進学塾と補習塾は何が違う? どっちがおすすめ? 学習塾の違いと塾選びの基本情報まとめ
子供の学習塾にはどんな種類がある?
学習塾と一口に言っても、規模や授業の内容などでさまざまなタイプがあり、それぞれ異なる特徴を持っています。まずは、「何のために塾に通うか」という目的で大まかに次のような種類に分けられます。
学習塾の種類1:補習塾
名称の通り、学校での学習について「補う」のが補習塾です。授業についていけるか不安な場合や、通知表・定期テストの成績を上げたいと考える子供に適しています。公立校受験や推薦入試などを見据えて、内申点をしっかり保つ目的で通う生徒もいるでしょう。具体的には、教科書や授業内容を復習中心にフォローすること、および学校での定期テスト対策に主眼が置かれることになります。
補習塾のメリットとデメリット
今やっている授業の理解・成績という身近なところに目標があるため、個人に合った指導が期待でき、結果が目に見えやすいメリットがあります。反面、受験を考える場合や、先取り学習をしたい場合には補習塾だけでは十分ではない可能性があります。
学習塾の種類2:進学塾
受験に向けて、入試で点数を取れることを目指すのが進学塾です。名門校への合格実績をアピールする有名塾の広告を目にする機会も多いのではないでしょうか。私立校受験に強い塾、公立一貫校受験に強い塾のように、業者によって得意分野が異なる例もあります。「新3年生」「新5年生」のようにコースの開講タイミングが決まっている塾もありますので、進学目的の場合は早めにリサーチしておいたほうがよいかもしれません。
進学塾のメリットとデメリット
受験を目指す家庭にとって、入試という目的に直結するカリキュラムはもちろんのこと、進路に関する情報を得やすい点も大きなメリットです。また、同じ目標あるいは近いレベルの生徒が進学塾に集まることで、切磋琢磨し意欲を保つことが期待できます。しかし、裏を返すと、競争がプレッシャーになるなど、子供によっては負担が大きなものとなる可能性があります。合格数という実績を出したい塾に対し、本人の意欲や進路希望が折り合わないケースも起こるかもしれません。
学習塾の種類3:総合塾
上記に述べた、補習塾と進学塾の特性を併せ持つのが総合塾とよばれる塾です。総合塾の規模にもよりますが、多くは、学力や目標に応じて補習クラス/進学クラス/難関進学クラスのようにクラス分けがされるようです。
総合塾のメリットとデメリット
受験の有無は決めていないがとりあえず塾で勉強はさせておきたいというような場合、対応してもらえる幅が広いというのは安心材料になりますね。ただ、補習をメインの目的として通っている生徒が途中で入試対策に切り替えることには、同じ塾内であってもハードルがある可能性は意識しておいたほうがよいでしょう。なぜなら、進学クラスは学校の授業よりずっと進んだ学習内容を扱うなど、補習クラスとは難易度に隔たりがあることも見られるためです。
子供の指導形態による学習塾の違い
塾のタイプについて、次は指導形態という観点で見てみましょう。講師と生徒の人数比や関わり方といった指導体制が子供に合っているかということも、塾通いの効果に大きく関わります。
学習塾の指導形態1:集団で授業を行う
学校の授業のように、1人の講師が大人数に対し同時に指導する形態です。仲間がいることで塾通いのモチベーションが保ちやすいですし、周囲から刺激を受けて学習意欲が高まることも期待できます。カリキュラムに則った授業で計画的に勉強できる反面、学力レベルやペースが本人に合わない場合は、思うように結果に結びつかない恐れがあります。
学習塾の指導形態2:個別指導
家庭教師のように、生徒に対し講師がマンツーマンに近い形で指導する形態が個別指導です。個人に合った教え方を考慮してもらえ、周囲のペースを気にすることなく質問や相談がその場でできるので、効率的に学習が進められます。集団指導と比較すると費用は高めになる傾向があります。
学習塾の指導形態3:自習型
生徒が各々主体的に学習を進めていき、必要に応じて講師の指導や進捗管理のサポートを受ける形態です。単元の理解には参考書や映像などの教材を使い、カリキュラムに沿った量の問題演習をこなすという進め方が多いようです。自分のペースで集中して学習に取組みつつ、他の生徒がいることで適度な緊張感を保つことが期待できます。疑問があればすぐフィードバックを受けられるという点も大きなメリットです。自習型の塾は主体的な姿勢が求められるため、子供の性格によって向き不向きはあるかもしれません。
学習塾の規模の違い
続いては塾の規模による違いです。全国的に展開する大手塾から地元の子供ばかりが通う小規模な個人塾まで、さまざまな規模があり、それぞれにメリットが考えられます。
大手塾
大規模で実績が豊富な大手塾は、標準的な学習内容や有名校入試についてノウハウがあり、信頼できるカリキュラムが組まれていることが大きな利点となります。教室が通いやすい立地に展開されていることも魅力です。マニュアルがしっかりしている反面、個人に即した対応という面では場合によっては不足を感じる場合があるかもしれません。
中規模塾
さまざまな規模・特色をもつ塾があるため、目的や環境に合う教室を選べば強い味方になるでしょう。例えば、特定の地域内で複数教室を展開しているような塾は、地元校の入試に強みを持つと考えられます。中には英語やプログラミングなど、特定の教科に特化した専門塾と呼ばれる塾もあります。また、大手塾で大人数の普通クラスに入るよりも、人数の限られた中規模塾でより上位クラスの指導をみっちりと受けることを狙うという選択肢も聞かれます。大手塾と比べると費用が抑えられる傾向にあります。
個人塾
個人経営の塾は、生徒数が少なく、そのぶん個人に寄り添ったフォローが期待できます。地元の学校にしっかり対応した指導を受けたい場合にも有力な選択肢となります。先生との関係も深くなりますし、友達と一緒に通えるなど、子供が塾に馴染みやすいことも魅力ですね。ただ、小規模であるほど合格実績などは限られた範囲になり、難関校対策のノウハウ蓄積といった面では大手塾に利があることは否めません。
学習塾選びのポイント
実際に学習塾を選ぶにあたっては、通える立地にあること、費用が折り合うことが、当然ながら前提となります。入校試験が厳しい塾や受講生募集のタイミングが限られている塾もありますので、塾通いを始めたい時期と合致するかということも考慮が必要です。
また、部活や習い事と両立したい子供にとっては、授業の振替え制度があるかどうかも学習塾選びの重要な要素になります。以上のようなハード面の条件をクリアした上で、子供に合った塾選びをできるとよいですね。例えば、本記事で見てきたように、塾に通う目的(補習塾/進学塾/総合塾)、指導・管理体制が子供の性格に合うか(集団指導/個別指導/自習型)、などの観点が考えられます。講師との相性や実際の雰囲気を知るには、見学や体験入学、身近で実際に通っている人からの口コミも活用するとよいでしょう。
まとめ
小学生から学習塾に通うことが一般的になった現代では、いずれ塾通いをさせる予定という家庭は多いでしょう。ただ、進路を考えるときになって慌てて塾を探したり、友達が通っているから何となく自分も……という選び方になってしまうと、より適した塾に出会う機会を逃してしまうかもしれません。情報収集の手始めとして、塾にはいくつかのタイプがあるということを本記事で少し心にとめておいていただき、納得いく塾選びにつなげていただければと思います。