子供の理想的な睡眠時間と平均睡眠時間は? 子供の睡眠不足を解消したい!
目次
子供には必要な睡眠時間が決まっている
昼間、元気いっぱいに遊ぶ子供にとって、夜の睡眠時間はとても重要です。各家庭の生活スタイルによって就寝時間は違うでしょう。2015年にアメリカの国立睡眠財団が発表した年齢ごとの推奨睡眠時間が話題になり、我が子の睡眠時間が気になっているパパママも多いでしょう。
アメリカ国立睡眠財団が発表した年齢ごとの推奨睡眠時間
よちよち歩き(1~2歳) | 11~14時間 |
未就学児(3~5歳) | 10~13時間 |
就学児(6~13歳) | 9~11時間 |
ティーンエージャー(14~17歳) | 8~10時間 |
子供の睡眠不足はどんな影響がある?
毎朝ぐずぐずして機嫌の悪い子供、寝たくないと泣いて暴れる子供、なかなか起きないなど、子供の睡眠不足は子供にとっても親にとっても大変。睡眠不足による影響は計り知れません。日々の積み重ねである睡眠時間が足りないと、心や身体にどんな影響を及ぼすのでしょうか。
子供の睡眠不足の影響1:体や成長への影響
子供の睡眠不足が続くと、成長ホルモンの分泌に影響を与えます。成長ホルモンはヒトの体内で作られ、体のさまざまな器官をコントロールします。成長ホルモンの分泌が悪くなると、免疫力の低下を招き、風邪を引きやすくなったり、新陳代謝が悪化し肥満体質になることもあります。また、身長が伸びない、筋肉の発達などに大きな影響が出ることもあります。睡眠不足が与える悪影響は幼少期だけではありません。将来的にも、糖尿病や高血圧など生活習慣病のリスクを上げてしまうことが調査結果でも明らかになっています。
子供の睡眠不足の影響2:学力への影響
睡眠不足は学力にも影響します。睡眠不足は認識力、集中力、理解力などの低下を招きかねません。眠りの種類でよく知られている「レム睡眠」「ノンレム睡眠」は子供の学力にも影響があります。レム睡眠とは、脳が活発に働いている状態を指し、記憶の定着や整理が行われているといわれています。ノンレム睡眠とは、大脳が働きを止め、身体の疲労回復をしているといわれています。記憶の整理・定着、知能の発達、集中力や記憶力を高めるためには、睡眠時間をたっぷりとり、90分ごとに訪れるレム睡眠、ノンレム睡眠をしっかり繰り返すことが必要なのです。
子供の睡眠不足の影響3:心への影響
子供の睡眠不足による悪影響は、心も脅かします。幼い子供は、眠気のコントロール、感情のコントロールがうまくできません。睡眠不足が続く子供は、心に悪影響を及ぼし、ちょっとしたことで癇癪を起こしたり、情緒不安定になったり、イライラしたり、多動、衝動的になったりと問題行動が多くみられます。
日本の子供は睡眠不足気味
日本は大人だけでなく、子供にとっても「夜更かし天国」と呼ばれていることをご存知ですか? 世界的にも、日本は睡眠時間が短い国です。日本小児保険協会の調査によると、22時以降に寝る子供の割合が、1歳6ヶ月で55%を超えています。子供の夜型化が進む背景には、「お昼寝をしているから」など睡眠への意識の低下だけでなく、共働きの家庭が増え、夜遅い食事、入浴など家族で過ごす時間自体が遅くなり、子供の睡眠時間が削られ睡眠不足気味になっている傾向が指摘されています。実際に、寝具ブランド「トゥルースリーパー」を発売する「ショップジャパン」が行った調査によれば、小学生~中学生の親の約4割が子供の睡眠不足を感じているとしています。
日本の子供の平均睡眠時間
実際の日本の子供の平均睡眠時間を見てみると、平均年齢2歳6ヶ月の子供を対象に行われた「第3回 21 世紀出生児縦断調査」では「10 時間台」が43.4 %、「9時間台」が30.9 %、「11 時間以上」15.5 %となっており、7割以上が理想の睡眠時間より短くなっています。また、小学生を対象にした「平成27年版 子供・若者白書」では10~12歳の平均睡眠時間は8時間14分と、こちらも理想の睡眠時間を割っています。(平均就寝時間と平均起床時間より編集部算出)
子供の睡眠不足はどう判断する?
