【医師監修】職場への赤ちゃんの妊娠報告はいつ? 妊娠報告の手順や例文を知りたい!
目次
仕事を休みたい、担務変更したい、時差通勤したいときは?
法律では、妊婦さんにさまざまな権利が保障されています。事業主(会社)は働く妊婦さんから直接申し出があった場合は必要な措置を講じねばなりません。パートなど有期契約労働者にも適用されます。仕事を休むだけでく、時短勤務、担務変更、時差通勤、休憩時間や健診時間の確保など、元気な妊婦さんも対象です。大事をとりたいママは、上司に相談してみて。
職場に配慮を言いづらいときの「母健連絡カード」
「それでも、やっぱり言いづらい…」。そんな人は、産院に「母健連絡カード(母性健康管理指導事項連絡カード)」を発行してもらいましょう。医師や助産師から会社に対して、妊婦さんの健康状態の説明とともに「職場ではこういう措置をとってください」という指示が書かれた書面です。診断書と同等の公的書類として取り扱われ、診断書より発行料が比較的安く設定されています。つわり、むくみなどの妊娠に伴う特別な健康状態で病名がつかない場合でも発行してもらえます。産院に気軽に相談して。カードは、母子健康手帳に付いていたり、自治体の母子健康担当課などで入手できます。書式を準備している産院もあります。
診断書と母健連絡カードの違い
母健連絡カード | 診断書 | |
---|---|---|
目的 | 健康状態の証明と妊娠中・産後の労働環境の改善 | 診断内容・治療内容の証明 |
発行 | 病気の時や妊娠に伴う特別な健康状態について医師が必要と判断すれば発行できるつわり・むくみ・腰痛・痔など16項目 | 「妊娠悪阻」「切迫流産」など、病名がつく妊婦さんにしか発行できない |
料金 | 診断書より安い | 母健連絡カードより高い |
有効期間 | 1・2・4週間・その他と期間を選択する通勤緩和・休憩など妊娠期間通じて可能なものも | 治療に必要な期間 |
医師の負担 | 医師がマルをつけるだけで書きやすい | 医師にとって書く項目が多く負担 |
妊婦がしないほうがいい仕事は? 力仕事はダメ?
元気な妊婦さんでも、妊娠中は避けたほうがいい仕事があります。例えば、重いものを持つ力仕事は、腰痛の出現やおなかが張りやすくなり、切迫流産・切迫早産のリスクが高くなったり、転倒のリスクもあるので避けましょう。妊婦さんが避けたほうがいい「負担が大きい作業」として、厚生労働省は以下の基準を示しています。
負担が大きい作業
- 重量物を取り扱う作業
- 外勤等連続的歩行を強制される作業
- 常時、全身の運動を伴う作業
- 頻繁に階段の昇降を伴う作業
- 腹部を圧迫するなど不自然な姿勢を強制される作業
- 全身の振動を伴う作業 等
継続作業6~8㎏以上
断続作業10㎏以上
赤ちゃんの妊娠を理由に退職や異動を迫られたら?
妊娠を報告したり、配慮をお願いするとき、「マタハラを受けたらどうしよう…」と不安になるかもしれません。でも大丈夫。妊娠・出産を理由に解雇したり、退職や配置転換を強要することは、労働基準法、男女雇用機会均等法により禁止されています。ママは、法律や制度で守られています。妊娠=退職が慣例の職場でも、上司に自分の意志を伝えましょう。
労務担当や労働局に相談を
退職や配置転換を強要される場合は、まずは会社の労務担当に。それでもダメなら各都道府県の労働局へ相談しましょう。会社の就業規則や社会人としてのマナーは守りながら、泣き寝入りしないで、自分の意思をしっかりと伝えましょう。
夫も職場に妊娠報告する?
職場への妊娠報告が必要なのは、ママだけではありません。妊娠中は、パパのサポートも大切です。家事をするために早く帰る、健診に付き添うために半休をとる、さらにパパが育児休暇を希望する場合は、パパも早めの報告が必要です。また、ママのつわりがひどくサポートが必要だったり、第二子で送り迎えが必要な場合などは、上司だけでも早めに伝えてしておくといいでしょう。
まとめ
妊娠報告のベストタイミングは、職場環境やママの経過によってもさまざま。上司や同僚を気づかうなら妊娠初期がおすすめですが、安定期を選択をするママもいるでしょう。いずれにしても、社会人としての責任が試されるとき。産休に入るまで、または退職するまでに、今できる範囲で務め、気持ちの良い引継ぎができるようにしたいですね。
取材・文/大部陽子