ジュニアNISAとは? NISAとの違いやジュニアNISAのメリットデメリット、学資保険との違いを解説
目次
ジュニアNISAは2023年に廃止へ
2024年の少額投資非課税制度(NISA)改正に伴い、ジュニアNISAは廃止されます。2019年9月末の時点でジュニアNISAの口座は34万口座・一般のNISAは1170万口座と大きく差が開き、「利用実績が乏しい」と判断されたのが主な原因です。
ジュニアNISAは2023年12月末に終了するため、以降は新たな買い付けができません。ただし2023年の時点で20歳になっていない子供は、終了した金融商品を継続管理勘定にロールオーバー(移管)できます。継続管理勘定に移管後は、20歳になるまで金融商品を非課税で保有できるので心配はありません。ロールオーバーできる金額に上限はなく、80万円を超えた場合でも全て継続管理勘定に移管できます。管理勘定への移管は悪いことではなく、始めたタイミングによっては最大で20年間も非課税で運用ができます。ジュニアNISA最大のメリットといえるでしょう。ただし売却はできるものの、新たな買い付けができません。
ジュニアNISAと学資保険はどっちを選ぶべき?
子供の将来への蓄えとして、学資保険とジュニアNISAで迷っているパパママもいるでしょう。どちらも将来お金を受け取る意味では同じですが、学資保険とジュニアNISAでは仕組みが根本的に違います。まずは違いを理解した上で、ジュニアNISAが向いている家庭と向いていない家庭を解説していきます。
ジュニアNISAと学資保険の違い
ジュニアNISA | 学資保険 | |
収益性 | 高い | 低い |
安全性 | 低い | 高い |
途中解約 | 原則18歳まではできない。解約した場合は、さかのぼって課税がされる。 | 可能。ただし返戻率によっては、元本割れのリスクがある。 |
税金 | 投資による収益が5年間非課税になる。 | 課税対象となるが、控除内で納まればかからない。 |
特徴 | ・口座名義は子供で開設し、保護者が管理を行う。 ・贈与税の控除内で子供に財産を残せる。 |
・契約者(パパママなど)が死亡・障害を負うなど万が一の場合に保険料の支払いが免除される。 ・子供の死亡保障や医療保障などを特約でつけられる。 ・保険料が控除対象になる。 |
ジュニアNISAの大きな特徴は、「高い収益性が期待できること」でしょう。ジュニアNISAで開設した口座で株や投資信託の取引を行い、得た収益は非課税となるため、すべて自分の利益になります。そのため、上手く運用すれば手元のお金を大きく増やすことができます。ただし、運用資金が元本を下回ってしまう可能性もゼロではありません。投資である以上、リスクもあると覚えておきましょう。
一方で、学資保険は運用面では安全性が高いといえます。学資保険は契約時に決めた掛け金を一定期間支払うことで、満期にお金が受け取れる仕組みです。返戻率が100%を超えている商品を選べば、満期に掛け金以上のお金が受け取れることがほぼ確定しています。将来の計画が立てやすいのもポイント。ジュニアNISAのように運用する必要もないため、安心活かつ確実性を求めたい家庭におすすめです。
ジュニアNISAが向いている家庭・向いていない家庭
ジュニアNISAに向いているのは、資産に余裕がある家庭です。ジュニアNISAは資産の運用状況によって大きく増える可能性もありますが、逆に元本割れし減ってしまう危険性も秘めています。また、子供が18歳になるまで原則お金の引き出しができません。そのため、18歳の引き出しのタイミングまで生活が難しい家庭や、元本割れした時に補填できない家庭はジュニアNISAを学資保険の代わりにするのは向かないでしょう。
最低限子供の将来の資金が用意でき、さらに余剰金を増やしたいと考えている家庭は、ジュニアNISAが向いています。一方、学費としてまとまった金額を計画的に受け取りたい家庭や、投資がよく分からない家庭にジュニアNISAは向いていません。ジュニアNISAで元金を増やすためには、自分で資産を運用しなけれなりません。そもそも投資をやったことのないパパママには不向きです。また、学資保険は満期がくればまとまったお金を受け取れます。大きく増えなくても、安全性を優先したいと考えている家庭は、ジュニアNISAより学資保険を選ぶのがよいでしょう。
ジュニアNISAを活用するなら早めに!
ジュニアNISAはあくまで投資であるため、リスクは避けられません。しかし、ポイントを理解して運用すれば、学資保険よりも受け取る金額を増やすことも可能です。学資保険と悩むところですが、受け取れるお金やリスクが異なるため、家庭の状況に合わせて決めるのがよいでしょう。ジュニアNISAの制度は2023年で終わってしまうため、始めるなら早いほうがいいのも事実です。対象になる子供がいる家庭は、今一度検討してみるのもよいでしょう。