腹帯はいつから着ける? タイプ別のおすすめ商品、着け方動画を紹介
腹帯の役割って何?
妊娠中に着ける腹帯には、大きくなったお腹を支えて腰痛や背中の痛みを和らげたり、お腹を温めて冷えを防いだりする役割があります。
昔は岩田帯と呼ばれるさらしの帯を使ってきましたが、現在は腹巻タイプやベルトタイプなど腹帯にもいくつか種類があり、各メーカーがさまざまな商品を販売しています。
お腹を支える・腰痛を軽減する
妊娠中するとお腹が大きくなって体の重心のバランスが変わってきます。今まで使ってこなかった筋肉も使って体のバランスを取るため、腰や背中に負担がかかってくるのです。
腹帯を巻くと大きなお腹が支えられるので、腰痛が軽減する、体のバランスが取りやすくなるなどの効果があります。
寒い時期にお腹を保温する
妊娠中のママにとってお腹の冷えは大敵です。ママの体が冷えると全身の血行が悪くなり、お腹が張りやすくなる、腰痛や肩こりになる、胃腸が冷えて便秘や下痢になることがあります。
腹帯を巻くとお腹や腰回りの保温にもなるので、寒い時期はとくにお腹を温めることを意識しましょう。
腹帯はいつからつけるの?
腹帯をつけ始める目安はお腹が大きくなり始める妊娠5ヶ月ごろ、ちょうど「戌の日のお祝い」の時期になりますが、巻く時期に特別な決まりはありません。
自身のお腹の状態や体調を考慮して腹帯を使う人もいます。お腹が冷えたり張ったりするなら、戌の日より前に腹帯を使い始めたほうがよいでしょう。
戌の日参りの時期にまだ腹帯が必要なさそうであれば、必要になってから腹帯を使い始めても問題ありません。
腹帯は必要ない?
腹帯は医学的に絶対に必要なわけではなく、医師によって有用性も分かれます。
「腹帯を巻いて不快に感じるなら無理に腹帯を使う必要はない。ママが腹帯を巻いたときに心地よく、体が楽になると感じることが大切」とする医師の意見もあります。
ただ古くからの風習である戌の日参り(安産祈願)を楽しむ意味で着用する人もいます。戌の日参りをきっかけに、まずは腹帯を使ってみるのもいいですね。
戌の日参り(安産祈願・帯祝い)とは?
戌の日参りとは、妊娠5ヶ月目の最初の戌の日に神社に参拝し安産を祈願することです。
戌(犬)は多産でお産も軽いため、昔から安産の象徴とされてきました。また妊娠5ヶ月頃は、安定期に入り体調が落ち着いてくるとともにお腹が目立ち始める時期でもあるため、妊娠5ヶ月目を目安に戌の日に安産祈願をして腹帯を巻く風習が伝わりました。
戌の日と大安が重なった日はとくに縁起が良いと人気なので、ご祈祷に予約が必要なら早めに神社に連絡しましょう。安産祈願を行う神社では、腹帯を販売しているところやママ側が予め準備した腹帯にご朱印を押してくれるところもあります。
腹帯は誰が買うの?
古くからの慣習では、戌の日の「帯祝い」には、ママの実家が紅白の絹帯を準備して贈っていました。
現代では腹帯を誰が準備するかについて明確なルールはありません。両家から現金をもらって自分の好きな腹帯を購入するママもいます。
筆者の場合、義母が勝手に腹帯を準備してしまい両家がギクシャクしました。腹帯については、両家の意向を鑑みつつ夫婦で話し合って決めるとよいでしょう。
腹帯の正しいつけ方
腹帯を使おうとしてもつけ方がイマイチわからないというママも多いですよね。
腹帯は誤ったつけ方をすると血行が悪くなり、むくみや貧血を起こすなどの可能性もあるので、正しいつけ方を理解しましょう。
ベルトタイプの腹帯と、さらしの腹帯(岩田帯)のつけ方をそれぞれ動画で紹介します。
ベルトタイプの腹帯の巻き方
- 腹帯の中心を正面に持ってきて、お腹を下から上へ持ち上げるようにして腹帯を当てる
- 腹帯を背中に回し、お腹の大きさに合わせて内側の腹帯を留める
- 外側にあるサイドの部分を引っ張り、締めつけないようにお腹の前で留める
- 腹帯を留めるときは心地よいと感じる位置に調節
※腹帯とお腹の隙間がきつくて手が入らなかったり、腹帯を外したときに痕が残っていたりする場合は腹帯をきつく締めすぎています
さらしの腹帯(岩田帯)の巻き方
- 折り目を下にして腹帯を半分の幅に折り、柄の入った面が内側になるように端からくるくると巻く
- 腹帯の折り目を下にして、斜め下から上になるように腹帯を下腹部に当てる
- 片方の手でお腹に当てた腹帯を押さえながら、もう片方の手でお腹に沿うように腹帯を巻く。お腹の中心で腹帯をねじって裏返しながら、お腹のカーブに合わせて下からお腹を持ち上げるように腹帯を巻いていく。このとき巻き始めの部分が巻いた腹帯の下からはみ出すので、2回ほど巻いたらはみ出した部分を上に折り返し、その上から腹帯を巻き込んでいく
- 最後の部分を三角に折り、巻いた腹帯の上に挟みこむ
※腹帯を巻いて苦しさを感じたり圧迫感を感じたりするときは腹帯をきつく巻きすぎなので、もう少し緩めましょう
腹帯が苦しい場合は?
