【FP監修】ジュニアNISAはおすすめしない? メリット・デメリットは?

監修者紹介

FP鷲田昌平さん

ファイナンシャルプランナー・証券外務員二種:鷲田昌平さん

兵庫県神戸市出身。高校時代は陸上競技に打ち込み、その後IT企業に入社。2007年~金融業界へ。これまでマネーセミナーの講師を140回務めるお金のプロ。3人のお子さんのパパでもあります。

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ジュニアNISAとは

ジュニアNISAとは
ジュニアNISAとは、2016年度から始まった未成年者を対象とした少額投資非課税制度です。パパママが子供の代わりに資産を運用・管理を行うことで、将来へ向けての資産形成が可能になります。ただし、ジュニアNISAは2023年12月で制度が終了するため、2023年以降は投資ができなくなるという点には注意が必要です。

ジュニアNISAのメリット

ジュニアNISAのメリット
子供の資産を増やすことができる魅力的なジュニアNISA。ここからは、ジュニアNISAのメリットについて詳しく解説していきます。

非課税で子供の将来の資産形成ができる

ジュニアNISAで一番のメリットは、0歳~19歳の人が非課税で投資ができることです。年間80万円までが非課税となる投資枠があり、投資によって得た利益や配当金、分配金も最長5年間に渡り非課税となります。通常の投資で得た利益は約20%の税金が課される点を踏まえると、非課税となるのは魅力的なポイントでしょう。5年間の非課税期間が終わったあとも、口座開設者が20歳になるまでは、ジュニアNISA口座内で購入した金融商品を非課税で持ち続けることが可能です。

非課税対象の商品が多い

ジュニアNISAは取引できる金融商品が多いこともメリットです。商品の選択肢が多いことで、もっとも効果的な投資方法や、自分の投資スタイルに合うものを見つけられます。具体的には下記記載の商品が非課税となるので、取引の参考にしてください。

  • 株式投資信託
  • 国内株
  • 外国株
  • 国内ETF
  • 海外ETF
  • ETN(上場投資証券)
  • 国内REIT(J-REIT)
  • 海外REIT
  • 新株予約権付社債(ワラント債)

ジュニアNISAの基礎知識|金融庁

子供に投資を教えられる

ジュニアNISAは子供にわかりやすく投資を教えられる一つのツールです。お金を増やすためには「投資」が選択肢に挙げられますが、日本では海外に比べると投資をする人が少なく、学ぶ機会もほとんどありません。しかし、ジュニアNISAは子供名義の口座を0歳のころから使って投資ができるため、子供が小さいうちから投資を学べ、より身近に投資体験ができます。資産運用にはリスクがつきものですが、子供にとっては失敗も成功も貴重な経験です。また、幼少期から始めると、自分の投資の歴史をたどることができます。子供のころから投資について慣れ親しんでおくと、お金に対する知識が深まり、社会に出ていく時の力になってくれるはずです。

ジュニアNISAのデメリット

ジュニアNISAのデメリット
メリットにはデメリットがつきもの。果たして、ジュニアNISAにはどのようなデメリットがあるのでしょうか。詳しく見ていきましょう。

子供が18歳になるまで引き出せない

ジュニアNISAのデメリットには、子供が18歳になるまでお金を引き出せないという点があります。ジュニアNISAは原則として、途中の払い出しはできません。18歳になる前にお金を引き出した場合は、過去に得た利益が課税対象となってしまいます。この時、口座は廃止となり、新しく口座を開設しない限りは、もちろん資産運用もできません。実はこれが原因でジュニアNISAは普及しなかったという声も多く聞こえます。

元本割れする場合も

続いてのデメリットは、元本割れのリスクがある点です。金融商品は価格変動によって、購入時の価格よりも下がる可能性があります。資産運用は利益が期待できる一方で、リスクの高い商品を選ぶと元本割れするケースもあるのです。元本割れがあることをしっかり把握した上で、資産運用を行う必要があります。

