3人目の子作りのベストタイミングはいつ? 子供の年齢差や将来の学費はどうする?
目次
3人目の壁 経済面やサポート体制、理想の年齢差は?
「子供がかわいいので3人目も欲しい」「自分自身が3人兄弟で楽しい子供時代だったから」「子供たちが弟・妹が欲しいといっている」など、3人目の子供を持つことを考えているパパママもいますね。
子供を3人育てる場合にはどんなことが心配になるのか、経済的にはどう備えておけばいいのか、一つひとつクリアにしていきましょう。
3人目の壁はママ友に相談しにくい
子供の数や妊娠については、ママの年齢や体質、経済的な問題や子育てについての考え方の違いなど、デリケートな話題につながるのでほかのママには相談しにくい場合もありますね。
経済状況に敏感なパパは、学費や塾などの教育費や家事育児の分担を心配して3人目に消極的ということもあるでしょう。
家計のことは特にママ友に相談しずらく、パパが消極的になると3人目を希望するママは前向きに考えるのが難しくなってしまいますね。
子供が3人いる家庭の割合は10組に1組
日本で子供が3人いる家庭はどのくらいあるのでしょうか。
2015年の「第15回出生動向基本調査(結婚と出産に関する全国調査)※」によると、結婚5~9年目の夫婦あたり子供が3人以上いる家庭は全体の11.7%で、夫婦10組に約1組という割合になります。アンケートに「理想の子供数は3人」と答えた夫婦は36.6%なので、理想が叶っていない夫婦も多くいるのです。
また、第5回調査(1967年)では夫婦の最終的な出生数とみなされる「完結出生児数」が平均2.65人でした。およそ60年前の日本では3人きょうだいは珍しくなかったのです。
現代の出生数が減少傾向にある要因にはさまざまなことが考えられますが、2015年の調査では「子育てや教育にお金がかかりすぎる」「高齢出産」「育児負担」「仕事に差し支える」といった意見が多く見られました。
※出典:国立社会保障・人口問題研究所:第15回出生動向基本調査(結婚と出産に関する全国調査)
3人目の子作り ワンオペは大変! パパや祖父母、周囲のサポートは?
2017年の流行語大賞に「ワンオペ育児」がノミネートされたことで、子育て中のママを取り巻く環境が注目されました。
子供ひとり育てるのでも「ワンオペ」は大変なことです。ましてや3人ともなるとママひとりでお世話をするのは非常に負担が大きいでしょう。
上の子供がある程度大きくなっているから大丈夫と思っても、まだまだママの手が必要な場面は多くあります。例えば、上の子供の部活のサポートや塾の送迎などは、赤ちゃんを抱えているとそれだけでも大変です。
学校や幼稚園・保育園の行事も子供の数だけ増えていきます。パパの仕事の状況や、祖父母・親族・行政などのサポートが得られるかどうかなど、家族でよく話し合ってみましょう。
3人目の子作り パパ・祖父母のサポートの壁
パパのサポートを得るには仕事との兼ね合いが重要です。
「3人目が産まれるから経済的に安定するためにもバリバリ働こう」というパパはちょっと待って! お金も大切ですが、ママの精神的な安定のためにも、家族に使う時間を増やすことも検討して欲しいところです。
パパママの両親からのサポートには、年齢や体力の問題、他の親族の子育て状況なども関わってきますね。また、パパの両親からのサポートには、ママとの関係が良好であることも大切です。
ご近所のママ友も心強い存在ですが、産前産後や緊急時の一時的なサポートは受けても、常に当てにして良いものではないので気をつけましょう。
3人目の子作り ママ自身の壁
「子育ては自分の手で」「食事は全て手作りで」「人気ブロガーやインスタグラマーのようにおしゃれで優雅な子育てをしたい」というママは、理想を追い求めすぎると3人の子育てが回らなくなるかもしれません。
子供にかける手間や時間を有名人やひとりっ子家庭と比べてしまうと、自分を苦しめることにもなりかねません。
食事や見守りなどを「外注」する割り切りをもって、ママが笑顔でいることが、結果的に子供の幸せにもつながるでしょう。
3人目の子作り 第一子・第二子の壁
おにいちゃん・おねえちゃん達は赤ちゃんが産まれてくることをどう思っているのでしょうか?