腹帯を締めすぎると苦しくなることがあるので、心地よい状態に腹帯を調節しましょう。
体調がすぐれない、腹帯が肌に合わないなど、使っていて心地よいと感じられなければ無理に腹帯をつける必要はありません。
腰痛が気になる場合はお腹を締めつけない骨盤ベルトという選択肢もあります。
タイプ別おすすめ腹帯を紹介
最近では腹帯にも複数のタイプがあり、装着感もそれぞれ違います。使い心地や扱いやすさ、着用する季節やシーンによって腹帯を選びましょう。
腹巻タイプの腹帯の特徴
腹巻タイプの腹帯はお腹にすっぽり巻くだけと使い方が簡単で、トイレのたびに毎回腹帯を外さずに済むため気軽に使えます。
伸縮性がよくお腹を優しく包み込んで温めてくれるので、つわりのある妊娠初期やリラックスタイムにもおすすめです。後述するベルトタイプと併用できます。
筆者は長女の妊娠中、お腹が大きくなる時期に真冬を迎えたので、お腹を冷やさないように腹巻タイプの腹帯を使っていました。多少腹帯がかさばりましたが、ゆったりとした服ばかり着ていたのでそれほど気になりませんでした。お腹だけでなく体全体が温まる感覚に、毎日腹帯が手放せませんでした。
腹巻タイプの腹帯|犬印本舗 マタニティ ママのための腹巻
マタニティウェア専門の犬印本舗が販売している腹巻です。肌に優しい綿混素材を使っていて、薄手なのでかさばりにくく履き心地もスッキリします。夜寝るときや夏場エアコンで冷えるときにもおすすめです。
腹巻タイプの腹帯|マドンナ オーニックコットン100% 妊婦帯
オーガニックコットン100%の腹巻です。縫い糸やタグ、天然ゴムを覆うカバーまで全てオーガニックコットンを使ったこだわりの商品なので、妊娠中の敏感な肌にも安心ですね。素材本来の風合いを残すため化学処理や加工をしていません。
ベルトタイプの腹帯の特徴
妊娠中期以降に大きくなったお腹を下から支えるベルトタイプの腹帯は、お腹を支えることで腰への負担を軽くするため、腰痛や背中の痛みに悩むママにおすすめです。
お腹の大きさやサポート感に合わせてベルトの位置を調整できます。
ベルトタイプの腹帯|ピジョン らくらく調節妊婦帯ベルト
ピジョン独自の設計により、背中に手を回さずにサイドで楽につけ外しできます。外側のベルトで締め具合を調節でき、サポートパネルが大きなお腹をしっかり支えて腰への負担を軽減します。お腹に直接触れる部分は綿100%の素材を使っているので、肌に優しくて安心ですね。
ベルトタイプの腹帯|ローズマダム 腹帯腰らくシリーズ ワンタッチベルト調節タイプ
使い方は両サイドのベルトを前で留めるだけなので、外出時やトイレの時も簡単につけ外しできます。サイドにある通し穴にベルトを通せば、腰回りがもたつかず洋服も上からスッキリ着られますよ。
ベルト部分には伸縮性の高い特殊素材を使用し、しっかりと腰をサポートします。お腹の部分の素材は綿100%で肌あたりがよくサラッとした使い心地です。
ガードル一体型の腹帯の特徴
履くだけで使える腹帯とガードルが一体になったタイプの腹帯です。
下着機能もついている商品なら、腹帯1枚で履けるため動いてもズレにくくトイレも楽に行けますよ。見た目にもスッキリ履けるので、外出時にパンツスタイルが多いママにもおすすめです。
ガードル一体型の腹帯|犬印本舗 ママと犬印の共同企画らくばきパンツ妊婦帯
ママたちの声を元に作られた吸汗性のよいカットソー素材の腹帯です。お腹の部分に縫い目が肌に当たらない加工を施しています。裏打ちの部分には白い綿素材を使い、おりものの変化にもすぐに気付けるようにしています。
