ひらがなの練習はいつからはじめたらいい? タイミングとおすすめの教材
目次
ひらがなの練習はいつから、どのように練習するのがおすすめなの?
日本において文字の読み書きの基礎となるひらがなは、小学校に上がると国語の授業で学びます。とはいえ、現代では多くの子供が、小学校入学時には既にひらがなを読み書きできるようになっているのが実情でしょう。早ければ年少くらいから、絵本の文章を自分で読んだり、お友達やおうちの方に手紙を書いたりして楽しんでいる子供もいます。小学校入学までをひとつの目安にするとして、ひらがなはいつから、どの程度、どのように練習するのがよいでしょうか。
子供がひらがなを読めるようになる年齢は?
年少児(3~4歳) | 年中児(4~5歳) | 年長児(5~6歳) | ||||
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男子 | 女子 | 男子 | 女子 | 男子 | 女子 | |
ひらかなが読める | 58.4% | 70% | 81.9% | 89.7% | 92.1% | 99.1% |
出展:文部科学省「幼児教育、幼小接続に関する現状について」より抜粋
文部科学省の資料によると、年少~年長児の母親を対象にした調査で『かな文字を読める』子供の割合は、年少で男子58.4%・女子70.0%、年長で男子92.1%・女子97.7%となっています。『自分の名前を読める』割合はそれよりも高くなり、年少男子でも79.1%、年長女子では実に99%を超えます。部分的にでもひらがなを読む力は年少程度から備わり始めていることがわかります。
ひらがなが書けるようになる年齢は?
年少児(3~4歳) | 年中児(4~5歳) | 年長児(5~6歳) | ||||
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男子 | 女子 | 男子 | 女子 | 男子 | 女子 | |
自分の名前をひらがなで書ける | 31.8% | 59.6% | 77.4% | 94.1% | 96.5% | 98.8% |
前項の調査では『自分の名前をひらがなで書ける』割合についても調べられています。年少児は男子31.8%・女子59.6%、年長児では男子96.5%・女子98.8%となっています。多くの子供が就学前にひらがなを書けるようになっているのですね。また「読める」ことと比較して、年少から年長にかけての発達が顕著であることが見て取れます。
ひらがなの練習をはじめるタイミング
ひらがなをいつから学習させるかは迷うところですが、まず原則として、ひらがなに対する興味が全く出てきていない段階の子供に読み書きの練習をさせることはおすすめしません。文部科学省の子供の発達に関する資料では、幼児後期(3~6歳)の特性として「生活の繰り返しの中で、身体感覚を伴う直接的な体験や、具体的な事物に関連させながら、世界に対する認知を広げていく」とあります。
毎日繰り返し目にする自分の名前や大好きな絵本の中の文字を、いつの間にか覚え、真似して書いてみるというのは典型的な例と言えます。街中の看板・電車内の広告・TV画面・商品パッケージなど、意識するといたる所にある文字を「なんて読むの? 」と質問してくることが増えて、興味の芽生えを感じることもあるでしょう。お友達にもらった手紙にお返事を書きたいというほほえましい動機もよく見られるパターンです。そうした意欲が表れる時までは、あくまで遊びとしてひらがなに触れさせてあげるとよいでしょう。
ひらがなの練習をする時の注意点
ひらがなに取り組み始めた我が子に、親としては学習の手助けをしてあげたくなります。ただし、せっかく芽生えた興味の芽を摘んでしまわないよう気をつけましょう。例えば、子供はまだまだ筆圧が弱く、安定した線を書くというのは難しいものです。
小さい子供のお絵描きは、柔らかいクレヨンや水性ペンなど、筆圧を必要としない筆記用具を使いますよね。鉛筆の正しい持ち方や安定した運筆はもちろん大事な学習ですが、形をなぞるだけの練習は指や書きやすい道具を使う教材から始めるなど、段階に合わせて無理をせず行いましょう。また、誤りにバツをつけて指摘したり、間違えないように先回りして釘を刺したりするような関わり方ばかりでは、子供が失敗を恐れるようになってしまうかもしれません。
できたことをたくさんほめてあげて、ポジティブな体験として積み重ねてあげましょう。東京大学大学院と中京大学の研究では、親の応援が幼児の認知処理によい影響を及ぼす可能性が示されています。誤りを正すのではなく、応援する姿勢でそばについてあげることが大事なのではないでしょうか。
ひらがなの練習におすすめのおもちゃ
ここからはひらがなの練習に使える商品をいくつかご紹介します。まずは遊びを通じて気軽にひらがなに触れられるおもちゃです。
アンパンマン おふろでピタッと! あいうえお教室
誰もが知るアンパンマンを通じてひらがなに触れられます。お風呂の時間を利用すると、子供もリラックスして夢中になってくれるので、おすすめです。
絵あわせ きしゃポッポ あいうえお~ひらがな~
