日本全国で人気の子宝神社、子授け寺は? 子宝祈願におすすめの神社、お寺を紹介
目次
子宝祈願に縁がある神社にはどんな種類があるの?
日本古来から各地で崇められてきたさまざまな神様を祀っている場所が神社です。自然に対する畏敬の念を大切にしてきた日本人は山や木、石や水などに宿るとされる「八百万の神(やおよろずのかみ)」を信仰の対象としてきました。また、応神天皇や菅原道真など、歴史上の人物を神格化し、祀られている神社もあります。
それら長い年月をかけて培われたものが「神道」という宗教ですが、経典や教えがあるものではなく、神社それぞれに由来やご神体があり、複数の神様を祀っていることも珍しくありません。その八百万の神の中には子宝に縁のある神様もいて、そういった神様に子宝祈願をお願いする方が多くいらっしゃいます。そこで、子宝に縁がある神様とそれを祀る神社の種類をご紹介しましょう。
神明神社・神明社・神明宮
日本神話の女神・天照大御神(あまてらすおおみかみ)を祀り、伊勢神宮内宮を総本社としている神社が神明神社・神明社・神明宮と呼ばれています。「お伊勢さん」「新明様(しんめいさま)」と呼ばれることもあります。ご利益は国家安泰のほかに開運厄除け、縁結びや子宝などがあります。
稲荷神社・稲荷
伏見稲荷大社を総本社として日本で一番多いのが「お稲荷さま」です。祀られている「宇迦之御魂大神(うかのみたまのおおかみ)」は稲作・農業の神様として信仰され、現在では家内安全・商売繁盛・厄除けなどのご利益があるとされています。
稲荷神社が子宝祈願に人気なのは、伏見稲荷大社に仲良く子供の面倒もよくみる狐の夫婦がいて、それにあやかってあ「お産場稲荷」という社が建てられたのが由来とされています。全国で人気の子宝神社には稲荷神社が多いのはこういった話があるからなんですね。
住吉神社・住吉社
底筒男神(そこつつのおのみこと)、中筒男神(なかつつのおのみこと)、表筒男神(うわつつのおのみこと)の住吉三神を祀る神社です。イザナギのみそぎから生まれた神様で、心身の浄化と開運のご利益があります。
子宝をつかさどる神社の神様とは?
子宝のご利益を授けてくれる神様はどの神社に祀られているのでしょう。その答えは1つではありません。古事記や日本書紀などの日本神話を由来とする神様や土地神様の信仰などがあわさって、さまざまな神社でそのご利益が伝えられています。
例えば、イザナギとイザナミのように多くの御子神を設けた夫婦神にあやかったり、五穀豊穣を司る神様に願えば種が増えることから転じて子宝を授けてくれるということもあります。男性を司る土地神様が男女の縁と子宝に通じるという伝承も日本各地にみられます。先述したように狐を祀る稲荷神社も子宝の神様として人気です。参拝の際には、どんな神様が祀られているのか案内板を読んだり、宮司さんや巫女さんにお話しをきくなどして知っておくとよいでしょう。
子宝にご利益のあるお寺も多いのはなぜ?
子宝神社を探していると、思いのほか子授けにご利益のあるお寺も多いのに気づきます。お寺に祀られている神様の中には観音様や鬼子母神など、子授けに縁が深い神様も多いのです。神道の神社に限らず、古くからある宗教では子宝や五穀豊穣にまつわる神話があるのは珍しくありません。
仏教やそのルーツになっているインドのヒンドゥー教には子宝に関する神話は数多くあり、そういった話に縁がある神様を祀る寺院は、子授け寺として人気となっています。子授けや安産祈願を願う方は神社だけではなく、お寺にも参拝しています。神社やお寺などにはあまりこだわらず、お参りしたい子宝神社、子授け寺を探してみてはいかがでしょうか。
東京で人気の子宝神社・子授け寺
東京にある人気の子宝神社・子授け寺について代表的な寺社をご紹介します。東京の子宝神社・子授け寺については別の記事もまとめていますので、詳しく知りたい方は下記記事もご覧ください。
東京で人気の子宝神社・子授け寺1:水天宮
水天宮のご祭神は天御中主大神(あめのみなかぬしのおおかみ)と呼ばれ、日本のすべての神様の祖先神と言い伝えられています。子授けだけではなく安産祈願・お宮参りなどの目的で遠方から訪れる人も多くいるほどの有名な子宝神社です。
東京で人気の子宝神社・子授け寺2:上野 輪王寺
輪王寺は、慈眼大師天海と慈恵大師良源が祀られており、「両大師」とも呼ばれています。輪王寺が子授け大師と広く知られるようになったのは、天海が徳川家光の世継出生祈願を命じられ、実際に家綱が安産で誕生することができたという逸話が伝えられているからです。
住所 | 〒110-0007 東京都台東区上野公園14−5 |
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地図 | こちら |
東京で人気の子宝神社・子授け寺3:上野 清水観音堂
清水観音堂は江戸時代初期に創建されたお堂です。千手観世音菩薩がご本尊ですが、脇本尊として子育観音(別名子授観音)が祀られていて、子供に関するさまざまなお願いを聞き届けてくださるとして信仰を集めています。
