妊娠中に眠れないのはどうして? 原因や不眠パターンや眠れる対処法を紹介

妊娠中のママが眠れないのはどうして? 妊婦の不眠の原因や不眠パターン、対処法を紹介

妊娠中は眠れないなどの睡眠障害になりやすいの?

妊娠中は眠れないなどの睡眠障害になりやすいの?
妊娠中は「眠れない」「どれだけ寝ても眠い」などの睡眠トラブルが起こりやすい時期です。

妊娠中の不眠や過眠などの睡眠障害を、「妊娠随伴睡眠障害(にんしんずいはんすいみんしょうがい)」と言います。妊娠中はホルモンバランスの変化やお腹が大きくなるなどの体の変化から、うまく眠れないケースが増えることが原因です。

妊娠中に眠れない不眠パターンはどれ?

妊娠中に眠れない不眠パターンはどれ?
妊娠中に「眠れない」原因には、いくつかのタイプがあります。不眠のタイプによって対策が変わるので、自分が眠れないのはどのパターンなのかチェックしてみましょう。

寝つきが悪い「入眠障害」

布団に入ってからなかなか眠れないのは入眠障害です。眠るまでに30分以上かかるなら、入眠障害だと言えるでしょう。

子供の頃、イベント前日にドキドキして眠れなかった経験はありませんか? 緊張や不安が強いときに起こりやすいのも、入眠障害の特徴です。

寝た気がしない「熟眠障害」

熟眠障害は、しっかり眠った感覚がないことです。早めに布団に入ってたっぷり寝たはずなのに、翌朝すっきりしなかったことはないでしょうか。このように、寝ている時間が長くても、眠りが浅くてしっかり休めていない状態が熟眠障害です。

何度も起きてしまう「中途覚醒」

夜中や明け方に何度も目を覚ましてしまうのが中途覚醒です。眠りが浅く何度も目が覚め、一度起きると再び眠るのに時間がかかってしまいます。

早朝に起きてしまう「早朝覚醒」

朝早すぎる時間に目が覚めるのは早朝覚醒です。起きたい時間より2時間早く目覚め、再び眠れない場合は早朝覚醒だと言えるでしょう。

妊娠初期に眠れない原因は?

妊娠初期に眠れない原因は?
妊娠初期は、女性ホルモン「プロゲステロン」の影響で眠気が強くなる時期です。まさに「寝ても寝ても眠い」時期で、仕事中の眠気に悩むママも多いでしょう。

そして、日中の眠気が強くなる一方で、夜はなかなか寝付けなかったり眠りが浅くなったり、うまく眠れなくなります。その理由は、プロゲステロンの分泌が増えて体温が上昇しているからです。人間の体は体温が下がることで眠たくなるため、基礎体温が下がらない妊娠初期は眠りにくくなります。

基礎体温やホルモンバランスの変化だけでなく、妊娠中はいろいろと体が変わる時期です。その変化に慣れずにうまく眠れないこともあるでしょう。また、昼寝をしたせいで夜に眠れないといったケースもあります。

妊娠中期に眠れない原因は?

妊娠中期に眠れない原因は?
妊娠中期になると、安定期に入り体の変化も落ち着いてくるでしょう。一般的には睡眠トラブルも落ち着く時期です。

しかし、お腹が大きくなってくると妊娠前と同じ体勢では眠ることは難しくなってきます。寝返りを打てずに体に負担がかかり、その痛みや違和感で夜中に目が覚めることもあるでしょう。

お腹が大きくなってからあまり出歩かなくなった人は、日中の運動量が足りずに眠れなくなっている可能性もあります。赤ちゃんの動きが活発になる時期なので、胎動にびっくりして目が覚めることもありますね。

妊娠後期に眠れない原因は?

妊娠後期に眠れない原因は?
妊娠後期も、妊娠中期に引き続き、大きくなったお腹が気になって眠りにくい時期です。

さらに、妊娠中のマイナートラブルが原因で眠れないケースも増えてくるでしょう。こむら返りやトイレで夜中に何度も目が覚め、なかなかまとめて眠れません。予定日が近くなると、いつ陣痛がくるかドキドキして眠りを邪魔することもあります。

また、妊娠後期は働くママが産休に入る時期です。仕事をしていたときと生活ペースが変わり、運動量が低下して眠りにくくなるケースもあります。

妊娠中に眠れないとお腹の赤ちゃんに影響がある?

