産後ケアセンターって? サービス内容・料金・ママの体験談も紹介
目次
産後ケア事業が抱える問題
産後のママの頼もしい味方である産後ケア事業ですが、全国的な実施に至るには課題が残されています。
実施している自治体は3割弱程度
厚生労働省が平成29年度に発表した報告書によると、全国で産後ケア事業を実施している自治体は26.2%にとどまります。今後実施予定のところも合わせると60.5%となり、将来的には6割程度の自治体で実施予定です。しかし、実施予定がない自治体が挙げる理由には「子育て世帯の減少により出生数が少ない」、「予算や人員の確保が難しい」などがあり、一朝一夕では解決しがたい現状が見られます。
産後ケア事業の現状及び今後の課題並びにこれらを踏まえた将来の在り方に関する調査研究報告書
本当にケアが必要な人に届いていない可能性も
また、サービスの内容が充実していても、本当にケアが必要なママが利用できていない可能性もあります。料金面の負担が大きく経済的に厳しい、施設によっては上の子の同伴ができなくて利用したくてもできないなど、利用条件に合致せず利用できないケースや、周知が不十分でそもそもサービス自体が知られていないケースも考えられます。
民間の産後ケアセンターを利用するという選択肢も
自治体による産後ケアサービスを受けるのが難しい場合は、民間の産後ケアセンターを利用するという選択肢もあります。民間の産後ケア施設のサービスの特長をいくつか見てみましょう。
宿泊型なら24時間体制でママと赤ちゃんをサポート
特に夜間は母子分離でそれぞれのケアをしてくれるので、ママは一人の時間をゆっくり過ごせます。夜は特に不安になりがちですが、そんな時もそっと寄り添って話を聞いてくれる各専門のスタッフがいます。また昼夜問わず、赤ちゃんのお世話や健康チェックを専門スタッフが担当するので、ママは自分に集中して体を休めることができます。長期・短期で少しずつ赤ちゃんとの生活をイメージできるようなサポート体制を取っています。
サービス内容
各施設で細かな違いはありますが、基本的なサービスは共通しています。
- 赤ちゃんの健康管理と衛生管理:毎日のミルク、沐浴、検温、体重チェックなどをしてくれます。
- ママのリラックス時間:ママのための健康的な食事を毎食提供し、体の休息時間を十分取ってくれます。夜は完全分離でママの睡眠を十分確保します。
- ママのサロン時間:骨盤などのマッサージやアロマ、スパ、ハーブティータイムなど楽しみましょう。
- ママの何でも相談:今後の生活や不安定な体調の相談の他、漠然とした不安の相談もできますよ。
- 育児に関する情報やノウハウ:おっぱいマッサージやケアの方法、授乳の仕方、母乳のためのママの食事レシピなどを伝授してくれます。沐浴や寝かしつけ方などの赤ちゃんのお世話の仕方や、便利な育児グッズなども教えてくれますよ。
日帰りプランもある
基本サービスは昼食・おやつで、夕食までサービスするところもあります。簡単な産後健診、リラックスタイム、育児や母乳などの何でも相談、沐浴練習です。施設によって自治体の助成が受けられたり、日帰りプランが無かったりしますので、興味があれば一度問い合わせしてみましょう。
上の子やパパも一緒に泊まれる
オプションとして家族の宿泊ができる施設があります。上の子やパパにも食事提供してくれますよ。パパの沐浴指導時間があればぜひ体験してみてください。
利用料の目安
1泊2日の相場は10,000円代~60,000円代と施設によって幅が広く、マッサージやヒーリングサロンなどは別途で請求される場合が多いようです。サービスの内容やスタッフの数、設備が充実しているかも料金に反映されます。
申し込み方法
自治体を経由で助成金を利用する場合は、担当窓口へ事前の予約・相談をしてください。妊娠8ヶ月から受付けしているところが多いようです。直接民間施設で予約する時は、妊娠中にまず見学することをすすめられます。予約は妊娠中いつでも可能ですが、施設により規定があるので予約方法について詳細を確認しましょう。産後3~4ヶ月まで受付けしているところが多く、1年以内でも対応してくれるところもあります。出産してからも申し込みできるので諦めずに問い合わせしましょう。
産後ケアサービスを利用したママの体験談
- しっかり寝た後の朝ごはんの美味しさに感動! 他のママさんとの会話で気分転換し英気を養ってからの赤ちゃんのお世話レクチャーは集中してできました。
- お産が長引いてとりあえずゆっくりしたかったので、初日は簡単な産後健診をした後、相談して一日中休憩の時間に当ててもらいました。上げ膳据え膳で家事をやる必要がない安堵感はたまりません。
- 一週間のステイだったので、体がつらい時は無理のないスケジュールに変更してくれるなど、かなり融通をきかせてもらいました。赤ちゃんとの生活を徐々に慣れていく感じでスムーズにおうちに帰れました。
- エステやマッサージのあまりの気持ちよさに涙が…赤ちゃんはきちんとお世話してもらっているので罪悪感なくゆっくり過ごせました。
- 日帰りサービスを一日経験しました。兄弟がいて落ち着く時間が無かったので、休息をメインに個室でのんびりさせてもらいました(ほぼ寝ていた)。食事しながら助産師さんと雑談や育児相談で大分充実した一日になったと思います。
まとめ
産後ケアサービスは、訪問型や日帰り型、宿泊型があり、施設は日本全国点在しています。自治体経由での利用は安くなりますが、多くの利用条件をクリアしなければなりません。一般利用の場合はもっと簡単に見学や予約、問い合わせができるなどのメリットがありますが料金は高くなる傾向にあります。
産後ケアのサービスを受けるのであれば、まずは宿泊するのか、自分の自治体で宿泊のサービスがあるのか、民間の施設で利用したいサービスがあるのかを順番に調べると効率的に探すことができますよ。