保育園は公立と私立でどう違うの? 保育料に違いはある? 園数や教育方針も紹介!
目次
公立の認可保育園と私立の認可保育園、どちらの方が多いの?
公立の保育園と私立の保育園って考えてみたらどっちが多いの? と聞かれて即座に答えられるパパママは意外と少ないのではないでしょうか。2017年の厚生労働省の調査によると、全国に27137ある認可保育園のうち、市区町村が運営する公立保育園は8716と全体の約32%ほど。想像以上に公立保育園が少ない調査結果です。認可保育園は公立というイメージがあるかもしれませんが、実は公立保育園より私立保育園の方が圧倒的に多いのです。
認可保育園の公立、私立の園数は?
種別 | 園数 |
---|---|
市区町村 | 8,711 |
私立 | 18,421 |
合計 | 27,137 |
認可保育園の公立、私立の園数の具体的な園数は上記になります。
私立の認可保育園の運営団体の内訳
種別 | 園数 |
---|---|
社会福祉法人 | 14,493 |
医療法人 | 15 |
公益法人・日赤 | 56 |
営利法人(会社) | 1,686 |
その他 | 2,171 |
私立の認可保育園のうち、どのような団体が運営主体となっているのかも参考までにご紹介します。
私立の保育園が多いのは、保育園は民間から始まったから
幼児保育施設の成り立ちをさかのぼってみると、戦前に3歳以上の幼児教育を行うために民間の幼稚園ができたのが始まりです。保育園も、働くママの育児をサポートするために託児所という呼び名で民間から誕生しました。戦後の1948年(昭和23年)には児童福祉法が制定され、それとともに保育園は法的に認められた「児童福祉施設」として国から認可されていきます。こういった流れで、今の私立の認可保育園が増えてきたのです。
一方の公立保育園ですが、私立保育園だけでは施設が足りない地域に整備されていった経緯があります。私立保育園だけで地域の保育ニーズが満たされている場合は、自治体が公立保育園を整備することは基本的にありません。そのため今でも、私立保育園の方が数が多いのです。私立が多いのは、幼稚園に関しても同じ結果となっています。
公立保育園の民営化(私立化)が進みつつある
今、各自治体は保育園運営費の負担軽減などが目的で、公立保育園を民営化し、私立保育園に変わる動きがあります。公立保育園が民営化されると保育士がそっくり入れ替えることになったり、子供一人あたりの保育面積が減ってしまったりなどのデメリットがあります。新しく採用した保育士に子供が慣れるのに時間がかかってしまうなども考えられますね。
しかし、公立保育園の民営化(私立化)には良い点もあります。保育園民営化のメリットとして、早朝保育や延長保育が充実するなどがあげられます。働くパパママには嬉しいサービス向上ですね。民営化により正規職員のほか非常勤職員やアルバイトなどを増やして、効率的に保育園が運営できるように変わったり、保育士が増えて保育園の受け入れ児童数も増やせることになったりと、問題となっている待機児童を減らす対策としても公立保育園の民営化は期待されています。
認可外保育園はすべて私立
認可外保育園とはどんな保育園かは皆さんご存知でしょうか? 保育園の中でも、国への届け出は行っているものの、国からの認可を受けていない施設が認可外保育園です。児童福祉施設としての位置づけではなく、サービス業的な側面があり、認可外保育園はすべて私立園となります。認可外保育園は保育士1人あたりが担当できる児童数は認可保育園と同じ基準に基づいていますが、施設や設備の基準が認可保育園より緩かったり、自由な教育目標を持って運営できたりする特徴があります。
認可外保育園の保育料は国からの補助金が支給されていないため、認可保育園より高くなりがちですが、認可のような厳しい保活をせずに入園することができ、親が働いていなくても預けることができます。地域の家庭のニーズに合わて自由な保育園運営ができるので「下の子の育児休暇中も、上の子を保育園に預かってもらえて助かった」というママの声も聞いたことがあります。
次のページでは公立・私立保育園、それぞれの特徴や保育料についてご紹介します。