上の子供が大きいからといって、赤ちゃんのお世話のサポート役として当てにすることは避けましょう。
子供はあくまでも子供です。保護者的役割を押し付けてしまっては子供の生活が崩れてしまいます。
丁寧な育児は手放さなくてはならなくなるかもしれませんが、3人きょうだいならではの良さもありますよ。また、どのような出産にも言えることですが、赤ちゃんが必ずしも健康に産まれてくるとは限らないので、そのリスクについても考えておきましょう。
3人目は上の子供たちとの年齢差は何歳がいい?
きょうだいの年齢差によって、ママに負担のかかるシーンが変わってきます。
年子や2歳差では赤ちゃん2人を一度に育てるような大変さがありますし、3学年違いのきょうだいには習い事や進学費用についての悩みが増えるでしょう。
ここでは便宜上「デメリット」として解説しますが、「そういうことがあるのなら備えておこう」というくらいに捉えて、メリットを存分に楽しんでくださいね。
子供の年齢差|1~2歳差のメリット
- 低年齢用のおもちゃを共有できる
- 赤ちゃんに安全な部屋を作りやすい
- 離乳食など上の子育てを忘れないうちに下の子に応用できる
- 洋服のお下がりを仕舞い込まずにそのまま下の子に使える
- 子供同士で遊んでくれるので、ママが子供につきっきりになる時間を減らせる
- 保育園・幼稚園に同時に在園する期間があるので、下の子が安心して園に通える
- 保育園・幼稚園の行事が一度に行え、保護者として園に関わる期間を短くできる
- 保育園・幼稚園によっては「きょうだい枠」や、自治体によっては補助制度がある
- 子供の成長後も興味関心が近いのできょうだい同士で仲良く過ごせる
子供の年齢差|1~2歳差のデメリット
- 歩き初めの子供と赤ちゃんの同時育児になり、どちらも目が離せない
- 上の子の離乳食とトイレトレーニングの完了までは、お出かけの荷物が多くなる
- 上の子のイヤイヤ期と赤ちゃん返りが重なることがある
- 保育園・幼稚園・小学校・中学校の制服や学習道具をお下がりできない
- 大学進学の場合、在学期間が重なるので教育費が必要になる時期が短期間に集中する
子供の年齢差|3~4歳差のメリット
- 上の子供が食事や着替え・トイレなど、ある程度ひとりでできるようになっている
- 上の子供も「家族が増える」ということを理解でき、簡単なお手伝いができる
- 上の子供が保育園・幼稚園に通っている間、赤ちゃんとゆっくり過ごす時間がある
- きょうだいそれぞれに時間を振り分けることでママのストレスが軽くなり、上の子供も赤ちゃん返りが起きにくい
- 上の子供が下の子供のお手本となり、下の子供の成長に良い影響を与えることがある
- 4歳差なら、上の子供の産休・育休後に復職する期間を作れるので働くママはキャリアを保ちやすい
- 3~4歳差の場合、保育園・幼稚園・小学校・中学校の制服や学習道具をお下がりできる
- 3学年違いの場合、高校受験と大学受験が同時期になるので家庭内で「今年は勉強を頑張る年」という雰囲気を作りやすい
子供の年齢差|3~4歳差のデメリット
- 上の子供はまだまだ甘えたい年齢なので我慢させてしまうこともある
- きょうだいが同じ習い事をする場合でも対象年齢によって時間帯の違うクラスになることがあり、送迎などの負担が大きくなる
- 3学年違いの場合、受験・進学が重なるので教育費が必要になる時期が短期間に集中する
- 3学年違いの場合、進学が重なるので入学式・卒業式のシーズンが慌ただしい
子供の年齢差|5歳差以上のメリット
- 上の子供からは手が離れているので、ママが余裕をもって赤ちゃんを育てられる
- きょうだい同士の年齢差があるので、きょうだい喧嘩が起きにくい
- 子供たちの思春期や受験が被らないので、パパママは一人ひとりにじっくり対応できる
- 受験・進学の時期が重ならないので、教育費が必要になる時期が集中することを避けられる
- 上の子供の産休・育休後に復職する期間を作れるので働くママはキャリアを保ちやすい
- 保育園・幼稚園・小学校・中学校の制服や学習道具をお下がりできる
子供の年齢差|5歳差以上のデメリット
- 予防接種や法律・制度が変わっている場合があり、子育ての情報を学びなおす必要がある
- きょうだい同士で過ごすと、上の子供が下の子供の面倒をみることが多くなるので、上の子供が負担を感じやすい
- 保育園・幼稚園・小学校・中学校などに保護者として関わる期間が長くなる
- 上の子供の独立が早いと、きょうだいで過ごす時間が少なくなる場合も
子供が3人いた場合の将来の学費は?
