保育園ではトイレトレーニングはどうしてるの? 家庭でもできるトイレトレーニングのコツ
保育園でのトイレトレーニングを紹介
保育園でのトイレトレーニングはもはや生活の一部となっていて、1~2歳児クラスの担任になればトイレトレーニングありきの1日の保育計画を作成することになります。大人数でだからこそスムーズに進められる点と困った点がありますのでご紹介します。家庭でのトイレトレーニングにも役立つコツもありますので参考にしてみてください。
トイレトレーニングって?
子供の成長が嬉しい半面、トイレトレーニングをしなければ…と思うと急に憂鬱になる人も多いと思います。オムツが取れてトイレで排泄ができるようになるための練習がトイレトレーニングです。トイレトレーニングはとても根気のいることが多く、多くのパパママの悩みの種だと思います。「なんでトイレトレーニングはこんなに難しいの?」と思いますが、トイレトレーニングには身体の仕組み、身体の成長、情緒面といろいろな要素が必要なので、なかなか時間がかかって当然です。しかし、トイレトレーニングは子供の成長には避けては通れない過程です。
1歳半~2歳頃に周りの子供やネットの情報で「そろそろトイレトレーニングをはじめなきゃ…」と思い、この記事に辿り着いたパパママもいるでしょう。この記事ではあえて個人差を重視して「いつから始めるべき」とは紹介しないようにします。一般的なトイレトレーニングに関してまとめた記事がありますの、で基礎知識としてぜひ参考にしてみてください。ここでは保育園でのトイレトレーニングの様子を紹介しながら個人差を大切にした進め方のコツをご紹介します。
保育園でのトイレトレーニングの開始時期は何歳から? 何月から?
トイレトレーニングの開始時期といっても「進級し、4月になったからみんなで始めましょう!」と始めることはあまりありません。進級、または入園し、子供たちが不安や緊張の中トイレトレーニングを進めるのはなかなか難しいことです。トイレトレーニングには精神面も大きく影響しますので、子供の心をしっかり考慮して行います。トイレトレーニングを行うのは通常、1歳・2歳児クラスですが、月齢によってはもうトイレに躊躇なく座ることができる子もいます。
その場合は、子供を個別にトイレに誘います。トイレトレーニングの進み方には個人差がありますので、保育園ではできている子をできない子に合わせることはしません。個々の進みを大切にします。クラス全体としてトイレトレーニングを始めるのは2歳児クラスになってからが多いですね。しかし、「せーの!」と全員一緒にトイレトレーニングを始めるのは難しいので、1歳児クラスとの連携が大切です。乳幼児のうちは月齢差がとても大きいです。例をあげてご説明しましょう。
1歳児クラスでのトイレトレーニング
4月生まれの子供は進級しすぐに2歳になります。しっかり歩行もできて言葉も理解できます。さらに、新入園ではなく0歳児クラスからの進級なので保育園にも慣れています。慣れ親しんだ持ち上がりの先生もいます。一方…別の子供は3月生まれでつい最近1歳になりました。まだ歩行も安定せず、この4月に入園したばかり、初めてパパママと離れて不安しかない状態です。毎日涙を流して頑張っています。子供によってこれほど環境が違うのが保育園です。個々の成長、さらにそれぞれ違う個性いっぱいの子供たちがいます。1歳児クラスではなかなか一斉にトイレトレーニングを始めるのは難しことがおわかりいただけますでしょうか。
2歳児クラスでのトイレトレーニング
1つ大きい2歳児クラスでは、クラスの保育計画の中にもしっかりトイレトレーニングが組み込まれている場合が多いです。4月に新しいクラスが始まり、夏に向けてだんだんとクラスの雰囲気も落ち着いてきます。先生にもお友だちにも慣れてきますし、ちょうど暑くなり始めて薄着になる頃にトイレトレーニングを始めるタイミングがやってきます。
6月~7月は寒くなく、家庭でも比較的トイレトレーニングを始めやすい季節です。2歳児クラスになると月齢の差はあっても声を掛けることで自分から動くことができるので、集団であってもトイレトレーニングを進めやすいです。しかし、この年齢では「イヤイヤ期」という強敵が待ち受けているので1歳児クラスとは別の意味での大変さがあります。