ガードル一体型の腹帯|ワコール ファーストマミングボトム 検診時に便利な開閉タイプ
下着ブランドのワコールで扱う腹帯で、お腹の部分は面ファスナーで開閉できます。お腹の大きさの変化に合わせてサイズを調節できるうえ、検診の時にもサッとお腹を見せられる便利な腹帯です。
さらしタイプの腹帯の特徴
戌の日参りのご祈祷によく使われるのが、さらしタイプの腹帯です。長い1枚の布を巻いて使うので、お腹の大きさに関わらず誰でも使えます。
トイレのたびに毎回巻き直すのが面倒、布が何重にもなるためかさばったり蒸れたりするなど、さらしタイプの腹帯を敬遠する人もいるかもしれません。
しかし赤ちゃんに優しい綿100%素材を使った腹帯も多く、産後は小さく切ってガーゼや布オムツなどに転用できるメリットもあります。
さらしタイプの腹帯|ピジョン 祝い帯
パッケージにおめでたい水引をデザインしています。巻き終わりの部分には伸縮性のある素材を使用し、時間が経っても緩みにくい工夫をしています。産後も骨盤ベルトとして使えますよ。
さらしタイプの腹帯|犬印本舗 さらし妊婦帯 たんじょうⅡ
初めてさらしタイプの腹帯を使うママにも使いやすいように、巻き始めに仮止め用のマジックテープ、巻き終わりに伸縮性のある素材を採用しています。巻き終わりの部分には三角カットを施して、巻いた箇所に差し込みやすくしました。
腹帯と骨盤ベルトの違い
腹帯はお腹を温めたり下から支えて腰痛を和らげるために使います。
骨盤ベルトは緩んだ骨盤を支えて骨盤や腰、恥骨の痛みを和らげたり、尿もれや便秘の対策にも使います。
骨盤ベルトはお腹ではなく骨盤に沿わせるように巻くため、腹巻タイプやガードル一体型の腹帯と併用もできます。産後もそのまま産褥ベルトとして長く使えます。
筆者も妊娠中にひどい腰痛になり、助産師に勧められて骨盤ベルトを使い始めました。産後5年以上経った今でも腰痛で辛いときに骨盤ベルトを使っています。
骨盤ベルト|トコちゃんベルト2
トコちゃんベルトはもともと妊婦さんの骨盤ケアのために作られ、今では産前・産後以外の人にも広く使われています。トコちゃんベルトには1~3の3種類あり、トコちゃんベルト2は妊婦さんにとくにおすすめのタイプで、緩んだ骨盤の後ろ側を支えて骨盤を整え腰をサポートします。
骨盤ベルト|dacco 産後用骨盤ベルト キュッとベルト 着用感標準タイプ
ママと助産師の声をもとに作られた骨盤ベルトで、産後の緩んだ骨盤を支えます。下腹部に当たる箇所が一段低くなっていて、座ったときにズレにくい工夫をしています。心地よい位置にワンタッチテープを留めるだけと、使い方も簡単です。
骨盤ベルト|ピジョン 妊娠中から使える骨盤ベルト
助産師とピジョンが共同開発した商品で、伸縮性があって柔らかく、痛くなりにくい素材を使っています。本体のベルトと外側のベルトの2段階で固定させるため、骨盤をしっかり締められます。お尻の部分はぴったりフィットするメッシュの立体構造になっていて、動いてズレたり蒸れたりしにくく快適に使えます。
まとめ
妊娠中は日々大きくなってくるお腹に嬉しく待ち望む気持ちがありながら、腰痛に悩んだり身動きが取りづらかったりと大変ですよね。
腹帯を使うと腰の痛みが軽減して楽になることもあるので、導入を検討してみるのもいいですね。腹帯のサイズは商品やメーカーによってさまざまなので、可能ならお店で試着するとよいですよ。