小学生のおこづかいの平均は? もらい方と渡すタイミング。お小遣いに関する注意点まとめ
おこづかいをもらっている割合
学年 | おこづかいをもらっている割合 |
---|---|
低学年 | 72.9% |
中学年 | 73% |
高学年 | 73.2% |
中学生 | 83.2% |
高校生 | 80.9% |
おこづかいはどのくらいの年齢から与えるものなのでしょうか。金融広報中央委員会が実施した調査では、小学生は低・中・高学年いずれも73%前後が「もらっている」と回答しています。小学生になったらそろそろ……というのはひとつの目安といえるでしょう。
おこづかいのもらい方
おこづかいを実施するにあたっては、おこづかいを渡す頻度や金額をどう設定するかについて考える必要があります。方法としては、定期的に決まった額をもらうという定額制の他、お手伝いや成績など何らかの成果に応じてもらう形、必要なときに必要な金額をもらう都度制などが考えられます。
おこづかいをもらう頻度
前述の調査結果によると、小学生がおこづかいをもらう頻度には学年によって、やや変化が見られます。いずれの学年でも割合の多かった「月1回」と「ときどき」にフォーカスしてみましょう。小学校低学年では「月1回」は13.4%に留まり、「ときどき」が57.3%と半分以上を占めます。中学年では「月1回」が32.1%、「ときどき」は47.8%と比率が近づき、高学年になると「月1回」が45.0%となり「ときどき」の38.3%と逆転しています。
月1回 |
ときどき |
|
---|---|---|
低学年 |
13.4% |
57.3% |
中学年 |
32.1% |
47.8% |
高学年 |
45% |
38.3% |
定額制でおこづかいをもらうメリットとデメリット
決まった額のおこづかいを定期的にもらう定額制のメリットは、収入予定を意識しやすく、お金の出入りについて計画的に管理する習慣につながることです。親としても、子供が扱う金額を把握しやすいですね。デメリットを強いてあげるなら、自分からアクションがなくてもお金が得られることから、お金が何らかの対価であるという感覚を育みにくいかもしれません。
お手伝い制のおこづかいのメリットとデメリット
お手伝いに応じておこづかいをもらう形では、お手伝いという自分の行動に価値があること、働くことでお金を得られることが身をもって実感できるでしょう。子供も家庭を支える一員であると自覚してもらうことが期待できます。反面、「お金のためだけにお手伝いをする」という姿勢にならないよう、感謝の声掛けは欠かさないようにするなどの配慮が必要です。
成果報酬型のおこづかいのメリットとデメリット
成績や習い事の昇級など、目標を達成したら〇〇円加算、といったおこづかいのもらい方です。子供のモチベーションに繋がりますし、成果が目に見える形で得られる達成感を味わうことができます。注意すべき点として、「結果のみを評価する」「パパママからの評価=お金」というわけではないことを子供に十分理解してもらいながら進めましょう。
都度制のおこづかいのメリットとデメリット
必要な時に必要な金額だけおこづかいをもらって使うのは、合理的なお金の使い方といえるかもしれません。親としては、言われるまま与えるようなルーズな渡し方にならないように気を付けたいところです。その対策として、なぜその金額が必要なのか親が納得できるように説明させることで、論理的な話し方やプレゼンテーションの訓練にもなりますね。デメリットとしては、貯金に関する感覚が育ちにくいという懸念はあります。
小学生のおこづかいの平均額
おこづかいの金額について、再び金融広報中央委員会のデータを見ていきましょう。小学生については月あたりの金額に加え、回答が多かった「ときどき」もらう場合の金額についても調査結果が記載されています。
「月に1回」もらう場合のおこづかい平均額
学年 | おこづかい平均額 | おこづかい最低額 |
---|---|---|
低学年 | 500円 | 500円 |
中学年 | 500円 | 500円 |
高学年 | 1,000円 | 5,000円 |
※おこづかい平均額は「子どものくらしとお金に関する調査」の中央値で記載しています
毎月おこづかいをもらっている子供では低・中学年は「500円」、高学年は1000円という家庭が多い最も多い結果となりました。中学年頃から1000円をもらっている家庭や高学年で1500円もらっているという回答結果もありました。
「ときどき」もらう場合のおこづかい平均額
学年 | おこづかい平均額 | おこづかい最低額 |
---|---|---|
低学年 | 163円 | 100円 |
中学年 | 500円 | 300円 |
高学年 | 1,000円 | 500円 |
※おこづかい平均額は「子どものくらしとお金に関する調査」の中央値で記載しています
ときどきおこづかいをもらう家庭は低学年は100円、中学年は500円、高学年は1000円をその都度おこづかいとしてもらう、という傾向があります。
