英才教育はいつから始めればいい? メリットとデメリット、教育の注意点
目次
英才教育とは?
英才教育とは、優れた才能を持つ子供に対して、その能力を最大限発揮できるようにする高度な教育のことを言います。単純に「早いうちから高度な教育を受けさせること」=「英才教育」とみなされがちですが、英才教育は本来6歳以上の子供に対して使われる言葉です。
英才教育と早期教育・才能教育の違いは?
英才教育は、6歳以上の子供に対しておこなわれる知的な教育のことを指すのが一般的です。近年では英才教育の概念が拡大し、5歳以下の子供に対して行う教育である「早期教育」やスポーツや芸術分野の才能を育てる教育である「才能教育」も英才教育と呼ぶことがあります。
英才教育はいつから始めればいいの?
小さいお子さんをお持ちのパパママは「子供の可能性を広げるために、早く何かを習わせてあげたほうが良いのでは?」と考えている方も多いかもしれませんが、子供への英才教育は「早く始めればいい」というものではありません。英才教区の詰め込みや親の意向で始めた習い事は子供の興味や好奇心、自然な成長を奪ってしまうこともあります。早いうちから無理な英才教育を行うよりも、子供の「やりたい」という気持ちを大切にしてあげてくださいね。
英才教育のメリット
英才教育にはどのようなメリットがあるのでしょうか?1つずつ見ていきましょう。
感覚や感情を司る右脳が鍛えられる
人間の脳は記憶力、想像力やひらめきを司る右脳と言語や計算力、論理的思考を司る左脳に分かれており、英才教育は右脳に働きかける内容になっています。0歳~3歳の脳は右脳が優位と言われており、3歳~6歳は右脳から左脳への転換期です。そのため、3歳までの間に英才教育などで右脳に働きかけることで想像力やひらめき力、美術的センスなどを伸ばすに効果があると言われています。
天才児になれる可能性が高くなる
「子供を天才児にするなら早いうちからの英才教育が大切」と言われることがありますよね。その理由の1つは幼少期の英才教育の方法にあります。幼少期の英才教育は日常生活や遊びの中から学べることを大切にする教育方法が多く、子供自身が「やらされている」という感覚を持ちづらいのが特徴です。子供自身が意欲的に英才教育の学習に取り組めることから、長続きしやすく、能力や才能が伸びやすいこともあるのでしょう。
勉強することが習慣化する
前述したとおり、幼少期の英才教育は日常生活や遊びの中から学ぶことが多いため、子供が「学ぶこと」に対して苦手意識を持ちづらいのが特徴です。早いうちから英才教育を始めることで、「自ら学ぶ」ということが習慣化していくため、子供が勉強嫌いになりづらい傾向があります。
経験したことを吸収しやすく記憶力も伸びやすい
英才教育を受けなくても、子供が好きなアニメのキャラクターの名前をたくさん覚えたり、電車好きの子供が大人も知らないような電車や新幹線、路線の名前を言えるということは珍しくありません。子供は、子供の脳はスポンジのように吸収力があり、過去に見たものや経験したことに対する記憶力が高いのです。子供の吸収力や記憶力は特に好きなものに対して発揮されることが多いため、パパやママが幼少期に子供の興味のあるものや好きな物を見つけてあげられるといいですね。
英才教育のデメリット
英才教育にはたくさんのメリットがある一方で、一歩間違えると子供にとってマイナスな面もあります。英才教育を検討しているパパママは、ぜひデメリットもしっかり把握したうえで始めてくださいね。
子供がストレスを感じることがある
嫌なものややりたくないことに対して、はっきり「イヤ!」と言えない子供にとっては、親主導の英才教育がストレスになってしまうことがあります。子供が「やりたい!」と言って始めた習い事であっても、教室のお友達や先生と合わない場合などもあるので注意が必要です。
子供がストレスを感じている時は、「急に夜泣きが増える」「食欲がなくなる」「爪を噛むようになる」「腹痛や下痢などが増える」などの様子が見られることがあります。子供の普段と違う様子が見られたら、パパママは子供とゆっくり話す機会を作ったり、英才教育を続けるかどうか考え直してあげてくださいね。
脳の働きに影響がでる
脳に積極的に刺激を与え、子供の成長を促すことは英才教育および早期教育のメリットですが、内容によっては脳にマイナスの影響を与えることもあります。例えば、英才教育のひとつで、一方的に何かを覚える「インプット教育」ばかりを続けていると、子供のやる気がダウンしてしまったり、キレやすい子供になりやすいといったデータもあるようです。
また、子供に英才教育で習い事ばかりをさせてしまうとお友達と遊ぶ機会が少なくなるため、コミュニケーション能力の発達にも影響する可能性があることが指摘されています。子供が英才教育でいっぱいいっぱいになってしまわないように、自由な時間を作ってあげることも大切です。
心が波打たない子になる
幼少期から子供の意思に関係なく英才教育をおこなっていると、子供が目の前で起きたことに対して「楽しい」「何でこうなるのかな?」と考える機会が少なくなり、やがて心が波打たない子になると言われています。パパママは、子供が自然に育っていく中で芽生える「楽しい」「嬉しい」という感情や、わかることの楽しさを大切にしてあげてください。
自分から「やりたい!」と興味を示すのが苦手な子になる
幼少期から英才教育を受けてきた子供は、パパママに「次にやること」を指定され続けてきたことが影響し、挑戦する気持ちが育ちづらい傾向があります。子供の成長を後押しする1番の要素は子供自身の「やりたい」「挑戦したい」という気持ちです。いきすぎた英才教育で子供のチャレンジ精神の芽をつぶしてしまわないようにしましょう。
英才教育ではどんなことをするの?
