料理
お食い初めのメニューはご飯と「一汁三菜」が基本となっており、「赤飯、お吸い物、鯛、煮物、香の物」が一般的です。それぞれの意味や具体的なメニューは以下となります。
献立 | 説明 |
---|---|
赤飯 | 邪気を祓ったり魔除けの意味が込められている |
お吸い物 | 「吸う」力が強くなるようにという意味を込めている。ハマグリや鯛などで作ることが多い |
鯛 | めでたいという由来から尾頭付きの焼き魚で用意する |
煮物 | 季節・旬の野菜を使うと縁起をかつぐとされる |
香の物 | 大根と人参を使ったなますが一般的 |
上記に加え、シワシワになるまで長生きできるように、と梅干を添える地域もあります。
上記のメニューが絶対ではありません。赤飯を白米にしたり、鯛以外の魚でお祝いしたり、と地域や家庭によって献立もさまざまです。魚は尾頭つきのものであれば、お食い初めの時期に旬なものを選んでもOKです。
歯固め石
お食い初めでは赤ちゃんに石のように丈夫な歯が生えることを願う「歯固め」の儀式も行います。お宮参りの際に歯固めの石を神社から授かることがありますが、近所の氏神様の神社の境内や、河原などから拾って使うこともできます。拾った際はしっかりと洗い、使い終わったら元の場所に戻すようにしましょう。
歯固め石はインターネットで買うこともできます。地域によっては、石ではなく、料理に添えた梅干しを歯固め石として使う地域もあります。関西地方では、タコを歯固め石として使う地域があり、「固いタコでも食べられる丈夫な歯」、「タコに多幸という漢字をあてて、たくさんの幸せを願う」という意味が込められています。地方によってやり方や意味が違っていて面白いですね。
歯固めの石
黒石・白石の2色セットの歯固め石です。黒石はツヤがあり、白石はマットな質感です。歯固めの儀式方法のわかりやすい説明書付きです。
歯固めの石 神社で祈願済
神社・白崎八幡宮で祈願済みの歯固め石です。
お食い初め儀式のやり方
お食い初めの儀式のやり方を見ていきましょう。
赤ちゃんに食べさせる真似をする
祝い膳のそれぞれを赤ちゃんの口の近くに近づける形で、食べさせる真似を行います。出席者の中でもっとも年齢が上の人が祝い膳の食べさせ役を担当します。これには長寿にあやかるという意味があります。赤ちゃんが男の子なら男性が、女の子なら女性が食べさせるのが伝統的な作法です。例えばおじいちゃんおばあちゃんを招待している場合は、男の子の場合はおじいちゃんが、女の子の場合はおばあちゃんが食べさせます。
お食い初めは、あくまで食べる真似をするだけで、赤ちゃんに本当に食べさせる訳ではありません。実際に赤ちゃんに食べさせてしまうと、アレルギーを発症してしまう可能性もあるので注意してください。お食い初めでは、食べさせ役の人の他に、赤ちゃんを支える人、食べさせるサポートをする人、写真を撮る人など、みんなで役割を分担して楽しく行うといいですね。
お食い初めの祝い膳を食べさせる順番
お食い初めでは、赤ちゃんに料理を食べさせる順番が決まっています。「ご飯→お吸い物→ご飯→魚→ご飯」の順番で食べさせるふりをして、これを3回繰り返します。まだミルクしか飲んでいない月齢の赤ちゃんの口にご飯を近づけたときの反応は見物です。泣いてしまう子もいますし、興味津々で観察する子もいます。その瞬間の赤ちゃんの様子をしっかりと写真におさめておきましょう。後々いい思い出として振り返ることができますよ。
祝い膳の後に歯固め石
祝い膳を食べさせる真似を3回繰り返した後に、歯固め石を使います。歯固め石に触れた箸を赤ちゃんの口や歯茎をそっと触ります。その際に「丈夫な歯になりますように」とお願いしましょう。固いものを食べることで歯が丈夫になると言われていたため、歯固め石の他に「タコ」「栗」などで代用する地域もあります。歯固めの石を赤ちゃんの歯ぐきに直接あてないようにしてくださいね。
お食い初めを行う場所は? デリバリーやレストランの活用も
お食い初めは基本的に自宅で行うことができます。自宅であれば赤ちゃんも慣れていますし、パパママもいつも通りくつろげますね。しかし、「お食い初めは食器や料理の準備が必要で大変そうだな」と思った方もいるでしょう。そんな時は、祝い膳のデリバリーサービスを利用するのもおすすめです。プロが作った祝い膳だと味はもちろん、ママが不安な盛り付けもバッチリです。食器からお料理、歯固めまですべてがセットになっているもの、尾頭付きの焼き魚(鯛)だけのものなどさまざまなタイプがあるので、必要に応じて探してみましょう。
また、最近では「お食い初めプラン」を用意しているレストランもあり、レストランでお食い初めを行う家庭も増えています。赤ちゃん用のお食い初めセットに、大人用の食事もついたコースもあり、お店の予約以外に何も準備する必要がありません。自宅でお食い初めの準備するのが不安な場合は、お近くの和食レストランでお食い初めプランがないか探してみるといいでしょう。
お食い初めに招待されたらご祝儀やお祝い品は必要?
お食い初めに招待されたとき、何かお土産やお祝い品を持っていくべきなのか悩みますよね。ケースバイケースですが、一般的なお話をご紹介しましょう。
お祝い金が一般的、祝い膳が送られる場合も
お食い初めに招待された際には、お祝い金を用意するのが一般的です。祝い膳の金額を目安に、約5,000~10,000円くらいが妥当でしょう。その場合、お祝い用ののし袋と、紅白の蝶結びの水引を用意し、表書きは「祝御食い初め」、「お祝い」などとします。昔はお食い初めの祝い膳を母方の実家が贈る習わしがありました。今でも祝い膳を送ったり、子育てに役立つちょっとしたプレゼントを贈るケースもあります。
また、出産お祝いをもらったあとはお返し(内祝い)がありますが、お食い初めに関してはお食事代としていただき、特にお返しをする必要はありません。当日撮った写真にお礼のお手紙を添えて送ると喜ばれるかもしれませんね。
まとめ
赤ちゃんの生後100日のお祝い、お食い初めについての由来や実際に用意するものなどをご紹介しました。お食い初めを全て伝統の通りにきっちり行うとなると大変です。祝う気持ちがあれば、しきたりにはできる範囲で従えばいいでしょう。全部家で準備するのが大変な場合は、レストランのお食い初めプランやデリバリーを検討してみましょう。