大阪で人気の子宝神社・子授け寺
大阪にある子宝神社、子授け寺について紹介していきましょう。大阪の子宝神社・子授け寺については別の記事にまとめていますので、詳しく知りたい方は下記記事もご覧ください。
大阪で人気の子宝神社・子授け寺1:泉佐野市 日根神社
日根神社には夫婦の神様が祀られています。男の神様はウガヤフキアヘズノミコトといい、女の神様はタマヨリヒメといいます。 その昔、村の娘たちが「子供を授かりますように」と願いを込め枕をつくり日根神社に奉納しました。この枕をお祭りの幟(のぼり)につけて練り歩いたのが日根神社の「まくら祭り」です。このお祭りで奉納された枕は特別なご利益があるとされています。
大阪で人気の子宝神社・子授け寺2:豊中市 春日神社
春日神社の境内にある薬師社に奉られている薬師如来様は、夫婦円満・子授かり・子宝に御利益があるといわれていており、美術的にも高い評価を受けています。
大阪で人気の子宝神社・子授け寺3:野崎観音(慈眼寺)
野崎観音(慈眼寺)の本堂の右隣にある当山中興の祖、江口の君は女性をお守り下さる仏様と言われています。縁結び・安産・子授け・婦人病などに悩むあらゆる女性をお守りくださいます。
京都で人気の子宝神社・子授け寺
京都で人気の子宝神社・子授けについて紹介します。京都の子宝神社・子授け寺については別の記事にまとめていますので、詳しく知りたい方は下記記事もご覧ください。
京都で人気の子宝神社・子授け寺1:梅宮大社
梅宮大社は梅の名所として知られています。祭神の木花咲耶姫命(コノハナサクヤヒメノミコト)は瓊々杵尊(ニニギノミコト)との間の御子神を炎の中で無事に出産したことで、子授けと安産の神として信仰を集めており多くの参拝客が訪れます。
京都で人気の子宝神社・子授け寺2:三嶋神社
東山区のマンションの一角にひっそりと鎮座する三嶋神社は、うなぎの神様が祀られています。大山祇大神(オオヤマヅミノオオカミ)の使いであるうなぎには安産・子宝・子授けのご利益があるとされており、絵馬にもうなぎの絵が書かれています。
住所 | 〒605-0927 京都府京都市東山区東大路通東入上馬町3 |
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公式HP | – |
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京都で人気の子宝神社・子授け寺3:貴船神社
川床が有名な貴船神社は、すべての命の源である水の神様を祀っています。本宮・結社・奥宮それぞれに水の神様、境内の末社にも子宝のご利益が高い神様が多数祀られています。
日本全国にある人気の子宝神社を県別に紹介
ここからは、日本全国にある人気の子宝神社を県別に紹介していきます。
北海道・札幌諏訪神社
北海道の札幌に位置する諏訪神社は長野県の諏訪湖に存在する諏訪大社の御分社です。両御祭神が夫婦二柱、御子神が二十二柱もうけられており、「神の子が22柱」と子供がたくさん生まれたため子供を授かるご利益があるとされています。諏訪神社のお守りは、他の神社のように子授かりと安産が一緒になった形ではなく、「子授かり専用のお守り」と「子授かり専用の絵馬」とわかれていることが特徴です。またデザインもとても可愛いと有名でコウノトリの刺繍がついてあります。
宮城・定義如来 西方寺
宮城県に位置する西方寺は、地元では「じょうげざん」という呼び名で親しまれています。平家落人の里と呼ばれ、平家がかの有名な壇ノ浦の戦い後、一族の平の貞能が隠れ住んだ場所だだと言われています。定義如来は有名な観光スポットとして知られ、貞能堂や本堂、五重塔など、お寺の敷地内を巡るだけでも心が落ち着きます。
肝心なご利益ですが、このお寺では『子授かり人形』を借りることができます。お供えしてある三方の前に立ち、合掌し、後ろを向きます。左手で1番最初に触ったお人形を借りると子宝に恵まれるとされています。赤ちゃんを授かり、お礼参りの際には社務所でお人形を購入し、持ち帰ったお人形と一緒に返します。また、安産祈願と子宝のお守りも購入することができます。
新潟 栃尾又薬師堂
新潟県にある、栃尾又薬師堂は、栃尾又温泉自在館の裏手にあるお薬師様です。「自在館」と「栃尾又 霊泉の湯」との間で、樹齢400年と言われている杉や欅に囲まれ建っています。ご利益ですが、境内の中に『子持杉』と『夫婦欅』というご神木があります。このご神木をまたぐことで子宝に恵まれると言い伝えられています。御堂の中には子宝祈願の参拝者の方が供えたキューピーのお守りで溢れています。お守りがキューピーということで可愛い!と有名です。
岩手・大沢金勢神社