絵合わせ遊びを通して、ひらがなの形やその文字が使われる言葉のイメージを育みます。ジャンル別にボードが分かれており、ピースとも色で対応しているので、ひらがなに自信がなくても諦めずに取り組めます。全部埋まる達成感で、何度もやりたくなりますよ。
3つのステップで「ひらがな」を学ぼう! ミッフィー ひらがなのおうち
お人形遊びを楽しみながら、読み、書き、すごろく遊びでおさらいと、3ステップでひらがなを学べます。
ひらがなの練習におすすめのゲーム
ひらがなを題材に、少し頭を使って遊ぶゲームを調べてみました。
ノンタンかるた
見つけた時の嬉しさと競争心で子供が熱中する遊び、かるた。こちらはノンタンの絵本シリーズの場面で構成されており、大きさや色分けなど、扱いやすい工夫がされています。
学研のあそびながらよくわかる あいうえおタブレット
操作に対して音声などの反応があると子供はやる気になりやすいものです。押しやすいタッチキーと液晶パネルで、読みと書き順を学べます。クイズゲームも多数収録されています。
しりとりカードゲーム ワードバスケット ジュニア
ひらがなを覚え始める幼児後期は、しりとりもだんだん上手になってくる頃です。こちらはひらがなカードを組み合わせてしりとり遊びができるカードゲームです。少し上級向けのルールでゲームをする事もでき、年上のきょうだいや大人も一緒に楽しめますよ。
ひらがなの練習におすすめのアプリ
移動中や待ち時間などに遊べるアプリには、ひらがなの練習ができるものも数多くあります。音声や動きがあることで集中して取り組めそうですね。
ぐーびーともじあそび 3歳からのひらがな練習用知育アプリ
キャラクターの動きが楽しい知育アプリです。読み上げられたひらがなを探すゲームから、なぞりがき、しりとりなど多彩な遊びが簡単な操作でできます。
なぞっておぼえる! ひらがな・カタカナ なぞりがき
なぞり書きをじっくり練習するアプリです。書き順通りに線から外れず上手に書けるとポイントが貯まり、乗り物や生き物などなぞって動かせるキャラクターが増えていきます。
あいうさがし – がんばれ! ルルロロ
絵の中に隠れたひらがなを探すゲームを楽しみながら、ひらがなをぱっと見分ける練習ができます。タイムの計測もでき、挑戦心がくすぐられそうです。可愛い絵柄もおすすめです。
ひらがなの練習におすすめのドリル
ひらがなの形に慣れて来たら、実際に紙に書く練習を始めたいと考えるでしょう。文字を書く感覚を無理なく身につけられ、飽きずに練習できるものを選んでみました。
何度でもできる! れんしゅうシート ひらがな・カタカナ
書く練習の手始めに、太めのおおらかな線でなぞり書きができるシートです。水を入れたペンで書き、シートが乾けば何度でも使えます。
きれいに書ける ひらがな (おうちレッスン)
とめ・はね・はらいといった基礎の運筆や書き順を、リズミカルな「魔法の覚え方」で自然に身につけられます。姿勢や鉛筆の持ち方から始まり、豊富なシールや表彰状が用意されているので、ゴールを目指して頑張れます。
なぞらずにうまくなる子どものひらがな練習帳
せっかく字を学ぶなら、美しい書き方を身につけてほしいものですよね。筑波大付属小学校の先生と書道家が作ったこちらの本では、ストーリーのある細かい解説と可愛いイラストでじっくりと綺麗な字の形を学べます。
ひらがなの練習におすすめの無料プリント
文字の習得には、たくさん書くことも重要です。練習に使えるプリント教材は無料でも手に入ります。必要な分だけを印刷して使えますし、カスタマイズができるものもありますので段階に合わせて活用してみてください。
ベネッセ教育サイト ひらがな練習
レベルに応じた複数のワークの他、塗り絵や、覚えたひらがなで手紙や絵日記を書いてみるための台紙が提供されています。
ちびむすドリル ひらがな練習プリント
運筆のための準備運動・文字をひとつひとつ大きくなぞる練習・書き順・なぞり文字なしの五十音など、豊富なページで構成されています。
無料ひらがなドリルメーカー おなまえドリル
入力した文字でひらがな練習用プリントを作成してくれるサイトです。フォントの種類やお手本の有無を選んで印刷できます。10文字まで対応しているので、「まず名前をマスターしたい」「苦手な字だけ練習したい」といった使い方ができます。
焦りは禁物!楽しみながら学ぼう
学習を始めると、親としてはつい、早く正しく身につけさせたいと気が急いてしまうかもしれません。しかし、子供が焦りやプレッシャーなどネガティブな気持ちで取り組むようでは学習の効果も下がってしまいます。成長を楽しむ気持ちで子供の学びを見守りましょう。
覚えたての不器用なひらがなで書いてくれるお手紙は愛しい宝物ですし、なぜか書いてしまう鏡文字もこの時期ならではの可愛いものです。お手本の綺麗な字をじっくり学ぶのは、意外と大人にとっても新鮮で発見があるかもしれませんよ。
まとめ
日本語の読み書きの基礎となるひらがな。読み書きできることそのものを目的とするのではなく、好奇心を満たすための、あるいはコミュニケーションをより充実させるためのツールとして、意欲の芽を見逃さずに後押しをしてあげましょう。新しい事をぐんぐん吸収していく子供の姿はまぶしく頼もしいですね。たくさんの教材が展開されていますので、子供にあったものを選んであげて、学ぶ姿をゆったりと応援してあげてください。