ひょっとして育児ノイローゼ? 症状と原因、予防法や対処法を解説!
目次
育児ノイローゼの予防法・対処法
育児ノイローゼでママやパパがイライラしたり元気がなくなってしまったりすると、子供にとってもよくありません。「最近イライラしやすくなったな」と思ったら、早めに対処していきましょう。パパはママが育児ノイローゼだと感じたら、子供のためにも妻のためにも対処が必要だと認識してください。以下に育児ノイローゼの予防法・対処法を4つ挙げました。
育児ノイローゼの予防法・対処法1:完璧を目指さず、たまには手抜きもする
「子供は思い通りにならない」と割り切ってしまった方が、気持ちが楽になります。「●●をしなくてはならない」考え方をいっそやめてみたり、口に出して「まいっか」と言ってみたりするのもいいでしょう。子供のことを思えば思うほど、ママは頑張ってしまうものです。育児に絶対はありません。ママが苦しくなってしまうのであれば、手抜きしてもまったく問題ありませんよ。
ママが楽しく思えるように、適度に手を抜きながら自分に合った育児を探してみてください。筆者の場合、子供と休日を過ごす際は細かく予定を決めないことにしました。自分1人だと「何時までに支度を終わらせて、何時の電車に乗って」と当たり前に予定を組みますが、子供と一緒だとそうはうまく行かないものです。そのため「なるようになれ!」という軽い気持ちで、その時々のハプニングもできるだけ楽しめるように構えています。
育児ノイローゼの予防法・対処法2:友人と話したり、会ったりする時間を作る
同じ子育て環境にある友人と話した際、「うちもそうなの!」という言葉で思った以上にホッとした経験が筆者にもありました。日々子供と対峙しながら、試行錯誤を繰り返している状況で、「自分の子育ては本当に正しいのだろうか? 子供はちゃんと育っているのだろうか?」と心配ごとはつきませんよね。
育児をしていると大人と話す機会が驚くほど減ってしまうため、悩んだ時もなんとか自分で解決しがちになります。しかし1人ではやはり限界があります。自分の悩みを共有し、よりよい解決策を見つけるため、また気分転換という意味も含めて意識的に大人と話をする機会を作るのは大切だと感じます。
誰かと話をすると自分のことも客観的に見つめられるため、「話してみたらモヤモヤ悩んでいたことが意外とすっきりした」と思えることもあります。1人で抱え込まずに誰かと共有するよう心がけましょう。
育児ノイローゼの予防法・対処法3:パパにもっと育児してもらう、ワンオペ育児をやめる
1時間だけでもパパに子供をお願いしてみるなど、たまにはパパだけで子供を見る時間を作ってもらうのもおすすめです。育児はママだけのものではなく夫婦2人のことなので、パパにもしっかり育児してもらい、ワンオペ育児になる時間をできるだけ減らすようにしてください。夫婦2人で育児をするのは、ママのためだけでなく子供のためでもあります。
ママも最初から上手に育児ができた訳ではありません。どうしたらいいか毎日手探り状態の中、なんとか自分なりの解決策を見つけて過ごしています。パパだって最初はできなくて当たり前です。でも「自分しかいない」という状況を体験すれば、ママの苦労も少しはわかってもらえるかもしれません。子供の行動をいつもよりじっくり見られる機会にもなるため、我が子の成長を敏感に感じてもらえるでしょう。
育児ストレスの予防法・対処法4:ベビーシッターをお願いする
ベビーシッターとは、専門の人が自宅に来てパパママに代わり子供を世話してくれるサービスです。会社にもよりますが、ベビーシッターは子供のお世話以外にもさまざまなサポートをしてくれます。家の掃除をしてくれたり、洗濯をしてくれたり、日用品や食材の買い物もお願いできたりすることもあります。料理も作ってくれる場合、子供のご飯をお願いできることもあるでしょう。保育園のお迎えに行ってくれるベビーシッターもいます。
会社によりサービス内容はさまざまですが、1時間だけ利用するなど短時間でも利用できる場合もあります。「ちょっと子育ての息抜きしたいからお願いしたい」「美容室に行く間だけお願いする」など、いろいろな用途で活用できます。近くに頼れる人がおらず、パパも毎日忙しい家庭は、このようなサービスも活用してみてください。
育児ノイローゼの相談先
症状の重い・軽いはあれど、育児ノイローゼは多くのママが経験しています。「自分だけで解決できない」「妻が育児ノイローゼと感じるが、どうしていいかわからない」などの場合には、早期に第三者に相談しましょう。相談先はいくつかありますが、まずはパパママが抵抗なく行けるところや赤ちゃん連れでも行きやすい場所がいいでしょう。
育児ノイローゼの相談先1:子育て支援センター