おこづかいを月々もらう子供も、ときどきもらう子供も大まかには、学年が上がるにつれ金額が増えるという傾向が見てとれます。
中学生のおこづかいの平均
中学生の1ヶ月あたりのおこづかいは、平均金額にして2,536円となっています。最も多い回答としては「1,000円」でした。 金額帯から見ると「1,000円~2,000円未満」「2,000円~3,000円未満」を合わせて半数を超えています。
高校生のおこづかいの平均
高校生では、平均金額は5,114円、最も多い回答は「5,000円」でした。「5,000円-7,000円未満」の範囲に38.8%が属しており、小中学生と比較すると金額が増えるとともに金額帯のばらつきが小さくなっているといえます。
おこづかいを渡すタイミング
おこづかいの方式や金額が決まったら、あと考えるべきは実際にお金を渡すタイミングです。日付を固定するのか他のタイミングを設定するのか、いくつか例をご紹介します。
月末月初
月1回の定額制をとっている家庭では、月末または月初に渡すパターンはわかりやすい方法です。「〇月分のおこづかい」というのが明確になり、月次の振り返りと計画にも都合がよいと思われます。
給料日の後
家計管理を給料日を軸に行っているという家庭も多いでしょう。お金は働いた結果得るものということを実感してもらうのに、おこづかいも給料日に合わせて渡すというのは効果的かもしれません。子供が自然と、働き手であるパパママへの感謝の気持ちをもつ機会にもなりますね。
その他
お手伝い制や成果報酬制をとっている場合、達成した都度手渡すというやり方がまずひとつ。もしくは、すぐに渡すのではなく金額を積み上げておいて「〇〇円分たまったタイミングで渡す」というのもひとつの案です。ゲーム感覚で取り組む楽しみ方もでき、達成感もひとしおでしょう。
おこづかいを渡す時の注意点
いずれ社会人となっていく上で、金銭感覚やお金の管理は誰もが身につけなくてはなりません。おこづかいを学習のチャンスと捉えて、漫然と手渡すのではなく、お金との付き合い方をしっかり親子で考えてみてはいかがでしょうか。 おこづかいを始めるにあたり注意したい点を挙げましたので、家族で話し合ってみてください。
おこづかいのルールを決める
まずは、家庭なりのおこづかいに関する約束を決めておきます。例えば必要に応じて渡す形式の場合は、その都度用途を確認するのは当然として、ある程度の認可基準を前もって決めておくとよいでしょう。求められるままにお金を渡すような事態が避けられますし、認められない場合も基準が明確であれば子供が納得しやすくなります。
おこづかいの使い道を決める
子供の生活で発生する出費の中には、おこづかいから自分で負担するか、それとも必要な費用とみなして親が出すか、迷うようなものもあります。考えられる例としては、
- キャラクター文房具など必須とはいえない学用品
- お友達と遊ぶ際の交通費や施設利用料、外食費
- お友達へのプレゼント
- お菓子やジュース代
- おしゃれを目的とした服飾費、化粧品
などでしょうか。予想できる範囲で基準を設けて子供と合意しておき、成長につれて随時見直してゆくとよいですね。その時点でおこづかいとしていくらが妥当か考える材料にもなります。
おこづかい帳をつけさせる
お金の出入りを把握しやりくりを学ぶ手段として、おこづかい帳の習慣をぜひ子供に身につけさせてあげてください。計画的なお金の使い方を考え、貯金の必要性を実感するきっかけとしても期待できます。事実、中高生の回答ではおこづかい帳をつけている子供のほうが、「定期的に貯めている」割合が2割ほど高くなっています。
前借や友達への貸し借りはNG
お金の貸し借りをさせないというのは、必ず徹底したいことです。前借りを認めるかは場合によると思いますが、まとまった金額は前借りではなく貯めて手に入れることを原則とした方が、金銭感覚の育成には望ましいでしょう。
おこづかいの使い方に口出ししない
大人から見ると「もっと有意義なものに使ってほしい」「勿体ないのでは? 」「ゲームソフトばかり…」などと感じるようなおこづかいの使い方も、よく見られるものです。口を出したくなりますが、家庭のルールを守った上で、かつ人に迷惑をかけたり社会規範に反することでなければ、本人の判断を尊重してあげたいところです。衝動のままに使って後でお金が足りなくなった、というような経験も貴重な学びとなるでしょう。学年が小さいうちや、毎月のようにおこづかいが足りなくなるような場合は、親子で一緒におこづかいの使い方を振り返る機会を設けるのもよいかもしれません。
まとめ
働いてお金を得るという社会の仕組み、そしてお金を上手に使って暮らしを充実したものにすること。金銭感覚を身につけお金を適切に扱えることは、重要な社会性のひとつです。初めのうちは失敗もあるかもしれませんが、家族でよく話し合ってやり方を決め、自ら学ぶ姿を見守っていけるとよいですね。