1歳児、2歳児クラスを中心に紹介しましたが、3歳児クラスに上がるときにまだトイレトレーニングが完了していない子もいます。家庭では年少から幼稚園に入園予定だと焦りますよね。3歳児クラスでもきちんと対応してくれると思いますので入園前に相談してみると安心できるでしょう。
保育園でのトイレトレーニングの始め方、進め方
次に、保育園ではどうやってトイレトレーニングを始めていくのかをご紹介します。保育園でもトイレトレーニングの始め方や進め方はさまざまです。担任の考え方、園の環境、クラスの状況などが大きく影響しますが、ここでは筆者が勤務していた保育園の経験をもとにご紹介します。
まずは濡れたオムツをすぐ替えることからスタート
まず、トイレトレーニングを始める際に大切なことは「オムツが濡れたらすぐに替えること」です。オムツを清潔にしてきれいなったら気持ちが良いという感覚を育てることはトイレトレーニングにとても重要です。市販の紙おむつは吸収力が抜群で、何時間もつけていられます。しかし、ちょっとでも濡れたら替えるを繰り返すと、子供に気持ち良い、悪いの感覚が育ってきてオムツが濡れたことを教えてくれるようになります。
保育園に通っているパパママなら分かるかもしれませんが、保育園は驚くほど頻繁にオムツ交換をします。「え? ちょっとしか濡れてないのに…」、「もったいない…」そんな声を聞いたこともあります。しかし、保育園では基本的にオムツは濡れたらすぐに替えます。これは0歳児クラスでも1歳、2歳児のクラスでも同じです。これがトイレトレーニングには大事です。トイレトレーニングの始まりは「濡れたオムツはすぐに交換する」ことだと言ってもいいでしょう。これを繰り返し、「濡れたら気持ち悪いからオムツを替えてもらおう」という気持ちを育てます。そして、歩けるようになり1回の排尿の量が増え、おしっこの回数が減ってきたらトイレに誘います。
規則的にトイレに誘い、トイレのタイミングに合わせる
トイレトレーニングの始めの頃は保育園ではトイレに誘う頻度は多く、規則的です。例えば…登園後、朝のおやつ前、活動前、活動後、昼食後、お昼寝後、おやつの後、降園前など。1日にこれだけ何度もトイレに誘い、子供の排泄のタイミングに合うのを待ちます。もちろん始めはトイレに座るだけです。座りたくない子はトイレの前まで行くだけでも大丈夫です。座りたくない子もいればずっと座っていたい子もいます。
トイレットペーパーに釘付けの子や便器に手を突っ込もうとする子、おしっこは出ないのになぜかお気に入りの便器を見つけそこ以外を拒否する子……子供は本当に個性いっぱいです。でも、みんな自分のペースで【トイレ】に興味を持つことができるようになります。これも大事な一歩です。子供の【自分で】を尊重しながら手助けをし、トイレのルールも少しずつ身に着けられるようにします。
子供を誘っていくうちにトイレのタイミングと合えば褒めてあげます。子供も嬉しくなりその気持ちが次に繋がります。パンツを履く前に、家庭でも頻繁にオムツ替えをし生活の節目に何度もトイレに誘うことから始めてみてはいかがでしょう。そしてタイミングが合い始めてからパンツを履く時間を作ります。いきなり1日中パンツはなかなかハードルが高いので時間を決めるのもコツです。なお、私の保育園での勤務経験ではトレーニングパンツを保育園ではあまり使いません。普通のパンツでの失敗は家の床に大打撃ですが子供はしっかり不快感を感じることができます。もう失敗したくないなぁ…と感じてくれます。
保育園では
「午前中2時間の活動だけパンツ」
「登園後すぐにパンツを履き~お昼寝前まで」
など、個々の進み具合を見て決めます。そして「今日は調子も良くないからオムツの時間を長くしようか」ということもあります。それぞれが無理なく進められるようにしています。家庭ではお出かけのタイミングや兄弟のタイミングなどなかなか決めた通りにいかないこともあると思いますが、焦らずに進めてみてください。家庭で保育されている方なら兄弟がいることで、お手本になってくれます。保育園では周りのお友達が刺激になり「自分も!」という気持ちがメキメキ出てきます。家庭ではぜひパパママや兄弟がその刺激になってみてください。
トイレトレーニングの疑問
保育園でのトイレトレーニングを見てきました。家庭に活かせそうなポイントがいくつもあったと思います。試してみてください。トイレトレーニングについてもう少し掘り下げてみましょう。
幼稚園や保育園にトイレトレーニングを任せっきりで良いの?