子育て支援センターとは、おもに乳幼児の子供とその保護者が利用できる施設です。保育士や保健師、栄養士に育児についての不安や悩みの相談ができます。同じくらいの子供を持つ親同士が交流できる施設となっているため、近くに祖父母や親族がいないママや、友人となかなか会えないママにとって、力強い味方になってくれます。自治体によって子育て支援センターのサービスはさまざまなので、住んでいる自治体に問い合わせましょう。
筆者も実家から離れて慣れない土地で子育てを始めたため、初めは誰も友人がいませんでした。子育て支援センターに通い始めると、同じくらいの子供を連れたママが何人かいて少しずつ話すようになり、ママ友が増えていきました。今でも小学校での悩みなど、なんでも打ち明け合う仲になっています。
育児ノイローゼの相談先2:地域の保健センター
赤ちゃんの健診や両親学級、乳児家庭全戸訪問事業(こんにちは赤ちゃん事業)などで、ママの多くは地域の保健センターの保健師と話したことがあるでしょう。保健センターは基本的に市町村ごとに設置されています。母子保健をはじめ、成人・老人保健や予防接種などのサービスを提供しており、子育ての支援相談の役割も担っています。
保健センターの保健師は毎日多くの赤ちゃんとママに接しているため、ママの健康や赤ちゃんの発達など母子の悩みに広く対応してくれます。近くの保健センターは自治体のホームページなどで確認できます。
東京23区の保健センター一覧(東京都福祉保健局)
育児ノイローゼの相談先3:近くの保育園
保育園に通う子供が増える一方で、家庭で育児をするママのなかには「プロに見てもらえないと不安になる」との声もあります。保育園のなかには、地域の子育てを支援する「地域子育て支援拠点事業」を担っている園も多くあります。平成30年度時点では、全国で2500園以上の保育園が「地域子育て支援拠点事業」を実施しています。
こうした保育園では、子育て支援センターを併設したり、地域の親子を対象とした保育(出張ひろば)を実施したりしています。臨床心理士や専門家を保育園に招いて子育て支援を行う園もあります。普段からこうした支援を利用していれば、ママの不調やイライラも相談しやすいでしょう。地域子育て支援拠点事業を実施して保育園について、自治体のホームページなどで調べたり、近隣の園に問い合わせたりしてください。
育児ノイローゼの相談先4:児童相談所
児童相談所は虐待に関する通告や相談を受け付けているだけでなく、18歳未満の子供に関するさまざまな相談を受け付けています。また、虐待かもと思ったら全国共通の虐待相談ダイヤル「189」を利用しましょう。通話料無料で、最寄りの児童相談所につながります。児童相談所への相談はハードルが高いと感じるかもしれませんが、相談は匿名で行うこともできて子育ての専門家とつながりやすいメリットがあります。
育児ノイローゼの相談先5:日本助産師会の子育て・女性健康支援センター
助産師の日本助産師会では、全国47ヶ所の「子育て・女性健康支援センター」で、育児や女性の健康についての相談事業を行っています。曜日や時間帯が限られることもありますが、助産師に直接相談できる場合もあります。育児がうまくいかないと、育児ノイローゼは助長されます。子供のこととママ自身のことを一度に相談できるのは、ありがたいですね。
筆者の子育てイライラ体験
筆者自身も、重症化こそしませんでしたが、上記の症状に該当するようなイライラややる気の低下などに覚えがあります。そして、出産前にはなかったような自分の状態に、正直戸惑いも感じました。
子育ての孤独さを感じ、「何とかしなければ」と始めたのが、SNSへの投稿でした。自ら発信することは得意ではありませんでしたが、子供の些細な日常をSNS上で書くようになりました。
子供を産んでからあまりにも社会との繋がりがなくなってしまったため、ただただ誰かと繋がりがほしかったのだと思います。でも、それによって「わかる!」「私もそう!」という言葉にたくさん救われました。
まとめ:子育てがつらい時は誰かに相談して
「育児ノイローゼ」は病名ではなくあくまで総称であり、原因や症状は人によってさまざまです。上記のほかにもたくさんの症状が考えられるので、「いつもと違うな」と自身の違和感を見逃さないようにしましょう。「つらい、苦しい」と感じたら、迷わず誰かに相談してください。愚痴を話すだけでもいいので、自分以外の誰かと共有してみましょう。
それでもつらい状態が解消されず長く続くようであれば、心療内科の受診も検討しましょう。育児ノイローゼは恥ずかしいことでもママが未熟なわけでもなく、誰にでも起こることです。重症化すると虐待につながる、生きることがつらくなってしまうなど、悲しい事態に発展する可能性もあるため、おかしいと感じたら早めに対処することが重要になります。
ママが笑顔でいることが子供にとって一番大事なことです。1人で抱え込まずに、日々少しずつ息抜きしながら、周りに頼りながら、自分と子供にとってベストな子育てのスタイルを探してみてください。