妊娠中に眠れないとお腹の赤ちゃんに影響がある?
ママが睡眠不足でも赤ちゃんへの影響は少ないため、眠れないことをあまり気にする必要はありません。

お腹の赤ちゃんは、ママの睡眠リズムとは無関係に、自分のペースで起きたり寝たりしています。お腹の中で元気いっぱいにすごして、寝ているママを胎動で起こすことがあるくらいです。

一般的に、不眠症は日中に不調があるかどうかで診断されます。ママの睡眠時間が短かったり夜中に何度も目が覚めたりしても、日中元気にすごせているなら気にする必要はありません。眠れないことを気にしすぎても眠りにくくなるので、気楽に構えておきましょう。

その一方で、眠れない日が続いて日中に影響が出ている場合は注意が必要です。睡眠不足が原因でママが体調を崩すと、血流が悪くなり、赤ちゃんにスムーズに栄養を送れなくなることがあります。出産に必要な体力が落ちてしまう可能性もあります。ママが眠れないことが原因で体調を崩した場合には、医師に相談するようにしましょう。

妊娠中に眠れないときは薬を飲んでいい?

妊娠中に眠れないときは薬を飲んでいい?
お腹の赤ちゃんに影響があるかもしれないため、妊娠中に自己判断で薬を飲むのはやめましょう。以前から処方されている薬であっても、妊娠したことを医師に相談してから飲んでください。眠れない場合も、まずは生活習慣の改善から始めましょう。

それでも不眠が改善されない場合は、妊婦でも飲める睡眠薬や睡眠導入剤があるので、医師に相談してください。

妊娠初期におすすめの「眠れない」対策

妊娠初期におすすめの「眠れない」対策
妊娠初期は、日中は眠く夜は眠れないと悩むママが多い時期です。日中の眠気対策には短時間のお昼寝をおすすめします。眠いときに無理に起きているのもつらいので、時間を決めて寝てしまいましょう。

注意したいのは、お昼寝は15分程度の短い時間にすることと、15時をすぎたらお昼寝をしないことです。15分以上、15時以降のお昼寝は、夜の睡眠に影響してしまいます。日中に寝過ぎることで夜に眠れず、日中また眠くなるという悪循環に気をつけましょう。しっかり朝日を浴びるなど、生活リズムを整えることも大切です。

妊娠中期におすすめの「眠れない」対策

妊娠中期におすすめの「眠れない」対策
妊娠中期は、お腹が大きくなってきて、これまでと同じように行動できなくなる時期ですね。寝るときの姿勢が変わって寝にくい場合は、抱き枕を取り入れてみましょう。

また、あまり運動をしないママの場合は、軽く運動することで体の緊張がほぐれて眠りやすくなります。体の負担になるほどハードな運動をする必要はありませんが、ウォーキングや軽いストレッチで体と心をリラックスさせましょう。

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妊娠後期におすすめの「眠れない」対策

妊娠後期におすすめの「眠れない」対策
妊娠後期は、マイナートラブルに対する対策が不眠解消につながります。夜中に足がつって目が覚める場合は、枕やタオルを挟んで、膝から下を少し高くして眠りましょう。血流の悪さが原因で足がつるため、足を高めにして血液が心臓に戻りやすくします。そのほか、カルシウムやマグネシウム、カリウムなどのミネラル不足も足がつりやすくなる原因です。乳製品や魚、豆類でカルシウムやマグネシウムをしっかり取りましょう。

トイレが近くなる頻尿対策には、寝る前にあまり水分を取らないことが大切です。特に、利尿作用のあるカフェインが入った飲み物は避けましょう。体が冷えるとトイレが近くなるので、お風呂で温まったり冷たい飲み物を避けたり、体を冷やさないように注意してみてくださいね。

季節に合わせた妊娠中の「眠れない」対策

季節に合わせた妊娠中の「眠れない」対策
先ほども触れましたが、人は体温が下がることで眠気を感じます。そのため、季節に合わせて体温や室温をコントロールすることも大切です。眠りやすい室温は、夏場は25℃〜28℃、冬場は18℃~22℃といわれています。快適に眠るなら、湿度は50%~60%を目安にしましょう。

暑いとき

心地良く眠るためには体の内部の温度、深部温度が下がることが大切です。しかし、室温が高過ぎると、体の熱が放出されずに深部の温度が下がりません。冷房で室温を下げていても、寝具内の温度が高くなっている可能性もあります。体の冷えを心配するのも大切ですが、熱がこもりすぎないように気をつけましょう。

体の温度が急激に下がることで眠りやすくなるため、寝る前に入浴して体を温めておくこともおすすめです。肌に触れるとひんやりする寝具を取り入れるのもいいですね。

寒いとき

寒くて眠りにくいときは、皮膚表面の温度が低いため、体が熱を閉じ込めようとしている状態です。一時的に体温を上げて、深部温度が下がって眠りやすくなるようにしましょう。

