保育園の保育料は年収で変わる? 世帯年収別に保育料を紹介!
保育園の料金が決まるポイントは5つ
保育料は「世帯年収」「住んでいる地域」「保育時間」「子供の年齢」「保育園に通うきょうだいの有無や人数」の5つによって決まります。それぞれ詳しく見ていきましょう。
世帯年収
認可保育園は「保育を必要とする」子供を預り、保育することを目的とした福祉施設で、世帯年収が低い家庭には自治体からの支援が行われています。そのため、世帯年収が高くなるほど子育ての費用面での支援が必要なくなるという自治体の判断があり、子供の保育料が高くなるのです。「世帯年収が低い家庭には自治体から保育料の補助があり、保育料が安くなる」の方が正しい表現かもしれませんね。保育料算出の切り替え時期は9月となっており、4月~8月分は前年度分、9月~3月分は当年度分の住民税額により保育料が計算されます。
住んでいる地域
住んでいる地域によって保育料は異なります。保育料は、国が定めた上限の中で自治体がどれくらい補助金を出すかによって決定します。子育て支援を積極的に行っている自治体は保育料も安く設定されているでしょう。自治体がどれくらい補助金を出せるかは自治体の財政状況にも関係してきます。待機児童の数や保育料で子育てする地域を選ぶ人もいるかもしれませんが、保育料は地域によって異なることを覚えておきましょう。
保育時間(保育短時間・保育標準時間)
保育短時間 | 保育標準時間 | |
---|---|---|
勤務時間 | 1ヶ月あたり120時間未満 | 1ヶ月あたり120時間以上 |
預かり時間 | 1日あたり最大8時間 | 1日あたり最大11時間 |
認可保育園の保育時間は、「保育短時間」「保育標準時間」の2つに分けられ、それぞれ保育料の基準も異なります。保育短時間は、1ヶ月の勤務時間が120時間未満の場合に適応され、主にパートタイムを想定しています。保育標準時間は、1ヶ月の勤務時間が120時間以上働く場合(フルタイムまたは1日6時間以上の時短勤務で働く場合など)に適応されます。保育短時間の場合、園で決められた預かり時間を超える場合は延長保育料も発生します。
子供の年齢
認可保育園の保育料は、年齢によっても異なります。0歳~2歳までの子供は世帯年収から計算された保育料を支払います。3歳以上になると幼保無償化の対象になるので、保育料は無料(0円)です。認可保育園に通う場合、3歳以降の保育料はかかりませんが、給食費などは支払う必要があるので注しましょう。
保育園に通うきょうだいの有無や人数
子供の人数によっても保育料は変わります。住んでいる自治体によって保育料の軽減額は異なりますが、国の基準では2人目の子供は半額、3人目以降は無料となっています。ただし「同じ世帯から2人以上の子供が同時に保育園に通園している」、「2人とも認可保育園に通園している」などのルールがあるため注意が必要です。
子供の年齢が離れていて、既に上の子は保育園を卒園していたり、1人は認可外保育園に通園している場合などは残念ながら保育料軽減の対象外となります。これから2人目の出産を考えたい方は、保育園の保育料軽減ルールについても覚えておくといいでしょう。ちなみに、認可外保育園でも、2人以上を通園させる場合は園独自に保育料割引を設定しているケースもあります。事前に確認してみましょう。
専業主婦世帯・共働き世帯で保育料は違うの?
専業主婦家庭と共働き家庭では、共働き家庭の方が同じ世帯年収でも保育料が安くなります。保育料は単純に世帯年収から算出しているわけではなく、住民税の税額から算出しているためです。
認可保育園に子供を預けられるのは共働き家庭だけじゃないの? と思った人もいるでしょう。保育園は保育に欠ける乳幼児を保育する場所です。共働きだけ世帯でなく、家族の介護や看病などで両親ともに子供の保育ができない場合も対象となります。そのため、パパが会社員でママが専業主婦でも保育園に預けることができる場合があります。
どのくらい差があるのかは、次項でご紹介します。
専業主婦世帯での年収、子供の年齢別、保育園の保育料サンプル
月ごとの保育料算出条件:新宿区在住。夫のみが働いている。預ける子は第一子。保育時間は8~19時
世帯年収 | 0~2歳 | 3歳児 | 4歳以上 |
---|---|---|---|
400万円 | 9,400円/月 | 9,300円/月 | 9,200円/月 |
500万円 | 15,400円/月 | 10,900円/月 | 10,800円/月 |
600万円 | 19,100円/月 | 12,700円/月 | 12,600円/月 |
700万円 | 23,600円/月 | 15,800円/月 | 15,700円/月 |
800万円 | 29,200円/月 | 19,500円/月 | 17,300円/月 |
900万円 | 35,700円/月 | 22,000円/月 | 18,100円/月 |
1000万円 | 43,400円/月 | 22,800円/月 | 18,500円/月 |
共働き世帯での年収、子供の年齢別、保育園の保育料サンプル
月ごとの保育料算出条件:新宿区在住。妻の年収は300万円で固定。夫の年収を300万円から100万円刻みで上げていった世帯年収で計算。預ける子は第一子。保育時間は8~19時
世帯年収 | 0~2歳 | 3歳児 | 4歳以上 |
---|---|---|---|
600万円 | 19,100円/月 | 12,700円/月 | 12,600円/月 |
700万円 | 21,500円/月 | 14,300円/月 | 14,200円/月 |
800万円 | 23,600円/月 | 15,800円/月 | 15,700円/月 |
900万円 | 29,200円/月 | 19,500円/月 | 17,300円/月 |
1000万円 | 34,200円/月 | 21,800円/月 | 17,900円/月 |
上記表より、世帯年収が上がれば上がるほど保育料が高くなるのが一目瞭然です。0~2歳児に比べて、4歳児以上の方が世帯年収ごとの保育料の差は小さくなっており、世帯年収が高い家庭では子供の年齢が上がると保育料が約半額ほどになっています。逆に世帯年収が低い家庭では、0~2歳児の時から保育料が安いため、子供の年齢が上がっても保育料はそれほど変わりません。
今回はサンプルとして第一子の場合で算出しましたが、少し前にもご紹介したように、第二子の場合はおおむね上記表の半額、第三子は無料になることが多いです。保育料の詳細については今、お住まいの自治体に確認してみてくださいね。
まとめ
いかがでしたか? 認可保育園の保育料は安いと聞いていたのに、いざ計算してみると予想よりも保育料が高かったという方も少なくないのではないでしょうか。お仕事をされているママは、復帰後に時短勤務になると収入が減るため、家計が厳しくなりますよね。これから保活や保育園への入園を考えている方は、前もってお住まいの地域の保育料がどれくらいになのか調べてみると良いでしょう。違う県や市区町村へ引っ越しの予定がある方は、今のお住いの地域の保育料と引っ越し先の保育料がどのくらい違うのか、調査して比べてみてください。