岩手県にある大沢金勢神社の本家、巻堀神社はズバリ「金精」信仰の源とされるところです。その御利益はもちろん「縁結び、子宝、安産」です。そのため、ご神体は「男性のシンボル」ということになります。もともと金勢さまは、「境の神」つまり未知の世界との接点に祀られた神で、畏怖の念を持って人々に厚く信仰されてきました。安産に限らず、下の病気の治癒などを願って、参拝者が後をたたなかったようです。
大沢金勢神社に祀られているご神体のシンボルはケヤキの木製で、毎年の例大祭にはその御神体が大久保山より下山し、一般参加者の女性陣が、木製のシンボルに乗りお風呂に沈め、一年の垢を洗い清めたるなどの儀式があります。これはとてもご利益があるとされています。
住所 | – |
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公式HP | – |
地図 | こちら |
滋賀・多賀大社
滋賀県にある多賀神社は、伊邪那岐大神(いざなぎのおおかみ)と伊邪那美大神(いざなみのおおかみ)が祀られています。そう、それは日本で初めて夫婦になられた神様です。天照大神を含め、八百万(やおよろず)の神様のご両親にあたられます。
多賀神社の有名スポットのひとつは、「太閤橋」です。豊臣秀吉が築造したためそう呼ばれています。太閤秀吉は、自身の母の病気治癒を多賀大社に祈願されたと言われています。この太閤橋を渡ると子宝に恵まれるご利益があるということで、訪れた人の多くは必ずこの橋を渡っています。多くのお守りの種類があるなか、子授祈願のお守りも揃っています。
高知・御田八幡宮
高知県室戸市吉良川町にある御田八幡宮は、この地域の総鎮守として長く愛されてきた神社です。御田八幡宮の中で行われる御田祭はとても有名なお祭りで、なかでもクライマックスの「酒しぼり」は、杜氏婆が生んだ神の子(人形)を子宝に恵まれない女性たちが奪い合うという行事で、日本三大奇祭の1つと言われています。このお祭りは子授けのお祭りとして多くの人に知られており、神の子を奪い合った後に1人1人が木製の人形を抱っこし子授けを願います。
住所 | 〒781-6832 高知県室戸市吉良川町甲2413 |
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公式HP | – |
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広島・厳島神社
広島県にある厳島神社は、1400年以上の長い歴史を持つ、海を敷地とした珍しい形の神社です。象徴とされる海に立つ、朱塗りの大鳥居は観光客を魅了する力があります。厳島神社は縁結びのご利益が強くあるため、結婚を願う男女が多く訪れます。子供は男女が結婚したあとに生まれますし、その子宝も子供との縁があってこそのもの。そのため子宝に恵まれるのも縁結びの一種とも言えます。また、厳島神社に祀られている大国主命はたくさんの子宝に恵まれたことから、子宝や安産のご利益もあるとされており、子宝のご利益が期待できます。
福岡・水天宮
福岡県にある水天宮は水の神さまとして農業・漁業・船舶業者の神様でした。そののち、子どもの守護神、安産、子授の神としても信仰されるようになりました。子授けのお守りはブルーで丸い形をしています。また、少し変わった形の飲む御守りの水天宮御守というものもあります。御守りに書いているひらがなをちぎりコップに入れた水に浮かべます。そしてお願い事をその場で言います。それを飲むとご利益があると言われているお守りです。
宮崎・鵜戸神宮(うどじんぐう)
宮崎県にある鵜戸神宮の本殿は豊玉姫が出産を終えた、産屋があったと伝えられています。その後、豊玉姫は海に還ってしまいましたが、その赤ちゃんのために「お乳」を残していったというお話があります。この伝承から、この本殿に訪れると子宝に恵まれるというご利益があると有名です。
また、鵜戸岬には運玉と呼ばれる慣習があります。男性は左手、女性は右手で運玉を投げ、亀石と呼ばれる岩の枡形に入ると願いがかなうと伝えられてきました。鵜戸神宮には子宝のお守りはありませんが、安産祈願のお守りはあります。
沖縄・波上宮(なみのうえぐう)
沖縄県に存在する波上宮は琉球八社の1つです。波上宮には愛称があり、なんみんさんと呼ばれます。主祭神はイザナギノミコトで、波上宮には狛シーサーがいたり、お守りの色合いがカラフルで沖縄らしく有名です。波上宮には国生み神話があり、多くの神々が生み出されたといわれているため、縁結びや安産祈願、子孫繁栄といったことにご利益があるとされています。
まとめ
日本全国の子宝にご利益があるスポットを紹介してきました。子供は授かりともと言われておりますが、医療が発達しているため、治療をすれば子供を授かることが十分に可能な時代になっています。子宝祈願で神仏に祈るよりも現実的な選択かとしれませんが、ご利益があるスポットで、祈りを捧げることで精神的に安らぎを得ることができます。これを機会に自分が気になった子宝神社のご利益スポットに足を運んでみてはいかがでしょうか。