英才教育と言っても、子供の月齢によってさまざまな種類があります。生後0ヶ月から始められる教育だとベビーマッサージが有名ですね。生後3ヶ月~生後4ヶ月頃からだと音楽を聞かせたり、絵本の読み聞かせなども立派な早期教育の1つです。
子供が動けるようになってくるとベビースイミングや運動遊び、リトミックなども楽しめるようになり、これらは子供の五感や身体能力の向上に効果があるとされています。絵や文字の書かれたカードを高速で見せ内容を記憶したり、先生からの質問に答える七田式の「フラッシュカード」も右脳を鍛える英才教育の教材として有名です。
英才教育を受けさせる時の注意点とポイント
英才教育にはデメリットもあるため、子供に英才教育を受けさせる場合はいくつか注意すべきポイントがあります。1つずつ確認していきましょう。
子供のペースに合わせる
同じ英才教育を受けていても、要領を早く掴むのが上手な子もいれば、ゆっくりな子もいるように、子供にもそれぞれ個性があります。おっとりタイプのお子さんをお持ちのパパママは、つい先回りして子供に答えを教えてしまったり、「早くしなさい」と急かしてしまいたくなってしまうこともあるかもしれませんが、そんな時は「主役は子供」と思い直し、子供のペースを大切にしてあげてくださいね。
周りの子と比較しない
パパママはどうしても周りの子と自分の子を比べてしまいがちですが、よその子と比べて自分の子のほうができることが少ない・遅いと感じたとしても、子供は子供のペースで毎日着実に成長していますので心配ありません。英才教育以外でも、子供に対して「何であなたはこれができないの?」という言葉をかけてしまうことで、子供が自分を否定された気持ちになり、自信を失わせてしまいます。パパママは「よそはよそ。うちはうち」と考え、子供にとって一番の理解者でいてあげてくださいね。
五感を刺激する体験を積極的に取り入れる
「英才教育」と聞くと、つい英語や計算などのいわゆる「勉強」をイメージしてしまいがちですが、子供の自主性や創造性を育みたいなら五感を刺激するような体験を積極的にさせてあげることが大切です。外遊びは自然と触れ合えたり、体の使い方が自然と身につくだけでなく、たくさん体を動かすことでお腹が空き、たくさん食べるようになったり、よく寝るようになったりと子供の成長にとても効果的です。
親と子供が一緒に楽しむ
子供に楽しく学んで欲しいなら、パパママも一緒に英才教育を楽しむことが重要です。パパママが「しっかり教育しなければ」と難しい顔ばかりしていると、子供は親の顔色をうかがって勉強をするようになってしまいます。何事もやらされ仕事は長続きしませんよね。まずは遊びの延長でかまわないので、親子で一緒に楽しく学ぶ時間を作ってみましょう。
結果を期待しない
英才教育のコツは「親が結果を期待しないこと」です。子供に習い事などをさせた場合、どうしても「お金がもったいない」などといった想いから親のほうが熱心になってしまいがちですが、親が必死になればなるほど子供にはプレッシャーになってしまいます。「1番にならなくてもいい」「子供が楽しんで学んでくれたらいい」とおおらかな気持ちで見守ってあげてください。
まとめ
英才教育を検討しているパパママのほとんどが「かわいいわが子だからこそ、後々苦労せずに人生を送れるようにしてあげたい」という想いが根底にあるのではないでしょうか。しかし子供の成長には個人差があるため、「これをやれば〇〇が身につく!」というものはありません。また、もし優れた子供に成長したとしてもそれが英才教育の効果と言えるかどうかは定かではありません。パパママは子供の好奇心ややる気を大切にしながら、子供の成長を優しく見守ってあげられるといいですね。