眠る前にお風呂で体を温めるほか、電気毛布や湯たんぽで布団を温めておくことも有効です。ただし、電気毛布はつけっぱなしにせず、タイマーで電源を切りましょう。電気毛布をつけたままだと深部の温度が下がらず、眠りの質が悪くなります。

眠る直前に体が冷えている場合は、首と手首、足首といった3つの首を動かして温めましょう。大きな血管や神経が集中している骨盤を温めると、眠りやすくなり眠りの質も向上しますよ。

妊娠中の「眠れない」を解決する生活改善法

妊娠中の「眠れない」を解決する生活改善法
妊娠中にうまく眠れないと、体も心も疲れてしまいますよね。すっきり眠れるように生活を改善してみましょう。妊娠中に関わらず、睡眠の質を高めることは大切なことです。子供が生まれてからも習慣にしたいことばかりなので、参考にしてみてくださいね。

睡眠リズムを崩さない

夜に眠れない状態が続くと、睡眠不足で日中の眠気が強くなるでしょう。その場合、妊娠初期の対策でも紹介したように、適度な昼寝がおすすめです。長すぎる昼寝は夜の睡眠に影響するため、30分横になり15分眠るくらいを目安にしましょう。

また、寝足りない場合も、二度寝はおすすめできません。寝る時間が長くなると、その分眠りが浅くなってしまいます。しっかり熟睡するためには、睡眠時間を長くするよりも睡眠の質を高めることが重要です。

昼夜のメリハリをつけよう

人の体は、活動的に動く日中は体温が高く、体を休める夜は体温が低くなるようにできています。その温度差が大きいほどに眠りは深くなります。そのため、昼は活動的に動いて体温を上げることが、睡眠の質の向上につながります。

まずは、朝起きたら朝日を浴びるようにしましょう。朝日を浴びると体内時計がリセットされ、14~16時間後に自然と眠くなります。

そして、体調が悪くなければ、昼は体を動かして体温を上げましょう。ウォーキングしたりヨガをしたり、体に負担にならないように無理のない範囲で運動してくださいね。適度な運動は、妊娠中の肥満対策や出産のための体力作りにも効果的です。

食事は眠る3時間前までに

夕食は、眠る3時間前までには済ませるようにしましょう。そうすると、眠るころには消化が終わっているため、消化活動が睡眠の邪魔をしません。脂質が多い肉や揚げ物は消化に時間がかかるため、夕食はできるだけ消化のいい魚や大豆類などを食べるようにしましょう。

お腹が空いて眠れないときは、ノンカフェインのハーブティーやホットミルクなどの温かい飲み物がおすすめです。空腹感がおさまりリラックスできます。

お風呂は眠る2時間以上前までに

これまでにお伝えしたとおり、体温を上げる入浴は睡眠の質を高めるのに有効です。お風呂あがりは、まだリラックスモードになっていないため、すぐには眠れません。眠る2時間以上前にしっかり温まると、体温が下がっていくのにあわせて自然と眠たくなるでしょう。

また、熱いシャワーだと、体が興奮状態になったり深部温度が上がりきらなかったり、かえって寝付きにくくなることがあります。質の高い睡眠のためには、熱すぎない程度のお湯にゆったり浸かるのがおすすめです。

寝る前はゆったりすごそう

お風呂からあがって眠くなるまでの時間は、スマートフォンやタブレットを触らず、本を読んだりボディケアをしたりしてゆったりすごしましょう。パソコンやスマートフォンが発するブルーライトは、脳を覚醒させるため寝つきが悪くなります。眠る前には、テレビの電源を落として間接照明に切り替え、リラックスできる環境を作りましょう。

香りのいいハーブティーを飲んだり好きな音楽を聞いたり、視覚以外の五感を意識して使ってみるのもおすすめです。

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まとめ

まとめ
夜になかなか眠れなかったり日中の眠気が強かったり、妊娠中は睡眠トラブルが起こりやすい時期です。眠れないことを気にしすぎると、それがプレッシャーになり、さらに眠れなくなるかもしれません。睡眠不足でもお腹の赤ちゃんに大きな影響はないので、心配し過ぎずゆったりすごしましょう。

また、ほんの少し生活を改善するだけで、眠りやすくなり睡眠の質も高まります。不眠対策のためにもママの健康のためにも、妊娠中は規則正しい生活を心掛けてみてください。

著者:緒方クリナ

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はいチーズ!クリップ編集部

はいチーズ!クリップ編集部員は子育て中のパパママばかり。子育て当事者として、不安なこと、知りたいことを当事者目線で記事にします。Instagram・LINEなどでも情報発信中ですので、ぜひフォローください!