2023年12月で制度が終了

ジュニアNISAでの投資は、2023年12月で制度が終了します。これからジュニアNISAを始める人は、2023年以降の新規投資ができないという点に注意してください。2023年以降の制度終了後は、子供が20歳になるまでの間、引き続き非課税で保有できます。また、今まで一番問題とされていた、途中引き出しも非課税となる予定です。たとえ非課税期間の最長5年を迎えても、一定額までは非課税が継続されるので安心してください。

金融機関の変更ができない

金融機関の変更ができない
通常のNISAは年に1回金融機関の変更ができますが、ジュニアNISAは変更ができないことがデメリットです。金融機関によって取り扱っている金融商品は異なるため、「別の金融機関の商品が欲しい」という場面もあるでしょう。そのような場合も、まずは既存のジュニアNISA口座を一旦廃止してから、新たな金融機関で口座を開設しなければなりません。

贈与税の対象になる場合も

ジュニアNISAの非課税枠である年間80万円までなら贈与税はかかりません。しかし、それ以外に贈与する資金があり、合計110万円以上になる場合は贈与税の対象となります。パパママのほかに、おじいちゃんおばあちゃんからも資金の贈与がある時は注意しましょう。

FPの鷲田さんに聞いた! ジュニアNISAをおすすめしない理由

FPの鷲田さんに聞いた! ジュニアNISAをおすすめしない理由
ファイナンシャルプランナーの鷲田さんは、「子供に資産を残したいならジュニアNISAはあり」と話します。しかし、よかれと思って安易に手を出すと、損をしたりペナルティがあったりと、失敗するケースも少なくありません。一例を挙げると、ジュニアNISA口座に親が入金することもルール違反になります。基本的には子供名義の証券口座からジュニアNISA口座へ資金移動をする流れとなり、親名義で入金してしまった場合は取引ができなくなってしまうことがあります。このほかにも、お金をすぐに引き出すことができなかったり、値上がりしないような銘柄にあたったりする可能性もあります。やはり、ジュニアNISAを独学で行うのは難しいため、おすすめしないとのこと。それでは、ジュニアNISAは一体どのような人が向いているのでしょうか。

ジュニアNISAがおすすめな人は?

ジュニアNISAがおすすめな人は?
ジュニアNISAは2023年12月までしか投資ができません。それを理解した上でも活用したい人や、子供に投資を教えたい人にはおすすめできます。子供に投資教育を教えるにはもってこいの制度なので、ぜひ非課税制度を利用しながら学ぶ機会を与えてあげましょう。

ジュニアNISAに入る際の注意点

ジュニアNISAはさまざまな知識が求められます。ジュニアNISAに入る際はリスクや失敗を避けるためも、慣れていない方は独学で行わないことに注意しましょう。まずはお金のプロであるファイナンシャルプランナーへ相談し、ジュニアNISAの活用方法や資産運用についてレクチャーを受けることをおすすめします。

いろいろな方法で教育費を貯めていきましょう

いろいろな方法で教育費を貯めていきましょう
教育費を貯める一つの方法として、ジュニアNISAを紹介しました。ジュニアNISAは投資を行うことで、子供の資金を増やすことができます。しかし、元本割れをするリスクもあるため、投資に慣れていない人にはおすすめできません。子供の教育資金を貯めるには定期預金や学資保険・終身保険・養老保険を使った学資プランなどいろいろな方法があるため、数ある選択肢の中から適した貯蓄方法を選ぶことが大切です。(文/葛生由姫)

※この記事の情報は2020年11月現在のものとなります。

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はいチーズ!クリップ編集部

はいチーズ!クリップ編集部員は子育て中のパパママばかり。子育て当事者として、不安なこと、知りたいことを当事者目線で記事にします。Instagram・LINEなどでも情報発信中ですので、ぜひフォローください!