子供の血液型はいつわかる? 血液型は何種類? 組み合わせや確率を検証!
子供の血液型や調べるタイミングが気になりますよね?
子供の血液型は、調べておかないといざというときに困るのでは? 調べるにはどんな方法があるの? などと疑問を持つパパママは多いでしょう。「赤ちゃんのころに血液型を検査しても成長に従い検査結果は変化する」「正しい血液型検査結果が出ない」など、さまざまな情報が飛び交っています。この記事では、子供の血液型に関するさまざまな疑問について、詳しく解説します。
親の血液型の組み合わせと子供の血液型の確率
子供の正しい血液型を知るには、医療機関で血液型検査を受ける必要があります。しかし現在、生まれた時に子供の血液型を調べてくれる病院はとても少なくなりました。
血液型検査をしなくても、パパママの血液型から子供の血液型を推測できます。下の表で縦と横をそれぞれパパママにあてはめ、交わるところが子供の血液型と確率です。あくまで表の数値はおよその確率なので、「多分うちの子はこの血液型かな?」という目安にしてください。
A型 | B型 | O型 | AB型 | |
---|---|---|---|---|
A型 | A型84%・O型16% | A型26%・B型23%・AB型34%・O型17% | A型60%・O型40% | A型50%B型20%AB型30% |
B型 | A型26%・B型23%・AB型34%・O型17% | B型81%・O型19% | B型57%・O型43% | A型22%・B型50%・AB型28% |
O型 | A型60%・O型40% | B型57%・O型43% | O型100% | A型50%・B型50% |
AB型 | A型50%・B型20%・AB型30% | A型22%・B型50%・AB型28% | A型50%・B型50% | A型25%・B型25%・AB型50% |
子供の血液型は表の組み合わせに絶対に当てはまるわけでなく、ごく稀に例外が発生します。以下に2つの例を挙げました。
子供の血液型が例外的になるケース1|親が「シスAB型」
血液型がAB型の人の中には、ごく稀に非常に珍しい「シスAB型」の人がいます。するとその子供の血液型は前項の表と異なることがあります。
通常AB型の人は、2本の染色体にAの遺伝子とBの遺伝子を1本ずつ持ちます。パパママどちらかがAB型の場合、本来なら子供はAもしくはBの遺伝子を必ず1本は受け継ぐため、前項の表の通りO型にはなりません。
しかし稀に、Aの遺伝子とBの遺伝子が両方とも1本の染色体に乗り、もう1本の染色体には何も乗っていない状態になることがあります。これが異例のシスAB型で、「ABの遺伝子とOの遺伝子を1本ずつ持つ」イメージです。
パパもしくはママがこのシスAB型である場合、通常なら生まれないはずのO型の子供が生まれたり、相手がO型なら子供はA型かB型のはずなのにAB型になったりすることがあります。
子供の血液型が例外的になるケース2|親が「Oボンベイ型」
「Oボンベイ型」の人は、本当は違う血液型になるはずなのに検査で判定できず、O型と判定されます。
ヒトの赤血球には血液型を決める「抗原」があり、A抗原を持つと血液型はA型、B抗原だとB型、両方持つとAB型、どちらも持たないとO型となります。赤血球とA・B抗原は「H抗原」というタンパク質でつながっていますが、Oボンベイ型にはこのH抗原がありません。そのため血液型を検査する際にA抗原やB抗原が検出されず、O型と判定されます。
Oボンベイ型はA抗原やB抗原を持つため、万が一パパママどちらかがOボンベイ型だった場合、パパママともにO型なのに子供は別の血液型になることがあります。
子供の血液型検査、気になる疑問は?
一部例外もありますが、パパママの血液型によって子供の血液型が予測できます。しかしなぜ、生まれたときの血液型検査が行われなくなったのでしょうか?
生まれたときに血液型検査をしないのはなぜ?
血液型は、「オモテ試験」「ウラ試験」と2通りの試験で判定します。オモテ試験で赤血球の表面にある「抗原」を確認し、ウラ試験で血清中の赤血球と反応する「抗体」を確認します。
しかし1歳ごろまではオモテ試験・ウラ試験を行っても検査結果が安定しません。生まれたばかりでまだ抗原の反応が弱い、抗体が十分にできていないなどの理由から、血液型検査のたびに検査結果が異なり、正確な血液型が測れないとされます。そのため、現在出生時に血液型検査を行われなくなったのです。
赤ちゃんの頃に検査した血液型は,大人になると変わることはありますか?(愛知医科大学病院)
子供の血液型は検査した方がいい?
子供の血液型を、各家庭で個人的に検査するのはおすすめできません。特に生まれたばかりの赤ちゃんの場合、検査をしても正確な血液型が判定できない上、赤ちゃんに痛みや心理的負担をかけるからです。
実は血液型を知らなくても困ることはありません。輸血する際はどんなに緊急性があっても、その場で患者の血液型を必ず調べます。血液型にはABO型、Rh型以外にも多くの分類があり、その数は数千種類に及びます。中には非常に珍しい型もあり、輸血のときに血液を確保するのがとても難しくなります。血液型の書類が間違っていたり、パパママが記憶違いしていたり、自分たちも知らない珍しい型であったりすることもあります。型の合わない血液を輸血してしまうと、命にかかわり大変危険です。
幼稚園や保育園、学校の書類などに「血液型不明」で提出しても問題ありません。実際、筆者の子供が通う小学校では、入学説明会の時に「血液型を申告する必要はない」と説明されました。幼稚園でも、出席シール帳の血液型欄は記入しないように言われました。
子供の血液型、検査するならいつがベスト?
それでもやはり子供の血液型を知っておきたいと思う場合は、少なくとも1歳以上、できれば検査結果が安定するとされる4歳以上に血液型検査を受けるのがおすすめです。ただし、血液型検査だけでは断られる病院もありますので、アレルギー検査など採血の機会があったときに血液型検査もしてもらうとスムーズです。通常の採血より少し多めに血液を採るだけで、赤ちゃんに余計な痛みや負担をかけることもありません。
生まれたばかりの赤ちゃんの血液型検査について(あさぎり病院)
子供の血液型検査の方法と費用は?
血液型検査は注射器で3mL~5mLほど採血して行います。血液型検査は保険が適用されず、ほかの採血の機会に一緒に調べてもらう場合でも、通常の診療費と別に血液型検査の費用ががかかります。血液型検査にかかる金額は病院により異なり、数百円〜数千円と開きがあります。血液型検査を受けるかどうか、費用面も含めて検討しましょう。
まとめ:子供の血液型は必須ではない! 検査するなら4歳を目安に
子供の血液型は、両親の血液型によっておおよその確率が判断できます。例外的に珍しい型であったり、乳児期の血液型検査結果が正しくなかったりする場合もあります。子供の血液型を必ずしも把握しておく必要はありません。子供に血液型検査を受けさせたい場合は、4歳前後で受けることをおすすめします。