パパママが働いて保育園に通っていると、ついトイレトレーニングを保育園に任せっきりになりがちです。幼稚園に入園する時に「まだ、オムツが取れてない……でも幼稚園に入れば先生やってくれるしラッキー」と考えてしまうパパママも多いでしょう。しかし、家庭と園が協力しあってトイレトレーニングを進めるのが理想的です。保育園では何度もトイレに連れて行かれるけど、家じゃずっとオムツだなぁ…これでは子供の意欲もトイレに行きたい感覚も育ちません。
保育園の場合は起きている時間の大半を保育園で過ごすので、保育園でのトイレトレーニングが中心になることは仕方ない部分もあります。しかし、就寝前、起床後と家庭でも少なくても2回はトイレに行くチャンスがありますので、家もトイレに誘うようにしてみてください。無理にトレーニングパンツを履かせたりしなくても、トイレに行く習慣をつけることだけでも大切です。
筆者の経験談ですが、降園時にはいていたオムツを次の日の登園時にはいてきた子供がいました。お風呂に入る間もなかったそうで、家で一度もオムツを替えなかったとのこと…これは極端な例ですが、積極的にトイレトレーニングができなくても、子供のオムツやトイレに関心を持って欲しいです。保育士は園でトイレトレーニングに成功したら保護者に伝えるはずです。そうしたら一緒に喜んであげてください。保育士も保護者と喜びを共有できるととても嬉しいものです。
おまる? 補助便座? トレーニングパンツ? どれが一番効果的?
おまる、補助便座はどちらを使っても大丈夫です。保育園では大きなショッピングモールにあるような子供専用の便器がありますので、そこでトイレトレーニングを行います。子供が自分で座れるので、自分で行きたいと思った時に座ることができます。保育園によってはおまるを使う所もあります。その都度洗うことが苦でなければ、おまるは家庭でも大活躍です。おまるのもう一つの利点は好きな所に置ける点です。「そこはナワバリなの?」と言いたくなるような場所でしか、トイレをしない子供います。誰にも見られたくない気持ちは子供にもあるんですよね。それが可愛くもあり、トイレでして欲しくもあり…複雑な親心もあるでしょう。
それでもトイレに座ってできる気持ちを尊重し、焦らず子供のトレイトレーニングを見守ってあげてください。少しずつ子供とトイレとの距離が近づいていけばOKです。乳児のうちはオープンなトイレでみんな見えるトイレが多いですが、幼児のクラスになればトイレに扉がつき、大人と同じ1人の空間が作られたトイレになります。
上手くいかなかったらどうするの?
子供がトイレを嫌がったら? オムツに固執したら? そんなことはよくあることです。みんながみんな順調にトイレトレーニングが進むのは期待できません。焦らないで淡々と進めてみてください。保育園ではトイレが嫌で全く寄り付かなくても声を掛けます。
保育士「トイレいこっか!」
子供「いやー!」
保育士「じゃあまた後でね!」
(しばらくして……)
保育士「トイレいこっか!」
子供「………(無言の抵抗)」
この繰り返しの末、オムツやパンツでおしっこが出てしまいます。その都度「気持ち悪かったね、またいこうね」と責めることなく、さらっと進めます。子供にストレスやプレッシャーを与えない、けど誘い続ける。これもトイレトレーニングのコツかもしれません。自然と生活の一部になるように促していきます。
まとめ
保育園でのトイレトレーニングの様子を見てみるとトイレトレーニングには本当にいろいろな要素が必要でパパママの関心がとても大切だということが分かります。家庭ではなかなか一貫して進めることはできないかもしれませんが、保育園や幼稚園とも連携していきながら進めたり、家庭保育のパパママは保育園の様子も参考に焦らず我が子にぴったりの方法を試行錯誤してみてください。