まずは、子供をしっかり観察し、睡眠不足サインを見逃さないようにしましょう。昼間に居眠りをしている、情緒不安定になっている、寝ることも忘れ物事に夢中になったりしている場合は、睡眠不足のサインが考えられます。また、推奨されている睡眠時間に足りてないと感じた場合、睡眠不足だと判断できます。他にも、平日に比べ土日の週末、いつもの起床時間より3時間以上寝ている場合も睡眠不足だと判断して良いでしょう。
子供の睡眠不足に悩むパパママの声
そうはいってもなかなか寝てくれない、夜中に何度も起きてしまうなど、寝てくれない我が子に親は四苦八苦しています。心身共に疲弊している親も多く悲鳴をあげているママも…孤独になりがちな深夜の育児、子供の睡眠不足に悩む親の声をご紹介します。
- 赤ちゃんの頃から寝ない我が子。現在4歳、まだまだ寝てくれません。ただ、入園してからはお昼寝なしで夜睡眠11時間ほど寝てくれるようになりました。夜中に起きる回数も減り、睡眠時間を少しずつ確保できています。
- 現在1歳2ヶ月になる男女の双子を育てていますが、息子が寝てくれません。生後8ヶ月から夜泣きが始まり、1歳を過ぎた現在も夜泣きが激しく2時間泣き続け、やっと寝ても夜中に何度も起きてぐずります。昼間たっぷり遊ばせ疲れさせても寝てくれません。双子なので育児に休む暇もなく、体力的にも精神的にも少しつらく感じています。
- とにかく寝ない娘に困っています。絵本を何冊も読んだり、ドライブに連れて行ったり、歌を歌ったり、寝たふりをしても寝てくれません。娘の様子もおかしく、睡魔で足下がふらつき、食事もまともに取れません。睡眠不足なことは明らかです。娘の睡眠障害を疑っています。このまま娘が寝てくれない日々が続くと、私がおかしくなって子供を愛せなくなりそうです。
子供の睡眠不足の解決方法
子供の睡眠時間は、パパママの睡眠時間や体力を奪って、心の余裕もなくしてしまいがちです。どうしたら、十分な睡眠をとれるのか解決していきましょう。
子供の睡眠不足の解決方法1:早起きから始めてみよう
子供の睡眠不足に悩むパパママは、まず子供を早寝させようと試みますが、早寝よりも早起きから始めるほうが効果的です。人間の体は、朝起きて太陽の光を浴び体内時計をリセットを行います。不規則な生活をしていると、体内時計が狂ってしまい、睡眠時間に大きな影響を与えます。ベランダから、または窓から顔を出すだけでもいいので太陽の光を浴びることを意識してください。狂った体内時計も徐々に正常に戻り、夜になると自然と眠くなります。早寝を意識するのではなく、早起きをして太陽の光を浴びましょう。
子供の睡眠不足の解決方法2:親の睡眠時間を整えよう
子供の睡眠時間ばかり気にしてパパママの睡眠時間が不規則になっていませんか? 親の生活習慣は子供にも大きな影響を与えます。親が遅くまで起きていると、子供も夜型になる可能性が高くなります。睡眠文化研究所の調査結果によれば、特にママの睡眠リズムが子供の睡眠リズムに影響を与えることがわかっています。仕事が遅くなり、帰宅後、家事を終わらせ、子供を寝かしつけて、やっと自分の時間を確保でき、SNSや動画サイト、テレビ、読書などを楽しむママも多いですが、子供と一緒に就寝するなど睡眠時間を整えることを意識しましょう。
子供の睡眠不足の解決方法3:睡眠障害がないか見極めよう
生活リズムを整えたり、たくさん体を動かしても寝ない、授業中に眠ってしまうなど、睡眠不足の対策をしても改善されないなら、睡眠障害が隠れているかもしれません。代表的な子供の睡眠障害は、睡眠時無呼吸症候群があげられます。睡眠時無呼吸症候群と聞くと、大人のイメージがありますが、実は子供にも発症してしまう病気です。子供は成長と発達がめざましいのですが、睡眠不足、不規則な生活を続けると、睡眠時無呼吸症候群を発症する確率も高くなります。他にも、ノンレム睡眠からの覚醒障害である睡眠時驚愕症、体内時計が狂ってしまうことで生じる概日リズム睡眠障害(がいじつりずむすいみんしょうがい)などがあります。パパママは悩まず医療機関への相談も睡眠不足の解決法です。
まとめ 睡眠不足の解消は周囲のサポートが必要
子供の睡眠不足の解消は、すぐに解決できるものではありません。まずは、親の生活習慣を見直し、夜更かしをていると感じたら、子供と共に規則正しい生活に戻しましょう。ママだけが頑張るのではなく、周囲のサポートも必要です。家族で話し合い、就寝時間には部屋の電気を消す、みんなで床につくなど、環境を整えることも大切です。睡眠に対しての意識を高く持つように心がけましょう。