子供のイヤイヤ期はいつからいつまで? 原因や絶対にNGの対応とは?
目次
イヤイヤ期はなぜあるの? 原因はなに?
イヤイヤ期は「第一次反抗期」ともいわれ、原因は親のしつけや接し方次第ではなく、脳の発達の過程で起こるものです。多くの子供はイヤイヤ期が2歳から3歳頃に始まりますが、この時期は前頭前野と呼ばれる脳の部分がまだ未発達です。前頭前野は、脳の中でも「理性」を司る場所とされ、衝動的な欲求を抑え、目標に向かって努力する機能を担っています。この前頭前野が成長過程にある3歳ごろまでの時期は、本能的な欲求を抑えることが難しく自分の主張を通そうとイヤイヤが起きるのです。
イヤイヤ期がない子もいるのはなぜ?
イヤイヤ行動の現れ方には、個性による差が多く見られます。ママが追い詰められてしまうほどに、激しい主張をする子がいる一方で、「イヤイヤ期がなかった」と見過ごされるくらい、とても表現が控えめな子供もいるのです。こうした子供の個性・表現の差によって、ママの疲れ具合は大きく異ってきます。しかし、程度の差はあれイヤイヤ期はすべての子供たちが通る大切な成長過程のひとつなのは間違いありません。
イヤイヤ期はいつからいつまで?
月齢 | イヤイヤ率 |
---|---|
0歳(0ヶ月~5ヶ月) | 4.7% |
0歳(6ヶ月~11ヶ月) | 8.7% |
1歳(0ヶ月~5ヶ月) | 22.1% |
1歳(6ヶ月~11ヶ月) | 56.8% |
2歳(0ヶ月~5ヶ月) | 77.3% |
2歳(6ヶ月~11ヶ月) | 72.3% |
3歳(0ヶ月~5ヶ月) | 61.3% |
3歳(6ヶ月~11ヶ月) | 44.1% |
4歳(0ヶ月~5ヶ月) | 36.0% |
4歳(6ヶ月~11ヶ月) | 29.6% |
5歳(0ヶ月~5ヶ月) | 23.7% |
5歳(6ヶ月~11ヶ月) | 24.2% |
博報堂こそだて家族研究所と、博報堂発の次世代育児アイテムPechat開発チームが子供のイヤイヤ期の実態調査をするため、0歳~5歳児を育てるパパママにインターネット調査をおこないました。
その結果、イヤイヤ期は1歳半頃から始まる子供が多く、のピークは2歳半頃というデータが判明! イヤイヤ期は英語でも「terrible two(ひどい2歳)」と呼ばれ、日本だけではなく、世界中のママたちが2歳児のイヤイヤに悩まされています。
1歳ごろのイヤイヤ期
早い子なら1歳頃からイヤイヤ期が始まり、自分でおもちゃを片付けられず泣く光景が見られます。実は、この行動もイヤイヤ期の予兆とも言われています。しかし、まだ子供自身が言葉で「イヤ」という主張をすることも難しいため、これをイヤイヤ期の予兆と捉えるママは少なく、イヤイヤ期と認識されることはほとんどありません。
1歳半ごろからのイヤイヤ期
1歳半を過ぎると子供は言葉の理解が進み、より自我が芽生えることから自己主張が本格的になっていきます。そのため、この時期になると「ついにイヤイヤ期が始まった!」と感じるママも多いでしょう。イヤイヤの行動は子供の個性だけではなく、ママ側の捉え方・感じ方によっても認識が異なるため、時期に多少の差があります。
2歳のイヤイヤ期
2歳は「魔の2歳児」といわれるように、多くの子供がイヤイヤ期のピークを迎えます。育児の中で、パパママがもっとも頭を悩ませる時期でしょう。この年齢は、知能が発達して自己主張が強くなりますが、脳も未熟で感情のコントロールができません! さらに、体や言葉の発達は未熟なので「やりたいのにできない」ことに対してイライラしてしまい、かんしゃくを起こす子供もいます。
イヤイヤ期の目安は3歳前後?
イヤイヤ期のピークは2歳! 終わりの見えない日々に、毎日の育児が大変で外出するのですらイヤになるパパママも多いでしょう。しかし、多くの子供の場合、3歳から4歳頃になると、子供は周囲への理解や衝動のコントロールが効くようになってくるので、少しずつ落ち着きます。
イヤイヤ期は子供の個性とパパママ側の捉え方が大きく影響するため、5歳を過ぎても落ち着かない子供もいるでしょう。子供が3歳になるとイヤイヤ期がピタリと終わるわけではありませんが、必ず終わりはあります。少しずつパパママも子供の行動に慣れ、上手に対処できるようになるので、気長に成長を見守りましょう。
イヤイヤ期の行動10選と発動すると困る場所
毎日の行動の中で、突然イヤイヤ期が発動! 全身を使って反抗する子供を目の前に、パパママは「なぜ今?」と不思議に思うでしょう。先輩パパママが経験した「あるあるイヤイヤ行動」を集めてみました。我が子はどのぐらい当てはまりますか?