子供が小さいうちは「きょうだいが多いと学費が大変」「義務教育・高校無償化といっても、授業料以外のお金がかかる」と聞いてもピンときませんね。
とくに保育園では2人目の保育料は半額、3人目の保育料は無料になるといった、きょうだいが多いことによるメリットがあるので、教育費が子供の人数分かかるイメージもしにくいでしょう。
子供が3人いる場合、小学校からはあらゆる費用が3倍になるのです。小・中学校は義務教育とはいえ、給食費や教材費がかかります。
高校も無償化されたとはいえ、入学金や施設使用料・教科書代・学校給付金などが発生します。
大学進学の場合には、初年度に入学金と授業料、施設設備費などを納めるので、子供たちの入学年度をシミュレーションして、何年後にどのくらいの学費が必要になるのか知っておきましょう。
大学初年度学生納付金平均額(2017年度)
区分 | 授業料 | 入学料 |
---|---|---|
国立大学 | 535,800円 | 282,000円 |
公立大学 | 538,294円 | 394,225円 |
私立大学:全体平均 | 900,093円 | 252,030円 |
私立大学:文系平均 | 781,003円 | 231,811円 |
私立大学:理系平均 | 1,101,854円 | 254,941円 |
私立大学:医歯系平均 | 2,847,940円 | 1,050,306円 |
上記以外にも「施設設備費」として年に20万円前後、医歯系では100万円前後が必要となります。
授業料を算定する方法は大学によってさまざまで、物価によるスライド制を採用していたり、学年によって実習費が増加したりする場合もあります。
下の子供が成人する前にパパが定年を迎えてしまうと金銭的に苦しくなる場合もあるので、学費は余裕をもって備えておきましょう。性別や生まれ順で進学費用に差が出ると、きょうだい同士の不公平感を生んでしまうので注意が必要です。
3人目出産平均年齢は33.5歳 高齢出産の注意点
厚生労働省「人口動態統計 2015年」によると、3人目の平均出産年齢は33.5歳というデータがあります。晩婚化が進み初産が30代後半や40代というママも珍しくない現在、3人目が高齢出産の年齢となるママも多いでしょう。
女性は35歳を過ぎると妊娠・出産する力(妊孕力)が低下し、2人目不妊・3人目不妊に悩むママも多くいます。また、高齢出産は母体のリスクと赤ちゃんの染色体異常のリスクが高くなります。
乳幼児の子育てには体力も必要なので、ママの体調や仕事との兼ね合い、祖父母や親族のサポートが得られるかどうかも話し合っておきましょう。
3人目は男の子・女の子の産み分けを希望する場合
3人目を希望する理由として「同じ性別の子供が複数続いたから違う性別の子供も育てたい」「跡継ぎのプレッシャーがある」といった事情のあるパパママもいるでしょう。
子供は「授かりもの」といいますし、男女の「産み分け」について100%確実な方法というものは存在しません。
しかし、産み分けに理解のある産婦人科医もおり、ある程度産み分け確率を高める医学的なアプローチの方法もあります。
「産み分け」には不妊治療と同様にパパの協力が不可欠になるので、夫婦でよく話し合ってから産婦人科へ相談してみてください。
まとめ
当記事の執筆にあたって、3人の子供を育てている家庭からは「大変さは2.5倍くらい、楽しさは無限大」「3人目は何をしてもかわいい」「子供が増えたことで家族の絆が深まった」「なんとかなります!」とのメッセージが寄せられました。
子供が成長してからの心配はつきませんが「子供を持ちたい」という気持ちを大切に、前向きに考えていきたいですね。
学校行事や進学費用、部活・塾の送迎、3人分の育児・家事の分担などを家族でよく話し合い、行政や民間サービスにも頼りながら一つひとつ乗り越えていきましょう。