赤ちゃんのうつぶせ寝はダメって本当? うつぶせ寝をしていたら仰向けに戻したほうがいいの?
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赤ちゃんのうつぶせ寝はダメって本当? その理由は?
うつぶせ寝は1980年代はじめに注目を浴び、大ブームとなったことがありました。うつぶせ寝がブームになった理由は「赤ちゃんはうつぶせ寝の方がよく眠る」、「うつぶせ寝にした方が頭の形がきれいになる」という話が広まったから。そのため、おじいちゃんやおばあちゃんや年配の方からうつぶせ寝を勧められるパパママもいるかもしれません。しかし、昨今ではうつぶせ寝についての研究が進み、うつぶせ寝のさまざまなリスクが分かってきました。
うつぶせ寝がダメな理由1:乳幼児突然死症候群(SIDS)のリスクがある
乳幼児突然死症候群(SIDS)とは、何の前触れもなく睡眠中に赤ちゃんが死亡してしまう病気のこと。生後2ヶ月~6ヶ月に多く発症し、まれに1歳以上の赤ちゃんでも発症します。2017年には77名の赤ちゃんが乳幼児突然死症候群(SIDS)で亡くなり、乳児期の死亡原因で第4位になっています。乳幼児突然死症候群(SIDS)は完全な予防方法は確立されていない原因不明の病ですが、あおむけ寝よりうつぶせ寝のときの方が発症率が高まることから、うつぶせ寝との関連性が指摘されるようになりました。
うつぶせ寝がダメな理由2:窒息事故のリスクがある
2010年~2014年の過去5年間で、乳児の就寝時における窒息死の件数は160件にものぼります。乳児の窒息事故の原因はさまざまですが、最も多い原因が赤ちゃんの顔がマットレスなどに埋まったことによるもので、全体のうち33件を占めています。寝返りが上手にできない月齢の赤ちゃんは、顔が敷き布団や枕などに埋もれて呼吸困難になっても、自分ではどうすることもできないのです。
赤ちゃんの命を守るにはどうすればいい?
では、赤ちゃんのSIDS(乳幼児突然死症候群)や窒息事故を防ぐためにはどうしたらよいのでしょうか? SIDS(乳幼児突然死症候群)は、うつぶせ寝が直接の原因ではありませんが、ポイントを押さえることで、発症率を下げることが可能です。
子供が1歳になるまではうつぶせ寝をさせない
SIDS(乳幼児突然死症候群)は、うつぶせ寝とあおむけ寝のどちらでも発症します。しかし、うつぶせ寝の方がその発症率が高いという研究結果が出ています。医学上の理由でうつぶせ寝を医師から勧められている以外は、1歳未満の赤ちゃんはあおむけで寝かせてください。また、うつぶせ寝以外にも、「できるだけ母乳で育てる」「たばこをやめる」などが有効とされています。未熟児や早産児は乳幼児突然死症候群(SIDS)のリスクが高くなるといわれているので、特に注意が必要です。
赤ちゃんのうちは枕を使わない
寝返りをした際に顔を埋めてしまう可能性があるので、枕の使用は避けましょう。赤ちゃんの寝返り防止用の枕やクッションが販売されていますが、窒息事故の原因になることも。消費者庁は寝返り防止クッションの使用には十分注意を払うようにと勧告を出しています。また、寝返り防止クッションの販売自体を禁止している国もあります。
赤ちゃんの敷き布団は固めにする
ベッドや敷き布団は固めのものを使用しましょう。弾力性のある敷き布団やマットレスも赤ちゃんが顔を埋めてしまう可能性があります。掛け布団はなるべく使用せず、室温を調整するかスリーパーを使用するようにしましょう。
赤ちゃんの近くにクッションやぬいぐるみを置かない
クッションやぬいぐるみも、赤ちゃんが顔を埋めてしまう可能性があるので注意しましょう。また、首に絡まるのを防ぐために、寝かしつけの際はフードや紐の付いた服は避け、スタイ(よだれかけ)もはずしましょう。
睡眠時に厚着をさせない
睡眠中の赤ちゃんが息苦しさを感じたときにうまく寝返りができるように、厚着をさせたまま寝かせるのはやめましょう。重ね着をさせがちな冬場は特に気を付け、必ず防寒着を脱がしてから寝かせるようにしてください。窒息事故のリスクを回避できる以外にも、汗による寝冷えや脱水症状を予防することができます。
次のページではうつぶせ寝のメリットやいつまでうつぶせ寝がNGか解説します