イヤイヤ行動1.歯磨き・着替え・おふろのイヤイヤ
基本的な生活習慣として身につけさせたいのに、イヤイヤする子が多いこの3つ。放っておくことで健康に影響するので、なかなか見過ごすこともできず、困り果ててしまうイヤイヤ行動のひとつです。我が子の場合、あまりのイヤイヤに着替えるのをあきらめてパジャマのまま保育園に登園したこともあります…。
イヤイヤ行動2.何でも自分でやりたい!でもできない!イヤイヤ
多くの子供は1歳半頃になると、自分でやってみたいという欲求が強くなります。しかし、手先の器用さなどは伴わないことも多く、やらせてみたもののできずに泣き出す・怒り出すを繰り返し、サポートしてあげると「イヤイヤ~!」と手がつけられない状況へ…。結果、余計に時間がかかってしまうなんてことは、育児中によくある話です。とくに、出かける前にイヤイヤ期が発動すると、収集のつかない状況を見ることも珍しくありません。
イヤイヤ行動3.同じものじゃなきゃイヤ!こだわりのイヤイヤ
お気に入りの服やおもちゃ、同じものを準備してくれないとイヤイヤが始めるやっかいな行動です。洗濯したいと思ってもできなかったり、イヤイヤに根負けしてあわてて乾かして同じ服を着せたり、一度は経験したパパママも多いでしょう。こだわりのイヤイヤを発動しないために、しかたなく「お気に入りのものは2つ準備している」というパパママもいます。
イヤイヤ行動4.寝るのはイヤイヤ
絶対に疲れているはずなのに寝たくない! と泣いて怒るパターンのイヤイヤ。かんしゃくを起こした結果、泣き疲れて電池が切れたように寝てしまうことも…。パパママにとっても寝かしつけがつらくなるパターンです。また、眠いのにうまく言葉にできずイヤイヤしてしまうこともあり、寝るまで体重15キロの3歳児をずっと抱っこした経験があります。
イヤイヤ行動5.もっと遊びたい! イヤイヤ
公園で遊んでいたり、子育て支援センターで遊んでいるとき「〇〇したら帰ろうね」「うん!」と約束したのに、うまく切り上げられずにイヤイヤ…。帰宅後はご飯したくや部屋の片付けなど、スケジュールでいっぱいなのに、一向にその場から離れない子供にパパママの気持ちは焦るばかりです。夕方、公園で泣き叫びながら連れ帰られる子もよく見る光景です。
イヤイヤ行動6.ベビーカーや抱っこにイヤイヤ!
1歳~2歳ごろはあんよが安定しない子も多く、長距離の移動にはベビーカーが便利。ところが、ベビーカーに乗るのをイヤイヤする子も増えます。結果、パパママは片手にベビーカー、片手に子供を抱っこという重量トレーニング状態に! こんなパパママを見かけたら、ぜひ手助けしてあげたいです。
イヤイヤ行動7.買ってくれなきゃイヤイヤ!
子供との買い物のハードルが急に上がるのもイヤイヤ期。自分の気に入ったものや欲しいものがはっきりしてくるので、スーパーやおもちゃ屋は連れて行くと大変。筆者の子供はなぜか「サラダ油」を持たせて落ち着いたこともあります。自動販売機やガチャガチャも一度買ってあげるとずっと欲しがったりするので注意!
イヤイヤ行動8.床や地面に転がってイヤイヤ
泣くだけでなく、パパママを困らせるのが地面に転がってイヤイヤするパターン。外出先や道の真ん中でもお構いなしで地面にゴロゴロ…。こうなると抱え上げて連れ帰るしかないことも多く、せっかくセールの品目当てで買い物に来たのに手ぶらで帰宅という日が多々ありました。
イヤイヤ行動9.パパママの気を引きたくてイヤイヤ
イヤイヤの泣きの中には、パパママの気をひきたくて泣いていることも。激しく泣いているなぁと思ったら、パパママの顔をチラっと見ては再び泣くことも。こうした「構って泣き」はかわいいですが、毅然とした態度が必要です。
イヤイヤ行動10.大好きなものでもイヤイヤ!?
もうとにかく何でもイヤイヤした結果、パパママが「お菓子食べる?」と聞いても「イヤー!」と答えてハッとする子も。イヤイヤ期には手を焼きますが、こんなかわいらしい瞬間があるのも子供らしいですよね。イヤイヤを逆手にとって、「歯磨きやめようか?」「イヤ!」の誘導作戦は、子供が成長した時に思い出話になりますよ。
イヤイヤ期で一番困る場所がココ!
博報堂こそだて家族研究所×Pechatのイヤイヤ期の研究をおこなうチーム「イヤイヤ研」は、子供の「イヤ~!」が発動して困る場所を調査しました。その結果、上位2位は「お店」を占めたのです。
・物販店(47.8%)
・飲食店(35.3%)
・食卓(34.8%)
・リビング(28.9%)
・歩道や歩いている時(28.1%)
・車の中、車の乗り降り時(24.8%)
お店の中でイヤイヤ期、経験したパパママは多いでしょう。どんなに騒がしい店内でも、子供のイヤイヤ期は注目の的。筆者は食べ放題のお店で、ジュースいっぱいだけ飲んで会計した経験があります。家の中ならまだしも、さすがに公共の場でイヤイヤが始まると、焦りと汗でいっぱいです。
イヤイヤ期のストレスは圧倒的にママが多い!
イヤイヤ期はパパママにとって悩みごとのひとつですが、中でも負担を感じているのはママ側という事実をご存じですか? 共働き世帯が増えているとはいえ、育児の割合はママという家庭はまだまだ多いです。とくに、専業主婦の場合、日中に育児の協力者がいないため、子供のイヤイヤ期に手を焼きストレスを感じています。イヤイヤ期に悩んでいる時は、育児相談したり同じ悩みを持つママの意見を見るのもおすすめです。
公益財団法人 母子衛生研究会
森乳コミュニケーション株式会社|エンゼル110番
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